AWSでエンジニア人生が変わった?ソリューションアーキテクトの魅力と挑戦
業種を問わず、スタートアップからエンタープライズまでのあらゆる企業へクラウドサービスによる価値を提供するアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)。AWSでは、AWSのサービスの価値を顧客に伝え、ビジネスの課題を解決に導くための「ソリューションアーキテクト(SA)」というポジションが存在します。
ではこのソリューションアーキテクトというのは、一体どのような業務を行うのでしょうか。具体的な内容ややりがいについて、キャリアの違う3名のソリューションアーキテクトに集まっていただき、話を伺いました。
目次
「クラウドサービスにおいてゲームチェンジャーであること」からAWSに興味
問題の本質を明らかにし、価値を届ける「ソリューションアーキテクト」
AWSのカルチャーであるカスタマーオブセッションとは?
ソリューションアーキテクトにご応募ください
目次
「クラウドサービスにおいてゲームチェンジャーであること」からAWSに興味
――まずは皆さんのバックグラウンドと業務について知りたいので、転職前のお仕事やAWSに転職した理由、現在の仕事について教えてください。
吉田さん:以前は国内のゲーム会社のインフラエンジニアとして、MMORPGや社内インフラの設計・構築・運用に従事していました。その後、組み込みソフトウェア会社にてIoTプラットフォームの開発などを経験し、現職に至ります。
AWSのサービスについては、前職のIoTプラットフォームの開発で使用していたので知っていたのですが、自分が作ろうとしていたプロダクトとほぼ同じものがAWSのサービスとして世に出てきた、ということがあって深い関心を抱くようになりました。
AWSについて詳しく調べたり、実際に働いている知人の話を聞いたりするうちに「これはITの概念を変えるものだ、ただ事じゃないぞ」と確信しました。
そこから「AWSのサービスを使って、お客様と一緒に新しい価値のあるものを作り上げていきたい」と考えるようになったことが転職のきっかけです。現在はゲームエンターテインメント分野のお客様を担当しています。
志村さん:私は国内のWeb動画サービスを運営している会社で、データエンジニアとしてデータ分析やログ分析基盤の構築に従事していました。コードに触れながらも、マネージャーとして組織内でのデータ活用の推進も担当するようになりました。
それはそれで楽しかったのですが、Web動画サービスのユーザーのログデータの傾向はかなり偏っていたので、データアナリストとしてより幅広い業種のデータを扱ってみたいという思いが強くなっていきました。
私の実感では、2015年から2016年頃に企業のデータ分析環境がオンプレミスからクラウドに移行する潮目のような時期があったと記憶しているのですが、「オンプレミスだと構築に1年かかり、安定運用にはさらに時間を要するといった状況が、クラウドであれば3カ月で構築できる」といった事例を知り、AWSが事業としているクラウドサービスが大きな価値を持つ予感がありました。
クラウドサービスにおいて、AWSがゲームチェンジャーであること、また、自分がそこに身を置けば、さまざまな種類のデータを扱って、多様なお客様とやり取りできること、その2点がAWSに転職した理由です。AWSでは、アナリティクスや機械学習の領域を担当しています。
上原さん:大学卒業後、新卒で外資系ベンダーに就職し、SIerとしてクレジットカードシステムや航空系システムに携わりました。コードを書く機会はあまりなく、データベースやウェブサーバなど、ミドルウェアの構成検討や構築を担当しました。
前職で働いている間に会社組織が大きく変わり、自分自身も今後どういった方向で働きたいか考えるようになりました。プロジェクトマネージメントを担うのか、自分自身の技術力を追求していくのか2つの選択肢があるなら、自分は技術を追求したいと考えたので転職を決意しました。
AWSに興味を持ったのは、さまざまなシステムがクラウドに移行していく転換期に、それを身近で見られる立場にいたいと思ったことと、前職の優秀な先輩がAWSにすでに転職していたことがきっかけでした。
正直なところ、AWSは自分にとって技術的にレベルの高い会社だと感じていたのですが、「キャリアとして技術を追求するのであればAWSで」という気持ちも強く、ダメ元で思い切ってアプローチしてみたところ採用していただけました。
私は入社4カ月目なのですが、最初の約1年間はアソシエイトソリューションアーキテクトという立場で、ソリューションアーキテクトとして独り立ちするのを目指している段階です。先輩のサポートを受けながら、または先輩の仕事の一部に関わらせていただくという形で業務に携わっています。
問題の本質を明らかにし、価値を届ける「ソリューションアーキテクト」
――皆さん、バックグラウンドの違いはあれど、AWSのクラウドサービスに興味を持ったことがきっかけなんですね。AWSのエンジニアはソリューションアーキテクトという独特の呼び名のポジションになるそうですが、ソリューションアーキテクトとは、実際にどういったものなのでしょうか。
志村さん:ソリューションアーキテクトは、大別すると3つの役割に分かれています。一つ目はアカウント担当として、自分の担当するお客様とリレーションシップをしっかり築いて継続的に支援していく役割で、多くのソリューションアーキテクトがここに属しています。
二つ目は、個別のお客様の担当ではなく、どのお客様に対しても技術面で広く対応させていただく、テクニカルソリューションアーキテクトと呼ばれる役割です。
三つ目が、セキュリティやデータベース、DevOpsなど、それぞれの技術領域において高いスペシャリティを持ち、その技術領域の問題にアカウント担当と連携しながら対応していくレディネスソリューションアーキテクトと呼ばれる役割です。レディネスとは「次に備える」といったニュアンスで、私もそこに属しています。
お客様との距離や技術領域の異なるさまざまなソリューションアーキテクトが協働してお客様をサポートしていくのが、AWSにおけるソリューションアーキテクトのあり方です。
――AWSのソリューションアーキテクトは、専門領域やテクニカルスキルは違えど、お客様に価値を届けるためにフラットに協力する関係にあると考えていいのでしょうか。
志村さん:そうです。私たちのサービスの性質はいわゆる「売り切り」ではなく、導入後も新サービスや運用提案などといった形でリレーションが継続していきますから、スペシャリティを持ったソリューションアーキテクトも必要ですが、お客様と日々コミュニケーションを取りながら、より良いアーキテクチャーを一緒に考えていくアカウント担当のソリューションアーキテクトも必要です。
AWSのサービスを最適な形でお客様に利用してもらうためには、さまざまなソリューションアーキテクトの協力が欠かせません。
吉田さん:ソリューションアーキテクトの使命は3つあると考えています。一つはお客様の信頼に値するパートナーとして、お客様の課題を技術で解決することです。お客様のCxOと話す機会も多く、ビジネス戦略に沿ってどのようにAWSのサービスを活用していくかを踏まえて、「お客様の抱えている課題の本質は何か?」を明確にすることが重要です。
また、まだAWSを知らない方に知っていただくこと、すでに使われているお客様にもより良い提案をするといった、AWSそのもののを広めていくのも大きな使命です。最後が、AWSのサービス自体の質の向上です。お客様からのご意見をくみ取り、技術チームにフィードバックすることも日々の業務になります。
――実際に顧客の声から実現したサービスもあるのですか?
吉田さん:これがAWSの提供するサービスの面白いところなのですが、AWSのサービスはお客様からのご要望やフィードバックを元に応じて開発されたものも多くあります。「課題解決のために、お客様からこういったサービスが求められている」という情報を技術チームにフィードバックし、それを実現する。
そうして開発されたサービスが、その後、AWSのスタンダードなサービスとしてより多くのお客様に使われていく、というサイクルがあります。
常に新しい技術を取り入れてサービスを開発していくためにも、既存のサービス改善のためにも、お客様の抱えている課題に真摯に向き合うことが必要になってきます。
――ソリューションアーキテクトは「技術を売って終わり」の技術営業ではない、ということですね。
上原さん:「ソリューションアーキテクトはお客様の信頼されるパートナーである」というビジョンがAWSでは徹底的に共有されています。一例としては、お客様にとってコスト効率がより良くなるご提案をする、つまりお客様がAWSに支払うコストが下がった方が、ソリューションアーキテクトとして評価されるという一面があります。この考え方には、正直、驚きました。
――それはすごいですね!
AWSのカルチャーであるカスタマーオブセッションとは?
志村さん:AWSにはカスタマーオブセッションと呼ばれる「カスタマーを起点に考え行動する」という理念があるんです。このような理念はお飾りで済ます企業もあると思うんですが、本当にカルチャーとして浸透しているのには、私も入社当時、驚きました。
Customer Obsession(カスタマーオブセッション)
リーダーはカスタマーを起点に考え行動します。カスタマーから信頼を獲得し、維持していくために全力を尽くします。リーダーは競合に注意を払いますが、何よりもカスタマーを中心に考えることにこだわります。
※:参考「AWS カルチャー(Our Leadership Principles)」
吉田さん:AWSでは情報共有が盛んなのですが、それは経験や情報をお互いに共有し合うことで、お客様により良い価値を提供できるからなんですね。これもカスタマーオブセッションという理念があるからこそのカルチャーでしょう。
――AWSのソリューションアーキテクトに適した人材とは、カスタマーオブセッションを体現するような、実直に「お客様に対して最善をもたらす人」であり、また「新しい技術を通じてお客様に価値を提供することに喜びや楽しみを見出せる人」、と考えていいでしょうか。
吉田さん:そう考えていいと思います。私もそういった方と一緒に働きたいですね。
――最後に、このお仕事のやりがいと今後の展望について、それぞれ聞かせてください。
吉田さん:私は現在ゲーム分野のお客様を担当しているのですが、最近お客様が手がけたゲームのスタッフロールに私の名前を入れていただけたことがあって、それが嬉しかったですね。
志村さん:うらやましい! それはエンジニア冥利に尽きますね。
吉田さん:お客様に「パートナーとして認めていただいたんだ」という実感があって、格別の嬉しさがありました。今後も現場の最前線で技術に触れながら、AWSのテクノロジーによって日本のゲーム業界にイノベーションを起こしていきたいと思います。
志村さん:前職では取り扱うデータの分野が限定的でしたが、現職では取り扱うデータがさまざまで、アナリティクスや機械学習の領域を広げることができたと思います。これからもいろいろな業種のお客様のビジネスのために、どのようにデータを活用していくか突き詰めていきたいです。
また、現職では名だたるグローバル企業と日本にいながらコミュニケーションをしています。実際に海外出張や海外の同僚とのやり取りもあり、英語を使うことが多くなりましたから、英語のスキルアップにも励みたいですね。
上原さん:私は、社内のいろいろな分野のプロフェッショナルの方々から、多くのことを学ばせていただけているという点にやりがいを感じています。1を聞いて10を教えてくれる環境で、とても助かっています。
技術だけではなく、お客様への熱い思いや日本のITに対する情熱など、志やマインドといった部分でも、皆さんから刺激を受ける日々です。
吉田さん:ソリューションアーキテクトのあり方として、
「良質なアウトプットができる場所には、良質なインプットが集まる」
という考え方があります。
AWSからの最新のテクノロジー情報はもちろん、日々の活動で得られた知識や経験も周りに伝えることで、お客様の課題解決につながるような重要なヒントを得られるというメリットも生まれます。経験やノウハウを自発的にアウトプットするのはとても重要なのです。
上原さん:人前で話すのは逃げ腰だったのですが、今は自分が学んだことを社内外に伝えて、ゆくゆくはお客様にも活かしてもらいたいと思っています。だからこそ、自分の技術における専門分野を定めてしっかり学んでいきたいです。
――ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。3人の方いずれもが、「AWSのサービスに可能性を感じている」ということと、「ソリューションアーキテクトはお客様とともにある」という話をされていたのが、とても印象的でした。
それぞれの持ち味を活かした、「自分なりのソリューションアーキテクトとしてのキャリアを築いていく」という思いを持って、日々の業務に取り組んでいる姿が伝わってくる取材でした。
Solutions Architect Awakening Dayにご応募ください
当記事をご覧の方限定で、「Awakening Day」にご招待いたします。
「Awakening Day」とは「AWSの技術に興味があるけど、業務が忙しくなかなか学習するチャンスが無い……」という方にお越しいただきたい、人数限定のイベントです。日頃一線のエンジニアとしてご活躍の方にAWSに関するナレッジをお伝えするとともに、AWSソリューションアーキテクトの採用情報についてご紹介するイベントとなっております。
またとない機会となりますので、この機会をお見逃しなく。