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Docker Desktop WSL 2 + PhpStormでPHP開発環境を作ってみる

Last updated at Posted at 2019-11-22

情報が古くなったため、記事を修正してブログに投稿しました。

前編:WSL2、Dockerの設定

後編:PhpStormの設定

※ 下記は古い情報となります。

はじめに

Windowsでの開発環境構築の面倒さやDocker for windowsでのビルドの遅さに嫌気がさし
しばらくLinuxに逃げていましたが、WSL2に興味を惹かれて開発環境を作ってみました。

現在メインに使っているPhpStormでLaravel開発環境を設定する手順についてまとめています。

概要

PhpStorm(Intellij IDEA)からWSL2のDockerコンテナ内のPHPをリモートインタープリターで設定し、ついでにXdebug、PHPUnitの設定も行います。

環境

  • Windows 10 professional
    • バージョン1903(OSビルド 19018.1)
  • WSL2:Ubuntu 18.04
  • PhpStorm 2019.2.4

手順

  1. WSL2の有効化
  2. Dockerのインストール
  3. Dockerの外部アクセス設定
  4. Dockerコンテナの起動
  5. PhpStorm設定

1.WSL2の有効化

WSLにUbuntuをインストールして、WSL2に変換します。

※すでにいろいろな情報が出ているのでざっくりと。

① Windows InsiderPreviewのFastリングを導入

② 仮想マシンを有効化

> Enable-WindowsOptionalFeature -Online -FeatureName VirtualMachinePlatform

③ WSLのバージョンを2に変更

> wsl --set-version Ubuntu-18.04 2

④ バージョン2になったことを確認

> wsl -l -v
  NAME            STATE           VERSION
* Ubuntu-18.04    Running         2

2.Dockerのインストール

"Docker Desktop WSL2"をインストールします。

下記docker blogの「Want to give it a go?」に書いてあるとおりに設定します。
https://blog.docker.com/2019/07/5-things-docker-desktop-wsl2-tech-preview/

これまでにWSL2はインストール済みと思いますので、「4.Finally, download the Tech Preview」のリンクからダウンロード、インストールを行ってください。

起動後に、タスクバーのdockerアイコンを右クリックし「WSL 2 Tech Preview」を選択します。

「Status」タブ内の「Start」ボタンをクリックして起動します。
自動起動の設定が見当たらないため、Windowsの再起動のたびにStartボタンを押す必要があるかもしれません。
2019-11-22_00h26_29.png

※ このままだとWSL2からの実行にroot権限が必要なため、root以外でも使えるように設定します。

WSL2にログインして下記コマンドを実行しす。

$ sudo usermod -aG docker your-user

3.Dockerの外部アクセス設定

WindowsホストからWSL2上のdockerを操作できるように、外部接続の設定を行います。
"Docker Desktop WSL2"のWSL2設定画面のSettingsタブ内に、下記内容を設定してください。
2019-11-22_00h26_35.png
記載内容はこちらです。

{
  "hosts": [
    "unix:///var/run/docker.sock",
    "tcp://0.0.0.0:2375"
  ]
}

dockerを再起動します。

これで、Windows側から<wsl2のIPアドレス>:2375でアクセスできるはずです。

※ Docker for Windows で「Expose daemon on tcp://localhost:2375 without TLS」にチェックしていたら別のポートを指定してください。
localhost:2375ではアクセスできませんでした。
.wslconfigに設定を追加すればWebサーバーの方はアクセス可能ですが、他のプロトコル用では無理?

4.Dockerコンテナの起動

今回はDocker内にPHP環境を構築します。
下記仕様でコンテナを作成しました。

  • Nginx
  • PHP 7.3
    • Xdebug
    • PHPUnit
  • Laravel 6

ソースコードは下記に置いてあります。
https://github.com/odaryo/php_docker_sample.git

適当なディレクトリにクローンしてセットアップします。
ここでは /workspace にプロジェクトを作るものとして説明します。

(以下WSL2内での作業)

$ cd /workspace
$ git clone https://github.com/odaryo/php_docker_sample.git .

Docker起動

$ cd php_docker_sample
$ docker-compose up -d --build

Laravel初期設定

// コンテナに入る
$ docker-compose exec php-fpm /bin/bash

// 下記はコンテナ内で実行
$ composer install
$ cp .env.example .env
$ php artisan key:generate
$ exit

http://localhost:8080 でlaravelのトップ画面が表示されることを確認します。

5.PhpStorm設定

① パスの設定

Windows領域をマウントしての処理はWSL2でも早くない(むしろWSL1よりも遅い)そうなので、プロジェクトはWSL2上で管理し、Windowsからアクセスするように設定します。

Windowsからは、WSL2のルートディレクトリが下記パスで見えます。
\\wsl$\ubuntu-18.04\
IDEにそのまま設定すると$が使えないと怒られるため、WSL2へのアクセスパスをネットワークドライブ(ここでは Z:)に設定します。

今回の例では下記のように対応しています。

WSL2側 → /workspace/php_docker_sample
Win側 → Z:\workspace\php_docker_sample

② PHPインタープリターの設定

PhpStormの設定画面からWSL2上のdockerコンテナを指定します。

設定画面を開き、「Build, Execution, Deployment」-「Docker」の内容を編集します。
・「TCP Socket」の「Engin API URL」に、tcp://<WSL2のIPアドレス>:2375を設定(localhostだとうまくいきませんでした。)
・「path mapping」にWSL2とWindowsのプロジェクトディレクトリの対応値を記載
・ ステータスが「Connection Successful」となることを確認
2019-11-22_00h51_14.png

「Languages & Frameworks」-「PHP」内の「CLI Interpreter」の右側にある「...」を選択します。
2019-11-22_01h05_04.png

左上の「+」ボタンを押して「From Docker,....」を選択します。
Server名に先程作成したDockerサーバーを設定し、PHP-FPMのコンテナを選択します。
成功すると「General」欄にPHPのバージョンなどの情報が表示されます。
2019-11-22_00h47_00.png

この状態でOKボタンを押すと、「CLI Interpreter」欄にPHPのバージョンなどが表示されます。
※ 「path mapping」がおかしい場合は手動で修正してください。
2019-11-22_01h15_26.png

③ Xdebugの設定

設定画面から「Languages & Frameworks」-「PHP」-「Debug」を開きます。
「Debug port」にxdebug.confで設定したポート番号を入力します。
2019-11-22_20h22_11.png

設定画面を閉じ、エディタ右上の「Add Configuration...」より、Xdebug利用設定を行います。
左上の「+」ボタンから「PHP Remote Debug」を選択します。
2019-11-22_20h27_00.png

「Filter debug connection by IDE key」にチェックし、Serverを設定します。
未作成の場合は右側の「...」ボタンから追加してください。
2019-11-22_20h40_16.png

PortはWebサーバーのポート(今回は8080)、DebuggerにはXdebugを設定します。
「Use path mapping」にチェックを付けDockerコンテナ内とパスを合わせます。
2019-11-22_20h30_34.png

OKボタンを押したあと、「Server」「IDE key」を設定します。
2019-11-22_20h34_00.png

これで設定完了です。
ブレークポイントでデバッグができることを確認します。
2019-11-22_20h36_03.png

※ブレークポイントで止まらない場合はWindows側のFirewallが原因の可能性かもしれません。
ポートを開放するか、Firewallの解除でデバッグできることを確認しました。

④ PHPUnitの設定

「Languages & Frameworks」-「PHP」-「Test Frameworks」を開きます。

左上の「+」ボタンを押し、PHPインタプリタを選択します。
「Path to script」にautoload.phpのパスを、「Default Configuration file」にphpunit.xmlのパスを記載します。
※ 注意点として、パスの入力欄はどちらもDockerコンテナ内のパスを記載してください。
2019-11-22_01h31_57.png

設定画面を閉じ、エディタ右上の「Add Configuration...」より、PHPUnit利用設定を行います。

PHPUnitを追加し、
2019-11-22_01h29_53.png

「Defined in the configuration file」を選択します。
2019-11-22_01h31_22.png

その後、テスト実行ボタンを押して、テストが完了することを確認します。
image.png

おまけ

WSL2のIPアドレスについて

WSL再起動のたびにIPアドレスが変わるため、その都度IPアドレスの変更が必要となります。(2019/11/22現在)

ビルド18495より、C:\Users<yourUsername>\に.wslconfigを作成し、localhostForwarding=trueを設定するとlocalhostでWSL2にアクセスできるようになりました。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/release-notes#build-18945)

ブラウザからはlocalhostでアクセスできるようになったのですが、dockerへはつながらない...
ポートの設定でできるようになるかもしれませんが、未調査です。

Node.jsのインストール先について

コンテナ内のnode.js(yarnやnpm)を実行すると遅いため、node自体はコンテナ外のものを使ったほうが良いと思います。

ですので、WSL2上にインストールしてPhpStormと紐付けます。

Nodeのバージョン管理ツールNVMをインストール

$ curl -o- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.34.0/install.sh | bash

設定が.bashrcに書き込まれるので、更新するためターミナルを閉じて再度開くか、下記コマンドを実行します。

$ source ~/.bashrc

Node.jsのインストール
(※ 執筆時点でのLTS版をインストールしました。)

$ nvm install 12.13

PhpStormの設定は「Languages & Frameworks」-「Node.js and NPM」から行えます。
「Node Interpreter」を選択肢、一番下の「Add...」を選択します。
さらに出てくる選択欄から「Add WSL...」を選択するとWSL上のNode.jsが選べます。
2019-11-22_01h18_45.png

終わりに

さすがにLinuxホストにはビルド速度など敵わないですが、Linuxと遜色ない機能が使えるのは大きいです。

WSL2はまだまだ開発途中ですので、今後のバージョンアップに期待したいです。

今回は"Docker Desktop WSL2"を使ってインストールしましたが、WSL2に直接dockerをインストールしても同じことができるかもしれません。(未調査) → 追記しました

追記(2019/11/29)

Docker for windowsを削除して、WSL2上にインストールしたDockerから操作可能なことを確認しました。

  1. 公式ドキュメントを参考にDockerをインストール
  2. /etc/docker/daemon.jsonを下記内容で作成
{                                                                                                   
    "hosts": ["unix:///var/run/docker.sock", "tcp://0.0.0.0:2375"],                             
    "experimental": true                                                                }                     
  • 注意点
    • 上記設定と同様にlocalhostでアクセスできなかったため、WSL2のIPアドレスを指定する必要があります。
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