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ToFカメラについての重箱の隅

Last updated at Posted at 2023-12-27

さきに、市販ToFカメラについて調査中(2023年版)の記事を書いた。
それに関連して、重箱の隅のようなことを別途記載する。

ToF(Time of Flight)カメラで、容易に深度(depth)が測定できるようになってきているから、買ってきて接続すれば十分だろうと思う方も多いかもしれない。

しかし、そう簡単ではないことを記す。

940nm のToFカメラは、太陽直射光の下でも使える。

  • 940nm を採用しているToFカメラも増えているので、それを用いれば屋外でも使える。
  • 940nmを使うと、大気中の水蒸気の吸収によって、太陽光中の940nmの光が抑制されている。そのため照射した940nmの近赤外光の戻り値が埋もれにくい。

新型ToFカメラ 屋外(太陽光下)での評価状況 第2段!

遠方での距離の算出が苦手

  • 遠方からの戻り光が減衰しすぎると距離が算出できない。
  • 中には30m先でもdepthが求まるToFカメラもあるので検索してみてほしい。(ただし高価)

黒くて光を吸収・散乱する対象物が苦手

  • 顔が計測できていても、頭部の髪の毛が欠損値になることがある。
  • 黒のズボンも、ズボンの染料の種類・布地の種類によっては、欠損値になってしまう。

ToFの近距離側の算出距離の限界がある。

  • 30 cmという近距離を必要とする使い方の場合には、各社の中でそれをサポートするToFカメラを探してほしい。
  • この距離は、ToFのイメージセンサだけでは決まらない。
  • その製品ごとに違ってくる。
  • ステレオ計測の場合でも近距離側の限界があるので、別にToFに限ったことではない。

近赤外光を透過するガラスが苦手

  • ガラスへの距離を算出できない。
  • ガラスの先の対象物への距離を算出してしまう。

鏡も苦手

  • 鏡に写っている対象物への距離を算出してしまう。

黒光りするものも苦手

  • 通常の物体の場合と違った奥行き画像になってしまうことがある。

反射率の低い黒い物体は、奥行きの計算にも影響することがある。

ToF特集【第8話】ToFカメラでこんな被写体、撮影してみました。
の記事を読んでみてください。

3Dカメラ比較例

3Dカメラ 8種類を 様々な環境で比較しました 【その① 屋外編】
3Dカメラ 8種類を 様々な環境で比較しました 【その② 屋内編】

ユーザーの取るべき手段

  • 欠損値が生じたり、期待しない値になるような状況が、ユースケースでどう影響が出るのかを考慮すること。
  • 超音波センサなど他のセンサの併用についても考慮すること。

関連記事

超音波センサの使い方について調査中

追記: 座標系の対応付け

RGBカメラとDepthカメラで、微妙に座標系が違っている場合には、以下の記事にあるようにDepth画像でRegstrartion(画素の対応付け)を行うとよい。

qiita ROSのカメラ画像処理に関するメモ

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