3
3

More than 3 years have passed since last update.

OCI Database: データベース環境を作ってみた(再び)

Last updated at Posted at 2020-01-15

2019年5月にOracle Cloud (OCI)でのDatabaseサービスを作成する記事を書きましたが、作成UIが変わり、いくつか新しい機能が盛り込まれました。そのため、改めてDatabaseサービス作成のステップを書いてみます(2020年1月現在)。

事前準備

  • SSHアクセスに使用するSSHキーペア(公開鍵、秘密鍵)の用意
  • データベース環境の配置先となる、VCN(Virtual Cloud Network)のサブネット(パブリック・サブネットあるいはプライベート・サブネット)
  • 使用するコンパートメントの確認

DBシステムの作成

DBシステムとは、Oracleデータベースがデプロイされた仮想マシンやベアメタルサーバーです。ユーザーが指定したCPUコア数やデータベースのエディション、バージョンで構成されます。
今回はOracle Database 19cを積んだ、仮想マシンのDBシステムを作成してみます。

まず、OCIコンソールの左上にあるメニューアイコンから、「ベア・メタル、VMおよびExadata」を選択します。

DBシステムの画面が表示されます。使用するコンパートメントが適切なものか確認して「DBシステムの作成」をクリックします。

DBシステムの作成画面が表示されます。DBシステムとデータベースの情報を入力します。

1. DBシステム情報の入力
まず、DBシステムの情報を入力します。
少し長いので、いくつか区切って見ていきます。

・コンパートメントの選択 : DBシステムの所属するコンパートメントを選択します。
・DBシステムの名前の指定 : 作成するDBシステムの任意の名前を入力します。
・可用性ドメインの選択 : DBシステムを配置するアベイラビリティ・ドメインを選択します。リージョンによってアベイラビリティ・ドメインの数は異なります。東京リージョンは一つです。
・シェイプ・タイプの選択 : シェイプ・タイプを選択します。今回は仮想マシンを選択します。
・シェイプの選択 : 使用するシェイプを選択します。シェイプによってCPUコア数やメモリサイズが決まります。下は仮想マシンの現在提供されているシェイプです。

シェイプ CPUコア メモリ
VM.Standard2.1 1 15 GB
VM.Standard2.2 2 30 GB
VM.Standard2.4 4 60 GB
VM.Standard2.8 8 120 GB
VM.Standard2.16 16 240 GB
VM.Standard2.24 24 320 GB

ただし、「シェイプの変更」をクリックして表示されるシェイプは、利用している環境で使用可能なシェイプに連動するようです。
Oracle Cloudではサービス制限(Service Limits)という仕組みにより、デフォルトで使用できるサービスの数量に制限がかけられています。もちろん、リソースの数量を増やすリクエストができますので、必要に応じてサービス制限の画面からリクエストをします(詳細な解説がこちらにあります)。

・合計ノード数 : シングルノードの環境を構成する場合は1, RACを構成する場合は2を選択します。今回は1のままです。
・ORACLE DATABASEソフトウェア・エディション : エディションを選択します。選択できるエディションは4種類あります。
 ・Standard Edition
 ・Enterprise Edition
 ・Enterprise Edition High Performance
 ・Enterprise Edition Extreme Performance
Oracle Cloudでは、データベースのオプションはこれらのエディションの中に含まれています。どのエディションにどのデータベース・オプションが含まれるかについてはOracle CloudのFAQから確認できます(英語)。

(続き)

・ストレージ管理ソフトウェアの選択 : Oracle Grid Infrastructure(ASMの使用)か、論理ボリューム・マネージャを選択します。以前はASMによるストレージ管理のみでしたが、現在は論理ボリュームマネージャによる管理が選択できるようになっています。ただし、RAC構成の時はASMのみの選択になります。詳細はこちら
・使用可能なストレージ(GB) : データベースのデータ格納領域のサイズを指定します。
・合計ストレージ(GB) : 上記使用可能なストレージから自動計算されます。データ格納領域に加えてリカバリ関連ファイルやOracleソフトウェアの領域の合計になります。
・公開SSHキーの追加 : 事前準備で用意した公開鍵の登録をします。

(続き)

・ライセンス・タイプの選択 : ライセンスタイプを選択します。BYOLをしない場合は「含まれるライセンス」(LICENSE INCLUDED)を選択します。
・仮想クラウド・ネットワーク 場所 : 使用するVCNを選択します。
・クライアントのサブネット 場所 : DBシステムを配置するサブネットを選択します。
・ホスト名接頭辞 : DBシステムのホスト名。サブネット内で一意である必要があります。
・Show Advanced Options : フォルト・ドメインを指定する場合に使用します。フォルト・ドメインの詳細についてはマニュアルを参照ください。

入力が終わったら「次」をクリック

2. データベース情報の入力
作成するデータベースの情報を入力します

・データベース名 : データベース名を入力します。
・データベース・バージョン : データベースのバージョンを選択します。
・PDB名 : PDB名を入力します。
・管理者資格証明の作成 : データベース管理者のパスワード。SYS、SYSTEM、TDEウォレット、およびPDB Adminで使用されます。パスワードは9文字から30文字で、大文字、小文字、特殊文字および数字をそれぞれ2つ以上含める必要があります。特殊文字は_、#または-のいずれかとのこと。
・自動バックアップの有効化 : 自動バックアップを使用する場合はチェックを入れます。DBシステム作成後に有効化することも可能です。自動バックアップのバックアップ保持期間は7日/15日/30日/45日/60日間から選択できます。また自動バックアップの開始スケジュールを2時間単位のウィンドウで指定できるようになっています。
・Show Advanced Options : データベースのキャラクタセットを指定する場合に使用します。デフォルトはキャラクタセットはAL32UTF8です。SJIS等に変更する場合はここから設定します。

以上を入力し、「DBシステムの作成」をクリックするとDBシステムをプロビジョニングし始めます。アイコンが黄色(PROVISONING...)から緑(AVAILABLE)に変わるとプロビジョニング終了です。

プロビジョニング中..
プロビジョニング終了!

プロビジョニングの進行状況は「作業リクエスト」のリンクから確認することができます。

DBシステムへの接続

作成したDBシステムに接続してみましょう。
1. IPアドレスの確認
DBシステムの詳細のページを表示します。

今回、DBシステムを配置したサブネットにパブリック・サブネットを使用しました。そのため、DBシステムにはパブリックIPが割り当てられています。IPアドレスの確認には、詳細ページの左側にある「ノード」のリンクをクリックします。ノードの情報が表示され、パブリックIPアドレスも確認できます。

2. ターミナルから接続
確認したIPアドレスを使って、ターミナルからDBシステムに接続します。

・ホスト : パブリックIPを入力します。
・TCPポート# : 22
・ユーザー名 : opc (デフォルトでopcというユーザーが用意されています)
・秘密鍵 : DBシステム作成時に登録した公開鍵のペアとなる秘密鍵

接続が成功したらユーザーを切り替えます。rootにもなれます。
oracleユーザーに切り替えたら、早速SQL*Plusでつなげてみます。

[opc@test ~]$ sudo -s
[root@test opc]# su - oracle
[oracle@test ~]$ sqlplus / as sysdba

SQL*Plus: Release 19.0.0.0.0 - Production on Wed Jan 15 08:51:12 2020
Version 19.5.0.0.0

Copyright (c) 1982, 2019, Oracle.  All rights reserved.


Connected to:
Oracle Database 19c Standard Edition 2 Release 19.0.0.0.0 - Production
Version 19.5.0.0.0

SQL>

はい。DBシステムにログインし、データベースへの接続までできました。
仮想マシンのDBシステムでは作成時に ORACLE_SID や ORACLE_HOME、ORACLE_UNQNAME、PATHといった環境変数がセットされるので、地味に嬉しいですね。
tnsnames.oraファイルも作成されます。ただし、PDBへの接続文字列はセットされていないので、必要に応じて tnsnames.oraファイルを編集する必要があります。

参考

3
3
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
3
3