株式会社NTTデータ Data & Intelligence事業部 の nttd-nagano です。
12月13日の記事 で、Informatica社 のオールインワンのクラウドデータマネージメントプラットフォーム「Intelligent Data Management Cloud」(※1)をご紹介しましたが、今回はこのIDMCのリリースについて知っておくと良いことを、6個選んでお届けします。
※1. 略称はIDMC。旧称はIICS。以下IDMCと記載。
なお、いずれも記事執筆時点での情報であり、IDMCのご契約時に改めてご確認いただいた方がよろしいかと思います。
1. IDMCのリリースの形態
2023年1月X日現在、 IDMCには3種類のリリース形態があります。
(以前は別の形態でしたが、昨年末に「IICS Release Definitions」が公開され、現在の形態になりました)
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パッチ・リリース
- セキュリティ問題の修正、バグ修正、および EBF(Emergency Bug Fixes)のみが含まれる。
- Secure Agentのサービスは、Secure Agentにプッシュされた修正およびパッケージに基づく新しいバージョンで起動される。
- タスクやプロセスはスケジュールに従った動作が継続される。
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スタンダード・リリース
- ダウンタイムを伴わずに提供される新機能が含まれる。また、パッチ・リリース相当の内容も含まれる。
- Secure Agentのサービスは、Secure Agentにプッシュされた修正およびパッケージに基づく新しいバージョンで起動される。
- タスクやプロセスはスケジュールに従った動作が継続される。
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メジャー・リリース
- Secure Agentのアップグレード、バックエンドで稼働するデータベースやインフラストラクチャ部分の変更およびアップグレード、深刻なセキュリティ問題の修正、リリース時にダウンタイムを伴う新機能の提供が含まれる。また、パッチ・リリース相当の内容も含まれる。
- メジャー・リリースの適用中はIDMCのウェブUIは使用不可。後述する「Runtime continuity」をサポートするサービスは、スケジュールに従ったタスクやプロセスはスケジュールに従った動作をおこなう。
PowerCenterなどのオンプレ製品では必ずしも最新のバージョンを利用する必要はありませんでしたが、 IDMCはクラウドサービスであり、いずれのリリースも自動的に適用されるため、回避したり延期することはできません。
2. Runtime continuityとは
「Runtime continuity」とは、実行されているジョブの処理を中断することなく、アップグレードする機能です。
「Runtime continuity」をサポートするサービスについては、後述する「ブラックアウト期間」を設定する必要がないとされています。
なお、メンテナンスウィンドウのある時点で、データ統合サービス(Data Integration Service)のアクティブなインスタンスが2つ存在することになります。これにより、Agentが実行されているサーバーのメモリを圧迫する可能性があることに注意が必要です。
詳細は、 「IICS Runtime Continuity FAQ」をご覧ください。
また、ディスク容量についても、最低限、現在のAgentディレクトリの容量の2倍のディスク容量 + 1GBの空き容量を空けておくこととされています。
詳細は、「Informatica Cloud Upgrade Checklist」をご覧ください。
3. ブラックアウト期間とは
ブラックアウト期間(blackout period)とは、Agentがタスクやジョブを実行できなくする期間です。
一般的にブラックアウト期間は、 何らかの理由でAgent上での実行を抑止する必要がある場合に設定します。 または、Informatica社が各POD(Place Of Deployment:Informaticaが世界各地に所有しているデータセンター)のアップグレードウィンドウ中に有効化するよう要求した場合に設定します。
次の2種類の設定方法があります。
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Schedule blackout
- スケジュール機能によって設定されたデータ統合ジョブの実行を、一定期間中、抑止する機能。この期間には、 スケジュール実行のみが抑止される。一方、ウェブUI、REST API、RunAJobCliを使った実行は抑止されない。 設定は、ログイン後、「管理者」>「スケジュール」にておこなう。詳細は、公式ドキュメントの「組織管理」(Organization Administration)を参照のこと。
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Agent blackout
- データ統合ジョブの実行を、一定期間中、抑止する機能。 ウェブUI、REST API、RunAJobCli、スケジュールに関係なく、すべての実行が抑止される。 設定は、ブラックアウトファイルというXMLファイルを所定のフォルダに作成することでおこなう。詳細は、公式ドキュメントの「ランタイム環境」(Runtime Environments)を参照のこと。
詳細は、「FAQ: スケジュールのブラックアウトとエージェントのブラックアウトの違いは何ですか?」をご覧ください。
なお、例えば、ブラックアウト期間を0:00~1:00と設定すると、0:00以上1:00未満のジョブ実行が抑止されることになります。したがって、実行間隔の設定によっては、1:00にジョブが実行され得ます。
4. リリースが適用されたかを確認する方法
リリースが適用されたかどうかは、「管理者」>「ランタイム環境」でSecure Agentをクリックすると、確認できます。
詳細は、「FAQ: How to verify if the IICS secure agent is upgraded successfully or not?」をご覧ください。
5. リリース予定を確認する方法
リリースおよびメンテナンスのスケジュールは、「Events Calendar」にて公開されています。
直近のものは「Status Site」でも公開されています。
メンテナンス予定については、SupportFlashニュースレターを購読する ことで知ることもできます。
6. リリース前に挙動を確認する方法
リリース前に挙動を確認するために使えるプレリリース環境というものがあります。
詳細は下記をご覧ください。
- FAQ: Informatica Cloud Pre-Release
- FAQ: Questions related to IICS version upgrade and Pre-Release environment
- FAQ: Questions related to secure agent for sandbox/pre release setup
- FAQ: Is it possible to install the pre-release Secure agent on the same server as an existing Secure Agent?
おわりに
以上、「Informatica IDMC(旧称IICS)のリリースについて知っておくと良いこと6選」でした。
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