「一気通貫」でクライアントの課題に挑む。エンジニアからITコンサルタントに転身してフューチャーアーキテクトで得られた視点とは

「経営とIT」をひとつの目線でとらえ、グランドデザインから開発、運用・保守まで一気通貫のコンサルティングを行うフューチャーアーキテクト株式会社(以下、フューチャーアーキテクト)。

同社は、フューチャーグループの中核を担い、最先端の技術を武器にクライアントの未来価値の最大化のために尽力するITコンサルティング企業です。
社名の“architect”には「歴史的な変革をプロデュースする立役者」という意味があり、過去にとらわれない全く新しい価値創造に向けて、日々挑戦を続けています。

フューチャーアーキテクトでは、どのようなメンバーがどのような大義と視座を持って業務に取り組んでいるのか。同社で大規模プロジェクトを牽引するITコンサルタント・横田孝介氏に、エンジニアからITコンサルタントに転身したきっかけや、ITコンサルタントのやりがいについて、お話を伺いました。

プロフィール

横田 孝介(よこた こうすけ)
フューチャーアーキテクト株式会社
デジタルビジネスイノベーショングループ ディレクター
2009年東北大学大学院 理学研究科修士課程卒業。大手メーカーでSEの経験を積み、2012年フューチャーアーキテクト株式会社に入社。金融業界を中心に、クライアントのIT戦略策定から要件定義、システム開発まで幅広く携わる。2018年にスタンフォード大学客員研究員を経て、現在はプロジェクト統括責任者を務める。

「一気通貫」というビジネススタイル

――まずはフューチャーグループの全体像を教えてください。

横田:グループ全体としては、持株会社であるフューチャー株式会社のもと、ITコンサルティング&サービス事業とビジネスイノベーション事業の2軸を展開しています。
具体的にいうと、前者は私が所属するフューチャーアーキテクトを中核にクライアントワークでのコンサルティングを展開しており、後者はeSPORTSや東京カレンダーなど、自社のサービスをメインに展開しています。

フューチャーアーキテクトのビジネスで得た業務とテクノロジーのノウハウをグループで共有しながら、更なるビジネスやサービスを生み出し、また新たな付加価値をつけてクライアントに還元しています。このポジティブな循環を作り出せることがグループの良さだと思います。

――東京カレンダーが同じグループだというのが特に意外でした。そもそもですが、横田さんが生業とされている「ITコンサルティング」は、具体的にはどういうことをされているのでしょうか?

横田:端的に申し上げると、IT技術を使ってクライアントの経営課題を解決する仕事です。
当社のビジネススタイルは「一気通貫」がキーワードです。ビジネス戦略やシステム企画といったグランドデザインから開発し、カットオーバーまでトータルで対応しています。クライアントの状況に応じて、カットオーバー以降の運用フェーズも行い、クライアントと伴走します。

――グランドデザイン〜運用までを実行しようとすると、ビジネスだけではなく技術的なキャッチアップも重要になると思いますが、そこも一人ひとりのコンサルタントが担っているのですか?

横田:もちろん各自が最新技術にアンテナを張っていますが、当社には「TIG(Technology Innovation Group)」という技術に強みを持ったメンバーが集まるグループもあります。このTIGが、現在使っている技術のブラッシュアップと併せて、最新技術や外部の情報を積極的にキャッチアップして社内に展開しています。

最近は、より技術ドリブンな課題解決手法も多く、TIGのメンバーたちとの協業がかなめになってくるプロジェクトも増えてきています。

自分で未来を描き、クライアントの最適解を見つけるコンサルタントへ

――次に、横田さんご自身について教えてください。どのような経緯で、フューチャーアーキテクトに転職したのでしょうか?

横田:前職では、大手メーカーのSEとして官公庁向けのシステムを開発していました。そこで新卒から4年間、主にPM補佐として勤務していたのですが、そこでは要求書に沿った開発だけを行っていました。
でも、現場で与えられた要件を形作るだけではなく、もっとクライアントのニーズをくみ取り、それを適えていけるようなフェーズから携わりたいと感じるようになりました。自分の作り上げるシステムのコード1行1行までこだわり開発ができる環境を求め、転職に踏み切ることにしました。

――フューチャーアーキテクト以外にも、ITコンサルティングファームの選考を受けたのですか?

横田:はい、一通り有名どころは受けました。その中でフューチャーアーキテクトが一番自分にあっているなと感じて、2012年12月に入社しました。

――フューチャーアーキテクトの何が魅力だと感じたのでしょう?

横田:先ほどお伝えした「一気通貫」のスタイルが魅力的でした。まさに自分がやりたいことだなと。クライアント経営層と直接やり取りを行うグランドデザインを経て、要件定義を行い、実際にモノを作り、クライアントが利用するまで全てをリーディングしていく。それにより、今まで以上に仕事にやりがいを感じ、成長できるんじゃないかと期待を持てたところです。

あと、フューチャーアーキテクトの面接が最も早く通過したのですが、その時の面接官の熱量がすごかったんです。「横田君だったら絶対に活躍できるから、絶対にうちに入ってね!」って。その印象も大きかったですね。

――実際に働いてみていかがでしたか?

横田:先ほどもお伝えした通り、前職では正解に向けた開発をすることがメインでした。
しかし、フューチャーアーキテクトでは一つひとつのコードに対して目的意識を強く持つことを求められました。「なぜこのコードが必要なのか」「どういったエンドユーザが利用するのか」、コードから逆算してエンドユーザが求めていることを達成できるよう常にイメージすることを教え込まれました。

これは、「一気通貫」というキーワードとも関係しますが、我々がクライアントに何かを提案する際は、実現するためのアーキテクチャやコードをイメージした上で行うという理念とも通じています。
フューチャーアーキテクトに入って仕事の難易度は上がったのですが、非常に面白いと感じました。

世界中にあふれる技術要素の中から、クライアントにとって本当に最適なものを追求できる

――前職と比較して、それぞれ達成感を感じる瞬間の違いがあれば教えてください。

横田:前職では、チームとしてひとつのものを作り上げるというところに達成感を感じていました。
一方でITコンサルタントは、チームとしてプロジェクトを進めていくのはもちろんなのですが、クライアントのビジネスに影響を与えられたときに達成感を感じます。つまり、カットオーバーがゴールなのではなく、その後に成果を出すまで責任を持つことが最も大切なところではないかと思っています。

――ITコンサルタントとして、フューチャーアーキテクトならではの面白みを感じる点はどのようなところですか?

横田:これまでにお伝えした一気通貫に加え、利用技術・製品の縛りがないところですかね。世界中にあふれる技術要素の中からクライアントにとって本当に最適なものを追求し、必要なテクノロジーを採用ことできるのは、フューチャーアーキテクトくらいではないかと思っています。

クライアント目線での「仕組みづくり」が、ITコンサルタントの面白さだと感じた

――横田さんの中で、これまでで最も印象に残っているプロジェクトを教えてください。

横田:入社3年目にクライアント先に常駐したプロジェクトですね。「マイナンバーを自社で管理したいが、これまで前例がないためどのようにすればよいのか分からない、なのでフューチャーアーキテクトに全部任せます」というプロジェクトでした。

フューチャーアーキテクトに転職したとはいえ、まだまだエンジニアとしてものづくりに励んでいたところが大きかったのですが、このプロジェクトを経て、前職でのエンジニア時代には持っていなかった「クライアント目線での仕組みづくり」の視点を得ることができたと思っています。ここがITコンサルタントの面白さのキモですね。

――具体的にはどのような点が印象的でしたか?

横田:クライアントのニーズをかなえるには、まずはクライアントが実現したいことのすり合わせが大切です。認識のずれがないよう打ち合わせを何度も行って固めました。
また、よりセキュアな仕組みを構築する必要があったので、データセンターの電源工事を取りまとめたり、ラックのデザインを考えたり、ラックの鍵を開閉する運用を考えたりと、いわゆるコーディング以外の様々な運用設計も行いました。

周辺領域だけではなく、サーバーにどんなアプリを入れるのか、どのようにトラフィックを拾って監査の仕組みを作るのかなど、システムを使う人も含めて「どのように作ったらいいか」を、視野を広く持って対応する経験ができました。

――入社3年目ということは、2015年頃ですよね。マイナンバーがまだ出てきてすぐくらいだと記憶しているので、特に大変だったのではないかと思います。

横田:クライアント自身もそうですが、当社の中でもそれ以外でも前例がほとんどない案件で大変でしたね。このプロジェクトが終わった時に、クライアントのニーズに答えることのできる一人前のITコンサルタントになれたんじゃないかなと感じました。

年に一度開催されるプロジェクト発表会「BPY」

――メンバーの皆さまは、プロジェクト間を異動していくものなのでしょうか?それとも固定的なものですか?

横田:およそ2〜3年でプロジェクトが変わるケースが多いです。また、メンバーの希望やキャリアを定期的にヒアリングして、他のプロジェクトに移りたい場合は自ら手を挙げてプロジェクトを異動できるような仕組みもあります。

――どのプロジェクトがどんなことをやっているのかをキャッチアップすることは結構難しいし時間もかかると思うのですが、何か工夫されているのでしょうか?

横田:今年始まった取り組みで「Open Project」というものがあります。プロジェクトの成り立ちから現状、プロジェクトの大義、どういった人が活躍しているかなどを紹介するような社内イベントで、毎週多くの社員が参加しています。

また、「BPY(Best Project of the Year)」という、全社イベントもありますね。1年で最も優秀なプロジェクトを選び、その努力と栄誉をたたえるビッグイベントです。フューチャー創設初期より毎年行われており、今年で24回目を迎えます。このBPYでも多くのプロジェクトの状況をキャッチアップすることができます。予選と本選に分かれているイベントなのですが、私のプロジェクトも今年も本選に残ったので、今は絶賛準備中です。
普段はビジネスカジュアルなフューチャー社員ですが、この日だけは全社員スーツでばっちり決めます(笑)

あとは、例えばTIGメンバーなどが主催する勉強会や、リーダーが自身のプロジェクトリーディングのノウハウを若手メンバーに対して伝えるようなイベントも実施しています。積極的に動けば、色々な観点からプロジェクトを知る機会は多くあります。このような勉強会はコロナ禍でより盛んになった印象です。

1年間の自分の成果をプレゼンできる、「完全360度評価」

――プロジェクトの中でも業務が違ったり、客先常駐される方は働く場所が違ったり、メンバーを公平に評価するのは難しいと思います。評価はどうされているのでしょうか?

横田:当社の評価は「完全360度評価」です。年に一度、12月ごろに評価プレゼンテーションの場が設けられ、全社員が自分の1年の成果について発表します。上長やプロジェクトで一緒に働いたメンバーはもちろんのこと、プレゼンを聞きたい人は誰でも聴講可能です。
全社員なので社長の神宮やCTOの齋藤も、創業者の金丸以外は全員プレゼンを行います。

――全員分のプレゼンを聞けるということですか?

横田:そうですね。プレゼンの時間割も全社員分が随時イントラに発表されるので、聞きたい人のプレゼンは予定をつけて聞きに行くという感じです。発表資料もすべてオープンになっているので、予定があって聞きにいけない時は、あとから確認することもできます。

また、アセスメントシートは誰に対しても無記名でスコアとコメントを残すことができるので、評価は公平なものになっていると感じています。

――面白いですね。要するに、昇格は年末の評価で決まってくるということですね?

横田:はい、そうです。ただ、年末まで待たなくとも「随時評価」というものもあり、期の途中でプレゼンを実施することも可能です。こちらももちろん誰でも参加できます。
私も今年の5月に随時評価プレゼンを行いディレクターにランクアップしました。

自分の技術力に付加価値をつけて、次々と「人の役に立てる」のが、ITコンサルタント

――ここまで横田さんのキャリアをベースに、フューチャーアーキテクトのITコンサルタントについて伺ってきましたが、他にどんなメンバーが活躍している印象でしょうか?

横田:目の前の仕事に対して没頭できる人が、フューチャーアーキテクトで活躍できる人だと思います。例えば私の場合、コーディングをしていた時はいちメンバーとして、クライアントから信頼を得ようと、誰よりも要件定義書などを頭に入れてその会社に最も精通している人になるよう努力をしました。
そうすると、クライアントから色々な話が来るようになります。「この人、分かってくれているな」と。

どんなフェーズでも、インプットを増やすとクライアントの視点が徐々に身についていくと思うので、私は特にそこを意識しています。

――素敵ですね。ITコンサルタントに向いている人の特徴という観点ではいかがでしょうか?

横田:本質的に「人の役に立ちたい」という人は、向いていると思います。どういうものを作れば役に立つかを考える機会が多いので。あとは、自分の技術力に付加価値をつけて、業界の知見を活かしながらプラスアルファでよりいいものを次々と世の中に出していきたい。そういう欲張りな思考を持った人が向いていると思います。

――ありがとうございます。それでは最後に、読者の皆さまへのメッセージをお願いいたします!

横田:もともとエンジニアで、よりクライアントのニーズに応えたいと感じてフューチャーアーキテクトに入社する人が多いです。
フューチャーアーキテクトにはクライアントの真の課題に向き合い、価値提供まで実現できる環境が整っていて、私自身、転職を後悔したことは一度もありません。

エンジニアとしての経験や技術に対しての興味を活かして成長したい。そういう人は、ぜひ入って欲しいと思います。

フューチャーアーキテクトの採用ページを覗いてみる

編集後記

ITコンサルティングには、自社開発システム・パッケージ等を前提に改善施策を提案するものと、ゼロベースで適切なソリューションをグランドデザインして提案するものと、大きく二種類あると考えます。
今回お話を伺ったフューチャーグループでは主に後者のアプローチを軸に展開されており、中立の社外CIO兼技術専門家的な立場からハンズオンで入るため、非常に自由度が高く、それ故に難易度も高い業務だと感じた次第です。
インタビュー後の雑談の中では、フューチャーアーキテクトではMBAを取るため会社と交渉し海外に留学している社員の方もいるようで、技術的な視座をベースに経営視点も養いたい人にとっては最適な環境が揃っていると思いました。ちなみに、今回お話を伺った横田さんは、2018年から1年間、スタンフォード大学の客員研究員として留学されたそうです。
戦略などのグランドデザインの段階から問題解決を進めたい方や、中長期的に戦略・業務・技術の3軸を高めていきたいという方には、最高の職場だと言えるでしょう。

取材/文:長岡 武司
撮影:太田 善章


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