昨日(2025/08/20)、Microsoftはデスクトップ版Excelに「=COPILOT()」関数を導入開始しました。
これにより、これまでにない使い方が可能になりました。
従来のCopilot in Excelとは異なり、数式内で直接AIを呼び出せるという点がかなり大きいと感じます。
以下に、今までできなかったり、学習ハードルが高く、難しかったことが簡単にできるようになった例をまとめます。
1. 自然言語での複雑な条件分析
例えば、膨大な売上データの中から、「今月、特に優秀な成績を収めた取引」をリストアップしたい、といった状況のとき、
従来は複雑なIF関数やネストした関数を手動で作成する必要がありました。
=IF(AND(MONTH(A2)=MONTH(TODAY()), B2="電子機器", C2>AVERAGE(C:C)), "優良", "")
しかし、COPILOT関数なら、
=COPILOT("A列の日付が今月で、B列の商品カテゴリが'電子機器'で、C列の売上が平均値以上の場合、'優良'と表示して")
このように自然言語で複雑な条件を指定できます。
2. データ分析&洞察の抽出
例えば、ECサイトの売上データが数万行あるとします。
この中から売上の急増や急減といった「異常値」を見つけ出し、その原因を探りたいとします。
まずデータをグラフ化して目で確認したり、統計関数を使って標準偏差を計算したりと、データ分析の専門的な知識と多くの手順が必要でした。
しかし、今は一つの関数で完結できます。
=COPILOT("このデータの売上トレンドを分析して異常値を特定して")
簡単ですね!
3. 既存関数との柔軟な組み合わせ
COPILOT関数の大きな特徴は、既存のExcel関数と組み合わせて使えることです。これがチャット型のCopilotと異なる点ですね。
=SUM(COPILOT("条件に合うデータのみを抽出"))
他の数式の結果をプロンプトの一部として使用することも可能です。
4. 複雑な文字列処理と変換
顧客リストの整理は、多くの人が頭を悩ませる作業でだと思います。
特に、手入力された住所データは「〇〇県」が抜けていたり、全角と半角が混在していたりと、表記がバラバラになりがちです。
こうしたデータを整形するには、MID関数で文字列の途中を抜き出し、FIND関数で特定の文字の位置を探し、SUBSTITUTE関数で不要な文字を置き換える…といった作業が必要でした。
こういった作業も、AIが文脈を理解し、面倒な文字列操作をすべて肩代わりしてくれます。
=COPILOT("A列の住所データから都道府県名だけを抽出し、標準的な形式に統一して")
従来のCopilot in Excelとの違い
もともとExcelには「Copilot in Excel」というAI機能があり、Excelの横に表示されるチャット画面を通じて、会話形式でデータ操作やグラフ作成を支援してくれました。
これは「操作のアシスタント」としての役割です。
今回、=COPILOT()関数により、Excelがよりプログラマブルなツールとして進化し、複雑なデータ処理を自然言語で記述できるようになったのが最大の革新点だと感じます。
利用するための必要条件
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1. Microsoft 365 Copilotライセンス
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月額30ドルのMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要です
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一般的なMicrosoft 365サブスクリプションだけでは利用できません
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2. Microsoft 365 Insiderプログラム参加
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ベータチャネルへの参加が必須です
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通常版のExcelでは現在利用できません
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3. 対応バージョン
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Windows/Mac向けデスクトップ版Excelが対象
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Web版やモバイル版では利用できません
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おわりに
GPT-5が登場してから、今まで鳴りを潜めていたCopilotがイキイキしていてとても嬉しい限りです。☺
今後の動向も追っていきます!
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