オープンな手数料と充実の福利厚生など!「ITフリーランスの社会的地位の向上」を目指すPE-BANKの取り組み

フリーランスという働き方が当たり前になりつつある今、その黎明期から、株式会社PE-BANK(以下、PE-BANK)はITフリーランスの社会的地位の向上を目指して事業展開してきました。

平成元年にあたる1989年設立の同社は、現在、登録者数45,000人を超え、2,300名超のプロエンジニア(PE-BANKと業務委託契約を交わしたフリーランスエンジニア)を束ねる、ITフリーランス専門のエージェントとして、様々な企業のシステム開発の現場を支えています。

2023年にはミッションに加え新たにビジョン・バリューも設定し、それらを体現すべく充実したサポート体制や福利厚生など、フリーランスにとって働きやすい仕組みを整えているとのこと。

実際のところ、働きやすさや制度の活用はどうなのか。PE-BANKのメンバーと、実際に現場で活躍している2名のプロエンジニアの方に、それぞれお話を伺いました。

プロフィール

福本 麻実(ふくもと あさみ)
株式会社PE-BANK
営業推進部 エンジニアサポート課 マネージャー
大手SIerにてスマートフォンのGUIや効果音などの開発事務を担当した後、2018年9月に株式会社PE-BANKへ入社。現在に至るまで、PE-BANKへ新たに参画したプロエンジニアのフォローや、イベントの企画、エンジニア紹介窓口、Webサイトの記事作成管理等に従事している。
朝比奈 周平(あさひな しゅうへい)
株式会社PE-BANK
東京本社所属 プロエンジニア
ITベンチャーにて3年間、SEやPMOとしてシステム開発を担当したあと、2020年にフリーランスエンジニアへ転身。現在はPE-BANKのプロエンジニアとして、不動産業界や保険業界におけるCRM開発プロジェクトに参画している。
大平 麻央(おおひら まお)
株式会社PE-BANK
東京本社所属 プロエンジニア
ITベンチャーにてホームページ制作やRPAによる業務効率化支援、テスト自動化、CRM関連のツール保守、ヘルプデスクなどを経験した後、2023年にフリーランスエンジニアへ転身。現在はPE-BANKのプロエンジニアとして、CRM開発プロジェクトにおける要件定義などに従事している。

新たに設定したミッション・ビジョン・バリュー

―― まずは、PE-BANKの会社概要について教えてください。

福本:PE-BANKでは「ITフリーランスの社会的地位の向上」を理念に掲げながら、ITエンジニアの「働き方改革」を唱え、多様な働き方をサポートしてきました。もともとは1989年に「首都圏コンピュータ技術者協同組合」という形で、15名の組合員(プロエンジニア)からスタートした事業ですが、2014年に現在のプラットフォームを立ち上げ、現在は2,300名以上*のプロエンジニアが弊社案件に参画されています。

*2024年8月時点

画像出典:数字で見るPE-BANKより

福本:メインで展開しているのは、ITフリーランスエンジニアエージェント事業です。弊社とITフリーランスの皆さまとの間で「プロ契約(業務委託契約)」を結び、営業や事務手続きなどをエンジニアさんに代わり弊社がサポートするという仕組みで運営しています。

画像提供:株式会社PE-BANK

―― 最近、ミッション・ビジョン・バリュー(以下、MVV)を再定義されたと伺いましたが、その背景と内容も教えてください。

福本:先ほどお伝えした「ITフリーランスの社会的地位の向上」という理念を具現化し、行動指針に落とし込んだものになります。

画像出典:企業理念より

福本:当社では37年近くITフリーランスエンジニアエージェント事業を行なってきました。設立当初はまだ珍しく、私達と同じような事業を展開する組織は見受けられなかったのですが、ここ数年でプレイヤーが一気に増えました。フリーランスエンジニアの方々にとって、どのような違いがあるのかが分かりにくくなってきている市場環境かと思いますので、弊社の強みを改めて打ち出す意味でも、2023年9月にMVVを設定しました。

オープンな契約内容、充実の福利厚生サービス、営業メンバーの迅速な対応

―― MVVを体現する、PE-BANKの強み・特徴について教えてください。

福本:最大の特徴の一つが、企業との契約内容をオープンにしている点だと捉えています。弊社では取引先企業から案件の委託を受け、それらをフリーランスエンジニアに再委託しますが、弊社では設立以来、一貫して手数料(マージン率)などの契約内容をエンジニアに公開してきました。

画像出典:契約と手数料についてより。プロ契約を結んだPE-BANKとプロエンジニアが、「共同受注」という形で、共同で案件を受注。取引先企業からの報酬は、PE-BANKとプロエンジニアそれぞれに分配される

福本:具体的には、初回85%からスタートし、報酬受け取り回数に応じて最大で92%の報酬分配率でお支払いしています。

―― 私も少しだけエージェント業界にいたことがありますが、市場の相場と比べても安いですね。契約エンジニアとしては有り難いですね。

福本:他にも、プロエンジニアの方向けの福利厚生サービスも評判が良いです。個人事業主になると福利厚生もなくなりますが、弊社と契約すると、会社員と同等と言えるくらいの福利厚生サービスを享受できると自負しています。

一押しは定期健康診断サポートですね。健康診断や成人病検診、人間ドックなどに対して、上限20,000円まで補助金を支給しています。また、毎年頭を抱える人の多いであろう確定申告についても、委託税理士法人を通じてサポートしております。
※他にもビジネス・ライフスタイル・ファイナンス・ヘルスケアの各領域で充実したサービスを受けることができます。詳細はこちら

画像出典:「PE-BANKのエンジニアが満たす『基準』とは」より。これらの基準を満たしたITフリーランスとだけプロ契約を結ぶことで、顧客評価、社会からの信頼性の高まり、プロエンジニアの意識改革を進めている

福本:弊社の営業メンバーによる案件のキャッチアップが早い点も、プロエンジニアの方々からご評価いただいています。一例ですが、中長期的な視点でお客さまとコミュニケーションをとることで、半年先の案件についてもいち早くプロエンジニアに共有し、必要に応じて早期のアサイン調整などもできるようにしています。

―― どのような案件が多いのでしょうか?

福本:プロジェクトによって多様ではありますが、今はインフラ関係の案件が多く、実際にお客さま先へと常駐し、先方のメンバーとコミュニケーションを取りながら業務を進めていただくスタイルが多いです。

前職の同期が、フリーのプロエンジニアとして同じチームに参画

―― 実際にプロエンジニアとして活躍されているおふたりにも伺いたいのですが、まずは現在の案件内容を教えてください。

朝比奈:今は保険会社さまのCRMシステムの保守要員として、追加機能開発の要件定義、システム開発(ベンダー・コントロール)、検証などを担当しています。PE-BANKメンバーとしては大平さん含め4名おり、1つのチームとして動いています。

―― 一緒の案件に入られているんですね。おふたりがフリーランスになられた経緯や、PE-BANKを選んだ経緯・理由を教えてください。

朝比奈:フリーランス以前はベンチャー企業に勤めていたのですが、残業が非常に多い割には給与額が少なかったです。また、もっと様々な人と仕事をしたいと考えていたことも相まって、3年間の会社員人生に区切りをつけて思い切ってフリーランスに転身しました。

実は最初は別のエージェントサービスに登録していたのですが、営業メンバーとの相性や案件数に不安を感じていました。PE-BANKのことを知って話を聞いたところ、手数料がオープンである上に、自宅に近いアクセスの案件も紹介可能でした。さらに、担当営業の方とも安心してコミュニケーションを取ることができ、最終的にPE-BANKでプロエンジニアになりました。

大平:私の場合は、朝比奈さんの紹介でPE-BANKのプロエンジニアになりました。

―― もともとおふたりは知り合いだったのでしょうか?

大平:朝比奈さんは、前職の同僚なんです。会社員時代、何かチャレンジしてみたいという気持ちがある一方でなかなか踏ん切りがつかず、フリーランスになろうかどうしようかと悩んでいる中で、先に退職されていた朝比奈さんからお声がかかり、勢いでフリーランスになりました。

朝比奈:もともとお客さま側から「人が欲しい」という話をいただいたので、前職で一緒に仕事をしたことのある大平さんに声をかけてみたんです。当時の同僚たちとは入社時期は違う人もいましたが、同期のように仲が良かったこともあり、退職しても年に1回は集まっていたので、そこで打診しました。

―― フリーランスになるにあたって、不安などはありませんでしたか?
大平:もちろん、ありました。そもそも女性のフリーランスが周りに全くおらず、ロールモデルとなる方がいないのが不安要素の一つでした。ただ、実際にプロエンジニアになってみると様々な方が活躍されていましたし、PE-BANK主催のイベントを通じて他の女性フリーランスの方ともお話しできたので、その不安も解消されました。あと、紹介時に朝比奈さんが「良い会社だし、メンバーも良い人たちばかりだよ」とおっしゃっていたのが印象的で、その点に関しても間違いなかったなと感じています。

朝比奈:私の場合は、仕事がなくなるリスクへの不安が大きかったですね。しかし、実際にプロエンジニアとして働いてみると思いの外なんとかなりそうだと感じ、自然と不安も消えていきました。

―― 何がポイントだったのでしょう?

朝比奈:エンジニアと聞くと技術力の高さが最重要だと思われると思いますが、少なくともPE-BANKの案件に関しては、それ以上にコミュニケーション能力が重要だと感じています。技術ではなく、お客さまとの関係性で問題を突破する。実際に案件に入ってみて、私は結構コミュニケーションが得意な方だと感じたので、例え今の案件がなくなったとしても次があるから大丈夫だ、と考えるようになりました。

あと、案件の契約期間も、フリーランスになる前は勝手に短いものだと思っていたのですが、実際は意外と長く、更新前提であることも多いことが分かったのも、精神が安定するポイントの一つでした。

大平:私も同感です。フリーランスって、別に不安定ということでもないんだなと感じるようになりました。長く働くこともできるし、逆に一案件を短くして様々な現場を経験することもできる。選択肢を広く持つことができるのが、フリーランスのメリットなんだと最近感じています。

営業さんが、細かいところでサポートしてくれる

―― PE-BANKのプロエンジニアで良かった、と感じたエピソードを教えてください。

大平:個人事業主の行政手続きなど不慣れな内容が多かったのですが、私はフリー転身に合わせて上京してきたので、周囲に相談できる人もいませんでした。そんな中、PE-BANKの営業さんとはチャットで連絡をしており、困った時に試しに相談したところ、即座にお返事をいただけて大変助かったことがありました。業務担当外のところでもきめ細かくサポートしてくれた点が非常にありがたかったです。まさにバリューの中の「KINDNESS(最初から最後まで一緒に。)」が体現されているなと感じます。

朝比奈:私の場合は、自身の単価を上げることに躊躇していたのですが、営業さんに「どんどん上げていこう、むしろ上げなきゃ」とプッシュしていただき、結果単価アップに成功したケースがあります。細かいところでもサポートをしてくれるので、助かっています。

あと、もともと自分が希望していたSEやPMOなどとは違うタイプの、IT講師の案件を紹介してもらったこともあります。最初は「なぜ希望していない案件が紹介されたんだろう」と思ったのですが、ものは試しにお受けしてみると、それが非常に良かったんです。

結果、講師のお仕事がきっかけで3つの資格の取得に繋がり(OSS-DB技術者認定試験、G検定、情報処理安全確保支援士)、キャリア面で大きなプラスになりました。このように、自分が考えていなかった可能性も提供してくれるのも、PE-BANKの良さだと感じます。

―― プロエンジニアを支援する立場として、お気に入りのMVVはありますか?

福本:私が個人的に好きなのは「ACHIEVE(悔いのないところまで 成し遂げる)」です。私の業務の一つにイベントの企画があるのですが、毎回の内容がなるべく同じにならないように、かつ自己満足で終わらないように、そして、応募者やエンジニアからPE-BANKを選んでもらえるように、こだわりを持って設計しています。

―― 例えばどのようなイベントがあるのでしょうか?

福本:大きなイベントは「ProTechOne」です。こちらはITエンジニアが押さえておくべき業界動向を「学び、語り合う」イベントで、弊社契約のプロエンジニアでなくとも参加いただけます。2022年からスタートした年次イベントとして、2025年にも6月14日に開催予定です。

福本:また、比較的小規模なものですと、これからITフリーランスでのキャリアを考えている方に向けた「はじめて相談会」や、具体的なお仕事について各営業所に直接相談・マッチングできる「全国ITフリーランスお仕事相談会」も企画・開催しています。

どちらもオンラインなので気軽に参加いただけます。お仕事相談会に関しては、気になる営業所複数と繋げて参加することも可能です。例えば、今は東京にいるけど福岡での就業を希望する場合は、東京本社と九州支店の両方の営業メンバーに参加してもらって、カジュアルに相談できるようになっています。

相談会の詳細や予約はこちらから
(毎月開催)

―― 地域をまたいで検討できるのは助かりますね。

福本:プロエンジニアの方限定で参加いただけるイベントですと「プロエンジニアパーティ」があります。こちらはプロエンジニアの皆さまとPE-BANK社員の交流会として毎年やっているもので、特に活躍されたプロエンジニアの方を表彰する『ProEngineerAWARD』の発表も行っています。実は朝比奈さんは、過去2回も受賞されています。

PE-BANKプロエンジニアハイブリッドパーティー2022」での受賞の様子。
左:朝比奈氏 右:株式会社PE-BANK代表取締役社長の髙田氏

※ProEngineerAWARDの様子については、2024年12月21日と2025年1月18日の2日間にわたって開催された以下のレポートも合わせてご覧ください。
プロエンジニアパーティ24’‐25’開催レポート

エンジニアファーストの会社でありつづけたい

―― プロエンジニアの働きやすさを担保するために、PE-BANKとして工夫されていることを教えてください。

福本:基本的なことではありますが、とにかくまめな連絡を心掛けています。営業一人あたり、少なくとも30名、多い場合には70〜80名のプロエンジニアを担当しているのですが、それぞれの方に対してしっかりとコミュニケーションを取ることに注力しています。

―― 多いですね、相当大変だと推察します。

福本:この事業に携わる身として特に意識しているのは、ただの無機質な業務上の関係ではなく、例えば辛い時にはしっかりと「辛い」と言ってもらえるような、いつでも味方でいられるような、エンジニアファーストの会社でありつづけたいと日々考えながら従事しています。

―― 最後に、フリーランスの方や、今後フリーランスを目指そうとしている方へメッセージをお願いします。

大平:これからフリーランスになろうか悩んでいる人に向けて、少しでも興味があったら、ぜひ思い切って飛び込んでみてほしいです。フリーランスという選択肢を、もっと気軽に考えて良いと思っています。より楽しいエンジニアライフになるかもしれませんよ。

朝比奈:目指そうと思ったら、すぐになった方がいいと思います。私自身、フリーランスになろうと思ってから少し期間が空いたのですが、今振り返るとその期間は無駄だったなと感じています。不安が強くてなかなか一歩が出なかったのですが、いざ踏み出してみるとすごく良かったので、同じく悩んでいる人がいたら、とりあえずすぐに転身に向けて動いてみるのがいいと思います。

福本:これからITフリーランスになろうと思っている方は、ぜひ、まずはPE-BANKの相談会に参加してもらい、お話しを聞かせていただきたいです。弊社の優秀な営業メンバーがしっかりと対応させていただきます。PE-BANKのプロエンジニアになった際には楽しいイベントもありますし、福利厚生サービスも自信を持ってご用意しているので、まずは気楽に相談だけでもしていただければと思います。

編集後記

一般的なイメージとして人材エージェントの営業担当とエンジニアの間には相応の距離間がある印象ですが、今回インタビューした3名は冒頭から互いの空気感がとても良く、取材を通じて非常に仲が良いと感じました。会社とは違って様々な条件を「自己の責任」として請けるフリーランスだからこそ、PE-BANKのような味方となってくれる存在は非常に大きいと感じた次第です。ITフリーランスとしての働き方に興味のある方は、まずは同社主催の相談会等に参加してみてはいかがでしょうか。

取材/文:長岡 武司
撮影:伊東 祐輔

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