はじめに
「AI開発ってなんだかお金がかかりそう」、あるいは「設定が難しそう…」「会社がClaude使っちゃダメって言ってるんだ」「コーディング部門じゃないから予算が出ない…」と思っている人にこそ、ぜひ聞いてほしいお話がある。
さくらインターネットが提供している 「さくらのAIエンジン」 と、VS Codeの最強の自律型AIアシスタント拡張機能である Cline(クライン) を掛け合わせることで、驚くほど本格的な開発環境が、なんと 完全無料 で手に入ってしまうんだ。
今回は、Clineに初めて触る初心者に向けて、このワクワクするような無料開発環境の全貌をじっくり詳しく語っていくよ。
今回の主役:Kimi とは?
まず、今回ベースにする「さくらのAIエンジン」で使う 「Kimi」 のポテンシャルについて熱く語らせてほしい。
このAIは一言でいうと、即答性よりも深い思考を優先する、ものすごくじっくり考えるタイプ なんだよね。このモデルは Moonshot AI という中国・北京を拠点にする企業がオープンリリースしているLLMで、サービスを稼働させるには実に16枚ものGPUが必要。実はものすごくリッチで貴重な計算リソースが裏で動いているんだ。
(2026/8/14追記)
https://api.ai.sakura.ad.jp/v1からpreview/Kimi-K2.7-Codeを選ぶことができます。
保存版「さくらのAIエンジン」無料枠を使い倒す!
さくらインターネットの「さくらのAIエンジン」は登録して、 「基盤モデル無償プラン」 を選択するだけで 「基本料金0円」 でKimiを使うことができる。
インストールもセットアップも簡単!
まずは「さくらのクラウド」ホームのコンソールから 「プロジェクト」 を選ぼう。プロジェクトがないと何もできないから、まず最初に作る。
![画像:プロジェクト選択画面]
つづいて画面の中央にある 「さくらのAI Engine」 を選んで、利用規約に合意します。
![画像:さくらのAI Engine選択画面]
基盤モデル無料プラン詳細
| 機能 | 無料枠 |
|---|---|
| チャット生成(chat completions) | 3,000回 |
| ベクトル埋め込み(embeddings) | 10,000回 |
| 音声の文字起こし(audio transcriptions) | 50回 |
| 音声の読み上げ(audio speeches) | 50回 |
「ずんだもん」をはじめとする音声合成(TTS)も使えるよ!
さくらインターネット、生成AI向け推論API基盤「さくらのAI Engine」にて「音声合成(TTS)API」を提供開始
https://www.sakura.ad.jp/...
APIキーを作成しよう
続いて、アカウントトークンを作成する。<アカウントID:秘密> という文字列になる。一度しか表示されない から確実に管理しよう。もちろんGitHubのソース管理下に置くのではなく、Secretとして管理してね!
![画像:APIキー発行画面]
シークレットが保存できたら、いったんさくらインターネットのダッシュボードでの作業は終わり。
Kimi Chat もぜひ触ってみて
前回はさくらインターネットの「さくらのAIエンジン」で、その深い思考プロセスをただユーザーに待たせるのではなく、チャット画面上にアイコンなどで面白く可視化してくれる 「Kimi Chat」 を公開したよ。AIが今何を考えているのかが手にとるようにわかって、触っているだけでもめちゃくちゃ楽しいんだよね。
知識のカットオフは2024年で止まっているから最新トレンドを追うのには向いていないけれど、古い知識を逆手に取った小説のプロット作成や、キャラクターの感情をシステムプロンプトで可視化して対話させるようなクリエイティブな用途には抜群の相性を誇っているよ!
Kimi Chat — 国産推論(さくらのAI Engine)
https://kimi.aicu.ai
無償プランは基本料金が完全に0円でありながら、チャット生成が月に3000回、ベクトル埋め込みが10000回、音声の文字起こしと読み上げがそれぞれ50回ずつ使える。ただし、RAGと呼ばれるドキュメント登録機能 を使うときは、そのドキュメントを削除するまでチャンク数に応じた課金が毎月継続して発生しちゃうから、完全無料で運用し続けたいならそこだけは注意しておこうね。
Clineで使うKimi
さて、この強力な頭脳「Kimi 2.6」なんだけど、実はチャットだけではなくコーディングもかなりの能力を持っているんだ。VS Codeの拡張機能である Cline とドッキングさせていこう。
まずはあなたのパソコンに入っている VS Code を起動して、左側にある拡張機能のマーケットプレイスを開いてみて。検索窓に 「Cline」 と打ち込んで、一番上に出てきたお目当ての拡張機能をインストールするだけで、あっという間に準備は完了するよ。
Clineの無料ユーザー登録をしておこう
Cline自体はオープンなコーディングエージェントで、GitHubでも配布しているよ。各社のコーディングLLMを安価に選択しながら使用できることでエコシステムを構築しているのだね。最低限のユーザー登録をすることで無料で利用できる。登録は .bot ドメインの https://cline.bot/ から。
Clineの何が初心者にとって最高に親切かって、いきなりクレジットカードを登録させられたり、面倒なアカウント作成で心を折ってきたりしないところなんだよね。最初から0.5クレジットが入った無料のフリープラン の状態でそのまま使い始めることができる。さらにここではVS Codeの機能拡張をインストール後して、Kimiを使って、無料でClineを使えるようにしていくよ。
![画像:cline.botでの初期登録状態]
![画像:VSCodeの機能拡張「Cline」をインストールしたところ]
知られざる!?さくらのAIエンジンのAPIエンドポイント
さてここからがちょっとしたハマりポイントだ。ClineはさまざまなコーディングLLMを使用できるようになっている。しかし、さくらインターネットのAI Engine経由のKimi 2.6を使うには?答えはここにあった。
利用手順 | さくらのクラウド マニュアル
https://manual.sakura.ad.jp/cloud/ai-engine/02-howto.html#api
ここからのAPI設定が、この環境に命を吹き込む一番大事なステップになるよ。起動したClineの設定画面を開いたら、まずはAPIプロバイダーのドロップダウンリストから、 「OpenAI Compatible」 という項目を選択してね。というのもKimi 2.6にはOpenAI互換のAPIがある。
さくらのマニュアルに載っている手順を当てはめていくんだけど、APIエンドポイントのURLを入力する際、末尾は必ず v1 までに指定して、その後に余計なスラッシュを入れない のが、接続エラーを防ぐちょっとしたコツなんだ。あとは払い出されたAPIキーを入力し、対象のモデルIDを指定すれば、さくらのAIエンジンとClineがしっかりと手を結ぶことになるよ。
(2026/8/14追記)
https://api.ai.sakura.ad.jp/v1からpreview/Kimi-K2.7-Codeを選ぶことができます。
Clineの初心者こそ絶対にオンにしてほしい神機能
設定画面の一番下 「Use different models for Plan and Act modes」 はチェックオンにしておくといいかもしれない。異なるモデルを 「プランとアクト」 つまり 「計画と実装」 のモードで使い分けるチェックボックスなんだ。
Plan モード
ユーザーの指示を受けて 「どういう手順でコードを組み立てるか」 をじっくり練る。コードの破壊は行わない ので安心。
Act モード
計画に沿って実際にターミナルウィンドウを開いて、ファイルを生成したりコマンドを叩いたりしてコーディングを実行して実装していく。
賢い使い分けでコストを抑える
プランとアクトモードの二つのフェーズで、モデルを賢く使い分けることができるんだよね。たとえば、設計が得意なフロンティアモデルをプランに割り当て、実際の実行フェーズであるアクトにさくらのAIエンジン(Kimi)を割り当てることで、コストを完全に抑えながらも極めて精度の高いコーディング環境 を構築できてしまう。使い方によっては 全部無料で!
これはFable5のようなモデルとの併用でも大きな効果を得られる。一発計画系が得意なFable5はとにかく初手のプランニングが得意だ。でも細かな調整や磨き上げ、自動化テストといった作業はOpusやSonnetに任せたいよね。そのような使い分けで、Kimiを使うことで、さらに 「いいところでRate Limitが…」 ということはなくなるってこと!これはすごい。
作ってみた!
実際にこの設定を済ませて、 「ネオンサイバーパンク風のピンボールゲームを作って」 とClineに無茶振りしてみたところ、画面の裏側でAIが深く思考を巡らせ、スペースキーでボールを発射するようなゲームコードを次々と自動で生成してくれたんだ。多少の調整は必要だったとしても、ほぼほったらかしのままで一発でそこそこのものが作れてしまうそのスピード感と未来感は、まさに感動モノの体験だと言えるよ。
![画像:生成されたピンボールゲームの様子]
おわりに
特定の高額なコーディングサブスクに課金しなくても、知識や設定がほとんど要らない状態でここまでの自律開発環境が作れてしまうのだから、この素敵な関係性を体験しない手はないじゃん?
ぜひあなたも、この ClineとさくらのAIエンジンが織りなす次世代の無料開発の世界 に、最初の一歩を踏み出してみてね!