このエントリはSolaris Advent Calendar 2016の二日目のエントリです。
OpenSolarisのその後
2005年1月、サン・マイクロシステムズ社はOSSとしてOpenSolarisプロジェクトを発足しました。
そして、様々な成果物を生み出しつつも、残念ながら2010年1月にサン・マイクロシステムズ社がオラクル社に買収され、OpenSolarisプロジェクトは終息しました。
ですが、OpenSolarisプロジェクトから派生した様々な成果物は現在も活動を継続しています。
illumosとは
OpenSolarisプロジェクトから派生した成果物の中で重要な位置を占めるのがカーネルのフォークであるillumosです。
OpenSolarisのカーネルは歴史的経緯から一部にソースコードが公開されていないバイナリが使われていました。
illumosはこれらを完全なオープンスソースにする目的で開発されました。
現在では、OpenSolaris由来のZFSやDTrace、Zoneなどの機能の他にKVMやLinux Branded ZoneなどSolaris 11にはない独自の機能も備えています。
ちなみにillumosの先頭のiは必ず小文字で表記されます。これは特定のフォントではIとLの区別が付きづらいためです。
ディストリビューション
illumosの主要なディストリビューションはこちらから参照できます。
個々の詳細な内容は割愛しますが、汎用ディストリビューションのOpenIndianaやサーバー用途のOmniOS、クラウド基盤向けのSmartOS、ストレージ・アプライアンスのNexentaStorなど様々なディストリビューションが存在します。
中にはSPARCサーバ向けのバイナリを提供しているものもありますので、もしご自宅にSPARCサーバがある方は是非試してみてください。
ZFSについて
また、FreeBSDやLinuxでも使われるようになっており注目度の高いZFSですが、現在はOpenZFSという形で開発が継続されています。1
これは様々なプラットフォームで使われているZFSの開発を共有化する目的で発足されました。
また、毎年9月頃にOpenZFS Developer Summitが開催されています。
セッションの様子などはこちらで閲覧できますので、ご興味があれば是非ご覧ください。
まとめ
以上、簡単ですがOpenSolarisプロジェクトのその後を紹介させて頂きました。
是非一度触ってみて頂ければと思います。
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Oracle Solaris 11で使用されているZFSはOracle内部で開発されています。 ↩