はじめに
カメラなしのスマートグラスとして注目を集めている Even Realities G2 と、その操作デバイスである Even R1 (スマートリング) を入手したので、数時間使ってみた率直な感想をまとめます。
YouTubeやレビュー記事では総じて高評価のこの組み合わせですが、実際に触ってみると「もう少し成熟してから本格運用したいな」と感じる部分も多くありました。購入を検討している方の参考になれば幸いです。
なお、本記事は購入直後時点(2026年05月09日)の短時間使用に基づく所感を記載しています。今後のファームウェアアップデート等で改善される可能性は十分にある点をご留意ください。
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| Even G2 (本体) | Even R1 (スマートリング) |
製品概要
- Even G2: マイクロLEDプロジェクタとウェーブガイドによる単色(緑)ディスプレイを搭載したスマートグラス。カメラ・スピーカー非搭載で、見た目は一般的なメガネに近い
- Even R1: G2を操作するためのセラミック製スマートリング。歩数や睡眠などのヘルストラッキング機能も併せ持つ
- 接続: スマートフォンアプリ(iOS/Android)経由で各種機能を利用
良かった点
通知の見やすさ
視界の端に控えめに表示される通知は、確かに快適です。スマホを取り出さずに内容を確認できるのは想像以上に便利でした。多くのレビューで「通知が一番のメリット」と言われている理由はよくわかります。
リアルタイム翻訳(英語から日本語)
短時間試した範囲では、翻訳の応答速度・精度ともに実用レベル。海外旅行などでの活用は十分期待できそうです。
装着感の良さ
フレームは軽量で、数時間かけても違和感はほぼなし。一般的なメガネと変わらない感覚で使えます。
バッテリー持続時間
公称通りしっかり持ちます。1日中つけていてもバッテリー切れの心配はあまり感じませんでした。
リングによるハンズフリー操作
メガネのフレームに触れずにリングだけで操作できる点は、見た目的にも自然で良い体験です。
気になった点
ここからは率直に「うーん」と感じた部分です。期待値が高かった分、辛口になっていることはご容赦ください。
UIのカスタマイズ性が乏しい
ダッシュボードに表示される情報(ニュース、株価、カレンダー、タスク、活動量など)が固定で、並び替えや非表示の設定ができません。
例えば株価情報は、必要な人もいれば全く不要な人もいるはず。こうした基本的なカスタマイズができないのは、もったいないなと感じました。
操作ジェスチャーの割り当てが固定
- タップ: 選択
- ダブルタップ: キャンセル/戻る
- 長押し: サブメニュー表示
- スワイプ: スクロール
これらの操作の割り当てが変更できません。特にサブメニューの呼び出しが長押し固定なのは、使用頻度を考えるとショートカットがほしいところです。
誤操作が起きやすい
リングのスワイプ、シングルタップ、ダブルタップの判定が微妙で、意図しない操作が頻発します。クリック感のある物理ボタンの方がいいのでは、と思えるレベルでした。
Even AIの挙動が安定しない
- 単発会話モード: 「継続的な待ち受け」設定がオフ(デフォルト)の場合、単発会話モードになります。毎回ウェイクワード(「Hey Even」)を発話する必要があり、連続して使うには煩雑です。
- 継続会話モード: 「継続的な待ち受け」設定をオンにすると継続会話モードになります。Even AIは、利用者本人の音声と周囲の音声の区別が苦手らしく、テレビの音声などにも反応して延々と応答し続けてしまうことがあります
- AI経由のナビ起動: 経路説明だけで完了してしまったり、起動自体に失敗することが多い(体感的な成功率はかなり低いです)
ナビゲーション機能の課題
- 「マップを読み込み中」のまま表示されない事象が高頻度で発生
- 目的地を事前にアプリで登録する必要があり、思い立ったときにすぐ使う、という用途には向かない
- 独自の地図データを使っているようで、精度面でも一般的な地図アプリに劣る
リングの細かい使い勝手
- 充電時のリングの向きが分かりにくい(向きを間違えると充電できない)
- 充電中のインジケータランプが消えてしまい、充電できているかが視認しづらい
全体的なレスポンス
仕組み上、スマホアプリで処理した内容をグラス側に表示する構造のため、操作全体に若干のもっさり感があります。フラッグシップ級のAndroid端末でもこの体感なので、ミドルレンジ以下のスマホでは厳しいかもしれません。
サードパーティプラグインの状況
- 現時点で公開されているプラグインの数は少なめ
- 業務利用したくなるような連携(例: Microsoft To Do などの主要サービス)はまだ揃っていない
- 開発ツールキット側に制約があるのかな、と推測される作りのものが多い
期待している点
ネガティブな話が続きましたが、ポテンシャルは間違いなく感じています。
特に注目しているのが、開発環境が用意されており、プラグイン開発ができる点 です。これがうまく機能すれば、現状のUI/UXの課題を自分たちで解決していく余地が大きく広がります。
要するに「現時点の標準体験は粗削りだけど、自分でカスタマイズする道は開かれている」というスタンス。エンジニアとしてはむしろ楽しめる素材かもしれません。
まとめ
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 装着感・デザイン | 良好 |
| バッテリー | 良好 |
| 通知機能 | 良好 |
| 翻訳機能 | 期待できる |
| AI機能の完成度 | 改善余地あり |
| ナビ機能 | 改善余地あり |
| UI/操作のカスタマイズ性 | 改善余地あり |
| プラグインエコシステム | これから |
| 開発者向け拡張性 | 期待できる |
現時点では「完成された製品」というより「これから育っていくプラットフォーム」という印象です。アーリーアダプター気質があり、不便さも含めて楽しめる人にはおすすめできます。一方で、買ってすぐ完璧な体験を求める方には、もう少し成熟を待ってからの購入も選択肢かと思います。
個人的には、独自プラグイン開発に興味があるので、しばらくは「課題を見つけて遊ぶ素材」として付き合っていく予定です。アップデート後の変化も追ってまたまとめたいと思います。
購入を検討している方へ
- カメラ・スピーカー非搭載なので、写真撮影や音声出力が目的なら他製品の検討を
- スマホ依存度が高い構造なので、母艦となるスマホのスペックは重要
- 日本語環境での利用は、英語環境より制約が出る場面があることに留意
今後の進化に期待しつつ、引き続き使い込んでいきたいと思います。

