はじめに
大学院で原子間力顕微鏡(AFM)の研究を行っているものです。日本語の資料がなかったので他の研究室の人が同じように困っていたらと思い書きました。
ここでは、Soft DB社のSPMコントローラとその制御ソフトであるGXSM3の環境構築について書いていきたいと思います。
時間がたつとリンクが切れたりすると思うので適宜公式サイトを検索してください。
Gxsm3とはGnome X Scanning Microscopyの略称で原子間力顕微鏡(AFM)をはじめとした走査型プローブ顕微鏡(SPM)用に開発されたソフトウェアでMK2-A810やMK3-PLL、MK3-HV1などの制御に必要となります。(公式サイト)
raspberrypy3でMK2-A810の制御を行うための環境構築を行います。以下のものが必要となります。
- Raspberry Pi3(Gxsm3のインストール先)
- Windows PC(MK2-A810のDSPコードの更新に必要)
- SSD(ラズパイをbootする)
- MK2-A810
1. MK2-A810のアップデート
1.1 windowsマシンにSoft DB社から提供されているドライバーとmini debuggerをインストールします。
MK2-A810の商品ページにDriver Installerがあるのでドライバーのインストールを行う。その下のほうにSR2_NG software installer(SR3_Applications_Installer***.zip)があるのでそれを押してツールのインストールを行う。
1.2 DSPコードを取得する
MK2-A810の中のFPGA用のコードを取得する必要がある。いろいろな方法があるが、公式から落とすのが楽。
最新版のGxsmを使いたいなら、最新のDSPコードが必要
1.3 MK2-A810のDSPコードの更新
まず、MK2-A810とWindows PCを接続しオレンジ色にLEDが点灯するか確認してください。
LEDが赤色でしたら、Driver周りでエラーが起きているので対応が必要です。
次に、1.1でインストールしたSR3_Applicationsを開き、SRx_Analog810.outを実行。DSPコードを選択するボックスが出るので1.2でダウンロードしたファイルを選択。
あとは、勝手に進む。終わったら、MK2-A810の電源を落としDSPコードを最新のものに出来た。
2 ラズパイにGxsm3環境を構築する
2.1 ラズパイにGnomeを導入する。
まず、boot用のSSDに64bit GUI Raspberry Pi OSを焼き付け、USB Bootし基本設定を終わらせる.
次にデスクトップ環境であるGnomeのインストールを進めていく。
wget https://github.com/TerraGitHuB/gnomeforpi/archive/refs/heads/stable.zip
unzip stable.zip
cd gnomeforpi-stable
sudo ./gnomeforpi-install
sudo update-alternatives --config x-session-manager
reboot
そこそこ時間がかかるのでLANでの作業がおすすめ。また、途中ででてくる選択肢はlightdmで問題ない。
再起動するとデスクトップがGnomeに代わっていればOK。
2.2 GXSM3の導入
公式に従えば基本的に問題はない。
ライブラリについては訂正する必要がある。
sudo apt-get install subversion automake make dkms g++ rapberrypi-kernel-headers
svn checkout https://svn.code.sf.net/p/sranger/svn/trunk/SRanger sranger-svn
svn checkout https://svn.code.sf.net/p/gxsm/svn/trunk/Gxsm-3.0 gxsm-svn
cd sranger-svn/SR_MK2_MK3Pro/kernel-module/src/
sudo make
sudo make install
sudo cp 49-sranger_mk23.rules /etc/udev/rules.d/
ここで電源を落としてからMK2-A810とラズパイを接続する。
sudo make load
ここからGXSMのビルドが始まるのだが大量のライブラリをインストールする必要があり、公式のドキュメントが古いという問題点がある。
Githubを見て上側にあるライブラリをすべてインストールする。
sudo apt-get install ***
あとはビルドをするだけである。
cd gxsm-svn
./autogen.sh
sudo make
sudo make install
これにて完成である。
gxsm3
でGxsm3が起動する。
## あとがき
誰かの助けになればいいなと
後で細かいとこ修正していきます。