AIに長い資料を読ませる仕事は、これまで費用がかさみやすかった。渡す文章が長いほど、料金が積み上がるからだ。中国のDeepSeekが公開した新しいAI「DeepSeek-V4.1-Flash」は、この「読む」作業を安く済ませる作りになっている。中身のデータも無料で配られている。
ひとことで言うと、長い文章をたくさん読ませても安く、自分の場所にも置けるAIが増えた、という話だ。
目次
- 読む係と書く係を分けた
- 入力0.15ドルの中身
- 重みは無料、置き場所を選べる
読む係と書く係を分けた
9月10日に出たこのモデルは、全体では大きい。部品(パラメータ)の数は5520億もある。公式によると45兆トークンで一から学習したという。ところが一度に動くのはごく一部だけだ。文章を読むときは80億ぶん、答えを書くときは160億ぶんしか使わない。
必要な一部だけを動かすこの仕組みを、MoE(混合エキスパート、たくさんの専門家から一部だけ呼ぶ方式)と呼ぶ。ポイントは、読むときの担当をとりわけ小さくしたところだ。
これまで: 長文を読む → 頭をぜんぶ使う → お金が重い
今回: 長文を読む → 読む係(軽い)だけ動く → お金が軽い
「頭をぜんぶ」はAI全体、「読む係」は読むときだけ動く小さな部分を指す。矢印は処理の流れだ。読むときに動く部分を小さくしたので、長い資料を渡しても安く済む。
入力0.15ドルの中身 💰
料金にもこの設計が出ている。トークン(文章を細かく区切った単位)100万個あたりの値段はこうだ。
| 処理 | 100万トークンあたり |
|---|---|
| 読む(入力) | 0.15ドル |
| 書く(出力) | 0.60ドル |
読む側が書く側の4分の1で済む。1ドル150円なら、入力100万トークンで20円ほどだ。これは一番安い時間帯の値段で、混む時間帯は倍になる。一度読んだ内容を使い回すときはさらに安く、0.003ドルまで下がる(価格は公式ページによる)。
入れられる文章は最大100万トークンまで。分厚い本を何冊ぶんもまとめて渡せる量だ。画像も読める。長い資料をまとめて扱う仕事では、この安さと容量はそのまま効いてくる。
重みは無料、置き場所を選べる 📦
もう一つの目玉は、モデルの中身(重み)がMITライセンスで公開されたことだ。オープンウェイト(中身を無料で配ること)なので、商用でも自由に使える。
公式のモデルカードによると、重みはHugging Faceからダウンロードできる。サイズを小さくすれば手元のPCでも動かせるという。ブラウザで試せるHuggingChatからも触れる。ただしモデル自体が大きいので、手元で動かすなら相応のマシンは要る。
自分のサーバーに置けるという点は、実務では料金の安さと同じくらい大きい。データを社外に出せない案件は多く、そこでクラウド越しのAIを使えないと詰まりがちだからだ。読む処理を軽くした設計と、置き場所を選べる自由。この二つがそろった意味は小さくない。
今日覚えること ✅
- このAIは「読む」処理を軽くする設計で、長文をたくさん読ませても入力は安い。
- 中身が無料公開(MIT)なので、クラウドにも手元にも置ける。
- 触るなら、まず下のモデルページで使い方と料金を見てみるとよい。
参考: DeepSeek API 更新履歴 / 料金ページ
※本記事は一次情報の調査をAIが行い、事実確認のうえ執筆・公開しています。