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L3スイッチのLoopbackインターフェース宛てtracertで中継SVIが表示されない理由

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Last updated at Posted at 2026-02-21

はじめに

L3スイッチ(Catalyst等)の運用において、物理ポートの状態に左右されない「常にUPしているインターフェース」としてLoopbackインターフェースは非常に重宝されます。

しかし、宛先をLoopback IPにしてtracert(traceroute)を実行した際、構成上は経由しているはずのSVI(VLANインターフェース)のIPが表示されず、いきなりLoopbackに到達したように見えることがあります。この挙動の理由を技術的に解説します。

1.検証構成

以下のような、L2隣接したセグメント間でのルーティング構成を想定します。

PC: 172.18.72.100(VLAN 72)

L3SW (ターゲット機器):
 SVI (VLAN 55): 172.18.55.11
 Loopback 0: 172.18.61.11

スタティックルート:ip route 172.18.61.11 255.255.255.255 172.18.55.11

構成図(Claudeにて作成してもらいました)

image.png

2.現象:tracerouteの実行結果

PCからLoopback(172.18.61.11)へ tracert を実行すると、以下のような結果になります。

\Users\admin>tracert 172.18.61.11

172.18.61.11 へのルートをトレースしています。経由するホップ数は最大 30 です

  1      2 ms      2 ms      2 ms  172.18.72.1 (Default Gateway)
  2      3 ms      4 ms      4 ms  172.18.61.11

経由地点である 172.18.55.11 (SVI) がホップとして表示されないというのが今回のポイントです。

3. なぜSVIは表示されないのか?

結論から言うと、ターゲットのスイッチにとって「SVI」も「Loopback」も同一筐体内の自分自身(Local IP)だからです。

ICMPのTTL挙動による理由

tracertはケットの** TTL (Time To Live)** を1ずつ増やしながら送信し、各ルータが「時間切れ(ICMP Time Exceeded)」を返すことで経路を特定します。

TTL:パケットが無限にネットワーク上をさまようのを防ぐためのもの。
ルーターを経由するたびにTTL値が1減り、0になるとパケットが廃棄される。

ホップ1: PCのデフォルトゲートウェイに到達。TTLが消費され、デフォルトゲートウェイのIPが応答します。

ホップ2: パケットがターゲットスイッチの物理ポート(SVI 55)に届きます。

内部処理: スイッチがパケットを受信した時点で、宛先(172.18.61.11)は自身の内部にあるインターフェースだと認識します。

注意ポイント
スイッチ内部でのインターフェース間の受け渡し(SVI → Loopback)は、「転送(ルーティングホップ)」ではなく「内部処理」として扱われます。デバイスを跨がないため、TTLを減らしてICMP Time Exceededを返すという処理が発生しません。

結果として、スイッチにパケットが届いた時点で「目的地に到着した」とみなされ、最終目的地のLoopbackのアドレスが応答を返します。

まとめ

SVIが表示されないのは正常

同一デバイス内の仮想インターフェースを経由する場合、中継ホップとしてカウントされません。

導通確認のポイント

tracert でSVIが見えなくても、最終的にLoopbackのIPから応答があれば、ルーティング(ip route)は正しく機能しています。

NW構成の把握

この挙動を知っておくことで、tracert の結果から「ターゲット機器がL2レベルで隣接しているか、別のルータを挟んでいるか」を正確に判断できるようになります。

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