Googleは昔、ある実験をしました。「良い上司とは何か」をデータで確かめたのです。この手法はいま「ピープルアナリティクス」と呼ばれます。働く人に関する疑問を、データで答える技術です。2025年には、この手法がAIと急速に組み始めました。うれしいのは、上司選びや評価の理由がはっきりする点です。この記事は、その始まりと今の新しさを説明します。
目次
- 昔の管理と何が違うのか
- 手法はどう進化したか
- いま何が新しいのか(2025年)
- 自分にどう関係するか
昔の管理と何が違うのか
昔の管理は、勘と経験が中心でした。「あの人は良い上司だ」と言っても、根拠はあいまいでした。Googleはここを変えました。2009年に始めた社内調査が「Project Oxygen」です。上司の良し悪しを、数字で測ろうとしました。
やり方はこうです。データを集めて、良い上司と成果の関係を探します。関係が見えたら、研修に反映します。そしてまた測ります。この繰り返しが手法の中心です。
分析には、社員アンケートや評価、退職者の声を使いました。すると、良い上司に共通する行動が見つかりました。当時は8つです(HBR, 2013)。たとえば「良いコーチ」「細かく口を出さない」「キャリアの後押し」などです。
手法はどう進化したか
Googleは分析を続けました。2018年には、行動を8つから10に増やしました。「部署をこえて協力する」「はっきり決める」が加わりました。10個のほうが、離職や成果をより正しく予測できたそうです(Google re:Work)。
ここが「新しさ」の一つ目です。一度作った基準を、データで測り直して更新しました。作りっぱなしにしない、という発想です。
昔の管理: 勘と経験 → 上司を評価 → 根拠があいまい
Googleの手法: データを集める → 良い行動を発見 → 研修に反映 → また測る
いま(2025): その分析を AI が補助 → 一部は自動で提案
上の図は、管理のやり方の変化です。上から下へ新しくなります。左の言葉が「時代」、右の矢印が「手順」です。下に行くほど、人の勘からデータとAIへ移ります。
いま何が新しいのか(2025年)
大きな動きはAIとの合流です。人の代わりにAIが大量のデータを読み、傾向を示します。ある調査では、この職種の求人が変わりました。約5件に1件がAIや機械学習の技術を求めています(Revelio Labs, 2025)。機械学習とは、データからパターンを自動で見つける技術です。
さらに、提案だけでなく一部を自動で動かす動きも出ています。ただし、どこまで任せるかは各社で試行錯誤の段階です。これは各社の現状で、確定した標準ではありません。
自分にどう関係するか
働く人なら、あなたへの評価も同じ流れの中にあります。上司選びや配置に、データやAIが使われ始めています。仕組みを知っておくと、結果を読み解きやすくなります。エンジニアでなくても関係する話です。
出典
- David A. Garvin「How Google sold its engineers on management」HBR, 2013: https://hbr.org/2013/12/how-google-sold-its-engineers-on-management
- Google re:Work「Following the data: The research behind great managers」: https://rework.withgoogle.com/intl/en/guides/following-the-data-the-research-behind-great-managers
- Revelio Labs「People analytics teams are scaling through AI, not headcount」2025: https://www.reveliolabs.com/news/business/people-analytics-teams-are-scaling-through-ai-not-headcount
今日覚えること
- 良い上司の条件も、データで測って更新できる。
- Googleの手法(Project Oxygen)は8→10行動に進化した。
- いまはAIと合流し、評価や配置にも広がっている。