ベンキューの最新プログラミングモニター「RD280U」をQiitaユーザー3名が使ってみた
長時間にわたって画面を見続けるプログラマにとって、日々使うモニターは、良い仕事をするための重要な観点と言えるでしょう。
これまでベンキュージャパン株式会社では様々なモニターを発表してきましたが、今回、主にプログラマの負担軽減を目的に設計されたBenQ プログラミングモニター「RDシリーズ」の最新作として、24.1インチでWQXGAの「RD240Q」と、28.2インチで4K+の「RD280U」、モニターアーム付きモデルの「RD280UA」がそれぞれリリースされました。
夜間などの暗い部屋の中でも目の疲れを軽減して利用できるアイケア機能や、コーディングにより集中するためのグレアフリーの映像表示など、まさに「プログラマにとっての使い心地」を追求して設計された本新作。
今回はその使い勝手を探るべく、3名のQiitaユーザーの皆さんに「RD280U」をご自宅で使っていただきました。2週間ほどの在宅利用を経て、どのような感想を持たれたのか。Qiitaプロダクトマネージャーの清野さんによるモデレーションの下、ざっくばらんに感想などをシェアしていただきました。
目次
プロフィール
「RD280U」を使用いただいた方々(五十音順・敬称略)
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モデレーター
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開発効率はモニターの面積と比例する
清野:本日はプログラミング向けモニター「RD280U」についてレビューしていただきます。まずは、みなさんが普段どのようにモニターを使われているか、教えてください。
uhooi:モニターは使ってはいるのですが、何かこだわりを持って選んでいるかというとそんなことはなくて、単純に価格がお手頃なものや、前職で不要になったものを引き取って使ってきました。MacBookでSlackなどのコミュニケーション関連のソフトを開きながら、モニターでコーディングをしている感じです。
けんちょん:私も正直こだわっていなかったです。会社支給のものをそのまま使ったり、大学時代は研究室に配布されたものをそのまま使ったり。でも今回のレビューをきっかけに自宅でもモニターを使ってみたらすごく仕事が捗りまして、「これは良いな」と思っています。
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自宅デスクに「RD280U」がMacBookとともに置かれている様子
「RD280U」の横幅が、MacBookの約2倍あることが分かる(画像:けんちょんさん提供)
清野:僕もおふたりと同じ感じで、ベンキューさんの、今回の「RD280U」とは別のモデルのモニターを使用するまで全くこだわらずにモニターを選んでいました。suinさんはいかがですか?
※清野さんによるレビュー記事は以下をご参照ください。ちなみに清野さんは、以下の記事を通じてレビューモニターをそのまま購入しています。
▶︎目の疲れが軽減!ベンキュー最新アイケアモニター、Qiitaマネージャーも購入!その決め手は?
suin:私の場合、「開発効率はモニターの面積と比例する」という説を信じていまして、プログラミングを始めた時から外部モニターを使用するようにしています。選定基準は、表示領域の大きさと解像度のバランスです。
清野:バランスですか。
suin:コードは一度にたくさん出た方が俯瞰性が高くなるのですが、細かすぎると見にくくなるので、自分にとっての絶妙なバランスが必要なんです。会社では某メーカーの5K/2Kの湾曲型ウルトラワイドモニターを使っていまして、普段はウィンドウマネージャーを使って3つに分割して表示しています。あと自宅では、27インチのモニターを2台繋げて使うようにしています。
アスペクト比が16:9ではなく【3:2】であることがポイント
清野:みなさんには今回、「RD280U」をそれぞれご自宅で2週間ほど使用していただきました。率直な感想を教えてください。
suin:ファーストインプレッションとしては、「色味」が今まで使っていたモニターとは全然違うことでした。「黒がすごく黒い!」 と。開発者ってダークテーマを好んで使う人が多い印象なのですが、そこにすごく最適化されているなと思いました。黒がはっきりと黒に見えるし、かと言って他の色が暗くなるわけでもない。だからこそコードを認識しやすく、目も疲れにくいなと感じました。あと、フォントのレンダリングもキレイですよね。まるで印刷物を見ているような印象でした。解像度は普通の4Kなんでしょうけれど、それ以上の解像度があるような感じがしています。
清野:たしかに、マットな仕上がりな感じですね。uhooiさんとけんちょんさんはいかがですか?
uhooi:今まで使ったモニターの中で一番良かったですね。画面が大きいので情報量が多く、画質が4Kなこともあってめちゃくちゃよく、かつ色味が映えるのでとても良い感じです。
けんちょん:私も、第一印象は「デカい」ですね。普段家ではモニターを使っていないので、あまりの画面の広さと、解像度の高さによる情報量の多さに圧倒されました(笑) 仕事で使ってみると、普段はウィンドウを切り替えながら表示しているコーディング画面とターミナル画面を同時に見ることができるので、とても楽ですね。
清野:今回のモニターのアスペクト比は【3:2】なんですよね。その使い勝手はいかがでしょうか?
けんちょん:私は半分に割って右側でコーディングをするのですが、このアスペクト比だと縦と横の比率が気持ち良いんですよね。モニターのアスペクト比が【16:9】か【3:2】では、画面を2分割したときの縦幅の差が結構大きいと思っています。正方形のウィンドウを上に配置した場合、下に余るスペースの縦の比率が【3:2】のほうが大きいんです。だからこそ「RD280U」では画面下部にターミナルを置いても余裕があって、違和感なく使えると感じています。
清野:なるほど。たしかに言われてみるとそうですね。
suin:やっぱり開発を進めるにあたって、縦方向って大事ですよね。Webアプリだと縦に長くなりますし。画面を物理的に縦に回転させて使うという方法もありますが、そうすると今度は長すぎる印象です。今回のアスペクト比がちょうど良い塩梅なのかなと思います。
清野:ちなみに、画面が大きいことで首が痛くなるなどはなかったですか?
uhooi:自分の場合、普段使いのモニターの距離だと近すぎると感じたので、画面までの距離を少しだけ長くしました。目に優しい環境になったかなと感じています。
けんちょん:私も、逆に姿勢が良くなったといいますか、今までと比べて、よりまっすぐ前を見て仕事をするようになりましたね。悪い癖を見直す機会になりました。
スマホのライトを当ててもコードが読めるアンチグレア技術が素晴らしい
清野:「RD280U」では目に優しいアイケア機能が沢山搭載されています。暗い環境でも最低輝度での表示を可能にする「夜間プロテクション機能」や、周囲の環境光に応じてモニターの明るさを自動で調整する「ブライトネスインテリジェンス(B.I.Gen2)機能」、背面にバックライトとして設置された「MoonHalo照明」、それから通常のアンチグレア仕上げよりも光の反射を抑えて画面の視認性を高める「ファインコート仕上げ」など。この辺りを踏まえた目の疲れの軽減具合はいかがでしたか?
uhooi:機能が多いことは知っていたのですが、デフォルト設定が一番良いのかなと勝手に思っていて、夜間プロテクションだけ使っています。
けんちょん:自分も夜間プロテクションだけ使っていますね。夜遅くても目の刺激が少ないためか、ぐっすり眠れていると思います。MoonHaloバックライトは今知ったのですが、常夜灯として使えますね。部屋の常夜灯がいらなくなりそうです(笑)
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カスタマイズ可能な色温度、明るさ、照明モードに加え、ブライトネスインテリジェンス(B.I. Gen2)による自動調光機能を備えたMoonHalo照明
suin:皆さん、夜に使うことが多いんですね。僕は日中の業務用途メインで使っているので、夜間プロテクションは使っていません。日中だと外光が入るなどして、とにかく画面の反射が厄介で。例えばMacBookは完全なグレアなので、ターミナルとかを出すと画面が鏡みたいになって自分の顔が映りますよね(笑)でもこのモニターだと反射が全然気になりません。
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BenQ独自のアンチグレア・アンチリフレクティブなファインコートパネルを採用しているので、画面の反射を最小限に抑えるよう設計されている
suin:試しにスマホのライトを当ててみると、MacBookだと眩しくて仕方ないのですが、このモニターだと問題なく画面のコードを読めます。この技術、すごいと思います。
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スマホのライトを当ててもコードが読めることを実演するsuinさん
uhooi:すごい! たしかにMacBookの反射と全然違いますね。
届いた時の「箱」すらもエンジニア的にワクワクする
清野:ここまで主にアイケアにまつわる機能を見ていきましたが、他にも様々な細かい機能が搭載されています。例えばこのモニターの特徴的な部分として、好みに合わせてカスタマイズ可能なファンクションバーがありますが、使い勝手はいかがですか?
suin:3つのモードがデフォルトで用意されているし、それ以外にも自分でカスタマイズできますね。自分のプロファイルに合った設定にしておいて、ファンクションバーのボタンからさっと切り替えることができるのは便利だなと思いました。
清野:「Display Pilot 2」と呼ばれるモニター制御ソフトウェアも用意されていて、デスクトップ分割や自動ピボット、実寸大印刷プレビューなどができるようです。実際私の方で試してみましたが、様々なオプションが用意されていて便利でした。
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Display Pilot 2を使うことでディスプレイ管理を簡素化し、キーボードで輝度や音量を簡単にコントロールすることができる。また、入力ソースの切り替えやオートピボット、デスクトップのパーティション設定も簡単に行うことができる。
清野:あと細かいところですが、モニターの高さ調節やデザインなどの感想はいかがですか?
uhooi:高さはちょうど良いですね。モニターによっては、MacBookとかを手前に置くと画面の下の方が見切れてしまうと思うのですが、このモニターに関しては問題なかったです。あと、デザインも個人的に好きな感じです。そもそも箱の段階から大きくて、エンジニア的にワクワクしましたね。
清野:外付け機器の設置感はどうでしょう?
uhooi:自分の場合は問題がなかったのですが、このモニター、画面に結構厚みがあるんですよね。だから外付けのカメラによっては、設置できないものもあるかもしれないとは思いました。
プログラマ以外の人にもぜひ使ってほしい
清野:「RD280U」を、どのような方におすすめしたいですか?
けんちょん:プロダクトサイトを見ると「プログラミングモニター」と銘打っていますが、個人的にはプログラマに限らないんじゃないかなと思いました。例えば私の場合、最近は教材開発とかもしていてスプレッドシートを使うことも多いのですが、そういう時にもすごく良いなと感じています。
suin:たしかに、眼精疲労対策という観点でも、ドキュメントライティングなど、コーディング以外でも十分おすすめできますよね。ブラウジングしていても違和感がないですし、Notionでドキュメントを書いていても十分機能を果たしていると感じます。「プログラミング向けだから自分は関係ないか」という誤解が生まれないでほしいなと感じています。あと別な観点になりますが、モニター選びの基準に「アンチグレア」を入れている人は、絶対に買いです。そういう人に届くといいなと思います。
uhooi:自分は画面の比率と広さ推しなので、普段のモニターで狭いなと感じている人にはぜひ試してもらいたいと思います。
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ご自宅で使用されている様子(画像提供:uhooiさん)
清野:逆に、あったらいいなと思う機能などがあれば、こっそり教えてください。
suin:個人的な好みでいうと、ファインコートの仕様でウルトラワイドを出してほしいですね。このモニターも広いのですが、エディタを出してドキュメントを出してUIを出すと、少し狭く感じました。デイジーチェーンにも対応しているとのことなので、ウルトラワイドが出るまでは2台を繋げて使う感じが良いかなと思っています。
uhooi:機能ではないのですが、このモニター、少し重みがあるんですよ。女性とか重いものが苦手な方は、一人ではセットアップできないんじゃないかなと少し心配しています。
けんちょん:私は住めば都タイプなので、改善が思い浮かばないですね…。でもたしかに、重量は感じたので、組み立てる時はドキドキしました。
清野:ありがとうございます。それでは最後に、読者の皆さまへお一人ずつメッセージをお願いします。
suin:良いモニターを選ぶと開発効率が上がり、生産性へとダイレクトに跳ね返ってくるので、ぜひこのモニターを一つの候補として試してみていただければと思います。
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オフィスで使用されている様子(画像:suinさん提供)
uhooi:今までモニターにコストをかけたことがない方は、ぜひこれを使ってみてください。間違いないなと思います。
けんちょん:世の中には、モニター食わず嫌いの人がいると思います。私もそのタイプだったのですが、実際に使ってみると、大袈裟かもしれませんが人生が変わりました。食わず嫌いな人こそ、本当に良いものを使ってみると新しい可能性が開けてくると思うので、ぜひこの記事をきっかけに使ってみませんか?とお伝えしたいです。
編集後記
レビュー会当日は現場に伺えずリモート取材だったので現物を見ることができなかったのですが、後日一人で「RD280U」をいじってみたところ、皆さまがおっしゃる通り色味がはっきりとしており、目の疲労感が随分と軽減される印象でした。そしてsuinさんが実演されたスマホライトチェックをしてみましたが、たしかに、ダークモードでも問題なく反射が最小限に抑えられていました。すごい技術だなと感じます。細かいところで、アイケアに限らず利用者のいろんな負荷を軽減してくれるモニターだと感じましたので、モニターの買い替えや新規購入を検討されている方は、ぜひ選択肢の一つとして検討されてみてはいかがでしょうか。
取材/文:長岡 武司
撮影:伊東 祐輔