チームで難題を突破する!7万人超パーソルグループのITを支えるエンジニアの葛藤とアプローチ
7万人超の従業員を抱えるパーソルグループ。パーソルクロステクノロジー株式会社(以下、パーソルクロステクノロジー)の「グループソリューション本部」は、グループの中枢を担うIT部門として、グループ各社の事業成長を技術面から支える重要な役割を果たしています。
例えば、ブラックボックスになってしまったパッケージシステムのリファクタリング、AWS基盤の技術的負債の解消、大量チケット対応が課題となっていたプロジェクトの安定化など、様々なプロジェクトが展開されています。今回お話を伺った3名のエンジニアからは、これまでの葛藤と課題に対するアプローチのエピソードが語られました。
「一人の力には限界がある」。このシンプルな真理を胸に、彼らはシステムや運用課題に対してどのように向き合い、チームで乗り越え成長とやりがいを見いだしてきたのでしょうか。じっくりと伺ってきました。
目次
プロフィール

グループソリューション本部 グループソリューションクロス開発部
プロダクトビジネスG

グループソリューション本部 コーポレートビジネスソリューション部
インフラサービスG

グループソリューション本部 リクルートメントチャネルソリューション部
SFA/CRMサービスG
一人の力には限界がある。仲間とお客さまとの協力がカギ
―― まずは、パーソルクロステクノロジーのグループソリューション本部について教えてください。
牛込:7万人以上の従業員を抱えるパーソルグループが、個人や社会へ提供する価値と責任を、ITのシステムで支え、成長を加速することを目指している組織です。よって、私たちの顧客はパーソルグループとなります。
グループソリューション本部では、「パーソルクロステクノロジー IT事業においてパーソルグループに対してのアカウンタビリティを発揮し、パーソルグループ、ならびにパーソルクロステクノロジーの中長期的な事業成長の為に洗練されたIT技術により、安定的×先進的なシステムの開発知見を広範囲に提供し続けること」をミッションに掲げています。
グループソリューション本部の中を見てみると、図にある通り、パーソルテンプスタッフ、パーソルキャリア、そしてパーソルホールディングスという主要3顧客を中心に、基幹システムやサイト系システムの開発~運用、保守など、役割ごとに7つの部署が配置されています。
どの組織も顧客との深い関係性を築いており、プロジェクトを通して顧客への貢献実感が得られることが特長です。
―― 皆さんが所属されているリクルートメントチャネルソリューション部、コーポレートビジネスソリューション部、そしてグループソリューションクロス開発部では、それぞれどのようなことをされているのでしょうか?
牛込:私が所属するリクルートメントチャネルソリューション部では、主にパーソルキャリア向けに、「doda」をはじめとするサイト系システムの開発〜運用・保守をワンストップで提供しています。扱うシステムは、基幹系から新技術を扱うSaaS製品まで様々ですが、それらの中でも私はSalesforceを使ったプロジェクトを担当しています。
桑折:グループソリューションクロス開発部は、パーソルグループ個社に向けて、システム開発を軸とする様々なサービスを展開しています。
牧野:コーポレートビジネスソリューション部では、パーソルホールディングス向けにシステムの開発〜運用・保守までをワンストップで提供しています。私が担当しているのは、AWSを使った基盤の保守です。
―― 各分野でご活躍されているのですね。ぜひ具体的なプロジェクト内容についても教えていただきたいです。まずは牛込さんから、これまで携わられた中でも印象に残っているプロジェクトについて教えてください。
牛込:印象的となると、我々エンジニアと顧客が手を取り合って大きな課題に対峙したプロジェクトになりますね。パーソルグループ内にはSalesforceというプロダクトに専門的に向き合う組織があり、私たちもそこに所属しています。
ある日「 Salesforceで作り込まれたシステムの安定稼働に力を貸してほしい 。」という相談がきっかけとなり他社ベンダーが担当していたそのシステムの保守・開発を引き継ぐことになりました。
実際に状況や中身を見てみると、これが非常に大変な状況で…。Salesforceの特性や推奨される機能の活用を十分に考慮せず、用途として適合しない形での実装・運用がなされていました。
―― なるほど、不適切な実装だったということですね…。
牛込:標準機能のベストプラクティスとは異なる構成となっており、結果として月末には稼働が不安定となり、業務に支障をきたすケースが続いていました。加えて、設計ドキュメントが整備されておらず、当時の開発経緯を把握しているメンバーもいなかったため、利用部門側でも「中で何が動いているのか分からない」といった、可視性の低い状態が続いていました。
そうした中でも、関係部門からは大規模な機能追加や改善への強い要望があったため、①ドキュメントの再整備、②開発・リリースフローの明確化、③リファクタリングに向けた段階的な計画の策定と3つの観点から体制整備を進めました。
ドキュメント整備に関しては、外部システム連携を含む全体像をまずは可視化した上で、月末に障害が起きるデータフローを特定して、要注意ポイントをあぶり出しました。開発とリリースフローの確立については、誰が責任を持ってリリースするか、受け入れ基準は何かなどをお客さまと合意して、標準化したプロセスを導入しました。さらに、大規模開発で触るゴールデンルートを確認し、お客さまが使っている業務フロー図に沿って解析していくことで、リファクタリング計画も策定していきました。
―― ドキュメントがない状態での全体把握は、大変だったのではないでしょうか?
牛込:そうですね。とにかく、周辺システムの担当者やお客さまにヒアリングして、可能な限り「絵に描く」ことに専念しました。俯瞰図が見えれば、「毎月ここで止まるのは、ここのバッチが原因だ」と絞り込めます。細かな仕様はソースを読めば何とかなるので、粒度のメリハリをつけて進めました。これらの取り組みを経て、最終的には、大規模開発に着手できるくらいに品質を上げられました。
―― 取り組みを経て、ご自身が得た教訓としては何が挙げられますか?
牛込:「一人の力には限界があるので、仲間とお客さまとの協力がカギ」、これに尽きます。システムが広範囲なら頭数は必須ですし、お客さまが業務知識を惜しみなく共有してくれなければギャップは埋まりません。私たち開発側とお客さまが同じテーブルで同じ図面を見ることの大切さを痛感しました。
「人と仕組み、両方を整える面白さ」を実感
―― 続いて牧野さんも、これまで携わられた中でも印象に残っているプロジェクトについて教えてください。
牧野:2023年の入社以来ずっと、パーソルグループ向けのAWS基盤「G-MAC※1」を提供するチームに所属しています。パーソルグループ向けのAWS基盤としては新しく「C-MACk※2(Co-managed AWS Cloud)」が稼働中で、そちらへのシステム移行も進んでいるのですが、私は以前からあるG-MAC の保守・改善を担当しています。当初は結構大変な状況でした。
※1・2:パーソルグループ内で提供されているAWSクラウド基盤
―― 当時はどのような状況だったのですか?
牧野:ちょうど私の入社直前に、それまで保守を担当していた外部ベンダーの契約終了が決まり、社内で保守を完結させる体制づくりが始まったタイミングでした。7月に私を含む新しいチームが立ち上がりましたが、AWS経験者と未経験者が混在し、メンバーの多くが在籍半年未満という状態で、知識の共有やキャッチアップが急務でした。
唯一のベテランはリーダーが中心となり、日々の課題に対処しながら体制を整えていく状態が続いていました。 また、サービス開始から5~6年が経過し、運用的にも技術的にも最適化の余地がうまれていました。
―― 大変な状況ですね…。
牧野:マネージャーからは「何とかしてくれ」と言われており、入社したばかりで会社のことや業務の進め方にも慣れていない中 、まずは リーダーの負荷軽減、基盤の見直し、それからチームの関係構築の3本柱で動いていきました。
リーダーの負荷軽減については、巻き取れるタスクを私が引き受けるようにしてきました。また、それと同時に「本当に社内でやるべきことは何か」を整理し、不要な手作業は自動化して、基盤運用の見直しも進めていきました。
―― チームの関係構築は、定量化しにくいが故に難しそうですね。
牧野:そうですね。当時もリモートワークが中心だったので、意識的に1on1や雑談を増やしました。対話を重ねるうちに少しずつ和気あいあいとした雰囲気となり、今では生産的な場として機能するようになっています。頑張った結果、昨年度の社内表彰でリーダーが「ベストパフォーマー賞」を受賞。チーム一丸で問題を乗り越えられたと感じています。「人と仕組み、両方を整える面白さ」を実感できましたね。
今後は、G-MAC のレガシーを整理しつつ、C-MAC へのスムーズな移行を支援したいです。またチームとしては「AWS 初心者でも育つ仕組み」を強化して、リーダーに頼らず自走できる体制を目指しています。
―― ありがとうございます。桑折さんが印象に残っているプロジェクトは何でしょうか?
桑折:私の場合、エンドユーザーであるスタッフと営業・キャリアコンサルタントがやりとりするようなプラットフォームシステムにおける、リアルタイムでチャットができる新機能の追加プロジェクトのトラブル対応が印象に残っています。
基幹システムの仕組みを採用することになり、リアルタイムに近い仕組みを取り入れたチャット機能を担当しました。3プロダクトを横断する複雑な構成に加え、UI設計の難易度も高く、特に担当プロダクトでは、もともと静的な情報表示を前提とした仕組みに対して、リアルタイム性を持たせたチャット風のUIを実現するという、技術的にチャレンジングな実装が求められました。
担当したプロダクトでは、開発当初から1週間に50~100件もの不具合チケットが上がる状態になっていました。
―― 1週間に50~100件!多いですね。まず何から着手したのですか?
桑折:バグ発見のスピードアップと、チケット解決の回転率向上。この2点に集中しました。前者についてはバグ報告を最小情報に絞るために、ユーザーによる原因調査や仮説立ては一旦なくして、「今こうなっている」「本来こうなってほしい」というシンプルな2点だけを書いて上げてもらう形にしました。
後者については、解決フローを超短縮するための体制を作りました。具体的には、「バグ報告 → 触れる開発者が即修正 → リーダー確認 → 顧客確認」をリアルタイムで回せる体制にして、リモート会議を開きっぱなしにしながら「これ直せそう?」「はい、プッシュします!」というように、その場で回すイメージで運用しました。
―― 暫定対応としては非常にアグレッシブな対応ですね。お客さまサイドはどのようなテンションだったのでしょうか?
桑折:非常に柔軟に協力していただきました。結果、3カ月遅れの危機を1カ月で収束できました。このプロジェクトを通じて、「挑戦することを恐れない」ことの大切さを、身をもって学びました。アイデア段階でも手を動かして見せると、想像以上に話が進む。そして気になることは遠慮なく突っ込む。今では他メンバーのコードでも「ここ、大丈夫?」とラフに声をかける習慣がつき、チーム全体の品質意識も上がってきたと感じています。
メンバーの前で「すごく困った姿」を見せることが、チーム活性化の肝
―― 仕事の中でエンジニアとしてのやりがいを感じる瞬間についても教えてください。
桑折:私はもともとパズルゲームが大好きで、プライベートでよくやっています。システム開発やトラブル対応はその延長線上にあるような感覚で、例えば自動化の仕組みを組んだり、フロントエンドの画面が自分の思った通りにピタッと動いたりしたときに、パズルが解けた時のような喜びを感じますね。試作したものが「それ良いね」と認められて世に出る瞬間は、本当に嬉しいです。
また、プロジェクトを進めていると、メンバー間で認識のズレが生じることはどうしてもあります。その時に自分が間に入ることでそのズレが解消され、コミュニケーションが円滑になったときにやりがいを感じます。特に、少し相性が良くないと感じていたメンバー同士がスムーズに連携できるようになった時は、大きな達成感がありますね。
牧野:私は、目の前にある「壁」を乗り越えるのが一番のやりがいです。ミッションの難易度が高ければ高いほど、それを乗り越えた時の喜びは大きいですね。私はインフラの保守運用を10年ほど携わってきました。経験上どんなシステムでも運用中にさまざまな障害が起こるものです。そういった意味でも、常に「壁」と向き合ってきた感覚です。
―― 障害対応というと、プレッシャーも大きいのではないでしょうか?
牧野:もちろん、大きいです。ただ、お客さまの事業への影響度次第で、自分のモチベーションも変わってきます。お客さまの事業影響が大きく、他の色々を差し置いても早期に解決することで大きな貢献が見込める。そんな課題ほど、モチベーションが上がりますね。結局、そのような課題は丁寧なコミュニケーションを取れば円滑に進むことが多いので、自分が一歩踏み出して解決の糸口を見つけられたときには、大きなやりがいを感じます。
―― なるほど。牛込さんはいかがでしょうか?
牛込:私は計画的に課題を乗り越えて、最終的にお客さまから感謝の言葉をいただけたときに、一番やりがいを感じます。エンジニアとして「お、動いた!」と喜ぶ時期もありましたが、最近では、誰かに感謝されることが自分のモチベーションの源泉になっていることに気づきました。お客さまが抱えている課題に対して、自分の技術で価値を発揮できたと実感できる瞬間ですね。
先ほど少しお話ししたリファクタリングのプロジェクトを振り返ってみると、知らずしらずのうちに顧客志向が身についていたのかもしれません。今回はプロジェクトの最初から「お客さまが困っているから、課題解決に向けてサポートをしたい」という一本の軸があったので、チーム全体が課題を「自分ゴト」として捉え、自律的に動くことができたのです。
お客さまからのちょっとした感謝の言葉で、「よし、もうちょっと頑張ろう!」という気持ちになれましたし、チームで一緒に課題を解決できた達成感は格別でした。
―― チーム全体が課題を「自分ゴト」として捉える、素晴らしいですね。何か秘訣があったのでしょうか?
牛込:一番は、リーダーである私が、メンバーの前で「すごく困った姿」を見せることだったかもしれません(笑)。誰か特定の人を頼るのではなく、チーム全体に「助けてほしい!」という姿勢を見せることで、私のアクションを見たメンバーが、自然と主体的なアクションを取ってくれるようになったんです。緊張感のある状況の中で、「今、自分たちにできることは何だろう」と、みんなが危機感を持って考えてくれました。
もともとチームのビジョンとして「Salesforceのプロとして、お客さまの課題を自分ごととして捉え解決する」というものを掲げていたので、「困っているリーダーをなんとかしよう」という土壌があったのかもしれません。結果的に、新たに入ってきたメンバーもその文化に感化されていきました。
桑折:メンバーの視点から補足すると、リーダーが「これ、やばいかも…」という様子を素直に見せてくれると、私たちも「これは緊急対応が必要ですね」とか「こういう方法はどうですか?」と提案しやすくなるんです。「言ってみるもんだな」と思える雰囲気がありますし、リーダーが困っている姿を見ると、「声をかけなきゃ」という気持ちになりますね。
牛込:ありがとうございます。もう一つ、もともと私たちの上長から「チームとして協働し価値を発揮してほしい」と言われていました。ただ、同じSalesforceを扱っていても、担当する事業がバラバラで、業務上は直接関係ないメンバーも多かったんです。だから、「チームとして最大限のパフォーマンスを発揮して欲しい」とよく指摘されていました。
そこで始めたのが、それぞれの業務で困っていることを相談し合う会です。これが最初のアクションとして非常に良かったなと思います。今も続いていますが、この会をきっかけに、お互いをサポートし合う土壌が生まれてきました。誰かが疑問を投げかけると、別の誰かが調べて教えてくれる、といった文化が自然と根付きました。
これだけ多様な技術に触れる機会が提供されているのは、グループソリューション本部ならではの魅力
―― 皆さんがグループソリューション本部ではたらいていて、特に魅力に感じていることは何ですか?また、それは具体的にどのような場面で感じますか?
桑折:一番は、多様な言語やシステムに触れられることですね。パーソルグループには様々な事業会社があり、それぞれシステムが異なります。それら多種多様な環境に触れられますし、自分がアーキテクトの立場でなくても「もっとこうしませんか?」と提案ができる。普段から立場に関係無く、フランクなコミュニケーションが活発にされていることもあり、非常に風通しが良いと感じています。
牧野:私は前職で、2次請けの客先常駐を10年ほど経験しました。その経験と比較して感じるのは、グループソリューション本部ではパーソルグループ全体を顧客として、プライムSIerの立場で仕事ができるという点です。お客さまとの距離が非常に近く、外部のパートナーという立場ではなかなか入り込めなかった組織の深い部分まで関わり、「どうすれば一番良くなるか」を一緒に考えられる。グループ内の様々な会社を横断的に見ながら仕事ができるのは、大きな魅力です。
牛込:私はパーソルキャリアの保守・開発を長く担当してきましたが、グループソリューション本部では本当に多くのシステムに携われると感じています。フロントエンドからバックエンドまで、使われている技術も幅広いため、エンジニアとして常に知見を広げられる環境です。
加えて、桑折さんの話にもあったように、とにかく風通しが良い。特に上司がすごく話しやすいんです。また、私たちのことやキャリアをしっかりと見てくれています。1on1や期末評価のときだけでなく、日頃から「こんなことをやりたい」と伝えておくと、常に気にかけてくれて、チャンスがあれば声をかけてくれるので、一人ひとりにしっかり向き合ってくれるうえに、非常にはたらきがいのある会社だと感じています。
牧野:補足になりますが、パーソルグループ全体が「テクノロジードリブンの人材サービス企業」を目指していることが大きな前提としてあります。その中でグループソリューション本部は、グループ各社のITサービスを実現する、まさに心臓部です。扱う技術は非常に幅広く、業務系システムからBtoCのWebアプリケーション、レガシーから最新のものまで様々です。データ分析やAI、Kubernetesなどを扱う専門チームもあります。これだけ多様な技術に触れる機会が提供されているのは、グループ全体のITを担うグループソリューション本部ならではの魅力だと思います。

グループソリューション本部で使用している技術
―― メンバーの方々は、どのような経歴の方が多いのでしょうか?
桑折:新卒で入社する人も多いですが、中途採用や、パートナーとして長年アプリケーション開発に携わってきたベテランもたくさんいます。新人がプロジェクトに入った際は、ベテランとペアを組んで一緒に開発を進めます。いわゆるOJTのような形式的なものではなく、エンドユーザーからの機能改修の要望をどう実現するか、検討段階から一緒に行い、実践の中で技術をキャッチアップしていくスタイルです。
牧野:私のチームでは主にAWSを扱っていますが、配属後に初めてAWSに触れるメンバーもいます。もちろん経験者もいますが、未経験からでも活躍できる環境です。私たちはグループ全体の共通基盤を担っているので、アプリケーションを直接作るわけではありませんが、AWSを使って様々なものを作ります。入社後は、まず手順書が整備された定型的な業務から始めてもらい、大体3カ月くらいで一通りこなせるようになります。常にチーム全体で動いているので、一人に業務を任せきりにすることはありません。
牛込:私のチームでは、Salesforceをメインで経験してきた人が多いですね。一方で、積極的に中途採用を行っているので、多様なバックグラウンドを持つ人が集まっています。例えば、以前は2次請けの会社で、お客さまと直接話す機会がなく要件定義に苦手意識を持っていたメンバーがいました。彼女はグループソリューション本部でプライム案件に携わることで、要件定義からチャレンジし、今では大規模プロジェクトで活躍しています。小規模な開発から始めてコツを掴み、大きく成長してくれましたね。

様々なシステムと制度でエンジニアとしての成長を支援している
―― 皆さんが今後取り組みたいことについても教えてください。
牛込:せっかくSalesforceを扱っているので、ベストプラクティスに基づいた提案を、もっと積極的に仕掛けていきたいです。お客さまと膝を突き合わせて課題解決するのも楽しいですが、今後はさらに事業戦略に踏み込んで、年間計画のような事業目線での改善提案をしていきたいですね。お客さまとの信頼関係は構築できているので、本当にやりたいことをヒアリングし、MA(マーケティングオートメーション)ツールや他のSaaSと連携させた複合的な提案もできるようになりたいです。
牧野:私はグループ全体の基盤提供という立場で、組織間の連携をよりスムーズにしていきたいです。システムの利用者は同じグループではたらく仲間ですが、パーソルホールディングスと私たち開発部隊との間で、時には思いの違いや縦割りのような壁が生まれることもあります。そこを繋ぐ潤滑油のような役割を担い、中からうまく動かしていくことで、グループ全体のイメージアップにも貢献したいと考えています。
桑折:私はこれまでWebアプリケーション開発などを行ってきた知見を活かし、パフォーマンス向上のために、言語ごとシステムをリニューアルするようなプロジェクトに挑戦してみたいです。「今の構造では限界がある」という壁にぶつかったときに、それを乗り越えるための大胆なリニューアルをいつかやってみたいですね。
―― ありがとうございます。それでは最後に、Qiita読者の皆さんにメッセージをお願いします。
桑折:「思い切ってやってみよう!」というくらいの気持ちで飛び込むと、意外となんとかなります。チャレンジを歓迎する文化があるので、様々なことに挑戦されたい方も安心してジョインしてください。
牧野:組織の風通しの良さや、お客さま・仲間との距離感が近い環境で課題解決に取り組めるのが、私たちの大きなメリットだと思います。
牛込:ここでは、マネージャーやメンバーといった役割や役職に関わらず、誰もがフラットに意見を言えます。Salesforceに広く深く携わりたい方、お客さまの課題を「自分ごと」として捉えて解決したい方、私たちと共にエンジニアとして価値を高めていける方をお待ちしています!
編集後記
AWS、Salesforce、チャットUI改修と、扱う技術も課題もバラバラな中で3名のキーワードは「顧客との協働」でした。個の専門性に固執せず、互いの強みを持ち寄ることでしか越えられない壁がある。取材を通じて、複雑化するシステムとの対峙には「人との心地よい関わり方」が不可欠であることを再認識しました。
課題は顧客に近い距離で仕事をするからこそ見えてくるもの。リアルな課題に向き合える環境だからこそ、エンジニアとしての成長機会が豊富で、技術力だけでなく、コミュニケーション力や課題解決力も磨かれていきます。
「風通しが良い」環境で影響力のあるシステム開発に携わりたい方は、ぜひお話を聴いてみてはいかがでしょうか。
取材/文:長岡 武司
撮影:平舘 平
「ひとりの想いは、みんなで実現する。」――「心」を大切にするIT企業で自己成長を実現したい方は、ぜひご応募お待ちしています!