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AIの新時代を駆ける!AWS Innovateで掴んだ生成AIの可能性と実践法

Last updated at Posted at 2025-03-07

はじめに

「生成AIに興味はあるけど、導入のハードルが高そう...」
「うちの会社でも生成AIを取り入れたいけど、どこから手をつければ?」

こんな疑問や不安を抱えていませんか?

先日参加した「AWS Innovate: Generative AI + Data」オンラインセミナーでは、まさにこれらの問いに対する答えが示されていました。生成AIの波が押し寄せる今、もはやAIは一部の専門家だけのものではありません。誰もが使える「民主化されたAI」の時代が到来しているのです。

しかし、実際の導入となると様々な壁に直面することも事実。このセミナーでは、生成AIの最新トレンドから実装時の課題、そしてAWSが提供する具体的なソリューションまで、ビジネス価値を高めるための実践的なアプローチが紹介されました。

本記事では、聴講したセッションの核心部分を咀嚼し、生成AI活用のエッセンスをお届けできればと思います。

AWS Innovate: Generative AI + Dataとは

「AWS Innovate: Generative AI + Data」は、生成AIの最新技術とその実践的な活用方法に焦点を当てたオンラインセミナーです。このイベントは、生成AIアプリケーションの開発・運用に携わる技術者や、ビジネスへの生成AI導入を検討している方々を対象としています。

参加者は、AWSが提供する生成AIサービスの詳細や具体的なユースケースを学ぶことで、自社ビジネスへの適用方法を習得できます。特に、フルマネージド環境での効率的かつコスト効果の高い生成AIアプリケーション開発手法や、AI/MLに特化したプラットフォームの活用法について深く理解することができます。

このセミナーは、生成AI技術を効率的にキャッチアップしたい開発者から、具体的な課題解決のための活用シーンを模索している方、さらにはエンタープライズレベルの生成AIアプリケーション開発を目指す方まで、幅広い層にとって価値のある内容となっています。生成AIの民主化が進む中、その技術を最大限に活用してビジネス価値を高めるための実践的な知識とスキルを提供するイベントです。

生成 AI でビジネス価値を創出 ~本格活用に向けた成功の道しるべ~

2024年の振り返り

まずは、生成AIが2024年にどのような歩みを進めたかのお話です。
2023年の実証実験の段階を経て、2024年は実業務での活用が始まり、
どのようなモデルを採用するか、どの程度の精度、レイテンシーを期待すべきか、自社データをどのように活用すべきかといった方法論の議論が進み始めた1年だったと総括されていました。

代表的なユースケース

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上記のようなケースに留まらず、現在進行で新たなユースケースは試されており、実業務に組み込む取り組みは続いています。

2025 ビジネス価値の創出へ

様々な試行を行い、どれだけ価値を生み出せるか、利益を生み出せるか、コストを最適化できるか等の
ビジネス価値を最大化する取り組みがより重要になるだろうとAWSは考えているそうです。

実際にビジネス価値創出への取り組みを実現している企業様の事例が同日のセッションであったので、そちらは別の記事でご紹介できればと思います。

生成AI本格活用に向けて~成功するためのコツ~

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重要なのは、継続的な繰り返しと評価を恒久的に続けることです。
一般的なアプリケーション開発にも当てはまりますが、生成AIの進化のスピードは凄まじいので
より短いスパンで繰り返す必要があります。

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ビジネス課題から逆算する

生成AIでできたソリューションをとりあえず作ってみたという状態は避けるべきだそうです。
作るべきものは何かを明確にした方が、ビジネス価値創出に直結します。
また、ビジネス価値が創出できているかの測定可能な目標設定も重要で、
営業サイドとエンジニア、お客様の声を組み合わせる事で効果的な目標を設定する事ができます。

試行錯誤できる範囲を明確に

事前に決めた範囲の中で自由に実験できる環境を用意する事で、イノベーションの速度を落とすことなくビジネス価値創出の取り組みを進める事ができます。その中には、責任あるAIに関わるプラクティスを実装し、信頼を維持する必要もあります。また、常に様々なアーキテクチャや基盤モデルを選択できる柔軟性の維持も必要でビジネス上大幅な方向転換に耐えうる環境の重要性を説いておりました。
スピーカーの方はガードレールというワードを利用されていましたが、このガードレールがあるからこそイノベーションが加速するとも仰ってました。

データ戦略

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データの品質を高く保つ事が生成AIの活用には重要で、データクレンジングプロセスの構築する事でデータのバリデーションを確立し、継続的にモニタリングする必要があります。

次に、セキュリティです。
生成AIアプリケーションにおいて、機密性の高いデータは守られる必要があります。
データ暗号化、アクセス制御、コンプライアンス要件への準拠は必ず満たす必要があります。

次に、拡張性です。
データ量の増大に加えて、データソースの増加そのものに耐えられるアーキテクチャである必要があります。

最後に自動化です。
不要なエラーを防ぎスピードを向上させます。

組織としての取り組み

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生成AIの活用には経営層、現場が一体となるのが不可欠です。
人、組織の変革が求められるので、ここを理解しないと時代に取り残されてしまう組織となるでしょう。

生成AI活用状況のトレンド

モデルの多様化

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音声や画像を扱えるマルチモーダルの出現やタスク特化型のモデル、画像や動画生成モデルなど様々な特性を持つ基盤モデルが扱えるようになりました。

AWSの生成AIサービスAmazon Bedrock

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現在Bedrockで選択できるモデルがこれだけあります。
2023年のリリース時から選択肢が増え、今後も増え続けていくそうです。

かつてないほどの基盤モデルの進化速度

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新しいモデルを使うだけで、色んな事が簡単にできるようになった時代です。
今後も基盤モデルの進化は続くとみられるので、より最新のモデルを選択できるよう情報のキャッチアップは常に行ってひく必要がありますね。

自社のユースケースに最適なモデルを選択する際の考慮事項

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新しいモデルを利用する際に、評価・検証は必要になってきますが、これだけ頻繁にリリースされるのならば評価・検証に多大な時間がかかってしまいます。そのような場合に活用できるのが、Amazon Bedrockの評価機能です。

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評価データが評価のかなめ

ユースケースに応じた評価データで評価する事は必須で、
必ず自社のユースケースに合わせた評価データを作って評価する事を力説されておりました。
理由としては、汎用的な評価データセットにはユースケースに応じた質問や命令はほとんど含まれていないからだそうです。
また、評価基準はユースケースに応じて調整しないと正しい評価ができないので
そこの見極めがエンジニアの腕の見せ所かと思います。

生成AI利用の変換

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2023年はプロンプトを工夫してタスクを実行するのが主流でしたが、2024年は自社データを活用するためにRAGを使った社内情報検索システムに取り組む企業が増えてきました。今後はより複雑なタスクを生成AIに担わせたり、モデルをカスタマイズする企業がより高い価値を得られる事が予想されます。

Amazon Q Developer を利用したSDLC(ソフトウェア開発ライフサイクル) の加速

ソフトウェア開発における生産性の課題

生産性とは、開発者がコードをより早くより多く記述できる点だけを指している訳ではありません。
そもそも、開発に時間を割けているかという点も重要で、Gartnerの調査によるとビジネスに価値を生み出す新たな機能の開発に費やせている時間は27%程度しかないというのが実状です。
また、平均的な開発者が1日にコードを書くのに費やせる時間はわずか1時間未満という調査結果も出ているようです。なので、どれだけコードを早くかけたとしても開発プロセス全体の生産性への影響は限定的という事がデータから読み取れます。

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ソフトウェア開発ライフサイクルのどこに時間がかかっているのか?

これまで、以下のフェーズを人手で行ってきていました。
その中で、生成AIが作成のフェーズをサポートし始めたのがここ数年です。
インラインコード生成のような機能が該当しています。

ただ、AWSはそこから一歩踏み込んで開発ライフサイクルのあらゆる側面を調査し
面倒で時間のかかる人的タスクを生成AIを活用してどのように削減できるか様々なシナリオを検討したそうです。

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Amazon Q Developerのユースケース

この中で気になるのはAWS機能に関するガイダンスアプリケーションコード変換です。
LLMにAWSの最新機能を聞いてもハルシネーションを起こす可能性があるので、AWSが提供している最新情報を返却してくれるガイダンスは非常に便利です。また、アプリケーションコード変換はターゲット言語とバージョンを指定すればコード生成とテストまで自動実行してくれるようです。
※サポート言語は指定あり

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Amazon Q Developerのエージェント機能

複雑なタスクもエージェントがタスクに対して計画を立て自律的にタスクを実行させる事が可能です。
一番感動したのはドキュメント生成で、対象のリポジトリで構造を理解しREADMEを作成してくれるところです。
実際に試すと、アプリケーションの使用方法やデータフロー、環境構築、APIエンドポイントなどもドキュメントに纏めてくれていました。一度作成された後も、チャットで継続的に修正が可能で上手に使いこなせれば、大幅なコスト削減になる予感がしています。

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最後に

生成AIの波は、もはや止められるものではありません。この「AWS Innovate: Generative AI + Data」セミナーを通じて、私たちは生成AIの可能性を改めて認識し、その実践的な活用方法を学ぶことができました。技術の進化は目覚ましく、ビジネスへの応用範囲は日々拡大しています。

しかし、生成AIを単に導入するだけでなく、ビジネス価値を最大化するためには、適切な戦略と実践的なアプローチが不可欠です。今回のセミナーでは、AWSが提供する幅広いサービスとソリューションを通じて、その具体的な道筋が示されました。

これからの時代、生成AIを自社のビジネスに活用することは、競争優位を獲得するための重要な鍵となります。今回学んだ知識を踏まえ、あなたの組織でも生成AIの導入を検討し、実践に移してみてはいかがでしょうか。

このセミナーが、皆さんのビジネスにおける生成AI活用の第一歩となりますように。今後とも、生成AIの可能性を追求し、共に新しい価値を創造していきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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