江戸幕藩体制下、「武士道」なる概念に固有の意味はなく「武士=各藩の家臣の振る舞いの違い」のみを意味し「なるほどそれが薩摩藩の武士道であるか、ならば会津藩の武士道はこうである」という使われ方をしていた様です。「数学そのもの」について想いを馳せるだけで足がすくんでしまう私の様な「浅瀬の民」にとっては心強い考え方。私の場合に鑑みるなら、そもそも最初から「(コンピューター使用を前提とする)計算可能世界(Computable World)」にしか関心がないので、あえて「実数そのもの」でなく「連続有理数集合(Continuous Rational Set)」概念から出発させて頂く事にしましょう。「それが私の数理論である」という次第。
Wikipedia「線型連続体(Linear Continuum)」
符号なし有理数集合(Unsigned Rational Set)」
観測原点0から$\tilde{∞}$(Unsigned Infinity=符号なし無限遠点)にかけて線状に分布する連続有理数集合kの概念から出発する。この段階ではその任意の元$k_x$を特定する方法は一切ない(どれであっても構わない=不定である)。
Yahoo知恵袋「不定と不能」
無限遠点自体は観測不可能なのでε-δ論法流に「演算上、任意の$p_0$が示された時、必ずそれを超える$p_{0+1}$が提示可能である」事をもってとりあえずこの座標系における無限概念を規定する。
うさぎでもわかるε-δ論法・ε-N論法
等差数列の計算方法を距離演算f(x)に採用した場合が以下。それ自体は整数$\mathbb{Z}$の簡易規定$∞^±=1∞^±,1=\frac{1}{∞^±}$を有理数(Rational=割り切れる数)$\mathbb{Q}$全域に拡張したに過ぎない。
数学記号の由来について(8)-「数」を表す記号-
\int_{x=0}^{p}f(x)dx=p,\lim_{x=0→±∞}=±∞,l\in \mathbb{Q},\forall p_i(0≦i≦±∞) \in l
P_i= [∞^-α=∞^-,,,-2α=-2α,,,-1α=-α,,,0×α=0,,,+1α=α0,,,+2α=2α,,,∞^+α=∞^+]
等比数列の計算方法を距離演算f(x)に採用した場合が以下。
\int_{x=0}^{p}f(x)dx=p,\lim_{x=0→\tilde{∞}}=\tilde{∞},l\in \mathbb{Q},\forall p_i(0≦i≦\tilde{∞}) \in l
P_i= [α^{-∞}=0,,,α^{-1}=\frac{1}{α},,,α^0=1,,,α^1=α,,,α^{+∞}=∞]
両者を組み合わせたN進数概念$\sum_{i=∞^-}^{∞^+}α_iN^i$を持ちいれば任意の実数を望む制度で表せる。例えば10進数1234.5678の表現は以下。
1234.5678=10^3×1+10^2×2+10^1×3+10^0×4+10^{-1}×5+10^{-2}×6+10^{-3}×7+10^{-4}×8
冪算$N^m$の根Nとして"10"が最も普及したのはあくまで人類の勝手な都合であって、別にその背景に数理的根拠がある訳ではない。そして当然この表現に収まらなかった部分は切り捨てられる訳で、同時にそれが計数的限界(Computable Limit)を示す表現ともなる。
数学的に美しいのは「12進法」なのに私たちが「10進法」を使っている理由
この範囲において上掲有理数集合は「連続している(Continuous)」ものと規定する。
Wikipedia「数学(連続)」
この考え方の効用
「(コンピューターを使って)計算可能世界(Computable World)にとっては計算不可能な程桁の大きな整数や少数、計算可能精度を超えてくる円周率π(3.14159265…)やネイピア数e(2.71828182…)無理数の計算上切り捨てた部分が「不可知区間(Unknowable Interval)」となるのをそのまま表現した感じですね。これを「実用に差し支えなければ問題ない」と考えるのが(私の考える)計算可能世界の特徴となる訳です。
等差数列+等比数列=トーラス座標系?
等差数列と等比数列の関係についてもっと掘り下げて考えてみましょう。上掲の等比数列も等差数列も既に交換条件(a●b)●c=a●(b●c)は満たしているので、あとは符号概念±を導入し、単位元e(a●e=a)を中心とする任意の元に逆元$a^{-1}=-a$が存在する事を示せばそれぞれ加法群と乗法群に昇格させる事が出来ます。
Wikipedia「群(数学)」
無限遠点を「点」としてイメージするには、さらにこう考えねばなりません。
ここでは加法群と乗法群が直交する座標系を想定しました。両者は「加法群の元*乗法単位元1=加法群の元」という関係にある事を利用し、この概念を乗法群全体に拡張した訳です。
ここでは+∞と-∞が無限遠点$\tilde{∞}$で連結すると考えるので、上掲の円筒座標系は両端が連続して全体としてドーナツ状となり、トーラス座標系を構成する事になります。
【数学こぼれ話】【Token】トーラス概念
ここで「加法群=大半径,乗法群=小半径」なる射影でなく、要素を入れ替えた「乗法群=大半径,加法群=小半径」なる射影について考えてみましょう。
断面図を見るとこんな感じになりますね。
例えばロジスティック方程式の領域分割について考える際にこの考え方が必要となってきます。
Wikipedia「ロジスティック方程式」
元の式では初期値$N_0$の値によりその振る舞いが3領域に分割されます。
- 初期値$0<N_0≦環境収容力K$の場合…次第に増加し、環境収容力Kに収束。
- 初期値$N_0≧環境収容力K$の場合…次第に減少し、環境収容力Kに収束。
- 初期値$N_0≦0$の場合…次第に減少し、-∞に発散(観測対象外)。
式を単純視して環境収容力Kを乗法単位元1と捉え、さらにυ-δ論法上の上限と下限も意識すると5領域に分割される事になります。
- 初期値$υ-δ論法上の上限<N_0$の場合…次第に減分を減らしつつ減少するも、収束に至らず。
- 初期値$乗法単位元1<N_0≦υ-δ論法上の上限$の場合…次第に減分を減らしつつ減少し、乗法単位元1に収束。
- 初期値$乗法単位元1$の場合…増減なし。
- 初期値$0<N_0<乗法単位元1$の場合…次第に次第に増分を減らしつつ増加し、乗法単位元1に収束。
- 初期値$N_0≦0$の場合…次第に減分を増やしつつ減少し、-∞に発散。
このうち乗法単位元1に収束しないのが「初期値$υ-δ論法上の上限<N_0$の場合」と「初期値$N_0≦0$の場合」で、上掲の計算可能世界(Computable World)の対象外となります。ここで重要なのは、どちらの過程もυ-δ論法上の限度を超えた範囲で起こるので区別がつかないという事。確かに前者は「元として可視化された要素の削減」、後者は「元として可視化すらされてない要素の削減」と一応の違いがあって「分類問題」が急浮上してくる訳ですが、どちらも計算に役立たない形でしか検出出来ない訳で、わざわざ峻別する意義自体が存在しません。
【とある本格派フェミニストの憂鬱9パス目】科学的実証主義以前の世界=博物学や呪術論の世界?
そもそも「分類」とは何か? 機械学習論におけるこの問いの答えは明白です。二次元的には「ある分布を、任意の峻別線を引いて2分する事」「この峻別線がもし直線だったら 、傾きaと切辺bの組み合わせax+bで表せる線形回帰(Linear Regression)となる」。この時、この分布の各元は特定の数直線上に順序尺度(Ordinal Scale)に従って一次元に並べ直される事になるのです。
加法群と乗法群の関係は、状況によってはこういう現れ方もするという話…