先日の人事部門からの相談に引き続き、法務部門からも、新規取引先との契約や印紙代まで広範囲な問い合わせが多く、担当者が、メール、チャット、電話で対応している現状を効率化できないかとの相談がありました。
法務部門ではグループウェアの掲示板に情報をきれいに整理して掲載しており、初動対応としては問い合わせをしてきた社員に該当する掲示板のリンクを案内しているというシンプルなものでした。しかしながらその件数が多いことや法務部門の担当者数も少ないことから、Agentによって効率化できないか?と考えたようです。
AI Agentの動作という意味では、きわめてシンプルなケースになると考えたので、早速watsonx Orchestrate(以降wxO)でプロトしてみました。
グループウェアの掲示板にある「法務ポータル」
画面右半分が目的ごとのリンクメニューになっており、各々から具体的情報が掲載されたページに飛びます。
従って、これらページが社員に案内できれば、まずは法務担当者が、メール、チャット、電話で案内する部分は効率化できそうです。
Agentを作成
掲示板のリンク先情報を設定
URL情報を.docxに書いてそれをUploadしました。Knowledge source descriptionもまずはシンプルに。
Uploadしたファイルは、以下のように単にURLを記載したものです
また、Behaviorは以下の内容です。英語部分は前回のBlogで書いたおまじないを。
"日本語の質問には日本語で回答をお願いします。
以下のdocxを参照し、問い合わせに対して適切なリンクを回答してください。
Make sure to communicate with the user by matching the language it uses to communicate with you and adapting names and terms as appropriate, and also translate column names and anything else when returning the information to the user.
Pay attention to the correct language adaptation of inputs and outputs, always returning the information to the user in the same language they are using to communicate with you."
設定はこれだけです。
挙動確認
面白いなと思ったのは、該当する直接的な答えが無い場合でも、よくある質問にあるかも?とそのリンクを回答してきたり、「気が利く」振る舞いがあるように見えます。
また、回答が定まらない場合に返ってくる”I'm afraid I don't understand. Please rephrase your question.”の出現はかなり減少します。
さらに言い方を変えて鍛えてみたいと思いますが、これだけの設定でいい意味で想定外でした。