はじめに:ServiceNowの隠し機能を知っていますか?
ServiceNowのポータルで、存在しないページにアクセスした時(404エラー)、実はこっそりと 「ブロック崩しゲーム(Breakout)」 が遊べることをご存知でしょうか?
これは古くからある有名な表示で、ServiceNowの開発者なら一度は目にしたことがあるかもしれません。「エラー画面でもユーザーを退屈させない」という、開発者の遊び心が詰まった機能です。
2026年を目前に控えた今、ふと思いました。
「この伝説のレトロゲームを、最新のAI機能『Build Agent』の力で現代風にリニューアル(Renewal)したらどうなるだろう?」
今回は、ServiceNow Developer Communityで開催中の「#BuildWithBuildAgent Challenge」への参加企画として、この404ゲームを「データ駆動型・現代版アプリ」として再構築した過程を共有します。
1. リニューアルのコンセプト
オリジナルの隠し機能に敬意を表しつつ、単なるコピーではなく、ServiceNowのプラットフォーム機能をフル活用した 「モダンアプリケーション」 へと進化させます。
- UI/UXの刷新: クラシックなデザインから、"2025年"を意識したサイバーパンク/ネオン風のデザインへ。
- データ永続化 (Data Persistence): オリジナルは遊んで終わりですが、今回はスコアをServiceNowのテーブルに保存します。
- 可視化 (Visualization): 保存したデータを元に、ダッシュボードでランキングや統計を表示します。
つまり、「ただのJSゲーム」から「バックエンドを持つ本格的なServiceNowアプリ」への進化です。これを、AI(Build Agent)との対話だけで実現します。
2. 環境準備
まずは開発環境の準備です。
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PDI (Personal Developer Instance) の用意:
最新バージョン(Xanadu以降推奨)のインスタンスを用意します。 -
プラグイン確認:
Build Agent (Trial)がインストールされていることをApplication Managerで確認します。

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ServiceNow IDE:
ブラウザ上で動作するVS CodeベースのIDEを開き、新規プロジェクトを作成します。
3. AI (Build Agent) との対話開発
ここからが本番です。ServiceNow IDE上のBuild Agentパネルで、リニューアルの要件を伝えます。
ポイントは、「ゲームを作って」だけでなく、「404ページを進化させ、データを記録する」というデータモデルへの言及を行うことです。
Prompt:
"I want to modernize the classic ServiceNow 404 breakout game. Create a scoped app called 'Breakout 2025'.
It needs a futuristic UI, and crucially, it must save game results (score, level, user) to a custom table so we can track high scores on a dashboard. Finally, create a dashboard to visualize the stats."
Build Agentは即座に意図を理解し、以下のプランを提案・実行してくれました。
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Scope作成: アプリケーションスコープ
x_snc_breakout_2025の定義 -
テーブル作成: プレイログを保存する
Game Resultsテーブルの構築 - UI構築: HTML5 Canvasを使ったゲームロジック(UI Page/Script)
- 権限設定: ACLの設定など
驚くべきは、ゲームのロジック(フロントエンド)だけでなく、スコアを保存するためのサーバーサイドスクリプトやテーブル定義(バックエンド)まで一気通貫で生成してくれる点です。
4. 完成! Breakout 2025
Build Agentとの数回のやり取りで完成したアプリケーションがこちらです。
① 404ページ (ゲーム画面)
「Oops! The page you're looking for seems to have broken away...」
エラーメッセージと共に表示されるのは、ネオンカラーが輝く 「BREAKOUT 2025」 です。
オリジナルの懐かしさを残しつつ、リッチなUIに生まれ変わりました。
② データ保存 (テーブル)
ここが最大のリニューアルポイントです。
ゲームオーバーになると、バックグラウンドで非同期通信が走り、スコア・到達レベル・ユーザー情報・プレイ時間がカスタムテーブルにレコードとして自動保存されます。
もはや単なる「暇つぶし」ではありません。立派な業務(?)記録です。
③ ダッシュボード (可視化)
蓄積されたデータは即座にダッシュボードへ反映されます。
「High Scores」や「Total Games」が表示され、 「誰が真のCodeMasterなのか」 がリアルタイムで分かります。
5. まとめ:レガシーな遊び心を、最新技術で継承する
今回、Build Agentを使用してみて感じたメリットは以下の通りです。
- フルスタック開発の民主化: Canvas描画のようなフロントエンド技術と、ServiceNow特有のデータ保存・可視化を一人の開発者(とAI)で瞬時に実装できました。
- 創造性の解放: 「404ページをゲームにする」といった遊び心のあるアイデアを、面倒なコーディング作業に忙殺されることなく、すぐに動く形にできました。
昔からある「404の遊び心」を、最新のAI技術で「レコード保存・分析」までできるアプリへと昇華させる。
そんな 「温故知新」な開発体験 ができるのも、Build Agentの大きな魅力です。
皆さんもぜひ、身近なアイデアや懐かしい機能を、Build Agentでリメイクしてみてください!












