概要
今年入社した文系大学出身の新卒後輩ちゃんに、RPAについて教えることになったためその際に意識したことをまとめました。
RPAを推進していくにあたり、ノンテク部門の方への 教育/指導は避けては通れない道 だと思うので、少しでも参考になれば幸いです。
経緯
今年度入社の新人ちゃん(新卒、演劇学科卒)が弊社RPAグループに配属されてきました。
話を聞くと「これまでプログラミングはやったことないです」とのこと。
そんな彼女にRPAとプログラミングの基礎の基礎を教えるための試行錯誤が始まりました…
教えるときに意識したこと
1.処理の組み立て方から教える
一番最初に、 フローチャート(流れ図) について教えました。
「どんな処理を」「どんな流れで」「どうやって処理するか」を視覚的に表現できるので、教える側としても伝えやすいです。
また、実際にロボットを作る前に一度流れ図を作成してもらうことで、処理について互いに把握しやすくなります。
2.極力身近なものに例える
身近なものに例えることで、「プログラミング=なんだか難しい…」というイメージを持たれないように気を付けました。
たとえば…
- 変数は 値を保存する箱
- 眼鏡は眼鏡ケース、名刺は名刺入れのように 入れるものによって箱(変数)の形は変わる
- 配列は 薬ケース
などなど
3.聞ける環境を作る
分からないことがあれば迷わずに聞ける環境づくりを意識しました。
聞くための 手段(メール、Slack、口頭…etc) は社内で既に構築済なので、
疑問点をざっくばらんに聞ける 関係性 の構築に力を入れました。
4.調べ方を教える
四六時中後輩について指導ができるわけではないので、自力で解決できる力を身につけられるよう意識しました。
困っている内容をうまく言語化して、その対処方法をさらにRPAツールに絞り込んで調べるって案外慣れないと難しいので、
最初のうちは「このワードで調べれば出てくるんじゃないかな?」とアドバイスしてました。
知りたい内容 | 難易度 | 対処 |
---|---|---|
調べれば解決できる | 易 | 調べ方を教える |
調べるのにコツがいる | 中 | 参考になるサイトを教える |
調べても出てこない | 高 | やり方を教える |
※質問できるコミュニティがある場合はそちらへ誘導してもよかったかもと反省してます |
5.聞かれても答えられる知識を身につける
あらかじめ後輩に解かせる問題は自分で作成/検証しておくのは大前提として、自分自身としても様々な方法を試してみたり、学習コンテンツが充実しているツールであればその学習コンテンツに目を通すことで知識を蓄えてました。(UiPath 〇cademyなど…)
質問してくれた後輩を「分からないから〇〇さんに聞いて!」とたらい回しにしないで済むように、極力自分が回答できるように意識しました。
6.それでも分からないことは周囲を巻き込んで解決
そうはいっても限界は来ます(無慈悲)
その場合はグループメンバーで解決方法を探りました。
メンバー全員が見れるSlackで解決方法を探ることで後輩と私だけでなく、グループメンバー全員で成長できたように思います。
結果
後輩だけでなく自身もとても成長できました
上司、後輩、私の3人でLT登壇もしました
なんと、後輩ちゃんは12月に 内定者向けのハンズオンまで実施 しました!
人に教えるメリット
- 相手を納得させられる説明のため、自分が納得できるほどの情報をインプットする必要がある
- 相手に分かりやすく伝える方法を考えたり、実践できる(分かりやすかったかどうかのフィードバックも得やすい)
- 相手からの異なる視点からの疑問を知ることでさらに知識を深められる
- 頼ってもらえると嬉しい(個人の感想です)
と、教える側のスキルやモチベーション向上にもつながります!
終わりに(2024/06/25追記)
当時(2019年)に比べて、プログラミングが義務教育の必修科目になったため、今後は流れ図や変数の概念といった部分の説明は不要になっていくかと思います。
ですが、「分からないことの解決方法」「分からないままで終わらせないための関係構築」は普遍的な必須スキルと思うため、新人に限らず少しでも質問できない・してくれないという悲しい悪循環が減ってくれることを願っています。