【渋谷テック系イベントレポート】TechCrunch Tokyo 2017 セッションレポート
Incrementsは渋谷にオフィスがあるスタートアップ企業です。渋谷といえば、多くのスタートアップ企業が集まっている場所でもあり、渋谷のスタートアップや開発にまつわる話題もWork:Qでは今後、取り上げていきます。今回はその第一弾として、ヒカリエで開催されたTechCrunch Tokyo 2017に参加しましたのでレポートします!
※:本レポートはWork:Q編集部による記事になります。正確な情報を盛り込んだレポートを読みたい方は、ぜひTechCrunch Tokyo 2017のレポートをご覧ください。
文/Work:Q編集部
目次
<WeWork >ついに上陸―、2018年始動のWeWork日本代表Chris Hillが語る新しい働き方と生活のムーブメント
イベント最初のセッションはWeWorkのChris Hill氏(WeWork日本代表)の登壇でした。WeWorkが求められている背景、理念としてどのようなことをしようとしているのか、といった話をされていました。まずは働き方が急速に変化しているという話題。個人でもグローバル企業でも、規模や形態を問わずコラボレーションできる環境、よりクリエイティブかつ生産性を高められる環境が必要とされていることを指摘されていました。
「インターネットでビジネスがやりやすくなったけれども、ビジネスは対面が基本でもある」とHill氏は話されており、WeWorkは人のつながりをサポートするコミュニティ機能を提供しているとのこと。コミュニティはグローバルなつながりになっており、参加すればニューヨークや香港など世界中のメンバーシップとつながることもできるそうです。
またHill氏は「新しい世代」の台頭についても触れていました。新しい世代とは、――国籍を問わず、多様な言語を話し、「私」よりも「私たち」を大事にする。目先の生活だけでなく、生きるビジョンを持って未来のために働いている――「We Generation」と呼ばれる世代のことで、そういった思考を持つ人たちに向けて、WeWorkは手助けしたいとも語っていました。
TechCrunchの記事
WeWorkが語る未来の働き方――グローバル展開する彼らならではの強みとは
<Trello>「カンバン方式」のアプリ化でタスク管理の定番となったTrelloの軌跡
Trelloのセッションでは、先日IncrementsとTrelloの共催イベントにも登壇されたMichael Pryor氏(Trello Co-Founder)が登場しました(共催イベントの記事はこちらに公開されています)。
Trelloは非英語圏では最大となる日本市場を重視しており、ローカライズする日本市場のポテンシャルに非常に期待しているとのことでした。ローカライズは「Trelloのやりたいことリスト」にずっとあったにも関わらずできなかったそうです。
Trelloは20カ国の言語に翻訳されていますが、単に翻訳しただけでは本当のローカライズとは言えず、単に言葉を翻訳するだけでなく、その国の文化を理解して情熱を注ぎこむことが、その後の成長に大きく関係すると強調していました。
実際にTrelloがローカライズに注力したブラジルと、単に翻訳しただけのスペインでは、成長にかなり差が生まれたと話していました。ブラジルは仕事に限らず多くの一般の人がTrelloを使うようになったものの、スペインではそこまでの成長が生まれなかったということです。
また、Pryor氏は現在の起業家へ向けて、「ピッチコンテストで2位になっても気にする必要はない」と激励しました。過去のTechCrunchのピッチでTrelloは2位になりましたが、1位だった会社はいまは存在せず、Pryor氏はこうして皆さんの前で登壇しているからです。
TechCrunchの記事
アプリ制作当初からグローバルを視野に入れるべき――Trelloが世界中の人に使われるワケ
<Slack>失敗から出たホームラン「Slack」が時代の寵児となったワケ
Slackのセッションでは、Cal Henderson氏 (Slack Co-Founder/CTO)が登壇。Slackの日本展開について、働き方を変える役割、Slackの特長などを語っていました。
日本はSlackにおいて重要な市場とのこと。その理由として「モバイルのアーリーアダプターである」、「さまざまなアプリを使い慣れている」、「チームの働き方においてコラボレーションや透明性を意識するようになっている」といった3つを挙げています。
日本語ローカーリゼーションは、前々から準備はしていたそうですが、日本語に置き換えるだけで終わらず、日本の文化に適したUXを提供するための工夫を施すこともあり、現時点でのローンチになったそうです。
Slackを導入するメリットとしては、コラボレーションの質、チーム力を高めて生産性を上げることができるという点を述べています。またチャンネルという機能が「情報の透明性を確保する」というコンセプトにもとづいている話、リッチなコミュニケーションを促すために日本の文化であった絵文字を導入した話など、よりより働き方を提供するために機能面が考えられているのが分かるセッションでした。
今後はAIをSlackに利用していくことも考えているそうで、「長期休暇から戻ってきた時にどの投稿を優先的に読んでいくかをレコメンドする」といった使い方を語っていました。
<Quora>高品質Q&Aサイト「Quora」で世界中の知識を共有、Facebook元CTOの挑戦
QuoraのセッションではAdam D’Angelo氏 (Co-Founder/CEO)が登壇しました。Quoraの開発に至った経緯、サービスの特長、戦略などが紹介されました。
Quoraを開発するに至ったのは、開発当時の2008年では、いわゆるQ&Aサイトには質の高い内容のサービスがなかったことが挙げられていました。Quoraの扱うテーマは子育て、宗教、科学、教育などさまざまで、ナレッジシェアのプラットフォームとして位置づけられており、月間ユーザーは2億人にもなるそうです。
「多くの競合があるが、我々が提供する以上の品質は提供できないと考えている」と語っていたように、D’Angelo氏は、Quoraにおける品質の高さについて何度も口にしていました。質の高さを担保するために、専門家による回答や機械学習による回答の仕組み、サービスの成長による品質の低下を防ぐために、質問をまとめるといったことにも取り組んでいます。
Facebookの初代CTOでもあったD’Angelo氏は、エンジニアCEOなのですが、いまはコードを書いておらず、戦略立案やプロジェクト管理などを通じて世界を変えていきたいと話していました。
ローカライズとしては、スペイン語から始めて非常にうまくいっているとのこと。アジアでは、大きなマーケットを見込んで日本から始めたそうです。まずは品質を最優先して、市場を取った後にマネタイズを考えており、改善を重ねてユーザーと成長していきたいと語っています。
参加した所感
今回は海外発サービスのセッションのみを取り上げましたが、イベントは国内スタートアップバトル、直接サービスについて話が聞けるデモブースなどもあり、面白いサービスがいろいろあることを実感しました。最近の状況を反映してか、FinTechに関するサービスが目立ったようにも思います。(編集部・佐伯)
多くのスタートアップが集まる街、渋谷というコンセプトで、TechCrunch Tokyo 2017 を取材しました。キーセッションでは、すでに成功を収めているサービスの内容が多く感じましたが、国内のスタートアップも多く登場しており、かなり熱量の高いイベントでした。引き続き渋谷のイベントやスタートアップの動きを追っていきます。(編集部・吉澤)
謝辞
最後に本イベントに招待いただきましたTechCrunch Tokyo 2017ご関係者の皆様にお礼申し上げます。
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