はじめに
この記事はファンタラクティブ 2024 年アドベントカレンダー 12月20日の記事です
初めまして、ファンタラクティブ株式会社でフロントエンドエンジニアをしております、nuintee (ナインティー)です。
皆さんは普段どのように仕事のモチベーションを維持していますか?
筆者は「怒られる恐怖心」によるモチベーションについて、昨年このような記事を書きました。
本記事では、筆者がそんな「怒られる恐怖心」によるモチベーションコントロールから、「感謝される嬉しさ・感謝する喜び」を原動力としたモチベーションコントロールへと移行していった個人的な成長過程と「感謝駆動開発」の魅力について書きました。
想定読者
- 仕事のモチベーションを高めたい方
- 感謝の表現に自信が持てない方
- より前向きな職場環境を求めている方
感謝駆動開発とは
開発の世界には、チケット駆動、テスト駆動、ドメイン駆動(設計)など様々な駆動方式が存在します。いずれも実体を持つものが主体となって進められますが、「感謝駆動開発」のアプローチは少し異なります。このアプローチは、感謝される喜びと感謝する行為そのものから生まれる心地よさを原動力に変えるモチベーションコントロール方法です。
(参考: 感謝駆動開発 TDD (Thanks Driven Development))
感謝が原動力に
「感謝駆動開発」とは、エンジニアとしての仕事において「感謝される嬉しさ・期待感」と「感謝をする充実感」をモチベーションの中心に据える開発スタイルです。自分の仕事が誰かの役に立ち、感謝されることで、次の仕事へのエネルギーと意欲が自然と生まれるサイクルを作り出します。
ありがとうが嫌な人はいない
「ありがとう」は魔法の言葉と呼ばれるほど、人の心を温かくし、前向きにする力があります。
「ありがとう」を伝えることは、相手の貢献を認め、その価値を直接的に伝える上でとても効果的な方法です。
この言葉を伝えることで:
- 相手は自身の仕事と努力が正当に評価されていると実感できます
- チーム内のコミュニケーションがより活性化されます
- メンバー間の相互信頼と尊敬が深まります
たとえ些細な貢献であっても、「ありがとう」の言葉は相手のモチベーションを劇的に高める可能性を秘めています。
感謝の気持ちを素直に、そして具体的に伝えることが重要なのです。
感謝される以上に感謝をする
感謝駆動開発において、「感謝されること」と同様に、「感謝すること」もまた重要な要素です。自ら進んで感謝する姿勢を持つことで、チームや職場全体にポジティブで生産的な雰囲気が自然と醸成され、結果として個々の仕事の質と効率が向上します。
怒られ駆動開発エンジニアの課題
筆者は以前、「怒られる恐怖心」をモチベーションの主な源泉として仕事をしていました。
納期を守らなければ叱責される、失敗すれば厳しく指摘される、そんな恐怖が仕事を進める原動力となっていた時期がありました。
しかし、このアプローチには本質的な限界があります。
短期的なモチベーションとしては有用なタイミングもありますが、
恐怖心という特性上、常に恐怖を感じる環境でない限り長期的なモチベーション維持が困難であり、持続可能な仕事の推進力として使って行くことは難しそうです。
「怒られ駆動」から「感謝駆動」へ
今でも怒られる事は正直怖いです。
しかし、この 1 年を通じて、気づかぬうちに「人の役に立つ仕事」「感謝される仕事」そのものにモチベーションを見出すようになっていました。
これは、挑戦と失敗に寛容なファンタラクティブの企業文化を通じて、良いものを作りたい、良い仕事をしたいという内発的な欲求が、徐々にポジティブなモチベーションへと昇華されていった結果だと考えています。
感謝駆動開発の魅力
心理的安全性の向上
「感謝駆動開発」によって職場に感謝の文化が根付くと、チーム全体の心理的安全性が自然と高まります。心理的安全性とは、失敗や意見を恐れることなく、安心して仕事ができる状態を指します。
感謝が日常的に交わされる環境では、チームメンバーが互いに助け合い、率直なフィードバックや建設的な提案がしやすくなります。結果として、チーム全体の生産性が向上し、より優れた成果を生み出しやすくなると思っています。
継続的なモチベーション維持
「怒られる恐怖」に基づくモチベーションは一時的で不安定ですが、「感謝される喜び」によるモチベーションは本質的に持続的です。
小さな感謝の積み重ねが、日々の業務に対する前向きな姿勢と内発的な動機づけを生み出します。特に長期的なプロジェクトや困難なタスクにおいて、この継続的なモチベーションが大きな原動力となります。
感謝駆動開発の実践方法
とりあえず感謝
感謝駆動開発の最初のステップは、シンプルに「感謝すること」です。大げさな言葉や形式的な表現である必要はありません。
「ありがとう」と自然に伝えるだけで、チームの雰囲気は良くなります。
些細なことでも感謝を口にすることで、相手と自分の両方の気持ちが前向きになります。
例えば:
- 返信の最初に「ありがとうございます!」
- コードレビューをしてもらったら「ありがとうございます!」
- ちょっとしたサポートを受けたら「助かりました!」
感謝を習慣化することで、チーム全体が自然と感謝の輪を広げていくでしょう。
スタンプで感謝
言葉で感謝を伝えるのが苦手な人は、チャットツールのスタンプや絵文字でも十分です。「いいね」や「ハート」のスタンプを押すだけでも、感謝の気持ちは相手に伝わります。感謝を示すハードルを下げて、気軽に共有しましょう!
1 年間の感謝振り返り
色々書きましたが、
そんな筆者が今年送った「ありがとう」を Slack 上で計測してみたところ、 1,316
件でした! (正確なカウントは難しいので概算)
来年もさらにもっと多くの感謝を伝えていきます 💪
おわりに
ここまで読んでくれた皆さんに、感謝します!
今まで言語化できていなかったですが、
この 1 年の感謝を振り返ってみて、いかに自分が意識的な「ありがとう」を言えていたか、言われる事がいかに仕事の良いモチベーションとなっていたかを改めて再認識できました。
この調子でこれからも「ありがとう」を絶やさない人でいようと思います。
皆さんも今年は何回「ありがとう」を伝えられたか是非振り返ってみて下さい。
また「感謝駆動開発」の経験がある方、感謝エピソード等々、ぜひコメントをお待ちしております。
次の記事
次回は、星本さんの記事です!どうぞお楽しみに!