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世界最先端の画像生成AI「Stability AI API」は私たちの業務に組み込めるのか?

Last updated at Posted at 2024-07-07

image.png

こちらの記事は投稿時点の情報です。
最新情報は Stability AI - Developer Platform でご確認お願いいたします。

Stability AI Japan - External AdvocateのD̷ELLと申します。

前回公開した記事「世界最先端の画像生成AI「Stability AI API」を手軽に使う冴えたやりかた(WEB-UI)」では、Stability AI APIを手軽に使う方法をご紹介させて頂きました。

Stability AIは常に最新の高性能なAIモデルを提供しています。APIでは、まだHuggingFaceで公開されていない最先端のモデル※ を利用することが可能です。Stable Diffusion開発元ならでは の強みですね。

Stability AI APIはただモデルをホスティングしているだけではありません。モデル開発元のStability AIがモデルの性能を最大化するように実装したワークフローが搭載されており、その出力はセルフホスティング時よりも向上しています。

このAPIを、実際にビジネスにおける活用に組み込むことは可能なのでしょうか? 今回は、Stability AIのAPIをビジネス利用することを想定して、運用観点からレビューしてみましょう。

1. 初期コストと運用コストの削減

セルフホスティングを行う場合、サーバーやネットワーク機器の購入、設置、メンテナンスに多大な費用がかかります。また、これらのインフラの運用には技術的な専門知識と人員が必要です。Stability AIのAPIを利用することで、これらの初期投資と継続的な運用コストを削減できます。

仮にご自身で公開されているウェイトを用いてセルフホスティングされた場合、定期的なセキュリティパッチの適用やシステムのアップデートが必要です。どのサービスでも言えることではありますが、APIではこれらのメンテナンス作業はすべてサービス提供者側で行われるため、安心してサービスを利用できます。

2. 高可用性と信頼性

Stability AIは、複数のデータセンターを活用し、高可用性を実現しています。これにより、サービスのダウンタイムを最小限に抑え、常に安定したパフォーマンスを提供します 。

image.png

これは、Stability AIのシステム稼働状況を示すダッシュボードです。このダッシュボードから、以下の点で安定したホスティングが提供されていることが確認できます。オレンジの箇所が障害発生個所です。

  • REST APIの稼働率:画像に示されている通り、REST APIの稼働率は99.70%です。この高い稼働率は、サービスの信頼性が非常に高いことを示しています
  • gRPC APIの稼働率:同様に、gRPC APIの稼働率も99.37%となっており、安定して稼働していることがわかります

システムを運用に組み込む場合、「いつでも確実に使える」ことが必須要件として挙げられますが、99%を超える高可用性が担保されていることがわかりますね。

3. アクセスしやすいサポート

Stability AIのAPIを利用することで、専門のサポートチームから直接サポートを受けることができます。
他のサービスと違い、Stable Diffusion開発元のエンジニアが対応するため、問題が発生した際の対応が迅速であり、技術的な課題を解決しやすい環境が整っています。

image.png
https://stabilityplatform.freshdesk.com/support/home

Submit A Ticketでチケットを取得すると、グローバルのサポートチームから直接返信を受け取ることが可能です。

4. 低価格なサービス提供

Stability AI APIは、ビジネスニーズに応じた柔軟な価格設定を提供しています。
主要サービスの価格例は以下の通りです。

  • 画像生成(Ultra): 1.28円/回
  • アップスケール(Creative Upscaler): 4.00円/回
  • 画像編集(Search and Replace): 0.64円/回

前回の記事の再掲となりますが、価格一覧を見てみましょう。1ドル160円換算で、各APIを1回実行した時の価格を併記しています。

画像生成

サービス名 説明 価格(クレジット) 日本円換算の価格(円)
Ultra Stable Diffusion 3のような最新モデルを活用した、最も強力で柔軟なワークフロー 8 12.8
Core 高品質な画像を迅速に生成するための高度なワークフロー 3 4.8
Stable Diffusion 3 Medium 最新のベースモデルである、20億パラメーターのStable Diffusion 3バリアント 3.5 5.6
Stable Diffusion 3 Large 最新のベースモデルである、80億パラメーターのStable Diffusion 3バリアント 6.5 10.4
Stable Diffusion 3 Large Turbo Stable Diffusion 3 Largeのターボバリアント 4 6.4
SDXL 1.0 レガシーベースモデル - クラシックな、付加機能なしの画像生成 0.2-0.6 0.32-0.96
SD 1.6 レガシーの柔軟な解像度ベースモデル 0.2-1.0 0.32-1.6

アップスケール

サービス名 説明 価格(クレジット) 日本円換算の価格(円)
Creative Upscaler プロンプトガイダンスを使用して、低解像度の低品質な画像を4Kの傑作に変換 25 40.00
Conservative Upscaler 画像を再解釈することなく、低解像度を4Kにアップグレード 25 40.00
ESRGAN シンプルで低コストな解像度アップスケール 0.2 0.32

画像編集

サービス名 説明 価格(クレジット) 日本円換算の価格(円)
Search and Replace 簡単な言葉を使って画像内のオブジェクトを自動的に見つけ、希望するプロンプトに置き換える 4 6.4
Inpaint マスク(またはアルファチャンネル)を使用して画像内の任意のものを置き換える 3 4.8
Outpaint 画像の空間を任意の方向に埋めるために追加コンテンツを挿入する 4 6.4
Erase Object ポートレートの欠陥や机の上のアイテムなど、不要なオブジェクトを削除する 3 4.8
Remove Background 前景を保持しながら背景を削除する 2 3.2

コントロール

サービス名 説明 価格(クレジット) 日本円換算の価格(円)
Structure 入力画像を使用して生成を正確にガイドする 3 4.8
Sketch スケッチや線画を使用して生成をガイドする 3 4.8

かなり低価格で提供されていることがわかりますね。また、NSFWフィルターを搭載しておりますので、不適切な画像は自動的にフィルタリングされます。加えて、フィルタリングされた場合はクレジットは消費されませんので、安心して利用が可能です。

5. 生成されたコンテンツの所有権や安全性

コンテンツの所有権、コンテンツの安定性と使用

大多数のユーザーの方が気になる点が、生成物の所有権と著作権だと思います。利用規約に記載がありますので、一部抜粋します。

お客様が本サービスを使用して生成したコンテンツの所有権はお客様に帰属します。
image.png
https://platform.stability.ai/legal/terms-of-service

つまり、Stability AIは、ユーザーは、適用される法律で許可される範囲で、本サービス(API)を使用して生成したコンテンツ(画像など)を「所有すること」を認めています。商用利用も可能です。

ただ、所有権と著作権は違うので注意が必要です。例えば、プロの写真家が、ピカチュウの写真を撮影した場合、その画像の所有者は写真家ですが、著作権は株式会社ポケモンになりますので、それを商用利用する場合は、株式会社ポケモンの許可がないと売ったり再配布したりすることはできません。

まとめ

このように、Stability AI APIを利用すれば、非常に低価格でAPIを利用することが可能です。
画像生成AIの導入を考えている個人の方や企業の方でも、気軽に利用を開始できますね。

個人・法人で利用を検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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最後に

*本稿は、個人の見解に基づいた内容であり、所属する会社の公式見解ではありません。また、いかなる保証を与えるものでもありません。正式な情報は、各製品の販売元にご確認ください。

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