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CGを使って機械学習のデータを作ってみよう~Synthesized Data Augment その② 学習編

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1. 前回のおさらい

 機械学習を進める上で、必要不可欠なの学習データをCGの技術を使って効率よく構築する方法を研究していこう。前回は、学習データの水増しの技術Data AugumenntにCGの合成技術を使ってみた。基本となる画像学習データから、目的の部分(今回は人のセグメンテーション)をマスクとして抜き出し、背景をインペイントして、新たに別の背景と合成する手法を説明しました。こうすることで、背景と人物の様々な組み合わせの学習データを増やすことができるのである。
 今回は、増やした学習データを使ってどれくらいの効果が出ているかを実際にUnetで学習してみて検証してみよう。

0001.jpg 0001.png 0001_clenBG_.jpg0002.jpg 0002.png 0002_clenBG_.jpg
 = 0001_0002_clenBG_.jpg 0002_0001_clenBG_.jpg
<人物と背景を分離して、それぞれを入れ替えて新しい画像を構築する。>

2. 概要

 機械学習を成功させるには、数多くの学習データが必要になるが、もちろん手作業で構築するには限界があるので、それをCGの手法を使って、簡単に効率化が可能かどうかを検証していきたい。
 前回のSynthesized Data Augmentで学習データを拡張したデータを使って、実際に学習して検証してみる。
 検証内容は、元の学習データと同数の新たに再合成して作られた学習データとの性能の違いをチェックし、次にSynthesized Data Augmentの真骨頂である更なる学習データの拡張によって、学習結果がどのように変化してみるかを検証したい。

3. U-netの実装

 U-netは機械学習のモデルの中でもポピュラーで、実装も比較的楽で結果も良いので、今回のような実験的な検証には向いているといえる。
u-net-architecture.png

 U-netの詳しい解説は省略しますが、U-netは対になった画像(人物の映った画像とそのマスク画像)の学習データを入力して、画像データから人物のマスク画像を学習することができます。今回の検証では、学習が成功すれば、新しい画像を入力すると、人物が映っているところだけをマスクを生成することができる。

今回U-netは簡単なKerasの実装を使いました。

インプットのイメージサイズは256x256ピクセルです。
まずは元のデータも合成データも同じ1000枚で100エポック学習してみた。

4. U-netの学習結果の検証

Default Dataset
Precision_average: 0.946
Recall_average: 0.955
Fscore_average: 0.948
IoU_average: 0.905

Sythesized Dataset
Precision_average: 0.969
Recall_average: 0.912
Fscore_average: 0.939
IoU_average: 0.886

Default Dataset & Sythesized Dataset
Precision_average: 0.976
Recall_average: 0.949
Fscore_average: 0.962
IoU_average: 0.927

Default(Defaultのデータセット)、Sythesized(合成した)データセット、MIX(二つをミックスしたデータセット)で検証してみたところ、Precisionは、SythesizedとMIXがDefaultよりも精度が高いことがわかる。かわりにRecallは、Defaultの精度が良かった。総合的にFscoreやIoUを見る限り、MIXが一番良いのがわかる。
推論画像を確認してみる。
Default Dataset
default.png

Sythesized Dataset
synth.png

Default Dataset & Sythesized Dataset
mix.png

画像で比べてみても、若干だがDefaultよりもMIXの方が画像の中のノイズが少なくなっているのがわかると思う。また、Defaultのエッジ付近のピクセルがMIXの方が滑らかになっているように思える。

今回は、同じデータセットであっても、マスクで切り取って合成することで、精度を向上できる可能性があることがわかった。
こちらの論文でも同じようなことが言われています。
https://arxiv.org/abs/2012.07177

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