watsonx OrchestrateでAgentを作って色々試しています。
弊社人事部門から、就業規則や旅費規程に関する問い合わせが多く、効率化できないかとの相談がありました。
確かに、旅費規程は出張精算をする場合に、規定された金額も忘れてしまうし、職位によって手当の金額が異なる場合もありますし、こういった問い合わせが人事総務部門に集中すると、どうしても効率化させたくなりますね。
watsonx Orchestrate(以降wxO)でAgentを作ってみると最初の一歩はわりと簡単にでき、こんなやりとりがすぐできます。
旅費規程と就業規則に関する問い合わせをしてみました
1.Knowledgeへ規定関連pdfの登録
弊社の規定集は、pdfで社内グループウェアに格納されています。AgentがここにAPIで検索に行けば理想的なのですが、まずはその7つのpdf達をwxOにKnowledgeとして登録します。
2.Knowledge source descriptionに詳しく書く
ここで重要なのはKnowledge source descriptionにできるだけ詳しく説明を記述することです。今回は、内容の概略、pdfそれぞれのファイル名を書いています
pdfそれぞれに対しての概要も記入するといいのではないかと思います。
ところで、IBM Cloud上に、これら規定集をUPすることになるわけですが、セキュリティーが気になるところです。社内の規定集ですから、関係者以外に閲覧されるようなことがあったら問題です。
IBMに問い合わせたら、以下の回答を得ることができました。
「論理的な分離は認証に基づいています。ユーザーはデータにアクセスするには、認証情報を使用してログインする必要があります。APIKEY / インスタンスURL (テナントID) は、ユーザーがAPIを使用する際にアクセスできるデータを決定するために使用されます。データは保護されており、他の顧客がアクセスすることはできません。
共有環境における強力な暗号化と IAM 制御による論理的な分離がお客様のポリシーを満たす場合、通常は Standard/Essentials で十分です。監査ログと IP 制御によってさらに強化することも可能です。」
3.Behaviorにも詳しく書く
次にこれまた重要なBehaviorの記述です。
記述内容は以下です。Knowledge source descriptionと同じく参照するpdf名称もすべて記述します。今のところそのほうが回答精度を上げることができるようです。Knowledge source descriptionのほうに詳しく書くだけでいいのに。という感想。
日本語の質問には日本語で回答をお願いします。
以下のpdfを参照し、質問に対する回答を行ってください。
【人事規定01】就業規則
【人事標準02】昇格推薦ガイド
【人事標準03】職位・職責ガイド
【人事標準04】XXXXXXXX制度運用ガイド
【人事規程05】退職金規程
【人事規程06】国内旅費規程
【人事規程07】海外旅費規程
Make sure to communicate with the user by matching the language it uses to communicate with you and adapting names and terms as appropriate, and also translate column names and anything else when returning the information to the user.
Pay attention to the correct language adaptation of inputs and outputs, always returning the information to the user in the same language they are using to communicate with you.
*Make sureからの英文部分は、Tutorial: Multi-language supportを参考に加えています。多言語コミュニケーションを適切に行うのに有効とのこと。(社内の同僚よりアドバイスあり)
https://developer.watson-orchestrate.ibm.com/tutorials/tutorial_3_multi_language_support
以上3つのポイントだけで、便利になるなと思うようなイメージを持つくらいのレベルのAgentはすぐ作成できます。
これに加え、普段使っているChat toolインターフェースから問い合わせできるようにし、社内に実装する予定ですので、続きはまたUPさせていただきます