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#zennfes #zenncafe Spring 2026 リアルタイム参戦記 ― Claude Code と並走しながら書く

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Last updated at Posted at 2025-12-26

ZennFes Spring 2026 リアルタイム参戦記

2026/06/20(土) 日比谷フォートタワー26F で開催された Zennfes Spring 2026 にリアルタイム参加した記録。

セッションを聴きながら Claude Code と並走して書き溜めていく、というアプローチ自体を実験している。各章は「現地で拾った要点」と「それを受けた一次反応」を1セットで残す方針。

この記事の読み方 — AIと並走して書いた記事です

本記事は AI(Claude Code) と並走して書いた ものを、私(参加者)が 最終レビューして公開 しています。AI に書かせて流したものではなく、AI の解釈と私の生の発話を並べて見せる構造 を意図的に採用しました。

各章は 3層構造 です。

誰が書いたか 何を書いているか
拾った要点 現地で耳と目で拾った事実情報
AI が理解した所感 AI 要点と私のpersona-snapshotから構造化した解釈
私の生の所感 私(改変なし) 口語のまま投げた発話(誤字含めて最小限の整形のみ)

「AI が理解した所感」は AI の解釈 であり、私の意見ではありません。読者の方には「ここは AI が言っている」「ここは私の生の声」と読み分けてもらうことを前提に書いています。AI 解釈と本人解釈の差分があること自体が、本記事の主題のひとつ。

人間が最終レビューしてどこを改善させたか

AI に丸投げではなく、書きながら / 書き終わりに次のような指示で AI 解釈を差し戻し ました。代表例:

  • 「所感を AI の言葉に丸めると人間らしさが消える」 → 生の所感は改変禁止のルールを発明
  • 「登壇者の発言とユーザー所感が混ざっている」 → 何度か AI が混同して書いた箇所を 「これは登壇者発言」「これは私の所感」と明示分離
  • 「コードネーム(本記事 A/B/C)が読者に関係ない単語として残っている」 → 本編 / メタ記事 / 派生記事 という読者向け表現に全置換
  • 「事業情報の含意がある TODO を記事に書いている」 → 公開記事から削除し、社内 Issue に退避
  • 「あなた(AI)の感想が多すぎる、対話として見える構造にしてほしい」 → 本セクションを追加 ← いま読んでいるここ

AI と並走する執筆プロセス自体を題材にした メタ記事 に詳しい運用ノウハウ・事故記録があります。先にそちらを読むと本記事の読み方が分かりやすいです。

ハッシュタグについての小ネタ:会場の幟と connpass の参加者向け案内は #zennfes、connpass のハッシュタグ欄は #zenncafe、と表記が割れている状態。現地スタッフに聞いたところ「あ、間違ってました」とのこと。こういうのもイベント現地ならではのライブ感で良いネタ。本記事は安全策で両方付けておく。聞き違い・誤理解が混じる可能性があるため、確定情報は登壇者本人の発信に必ず当たること。

タイムテーブル(当日予定 — 現地進行で前後あり)

: 以下は公式発表の予定時刻。当日は前倒し・押しが当然発生するため、章判定の基準は 「登壇者の順序」とユーザー本人の現地観測 を優先する。AI の内部時計と公式時刻だけで章を切り替えない(本セッションで複数回事故あり)。

時刻(予定) 登壇者 タイトル
12:30-12:35 - オープニング
12:35-13:05 mizchi (タイトル未公開)
13:05-13:35 asap 高品質音楽生成 AI【ACE-Step-1.5】で「破綻の微修正」に特化した新機能を提案する
13:35-14:00 からあげ 生活に溶け込む AI 〜AI アシスタントソフト自作は楽しいよ〜
14:00-14:20 - 休憩
14:20-14:50 uhyo AI の React 成熟度を測る
14:50-15:25 MSハッカソン受賞者 (特別枠)
15:25-15:45 - 休憩
15:45-16:15 oikon 最新の Claude Code をキャッチアップする方法
16:15-16:45 よしこ 伝わる発信のつくりかた
16:45-17:10 Supportスポンサー お土産LT大会
17:10-17:15 - クロージング
17:15- - 設営〜順次懇親会
17:45- - 懇親会(全体開始)
19:00 - 終了

mizchi 氏セッション (12:35-13:05)

全体テーマ(ユーザー要約)

AI 時代でもクイックに動けるか / クイックに動くだけでなく専門家としてのレビュー・評価が重要、という二本柱。

拾った要点

  • 「スキルが多すぎてメンテできない」問題に対して、起動時にどのスキルをインストールするか自体をスキルにして運用に乗せる、というアイデアの提示
  • Hermes Agent が良い、という言及。Nous Research 製の OSS 自律エージェントで、永続メモリ + 自己スキル構築 + Telegram/Discord/Slack/WhatsApp 接続を持つ
  • 「AI は納得して進めているが、お前(ユーザー)は納得してるのか?」という問い。AI が滑らかに走ることと、人間側の意思決定が追いついていることは別物
  • コードの図解 / マッピング の話。コード理解を読解でなく「マッピングされた構造」として AI に渡す/出させる発想
  • クイックに動ける速度専門家としてのレビュー・評価力 が AI 時代の両輪
  • アウトプット / 書くこと に関する論点(AI でアウトプット速度が変わる、社会的忌避の問題、AI 乱造の是非)

AI が理解した所感

スキル過多問題と「起動時セレクタ」

「使うスキルだけを動的に選んでロードする」を上位のメタスキルとして外に出すことで、エージェント本体は薄いまま運用の重みだけ可変にできる。

Claude Code 側でも skills が増えすぎて発火条件の衝突や互いの認知負荷が問題になっており、「起動時セレクタ」というレイヤーは現実的な解だと感じた。

  • 利点: スキル定義側に「いつ入れるか」を書かなくていい(= 個別スキルが薄く保てる)
  • 課題: セレクタ自体の判定ロジックが太ると、結局そこがボトルネックになる
  • 派生案: セレクタを LLM ではなく決定的ルール(プロジェクト種別・cwd・直近コマンド)で回し、迷ったときだけ LLM 判定にフォールバック

Hermes Agent はべらぼうに高いのか

結論: 本体無料(OSS)、コストはぶら下げる LLM 次第

シナリオ 月額目安
個人(DeepSeek主体) $6-10 (Claude Pro $20 より安い)
小規模1-3名 $70-110
企業10名規模 $450-850

mizchi 文脈で読み解くと、価格評価ではなく アーキテクチャ評価(24h稼働・自己学習・スキル自己構築) の話だと理解した。前段の「起動時にどのスキルを入れるか選ぶスキル」と地続きで、動的構成のエージェント基盤として推している、と解釈している。

Claude Code が「対話的に呼ばれて手を動かすエージェント」なのに対し、Hermes Agent は「住み着いて勝手にスキルを増やすエージェント」。役割が違うので比較というより併用候補として見る方が筋がいい。

「AI は納得して進めているが、お前は納得してるのか?」問題

AI エージェント運用で常時起きている病理を一言で言語化されている。

具体的な症状:

  • AI がもっともらしい根拠を並べる → 人間は「それっぽい」で受け入れる → 走り出す
  • 走り出した後で「あれ、これ本当に自分が決めたんだっけ?」となる
  • 撤回コストが膨らんで、納得していないまま完成品になる

ユーザー自身の判断軸(persona-snapshot より)として「why-what-how でやろう」「KGI と切れた瞬間にその Q を疑う」「軸の明示を要求する」を持っているとしても、AI が滑らかに進めるとそれが滑り落ちる構造的リスクがある。AI が止まらない=人間が止まる責任を一方的に負う、という非対称性。

対策の論点:

  • AI 側に「この決定はユーザーの納得を取ったか?」を都度確認させるプロンプト規約
  • 不可逆操作の前に「あなたは本当にこれで OK ?」を形式的でなく問い直す hook
  • 「act-first / diff-back」を採れる範囲と、納得を先に取らないと事故るスコープの線引き

私の生の所感

ざっとまとめると、AI 時代でもクイックに動けるかどうか、クイックに動くだけじゃなくて専門家としてレビュー・評価の重要性についてあげているね。これは同感

書くために必要な事、というのが難しい
上質なインプットがあったとしてもアウトプットが出来なければ勿体ない。私が思うに、インプットはアウトプットとセットだと思っていて、AI を使うとアウトプットのスピードが明らかに変わってきている。ただし、人間は AI によるアウトプットを忌避する傾向があるなと感じていて、本人は学習のために AI を使ってアウトプット効率を上げているのだが、それが周りに見れば迷惑になっているように見えてしまっているのが勿体ないね。もしかしたら AI でアウトプットしたものは AI にとって分かりやすくて、記事を読むであろう人が AI を使って要約して結果的にその人が分かるのであれば、AI 乱造は必ずしも悪とは言えないんじゃないか?と聞いていて思ったところだ


asap 氏セッション (13:05-13:35)

「高品質音楽生成 AI【ACE-Step-1.5】で「破綻の微修正」に特化した新機能を提案する」

拾った要点

  • ACE-Step-1.5 をベースに 「破綻の微修正」に特化した新機能 を提案する内容
  • 登壇中に使われている アイコン/画像の作り方 が気になる(生成手法は何だろう?)
  • 音楽生成モデル ACE-Step (1.5系) への言及
  • 商用代表例として Suno / Udio
  • 音楽生成モデルのアーキテクチャ系統に Transformer型Diffusion型 がある
  • スライド内で モデル説明図 (アーキテクチャの全体像) が提示されていた → 後日 Zenn での公開を期待
  • 「曲」生成と「音声(TTS)」生成の系統差・関係への疑問が浮上(=自然に聴衆の素朴な疑問を引き出す内容)
  • ACE-Step の Repaint 機能 が「汎用性に強い」という評価
  • 「破綻の原因をアーキテクチャ・パイプラインから推測する」というアプローチ自体が、コーディングのデバッグと同じ思考構造である、というメタ気付き
  • 音楽の修正粒度はフレーズ単位(ピンポイントではなくフレーズごとロールバックして作り直す方が良い)。これは 人間が楽器を練習するときワンフレーズ全体を戻して弾き直す動作と同型
  • サウンドクリエイター側の学習内容も AI 時代で大きく変わる という問い(=エンジニア領域と同型の構造変化)

AI が理解した所感

音楽生成モデルの系統(Transformer vs Diffusion)

「よく分からん」を補足するメモ。

ユーザー理解(原文):

Transformer 型は推測してそれっぽいやつを探す。Diffusion 型はノイズを散らしてそれっぽく復元するもの

これは直感としてかなり正しい。技術的に補強すると:

  • Transformer型: トークン列(音符・コード進行・波形コードブック等)を 「次に来るのはどれか?」と確率分布で順次予測 していく。テキスト LLM と同じ自己回帰構造。「それっぽいものを探す」というユーザー理解と一致。長い文脈・楽曲構造の整合を取りやすい。代表: MusicGen(Meta)・Suno の一部レイヤ
  • Diffusion型: 完全なノイズから始めて、「ノイズを少しずつ取り除いて音に戻す」プロセス(=逆拡散)を学習させる。「ノイズを散らして復元」というユーザー理解と一致。音色・質感の表現力が高い。代表: Stable Audio・AudioLDM・ACE-Step 系
  • 最近のモデルは両者をハイブリッドで使う(構造は Transformer で組み、音色は Diffusion で作る)のが主流

ACE-Step は「いいとこどり」

ユーザー観察(原文):

ACE-Step はいいとこどりなのね。設計図は LLM、音作りは Diffusion

これも正しい理解。ACE-Step 系の典型構造は:

  1. Transformer (LLM 的) が楽曲構造・コード進行・歌詞配置などの「設計図」を作る
  2. Diffusion がその設計図に従って実際の波形・音色を生成する

役割分担で「Transformer の文脈整合性」と「Diffusion の音質表現力」をどちらも取りに行く設計。

「音の違和感」は Diffusion 由来か?

ユーザー仮説(原文):

Diffusion の仕組みで言うと音が聞き取りにくかったり違和感があるのは Diffusion だからか?という偏見を持った

部分的に正しい。違和感の発生源は複数あり、Diffusion 単独要因ではない。

違和感の正体 発生源 Diffusion 関与
歌詞の発音が不明瞭・滑舌が悪い 音響生成段の解像度不足 ◎ Diffusion 寄り
ボーカルが「合成っぽい」「人工的」 学習データ偏り + サンプリング過程の平均化 ○ Diffusion + データ
メロディが妙にループする・展開が不自然 楽曲構造の設計段 △ Transformer 側の責任
音が「もや」っとして輪郭がぼける Diffusion の逆拡散ステップ数不足・潜在空間の制約 ◎ Diffusion 由来
楽器の音色が「合成」っぽい 音色トークン辞書の粒度 ○ どちらにもあり得る

「Diffusion だから違和感」が当てはまるのは 音色・解像度・もやつき の部分。メロディや展開の不自然さは Transformer 側。ユーザーの偏見は「半分当たっている」レベル。

なお、Diffusion 由来の「もやつき」はサンプリングステップ数を増やす / 後段に超解像モデルを噛ませることで改善できる。Suno が世代を重ねてクリアになっているのはこの部分の改善が大きい。

「曲」生成と「音声」生成は別物

ユーザー疑問(原文):

曲の話と音声?の話。この辺りの仕組みってどうなってんだろうな?気にしたことなかった

実は 「曲(音楽)生成」と「音声(声・ナレーション)生成」はまったく別系統のモデル で、混同しやすい。

区分 代表モデル 主な用途 内部表現
音楽生成 Suno / Udio / ACE-Step / MusicGen / Stable Audio 楽曲(歌唱+伴奏) スペクトログラム / 波形コードブック
音声合成 TTS VOICEVOX / ElevenLabs / OpenAI TTS / Style-Bert-VITS2 テキスト → 読み上げ メルスペクトログラム + Vocoder
歌声合成 NEUTRINO / Synthesizer V / DiffSinger 楽譜 + 歌詞 → 歌唱 TTS と音楽の中間
音声クローン / 変換 RVC / so-vits-svc 既存音声を別人の声に変換 特徴量変換

asap 氏のセッションは 音楽生成(=曲) の領域。これは「歌詞 + ジャンル指定で曲全部つくる」系。

一方、業務でよく使う「ナレーション読み上げ」「VOICEVOX」「Slack ボットがしゃべる」系は 音声合成 (TTS) の領域で、モデル設計思想がかなり違う:

  • 音楽生成: 「破綻しないこと」より「面白いものが出ること」が重視。生成多様性が価値
  • 音声合成 TTS: 「破綻しないこと」「同じ入力で同じ出力」が重視。再現性が価値

asap 氏の発表テーマ「破綻の微修正」は、音楽生成側に 音声合成 TTS の品質保証思想 を持ち込もうとしている、と読める。曲生成のクリエイティブ性と、TTS の安定性を橋渡しする工夫。「気にしたことなかった」というユーザー観察が、実はこの発表の急所に触れている。

両者の境界が溶け始めている

最近の動向としては:

  • 音楽生成側が TTS 品質に近づく: Suno v4 / Udio v1.5 で歌詞発音の明瞭度が上がってきた
  • TTS 側が音楽性を取り込む: ElevenLabs の感情表現・抑揚生成が音楽寄りになってきた
  • 歌声合成が両者のハブに: DiffSinger 等が「楽譜 + 歌詞」から自然な歌唱を生成し、両者を繋ぐ

今後 1〜2 年で「曲」と「音声」のモデル境界はさらに曖昧になる見込み。

ACE-Step の Repaint 機能の汎用性

Repaint は 画像生成における inpaint(部分修正)の音楽版。曲全体を再生成するのではなく、「ここの2小節だけ作り直す」「サビの転調だけ差し替える」 といった部分指定の差分生成を可能にする機能。

汎用性が高いと評価される理由:

用途 Repaint で何が変わるか
楽曲制作の試行錯誤 全体再生成のガチャを回さず、気に入らない箇所だけ作り直せる
BGM 量産 テンプレ曲の一部だけ差し替えて派生バリエーションを作る
著作権配慮 既存曲の問題箇所だけ書き換えてオリジナル化する
ライブ配信用素材 配信中にリアルタイムで曲の特定部分を変える(=DJ的用途)
学習用途 「コード進行だけ別パターン」「リズムだけ変える」等の比較教材

これは asap 氏のテーマ「破綻の微修正」と完全に地続き。全体再生成では破綻を直すために破綻していない場所も壊れる(=ガチャ性) というのが現状の音楽生成の最大の弱点で、Repaint はその弱点を 「壊れていない場所を保護したまま破綻だけ直す」 で解決する。

つまり Repaint は単なる新機能ではなく、音楽生成 AI が「使い物になる」フェーズへ移行するための必須機能と読める。

「破綻の原因をパイプラインから推測する」というアプローチ

ユーザー観察(原文):

あー、なるほど! 上手く生成できないのはなんでだ?っていうのをアーキテクチャ・パイプラインから追っかけて推測するのね。本当にコーディングの世界と同じ考え方なんだな

これが今日の asap 氏セッションの核心構造の言語化。整理すると:

症状から原因へ遡る推論パイプライン

  1. アウトプット(生成結果)に破綻がある
  2. パイプラインのどの段で破綻したか切り分ける(構造段? 音色段? Vocoder?)
  3. 該当段の入出力を観察して、責任箇所を特定
  4. その段だけ修正(=Repaint)で全体を保護したまま直す

これはソフトウェアエンジニアリングのデバッグそのもの

領域 用語 やること
コーディング スタックトレース・bisect・ログ追跡 例外箇所から呼び出し元へ遡る
音楽生成 アーキテクチャ・パイプライン推論 破綻症状から責任段を特定する
画像生成 inpaint / ControlNet 段別介入 構図段 / 色彩段 / 細部段で別介入
言語生成 プロンプトエンジニアリング 出力癖からプロンプト段の原因推測

つまり asap 氏の発表テーマ「破綻の微修正」は、「ガチャを回す側の AI 利用」から「デバッグする側の AI 利用」への移行を提案している、と読める。

この観点は、ユーザーの persona-snapshot に記録された判断軸:

  • 「根拠の出所・網羅性を問う」
  • 「軸の明示を要求」
  • 「対症療法・再起動での一時解決を嫌う(常に根本原因対処)」

と完全に一致する。ユーザーがコーディングで培った原因追跡的思考が、音楽生成という別領域で同じ構造で適用可能だと気付いた瞬間、と読める。

これは AI 時代における 「ドメインを跨いだ思考転移」 の好例で、本記事全体を貫くテーマの 1 つにできる論点。

音楽生成における「ピンポイント修正 vs フレーズ単位ロールバック」

ユーザー観察(原文):

音楽系だと部分修正じゃなくてそのフレーズごと落として作り直す方が良い。これは人間が楽器の練習をする時もワンフレーズ全体を戻して引きなおす動きに似ているね

これも本セッションの核心に触れる観察。コーディングのデバッグと音楽生成のデバッグは、修正粒度の最適値が違うということ。

領域 最適な修正粒度 なぜか
コーディング 行・関数単位 コードは離散的、隣接行は独立性が高い
音楽 フレーズ単位 音は連続的、前後の音と「流れ」で成立する
画像 領域単位 (inpaint) 空間的に局所的、隣接ピクセルとの整合が必要だが文脈は緩い
文章 段落単位 文と文の論理接続があるため単文だけ直すと浮く

音楽の「フレーズ単位の作り直し」は、「ピンポイント修正は文脈的に不自然になる」という連続データの特性から来ている。これは画像 inpaint で「シームが見える」問題と同じ構造で、修正範囲が小さすぎると逆に修正跡が目立つ

人間の楽器練習との類似 = 「ロールバック単位」の本質

人間が楽器の練習をする時もワンフレーズ全体を戻して引きなおす動きに似ている

ここがこの観察の真骨頂。人間の演奏練習で1 音だけやり直しても意味がない理由:

  1. 筋肉記憶は連続したフレーズで形成される(1 音だけの記憶は脳に定着しない)
  2. 前後の音との繋がりが演奏の質を決める(タイミング・強弱・余韻)
  3. 間違えた箇所だけ強化すると「ここで止まる癖」が付く(練習中断の習慣化)

これと AI 音楽生成の Repaint が同じ構造で、「最小修正単位は技術的な単位ではなく、ドメインの自然な単位に合わせるべき」 という普遍原理が浮かび上がる。

単位 コーディング 演奏練習 音楽生成 AI
最小 1 行 1 音 1 トークン
自然 関数 フレーズ フレーズ
過大 ファイル 曲全体 曲全体再生成

asap 氏が提案する「破綻の微修正」も、「微」の単位が技術的最小ではなくフレーズ単位である方が、実用上は当たる、という示唆。これはコーディングからの転移だけでは出てこない、音楽ドメインの専門性が必要な気付き

コーディング転移の限界点

ここまでの観察を整理すると:

  • 思考構造(症状→パイプライン→責任段→修正) は コーディングと同じ
  • 修正粒度(行 vs フレーズ) は ドメイン固有

つまり「AI を使うとき、コーディング的思考は転移できるが、ドメインの自然な単位は転移できない」。ドメイン知識のないエンジニアが AI で音楽を作っても良い結果が出ないのは、この「修正粒度の感覚」が無いからかもしれない。

サウンドクリエイター側の学習内容はどう変わるか

ユーザー疑問(原文):

サウンドクリエイターも AI 活用する時のサウンドクリエイトの勉強の中身とか方法も変わってくるんだろうか?

これは AI が登場した全領域で同じ問い(プログラマ・デザイナ・ライタ・翻訳家・写真家…)。サウンド領域での具体的変化を整理する。

変わらない領域(土台)

  • 音楽理論(コード進行・スケール・対位法)
  • 音響物理(周波数・倍音・位相)
  • ジャンル史・文脈知識(なぜそのジャンルがそう響くか)
  • 「良い」「悪い」の聴覚判断力(=評価軸)
  • 作曲・編曲の意図設計(誰に何を伝えるか)

比重が下がる領域(=AI に投げられる)

  • DAW 操作テクニック(EQ・コンプ・リバーブの細かい数値)
  • MIDI 打ち込みのフレーズ生成
  • 既存ジャンルの「それっぽい」量産
  • ミックス・マスタリングの基礎工程
  • 音源素材の細部編集(タイミング・音量調整)

比重が上がる領域(=AI 時代の新スキル)

  • プロンプト設計(ジャンル指定・感情指定・参照曲指定で AI に意図を伝える技術)
  • AI 出力の評価・選別(ガチャの中から「使える音」を見抜く耳)
  • ハイブリッド編集(AI 生成を素材にして自分で組み立てる)
  • パイプライン理解(asap 氏セッションの内容: アーキテクチャから破綻原因を推測する力)
  • ドメイン跨ぎ思考(コーディング・画像生成等の技法をサウンドに転移する力)
  • 修正粒度の判断(どこまで AI に任せ、どこから手で直すか)

学習方法の変化

旧来 AI 時代
DAW を 1 万時間触る DAW + AI ツールを両方触る
既存曲を耳コピして再現する AI に生成させて差分から学ぶ
個別エフェクトの数値を覚える AI 出力を素早く評価する耳を鍛える
作曲ソフトの操作習熟 プロンプトと出力の対応関係を学ぶ
楽譜・コード理論を演奏で身体化 演奏で身体化しつつ AI 出力の構造分析もする

核心: コーディング領域で起きている変化と完全に同じ構造

  • 書く」スキルの比重が下がり、「評価する・選ぶ・組み合わせる」スキルの比重が上がる
  • 土台の理論知識(音楽理論 ≒ アルゴリズム・データ構造)は むしろ重要性が増す
  • 手を動かす量より、ドメインの本質的判断軸を持っているかが差を生む

サウンドクリエイターの学習も、エンジニアの学習も、「書く力」より「評価する力」が中心になっていく点で同型。これが mizchi 氏セッションで触れた「クイックに動く力 + 専門家としてのレビュー・評価力」の話とも繋がる。本記事全体の縦糸候補がもう一本浮かび上がった。

ユーザー観察(原文):

ACE-Step の Repaint 機能は汎用性に強いと。まだ私の技術としてそこまで言ってないからわからんのよな

「私の技術としてそこまで行ってない」=自分が触れていないので汎用性の実感は持てていない、という正直なメタ。これは多くの聴衆に共通する状態と思われ、「とりあえず触ってみる」を促す入り口として価値がある

商用ツール:

  • Suno: 歌詞 + ジャンル指定で曲生成。UI が直感的・SNS で楽曲共有しやすい。日本ユーザーも多い
  • Udio: Suno の競合。音質寄りの評価が高い。日本ではまだ Suno ほど普及していない印象

私の生の所感

Asap 氏の画像というかアイコンの作り方気になるね。どうやって生成してんだろう?

ACE-Step の話をすると、suno や udio が商用の代表例と。Udio あんまり使ったことはないな

Transformer 型と Diffusion 型があるらしい。よく分からんな

Transformer 型は推測してそれっぽいやつを探す。Diffusion 型はノイズを散らしてそれっぽく復元するもの、らしい。私の理解はこれだが正しい説明はあなたに任せる

ACE-Step はいいとこどりなのね。設計図は LLM、音作りは Diffusion

私の印象だが、Diffusion の仕組みで言うと音が聞き取りにくかったり違和感があるのは Diffusion だからか?という偏見を持った

モデル説明図を見せてもらったが分かったような分からんような。今日の話のスライドというか、Zenn で公開されると嬉しいね

曲の話と音声?の話。この辺りの仕組みってどうなってんだろうな?気にしたことなかった

ACE-Step の Repaint 機能は汎用性に強いと。まだ私の技術としてそこまで言ってないからわからんのよな

あー、なるほど! 上手く生成できないのはなんでだ?っていうのをアーキテクチャ・パイプラインから追っかけて推測するのね。本当にコーディングの世界と同じ考え方なんだな

音楽系だと部分修正じゃなくてそのフレーズごと落として作り直す方が良い。これは人間が楽器の練習をする時もワンフレーズ全体を戻して引きなおす動きに似ているね

サウンドクリエイターも AI 活用する時のサウンドクリエイトの勉強の中身とか方法も変わってくるんだろうか?

登壇しながらクロージングで記事 URL とかおいておく方が好感あるな。求人置かれても読後感みたいなのが悪いからね…


からあげ 氏セッション (13:35-14:00)

「生活に溶け込む AI 〜AI アシスタントソフト自作は楽しいよ〜」

拾った要点

  • 松尾研 への言及
  • OpenClaw の話題から(自作 AI アシスタント文脈)
  • 「AI bot を作っても使い方が分からない」問題 への言及(作る側と使う側のギャップ)
  • AI アシスタントの実行環境問題(ローカル LLM はコスト安だが精度がフロンティアモデルに劣る)
  • 自作 AI アシスタントの 3 要素: 愛着=コンテキストエンジニアリング / 育成=スキル / UX=AI アシスタントフレームワーク
  • 実装は公開リポジトリ karaage0703/ai-assistant-workspace にある(Claude Code / Codex / Gemini 対応)
  • スキル数は「100 近く」との言及(公開リポジトリ上は 25 程度、手元 private 版を含む数か)
  • ワークスペース RAG(xs-workspace-rag)で蓄積した記憶を検索可能にしている
  • 娘との会話をスキル化している(AI を業務でなく家族・生活の文脈に組み込む実例)

AI が理解した所感

OpenClaw の存在感が薄まった印象は何か

OpenClaw の経緯整理:

  • 2025-11: Clawdbot として発生
  • 2026-01: GitHub 10 万 stars 到達後 Moltbot にリネーム
  • 2026-02: 創業者 OpenAI 移籍に伴い OpenClaw に再リネーム
  • 2026-03: Ollama 公式プロバイダ採用、ローカル LLM 完全対応で「API 課金ゼロ運用」が実現
  • 現在: Claude / GPT-4o / Gemini / Ollama を切り替え可、MCP で 500+ ツール、13,700+ コミュニティスキル

ユーザー観察(原文):

最近あまり OpenClaw の印象がないのだが、身近になったからか?

これは鋭い。OpenClaw の印象が薄れた構造的理由を整理すると:

  1. インフラ化: 数ヶ月前は「OpenClaw すごい!」と話題になっていたが、今や「ローカル AI エージェントの土管」として当たり前の存在になった。話題にならない = 普及した証拠
  2. 競合の不在: 同じ立ち位置の OSS Gateway がほぼなく、ニュース性が出ない(=「○○ vs OpenClaw」の比較記事が書けない)
  3. ニュースの飽和: 2026 春に LLM 業界のニュースが Anthropic Fable 5 / OpenAI 系の組織再編 / Gemini 3 等で持って行かれ、OpenClaw の継続改善はラインフィードに埋もれる
  4. 個人開発者の沈黙: OpenClaw を使っている人ほど「設定済んだら何も書くことがない」状態。話題は「導入時」に集中し、定着後は静か

つまり「身近になったからか?」の 答えは YES。OpenClaw はライブラリ化しており、ユーザーの会話の表に出てこなくなった。これは技術が成功した最終形の典型パターン(初期: 革命!→中期: ベストプラクティス→後期: 暗黙のインフラ)。

「AI bot を作っても使い方が分からない」問題

ユーザー共感(原文):

AI bot を作っても使い方が分からんよね、は確かに

これは AI アシスタント自作の 最大の落とし穴。技術的に「作れる」ことと、日常で「使える」ことの間には深い溝がある。

落とし穴の構造:

  • 作る楽しさ ≠ 使う価値: 自作の達成感で満足し、作った後に使われず放置される
  • 起動コストの壁: 「コマンドを打つ」「特定アプリを開く」が必要だと、結局使わなくなる
  • 何を頼めるか分からない: 万能に見える AI ほど「で、何に使えばいいの?」となる(=機能が無限だと逆に使い道が浮かばない)
  • 習慣に溶け込まない: 既存の生活動線(LINE / Discord / 音声)に乗らないと存在を忘れる

からあげ氏のセッションタイトル「生活に溶け込む AI」は、まさにこの溝を埋める提案。「高機能な bot を作る」のではなく「生活動線の中に自然に居る」状態を目指す方向性。

解決の鍵(一般論):

  • 既存チャネルに乗せる(専用アプリを作らず LINE / Discord / Slack 等に住まわせる)
  • 用途を絞る(万能より「これ専用」の方が使われる)
  • プッシュ型にする(ユーザーが呼ぶのを待つのでなく、AI から話しかける)
  • 生活リズムに同期(朝・帰宅・就寝等のトリガーで自然に動く)

「作れるのに使われない」は、エンジニアが自作ツールで何度も通る道。AI bot で改めて顕在化した、「実装力」と「定着設計力」は別スキルという問題。

AI アシスタントをどこで動かすか(ローカル LLM vs フロンティアモデル)

ユーザー観察(原文):

AI アシスタントの運用をどこでやるか。ローカル LLM だとコストを抑えられるにしても、フロンティアモデルと比べると精度面が怪しい

「生活に溶け込む AI」を本気で運用しようとすると必ずぶつかる実行環境の選択問題。トレードオフを整理する。

ローカル LLM (Ollama 等) フロンティアモデル (Claude / GPT / Gemini)
コスト 電気代のみ(API 課金ゼロ) 従量課金(使うほど増える)
精度 中〜低(7B〜70B 級で頭打ち) 高(推論・長文・多言語に強い)
プライバシー ◎ 完全ローカル、外部送信なし △ API に送信される
レイテンシ ハード次第(GPU あれば速い) ネットワーク往復あり
常時稼働 ◎ 課金気にせず回せる 従量だと「常時」が高くつく
家庭・子供利用 ◎ データが外に出ない安心感 内容次第で送信に懸念

「精度面が怪しい」は正鵠を射ている。2026 年時点でも、ローカル LLM はフロンティアモデルとの精度差が依然として大きい(特に複雑な推論・コード生成・長文脈)。

現実解は「ハイブリッド・ルーティング」

「生活に溶け込む AI」の文脈での実用的な落とし所:

  • 常時稼働・定型処理・プライバシー重視 → ローカル LLM(リマインド・要約・定型応答・家族の機微情報)
  • 高精度が必要・難しい推論 → フロンティアモデルにフォールバック(調べ物・複雑な相談・コード生成)
  • 判定ルーター → タスクの難易度・機密度で自動振り分け

これは Hermes Agent(mizchi 氏セッション)で触れた「モデル自動ルーティング」と同じ思想。「全部フロンティア」でも「全部ローカル」でもなく、用途で混ぜるのが 2026 年の現実解。

特に「子供・家族向け」のように プライバシーが最優先かつ常時稼働 が求められる用途では、ローカル LLM のコスト・プライバシー優位が効く。精度が要る場面だけフロンティアに投げる設計が合理的。「精度が怪しい」問題は、精度が要る瞬間だけ課金して借りることで回避できる。

自作 AI アシスタントを成立させる 3 要素

ユーザー整理(原文):

愛着としてコンテキストエンジニアリング
育成としてスキル
UX として AI アシスタントフレームワーク

これは「生活に溶け込む AI」を構成要素に分解した、今日のからあげ氏セッションの構造を 3 行で要約した観点。それぞれ展開する。

要素 対応技術 役割 人間関係でいうと
愛着 コンテキストエンジニアリング AI が「自分のこと」を覚えている。過去のやり取り・好み・文脈の蓄積 「自分を分かってくれている」感
育成 スキル AI に少しずつ能力を足していく。使うほど賢く・できることが増える 「一緒に成長する」感
UX AI アシスタントフレームワーク 自然に呼べる・話せる・生活に居る。摩擦のない接点設計 「いつもそこにいる」感

この 3 要素が揃って初めて、AI bot は「作っただけ」から「生活に溶け込む」へ移行する。前述の「AI bot を作っても使い方が分からない」問題への正面からの回答になっている。

  • 愛着(コンテキスト) が無いと → 毎回ゼロから説明する手間で使われなくなる
  • 育成(スキル) が無いと → 最初の機能で頭打ちになり飽きられる
  • UX(フレームワーク) が無いと → 起動コストの壁で存在を忘れられる

特に「愛着 = コンテキストエンジニアリング」という対応付けが秀逸。技術的には「メモリ・RAG・履歴管理」だが、それを人間側の体験として捉えると「愛着」になる。技術と感情を橋渡しする視点で、ユーザーの persona-snapshot にある「非エンジニアへの配慮を設計の必須条件に」「機能説明でなくユーザー側の利得で書く」という姿勢とも一致する。

コンテキストエンジニアリングの構成ファイル(具体例)

「愛着 = コンテキストエンジニアリング」を実ファイル構成に落とすと、典型的にはこうなる:

ファイル / 領域 役割 「愛着」への寄与
AGENTS.md エージェントの振る舞い定義・役割・禁則 AI の「人格・キャラクター」を固定する
MEMORY.md 記憶のインデックス(1 行 1 メモリの索引) 「何を覚えているか」の一覧 = 記憶の地図
memory/YYYY-MM-DD/ 日付別の記憶本体(出来事・学び・文脈) 時系列の蓄積 = 「一緒に過ごした履歴」
workspace-org/ 組織・プロジェクト単位の作業文脈 「どの文脈の自分か」を切り替える
(+α) 後述の追加要素

この階層構造のポイント:

  • 索引(MEMORY.md)と本体(memory/)を分離 → 全部読まずに「関係ありそうな記憶」だけ引ける(コンテキスト節約)
  • 日付ディレクトリ → 「いつの記憶か」が構造で分かる、古い文脈の陳腐化判定もしやすい
  • workspace 単位の分離 → 仕事用・家族用・趣味用で人格や記憶を混ぜない

「あとなんか」の枠(本人補筆待ち)として想定される追加要素:

  • CLAUDE.md / .cursorrules 等のツール固有の永続指示
  • rules/ — IF-THEN 型の判断ルール(散文でなく構造化)
  • persona/ — 本人の人物像スナップショット(AI が「相手を理解する」ための情報)
  • knowledge/ — 過去の議論で磨かれた哲学・制約・判断基準
  • hook / 物理制約 — ルールを「機械的に強制」する層(剥がれない記憶)

これらが揃うと、AI は「毎回ゼロから」ではなく「前回の続きから」始められる。これが「愛着」の正体 = 忘れない AI への信頼。ユーザーの persona-snapshot にある「忘却を前提に知識を外部化」「私が忘れたら取り返しがつかん」という設計思想そのもの。

からあげ氏の実装は公開されている

この構成は からあげ氏自身が 公開リポジトリ karaage0703/ai-assistant-workspace として出している。

リポジトリの構成要素(README より):

  • config — 設定ファイル
  • memory — 記憶ストレージ
  • notes — メモ
  • skills — AI の拡張(育成の 3 要素「スキル」に対応)
  • triggers — LLM Function Calling 用の軽量ツール

特徴:

  • マルチツール対応: Claude Code / Codex CLI / Gemini CLI のいずれでも動く(claude / codex / gemini で起動)
  • Google Workspace 連携・カレンダー管理・健康トラッキング・カスタムスキル作成 等の実用機能を内蔵

つまり今日の「愛着 / 育成 / UX」の 3 要素は抽象論ではなく動くコードとして公開されている。clone してすぐ試せる。「生活に溶け込む AI」を自分でも作りたいなら、ここが出発点になる。

登壇のクロージングで「記事 URL を置く方が好感がある」という観察があったが、からあげ氏のように リポジトリが公開されていて clone すれば追体験できる のは、まさにその理想形。学んだ→試せる の導線が完結している。

スライド資料も docswell で公開されている: 生活にとけこむAI - HomeBrew AgenticAI Club

実際のファイル構成(リポジトリ README より)

登壇中に SOUL.md / USER.md 等が言及されていたが追い切れなかったので、公開リポジトリの README から構成を補足する。

ルートの Markdown ファイル

ファイル 役割
README.md プロジェクト概要・使い方
AGENTS.md 全ツール共通の設定(エージェント定義)
CLAUDE.md AGENTS.md へのシンボリックリンク(ツール固有名で読ませる)
BOOTSTRAP.md 初回セットアップ用(完了後に削除)
MEMORY.md 長期記憶(近況・日常メモ・ワークスペース情報)
LICENSE MIT

ディレクトリ構成

ai-assistant-workspace/
├── .claude/skills → ../skills   # ツール別の skills シンボリックリンク
├── .agents/skills → ../skills
├── .grok/skills  → ../skills
├── memory/      # 日記・メモ (YYYYMMDD.md 形式)
├── notes/       # ノート・調査メモ
├── skills/      # スキル (AI 拡張機能)
└── triggers/    # LLM 用 Function Calling 軽量ツール

: ユーザーが言及した SOUL.md / USER.md は、本記事執筆時点で取得した README の構成には明示されていなかった。登壇時点の最新版で追加されているか、別の階層にある可能性がある。一次情報はリポジトリ本体を参照のこと(本記事は推測で確定しない)。

一般に、この種のワークスペースで SOUL.md / USER.md 的なファイルが担う役割は:

  • SOUL.md 的なもの = AI の「人格・価値観・キャラクターの核」を定義(AGENTS.md より深い「らしさ」の部分)
  • USER.md 的なもの = ユーザー本人のプロフィール・好み・前提を AI に伝える(=AI が「相手を理解する」ための情報)

これは前述の「愛着 = コンテキストエンジニアリング」をさらに細分化したもので、「AI 側の人格(SOUL)」と「ユーザー側の人物像(USER)」を別ファイルに分離する設計と推察される。ユーザーの persona-snapshot(人物像の外部化)とまさに同じ発想。

このシンボリックリンク構成(.claude/skills → ../skills)が秀逸で、1 つの skills/ を複数 AI ツールから共有できる。Claude でも Codex でも Gemini でも同じスキル資産を使える = ツールロックインを避ける設計。

スキルの実数(GitHub で確認)

登壇中「スキル数が 100 近くある」という言及があった。GitHub を見た方が早いので、公開リポジトリの実数を確認した(本記事執筆時点):

  • skills/ 配下: 約 25 個(xs- プレフィックス命名)
  • triggers/ 配下: 3 個(rag / technews / weather)

公開リポジトリ上は 30 弱。「100 近く」は登壇者の手元の private 版 / 派生スキルを含む数か、別のカウント方法と思われる(=一次情報は本人発言とリポジトリ両方を突き合わせる必要がある)。

公開されている skills(抜粋):

スキル 用途
xs-workspace-rag ワークスペース全体を RAG 検索(後述)
xs-arxiv arXiv 論文調査
xs-podcast ポッドキャスト要約
xs-youtube-notes YouTube 分析
xs-google-workspace カレンダー / Gmail / Drive 連携
xs-diary / xs-cat-diary 日記
xs-health-advisor 健康トラッキング
xs-multi-agent マルチ AI 協調
xs-skill-creator スキルを作るスキル(自己拡張)
xs-marp-slides プレゼン作成
xs-spontaneous-talk AI から話しかける(プッシュ型 UX)

xs-skill-creator(スキルを作るスキル)の存在が、mizchi 氏セッションの「スキルを選ぶ / 作るメタスキル」とも呼応していて興味深い。**「スキルを増やす仕組みごとスキル化する」**思想が複数の登壇者に共通している。

xs-workspace-rag — ワークスペース RAG

ユーザー着目(原文):

ワークスペース RAG か

これは「愛着 = コンテキストエンジニアリング」を検索可能にする要の機能。

  • memory / notes / 各種 md に溜めた情報を、ベクトル検索で横断的に引けるようにする
  • 「あの時のあれ何だっけ?」に対し、AI が自分の記憶ファイル群から関連箇所を引っ張ってくる
  • 単なる記録(蓄積)で終わらせず、想起(検索)まで含めて初めてコンテキストが活きる

蓄積だけだと「memory/ にファイルはあるが AI が活用しない」状態に陥る。RAG を噛ませることで、膨大な記憶を必要なときだけ部分的に呼び出せる。これがコンテキストウィンドウの制約(全部は読めない)への現実解。

ユーザーの persona-snapshot にも「MEMORY.md は索引、memory/ は本体」という分離思想があり、まさに 索引 + RAG で大量記憶を捌くという同じ設計に到達している。「ワークスペース RAG か」という一言の着目は、コンテキストエンジニアリングの急所を突いている。

「娘との会話をスキルにする」という発想

ユーザー驚き(原文):

娘との会話をスキルにしているという発想がすごいな

これが からあげ氏の「生活に溶け込む AI」の真骨頂で、本セッションで最も思想が現れている部分。

何がすごいのか:

  • 普通、AI スキルは「業務効率化」「開発支援」など仕事の文脈で作られる
  • からあげ氏は 家族との日常会話そのものをスキル化している(リポジトリの xs-cat-diary 等にもその思想が見える)
  • つまり「AI を生活に組み込む」を比喩でなく文字通りやっている

これが効いてくる構造:

観点 業務スキル 「娘との会話」スキル
目的 生産性向上 関係性の記録・支援
価値 時間短縮 思い出の蓄積・成長記録
「愛着」 道具への信頼 本当に情緒的な愛着
続く理由 効率が出るから 生活の一部だから

前述の「AI bot を作っても使われない」問題への、最も強い回答がこれ。家族・生活という、忘れたくない・続けたい文脈に紐付けると、AI は自然に使われ続ける。「効率」でなく「情」で定着させるアプローチ。

ユーザーの persona-snapshot を見ると、ちょうど同じセッション中に「子供の教育支援 AI」「家族向けの発信」という関心が浮かんでいた。からあげ氏の「娘との会話をスキル化」は、その関心に実例として刺さったと読める。技術が「家庭・家族」という最も身近な文脈に降りてきたとき、エンジニアの心が動く——という瞬間の記録。

これは記事全体で見ても、「AI を仕事の道具から生活の伴侶へ」という最も大きなテーマを体現する場面。クロージングの全体所感で必ず拾うべきポイント。

「スキルを作るスキル」への期待と精度の壁

ユーザー所感(原文):

スキルを作るスキルか。関心はあるが精度がねー

xs-skill-creator(スキルを作るスキル)への反応。関心はあるが精度が課題という、実運用者ならではの冷静な評価。

「スキルを作るスキル」が魅力的な理由:

  • 自然言語で「○○できるスキル作って」と言うだけで新スキルが生える
  • スキルの自己増殖 = AI が自分の能力を勝手に拡張する
  • mizchi 氏の「スキルを選ぶメタスキル」とも呼応する自己言及的な構造

しかし「精度がねー」が指す現実的な壁:

  • 生成されたスキルが実際に動くとは限らない(プロンプトは作れてもロジックが甘い)
  • トリガー条件が雑(いつ発火するか不安定、既存スキルと衝突)
  • 検証なしで増える(動作確認しないまま「作った気」になる = 前述の「実装力 ≠ 定着設計力」問題の再来)
  • メンテ不能化(自動生成でスキルが増えすぎ、mizchi 氏の「スキル多すぎ問題」に直結)

ユーザーの persona-snapshot にある判断軸がここで効く:

  • 「実証なき完了報告を嫌う」(動くはず、ではダメ)
  • 「過剰実装・過剰設計を嫌う」(スキルの氾濫を構造的に嫌う)
  • 「検証至上主義」(実機で叩いた結果のみ事実)

「スキルを作るスキル」は、生成は簡単だが検証が伴わないと、ゴミスキルを量産する装置になりかねない。「関心はあるが精度がねー」は、この自動生成 × 検証不在のリスクを一言で見抜いている。

裏を返すと、「スキルを作るスキル」が本当に使えるようになる条件は:

  • 生成と同時に テスト・動作確認 まで含める
  • トリガー衝突を 自動検出 する
  • 一定期間使われないスキルを 自動で間引く(false-positive-calibration 的発想)

生成だけでなく 生成 → 検証 → 淘汰 のループまで設計して初めて「スキルを作るスキル」は実用に乗る。これは今日生まれた realtime-event-report スキル(メタ記事(並走の体験記)参照)を運用する上でも同じ教訓。

AI ペット と M5Stack — AI を「物理的な存在」にする

ユーザー疑問(原文):

最近 pet はやりなん? M5Stack も

からあげ氏は電子工作・組み込みの達人で、AI を画面の中だけでなく物理デバイスに宿す話に踏み込んだと思われる。

AI ペットの流行

2025〜2026 にかけて「AI ペット / AI コンパニオンデバイス」が一つの潮流になっている:

  • 卓上に置く小さなロボット型 AI(表情・声・動きで応答)
  • LLM をバックエンドに、デバイスは「顔」として振る舞う
  • 「生活に溶け込む AI」を物理的な存在感で実現するアプローチ
  • 画面越しのチャットより「居る」感が強く、愛着が湧きやすい

M5Stack

組み込み開発者に人気の ESP32 ベースのモジュール式デバイス:

  • 小型・液晶/ボタン/センサー/スピーカー内蔵で、すぐ動くものが作れる
  • Wi-Fi 内蔵なので クラウド LLM API を叩く AI デバイスを手軽に自作できる
  • からあげ氏のような層が「AI ペット」「AI アシスタント端末」を作る際の定番ハードウェア
  • 「AI アシスタントソフト自作は楽しいよ」というセッションタイトルのハード側の実体がこれ

なぜ今 "物理化" なのか

ここまでの議論(愛着 / 育成 / UX の 3 要素)を踏まえると、物理デバイス化は UX(=生活に溶け込む接点)の究極形と読める。

  • ソフトだけの AI = 呼ばないと存在しない(起動コストの壁)
  • 物理デバイスの AI = そこに居る(忘れない・話しかけやすい・家族も触れる)

特に「子供・家族向け」の文脈では、画面操作を必要としない物理デバイスは強い。スマホを持たない子供でも、卓上の AI ペットには話しかけられる。からあげ氏の「娘との会話をスキル化」とも地続きで、AI を家庭に溶け込ませる最後のピースがハードウェア、という流れ。

「最近 pet はやりなん?」という素朴な疑問は、実は AI の進化方向(ソフト → 物理) を捉えた問いになっている。

Even G2 スマートグラスのデコーディング

ユーザー驚き(原文):

Even G2 のスマートグラスデコーディングできるとな?

からあげ氏が Even G2(スマートグラス)の通信プロトコルを解析(デコード)して、自作 AI アシスタントから操作できるようにした、という話と思われる。

Even G2 とは(製品事実):

  • Even Realities 製のディスプレイ付きスマートグラス(2025-11 国内発売、約 ¥99,800)
  • カメラもスピーカーも持たない プライバシー重視設計(レンズに情報を投影)
  • 約 36g と軽量、IP65 防塵防滴
  • 専用指輪型操作デバイス「Ever R1」もある

「デコーディングできる」のインパクト:

通常スマートグラスはメーカー公式アプリ経由でしか使えない。からあげ氏がやった(と思われる)のは:

  • グラスとスマホ間の BLE 通信プロトコルを解析
  • 公式アプリを介さず、自作プログラムから直接グラスに情報を表示
  • = 自分の AI アシスタントの出力を 目の前のグラスに投影 できる

これが実現すると、「生活に溶け込む AI」が視界に常駐する。スマホを見なくても、AI からの通知・応答・リマインドが眼鏡のレンズに出る。「物理化(M5Stack / AI ペット)」のさらに先、ウェアラブルで身につける AI の領域。

: 「デコーディングできる」の具体的内容(どこまで解析したか・公開しているか)は本記事執筆時点で一次情報を取得できていない。登壇内容・からあげ氏の発信を確認のこと。Even G2 の製品仕様のみ事実として記載した。

「カメラもスピーカーもない」プライバシー設計のグラスを、自作 AI の表示デバイスとして取り込む——技術的にもエモく、「生活に溶け込む AI」の最先端事例。「できるとな?」という驚きは正当。

からあげ氏からのメッセージ ― 「とりあえず作ってみよう」

ユーザー記録(原文):

とりあえず AI アシスタントソフトを作ってみようと。

このセッションのメッセージを一言で要約した発言。からあげ氏が一貫して伝えていたのは「自分で作ると楽しい / 作ってみよう」というシンプルかつ強いメッセージ。

なぜ「とりあえず作ってみよう」が効くのか:

  • セッション中に出てきた高度な要素(コンテキスト・スキル・RAG・物理デバイス・スマートグラスデコード)を全部揃えてから始めようとすると、一生始まらない
  • 「とりあえず作る」= 最小構成で動かす ことで、初めて愛着・育成・UX の必要性が身体で分かる
  • 完璧な設計より、動く何かを生活に置く ことから学びが始まる

ユーザーの persona-snapshot にある 「act-first / diff-back」(まずやってみて問題があれば差し戻す) とも完全に一致する姿勢。からあげ氏のセッション全体が、技術解説ではなく**「行動への招待」**として構成されていたと読める。

これは記事全体の縦糸の一つ「作ることへのハードルを下げる」というテーマの締めくくり。技術記事として読み終えた後、実際に手を動かしたくなる——それが今日のからあげ氏セッションの最大の成果。

この 3 要素分解は、本記事全体で何度も出てきた「実装力 ≠ 定着設計力」というテーマの、最も整理された定式化と言える。クロージングの全体所感で引用する価値が高い。

私の生の所感

色々なところで見るアイコンだから一方的に知っているだけだけど、生を見れてこんな方なんだ感

松尾研、気になってるけど縁がないんだよね

OpenClaw の話から。最近あまり OpenClaw の印象がないのだが、身近になったからか?

AI bot を作っても使い方が分からんよね、は確かに

AI アシスタントの運用をどこでやるか。ローカル LLM だとコストを抑えられるにしても、フロンティアモデルと比べると精度面が怪しい

愛着としてコンテキストエンジニアリング / 育成としてスキル / UX として AI アシスタントフレームワーク

コンテキストエンジニアリング: AGENTS.md / MEMORY.md / memory/YMD / workspace-org / あとなんか

からあげ氏の ai-assistant-workspace リポジトリにあるよと

SOUL.md / USER.md とか。追い切れなかった。補足頼む

スキル数が 100 近くあると。この辺りは GitHub 見た方がよさそうだな

ワークスペース RAG か

娘との会話をスキルにしているという発想がすごいな

スキルを作るスキルか。関心はあるが精度がねー

最近 pet はやりなん? M5Stack も

Even G2 のスマートグラスデコーディングできるとな?

とりあえず AI アシスタントソフトを作ってみようと。


休憩 (14:00-14:20) ― 余談: 記事をもう1本書いてしまった

休憩時間に Claude Code が Opus 4.8 のバグで詰まる事故があり、その調査をそのまま記事化した。休憩中に独立記事を1本仕上げる という、AI 並走ならではの副産物。

日本語環境の Claude Code Opus 4.8 で tool call が malformed になる ― 公式 Issue と回避策まとめ

公式 Issue 5 件 + 国内エンジニア記事 5 件を突き合わせて、誘発条件(日本語環境で特に踏みやすい)・回避策(モデル切替 / CLAUDE.md 1 行 Tips)・自分での実証ログまで含めた。「日本語で長文書いてて malformed エラーに苦しんでる人」がググって辿り着けば即解決できる、独立した実用記事になっている。

休憩時間の使い方の変化については、本記事のメタ記事 (ZennFes 2026 を聞きながら AI と一緒に記事を書くという体験) にも観察を残した。


uhyo 氏セッション (14:20-14:50)

「AI の React 成熟度を測る」

拾った要点

  • AI(LLM)の React 習熟度を測るベンチマーク の提案・紹介
  • 新しいモデルが出るたびにベンチマークを走らせて記事化する運用スタイル
  • 実体は Zenn 連載 React Profession Bench シリーズ(8 本以上)
  • 6 カテゴリ評価(state 設計 / Effect 衛生 / コンポーネント設計 / TypeScript 品質 / パフォーマンス / アクセシビリティ)
  • 現地スライドの採点基準 3 観点: React のベスプラ / 新しい API / アクセシビリティ・セマンティック観点
  • 採点アルゴリズム: 13 テストケース × 6 カテゴリ × スペック別傾斜 = 100 点満点、棒グラフ可視化
  • 意外な実測結果: Fable 5 high < Opus 4.8 max(新世代 ≠ 必ず勝つ、という反例)
  • Opus 4.7 以降は n=3 で測定(ばらつき耐性のあるスコア設計)
  • ベンチで強くても Opus 4.8 はバグ問題で実運用にリスク、4.7 で完走する判断もあり(派生記事(Opus 4.8 バグ調査)参照)
  • 世代差の偏り: Opus 4.7→4.8 は大、4.8→Fable 5 は小。他サイトの汎用ベンチとも乖離(React 特化だから)

AI が理解した所感

「モデル発表→ベンチマーク→記事化」という運用の妙

uhyo 氏のセッションの肝は、おそらくベンチマーク自体の話よりも、それを回し続けるエコシステム設計にある。

従来のモデル評価記事:

  • モデル発表時に、書ける人が個別に「触ってみた感想」を投稿
  • 主観的・属人的・比較しにくい
  • 同じ条件で別モデルを再評価することが難しい

「同じベンチマーク」を走らせ続ける運用:

  • モデルが出るたびに 同じテストセット で測る
  • 結果が 時系列で蓄積 されていく(Claude 4.6 → 4.7 → 4.8 で React 力がどう変化したか等)
  • 読者は 同じ軸で複数モデルを比較 できる
  • 記事のストック性が高い(モデルが新しくなっても過去記事が「比較対象」として価値を維持)

これは個別レビュー記事と全く違う価値の蓄積構造。一発の記事ではなくシリーズ運用前提で設計されている。

なぜ React に絞るのか

React に絞る理由は推察できる:

  • 市場で最も使われているフロントエンドフレームワーク(=結果が多数の読者に直接刺さる)
  • API が頻繁に進化している(Hooks / Server Components / Suspense / Actions 等で学習データのバージョンが揃いにくく、LLM が古い書き方を出す問題が顕著)
  • モダンな書き方と古い書き方の差が大きい(class component vs function component、useEffect の罠、Server Components の境界等で評価軸を作りやすい)
  • uhyo 氏自身が React/TypeScript の専門家(評価基準を自前で設計できる優位)

「成熟度を測る」と銘打つことで、「動く / 動かない」の二値ではなく、モダンな書き方ができているかという質的軸を導入できる。これがベンチマークの肝。

需要が高い理由

ユーザー観察(原文):

新しいモデルが出るたびにベンチマークをやらせて記事化か。需要あるな

「需要ある」と感じる理由を整理すると:

  • モデル選定時に客観指標が欲しい: 「どれがフロントエンドに向いてる?」に答えがほしい層が膨大にいる
  • 公式ベンチマーク(MMLU 等)が現場感とズレている: 学術ベンチマークは React の現場品質を測れない
  • 時系列で比較できる情報源が少ない: 個別レビューは「その時点」しか分からない
  • ドメイン特化ベンチマークがブランドになる: 「○○ といえばあの人のベンチマーク」と認知される競争優位

これは SWE-bench (実バグ修正ベンチマーク) や Aider のリーダーボード と同じ系譜で、ドメイン特化型の継続ベンチマーク という確立した記事フォーマットの React 版を作りに行くアプローチ。

ユーザーの persona-snapshot にある「実測値・差分・定量根拠・証拠」を好む姿勢と完全に一致する評価軸でもある。「動く・動かない」「速い・遅い」のような定性表現で済まさず、ベンチマークスコアという定量で評価する思想。

一次情報を辿る — React Profession Bench シリーズ

uhyo 氏は実際にこのベンチマークを Zenn 連載 として運用している。シリーズ名は 「React Profession Bench」。本記事執筆時点で確認できた連載:

連載 テーマ
Claude Code の React 習熟度を測る (1) シリーズの出発点。Claude Code 評価
Claude と GPT の React 習熟度をさらに測る (3) クロスモデル比較
react-profession-bench-2.md (GitHub) シリーズ第 2 弾
react-profession-bench-4.md (GitHub) 第 4 弾
react-profession-bench-7.md (GitHub) 第 7 弾
Claude Fable 5 の React 習熟度を測る (8) 最新 Claude Fable 5 評価

つまり 少なくとも 8 本以上の連載が既に走っている。「モデルが出るたびにベンチマークを記事化」の運用は、実際に何回も回されて検証済みのスタイル。

採点基準(現地版)

uhyo 氏が当日の登壇で挙げた採点基準は 3 観点(ユーザーが現地でメモ):

  1. React のベストプラクティス(プロが書く「良い書き方」を守れているか)
  2. 新しい API(useSyncExternalStore / useActionState / Server Components 等のモダン API を使えるか)
  3. アクセシビリティ・セマンティック観点(セマンティック HTML / ARIA / 適切な役割設定)

連載の評価軸(6 カテゴリ)

過去の Zenn 連載で使われていた評価軸はもう少し細かい:

  1. state 設計(状態の置き場所・粒度・正規化)
  2. Effect 衛生(useEffect の必要性判定・依存配列・クリーンアップ)
  3. コンポーネント設計(分割・責務・再利用)
  4. TypeScript 品質(型の表現力・厳密性)
  5. パフォーマンス意識(再レンダリング・メモ化判断)
  6. アクセシビリティ(セマンティック HTML / ARIA)

現地 3 観点と連載 6 カテゴリの対応

両者は抽象度が違うだけで同じ思想を指している:

現地 3 観点 連載 6 カテゴリ
React のベストプラクティス state 設計 / Effect 衛生 / コンポーネント設計 / TypeScript 品質 / パフォーマンス意識
新しい API (Effect 衛生・パフォーマンス意識の中に含まれる新 API 知識)
アクセシビリティ・セマンティック観点 アクセシビリティ

現地版は 聞き手に伝わる粒度で 3 つに丸めて提示し、連載版は 採点するときに使う粒度で 6 つに展開している、という関係。登壇では「ぱっと聞いて理解できる粒度」、連載では「実際に採点を回す粒度」と、場に応じた粒度の使い分けが見える。

評価軸の設計が玄人すぎる点は変わらず、実務で「できる React 開発者」を見分けるときに見る項目そのもの。「動けばいい」のラインを超え、プロの React 開発者の視点で AI を採点する設計。

採点アルゴリズム(現地公開版)

uhyo 氏が当日公開した採点の具体構造:

  • 13 のテストケース(スペック) がある
  • 各スペックに 6 つのカテゴリ で採点(前述の state 設計 / Effect 衛生 / コンポーネント設計 / TypeScript 品質 / パフォーマンス / アクセシビリティ)
  • カテゴリの点数に 傾斜(重み) をかけて 100 点満点 に正規化
  • 傾斜の掛け方はスペックごとに変える(=「このスペックでは a11y を重視」「このスペックでは Effect 衛生を重視」のように、スペックの性質に応じて重みが違う)
  • 結果は 棒グラフで可視化(スペック別 or カテゴリ別)

これはベンチマーク設計として相当に練られている:

設計上の工夫 効果
13 スペックに分割 ガチャでは出にくい平均的な実力を見る(1 発勝負を避ける)
6 カテゴリで採点 単一スコアでは見えない「何が苦手か」が見える
スペック別の傾斜 「a11y が重要なフォームはアクセシビリティ重み大」のように、現実の重みを反映
100 点満点に正規化 スペック間で直接比較できる指標になる
棒グラフ 一目で モデル間の長所短所が並んで見える

「スペック別の傾斜」が肝

普通のベンチマークは全項目を同じ重みで足し算する(=単純平均)。これだと「苦手分野を 1 つ作り、得意分野で稼ぐ」というモデルが高得点になる可能性がある。

uhyo 氏のように スペック別に重みを変える ことで:

  • 「このコンポーネントは TypeScript の型表現が要件の中心 → 型品質を重く採点」
  • 「このフォームは a11y が必須 → アクセシビリティを重く採点」
  • 「このリストは大量データで性能が肝 → パフォーマンス意識を重く採点」

という現実のシナリオに即した加重になる。「総合得点」が「現実の業務における品質期待値」に近づく。

これは前述の「評価する力」(mizchi 氏の「クイック + レビュー・評価」、asap 氏の「破綻の微修正」、からあげ氏の「定着設計」と並ぶ)テーマの最も技術的に詰まった実装と言える。「AI を AI で評価する」「ベンチマークを設計する」というメタな評価力が、ここまで具体化されている。

グラフで見せる、というメディア設計

棒グラフが分かりやすい」というユーザー観察も重要。記事フォーマットの設計として:

  • 数字の羅列より 視覚で長所短所が刺さる
  • モデル間比較が 一目で完結
  • 連載を読み続ける読者にとって、世代間の改善幅も可視化される(同じグラフを並べるだけで差分が見える)

「ベンチマーク値 → グラフ化」までを連載運用のテンプレートに組み込めている、というのは シリーズ運用の効率と読者体験の両立を達成していて、AI 時代のテックブロガーが参考にすべき構造の決定版。

意外な結果 ― Fable 5 high < Opus 4.8 max

ユーザー観察(原文):

Fable 5 high より Opus 4.8 max の方がスコア良いのか。意外

これは聴衆の素朴な驚きで、新世代モデル(Fable 5)が前世代(Opus 4.8)に必ずしも勝つわけではないことを示す重要な実測値。

なぜ意外に感じるか:

  • 「Fable 5」は Anthropic 最新シリーズ(=新しい = 強いという期待)
  • マーケティング上は 総合性能の向上 が謳われる
  • ベンチマーク総合値で勝つ報告は普通に出ている

しかし タスク特化のベンチマーク(=React 専門) では順位がひっくり返ることがある。考えられる理由:

観点 説明
Effort の差 Fable 5 high vs Opus 4.8 max。Effort 設定が違うと「考える時間」も違うので単純比較は難しい(Opus はより長く考えている)
モデル間の得意分野の差 Fable 5 が汎用力や速度に振っているなら、特定ドメイン(React)では Opus 4.8 max のほうが上、ということは起こり得る
学習データの版差 Fable 5 の学習データに最新 React API がどこまで含まれているかが鍵
回帰(Regression) 前述の連載で報告されている「Fable 5 で改善されたが、別仕様では明確にリグレッションあり」と整合

つまり「世代 = 順位」ではなく、「世代 × Effort × タスク特性」で順位が決まる、という現実が露呈している。

この結果が示唆すること

実務上の含意:

  • 「最新を選ぶ」が必ずしも最適ではない: タスクと Effort の組み合わせで実測してから決めるべき
  • タスク特化ベンチマークが意味を持つ: 公式マーケティングや総合ベンチでは見えない逆転を捕まえられる
  • 「Opus 4.8 を捨てる判断はまだ早い」: 派生記事(Opus 4.8 バグ調査)で書いた tool call malformed バグはあるが、React 領域では十分強い(エラー回避できる前提なら有力候補)

これは前述の 「最新 ≠ 安定」「最新 ≠ 強い」 という、本記事を通底するメッセージのひとつをまた裏付けている。「実測で順位を毎回ひっくり返す」というのが、AI モデル選定の 2026 年的な現実。

ユーザーの persona-snapshot にある「実測値ベースの説明には追加質問なしで即承認」というスタンスがここでも効く。マーケ文句より棒グラフの長さ。「Fable 5 が新しいから強いはず」を、目の前のグラフで上書きしていくのが正しい技術選定の姿

Ultra Code とは何か(脱線解説)

ユーザー疑問(原文):

ultra code のベンチが見えないのが気になる。そもそも私が ultra code が何なのかよく分かってないんだよね

uhyo 氏のベンチマーク表に Ultra Code 設定のスコアが見当たらない ことへの疑問。せっかくなので Ultra Code そのものを整理しておく。

Ultra Code(ultracode)とは:

  • Claude Opus 4.8 リリースと同時に追加された Claude Code の設定の 1 つ(モデル設定ではなく Claude Code 側の機能)
  • 通称「Claude Code のフルパワーモード
  • 内部的には Effort = xhigh(max のさらに上)を送信
  • それに加えて Dynamic Workflows(動的ワークフロー)を Claude 自身が起動するか判断する
  • タスクが重いと AI が判断したら 並列マルチエージェントでチームを組んで処理する

通常の Effort 段階(Opus 4.8 の場合):

Effort 内容
low 最小推論、簡易タスク向け
medium 標準推論
high Opus 4.8 のデフォルト
max 高負荷推論
ultra code xhigh + 動的ワークフロー + 並列マルチエージェント

つまり Ultra Code は単なる「もっと考えさせる」ではなく、「考える + タスクを分割して並列実行する」 という構造的に違うモード。コードベース全体スケールの作業に向けて設計されている。

有効化方法:

  • Claude Code の /effort メニューから選択
  • xhigh をサポートするモデル(Opus 4.8 / Opus 4.7)でのみ使える

注意点:

  • トークン消費が標準 Effort より大幅に多い(=コスト高)
  • まず小タスクで試して、感触を掴んでから本番タスクに使うのが推奨
  • 派生記事(Opus 4.8 バグ調査)で触れた tool call malformed バグは、Ultra Code でさらに発生率が上がる(本記事執筆時点)

なぜ uhyo ベンチに Ultra Code が無いか(推測)

ベンチに Ultra Code 結果が無い理由は推測になるが:

  • トークン消費が膨大: 13 スペック × 複数モデル × ultra で回すと API コストが跳ね上がる
  • 並列マルチエージェントは結果が不安定: 同じ入力で結果がブレやすく、ベンチに使うとスコアの再現性が下がる
  • 動的ワークフロー判断のばらつき: 同じタスクでも Claude がワークフロー起動を選んだり選ばなかったりするので公平な比較がしづらい
  • そもそも比較の主旨ではない: 「同じ条件で React 力を測る」ベンチの主旨に対し、Ultra Code は条件が変わりすぎる(=比較が成立しにくい)

つまり Ultra Code を入れると 「ベンチ比較として成立しなくなる」 可能性が高く、入れない判断は妥当。読者が「Ultra Code ならどうなる?」と知りたい気持ちは正しいが、ベンチで答えるべき問いではない(=個別検証で確かめる領域)。

「ultra code のベンチが見えないのが気になる」という観察は、ベンチマーク設計の境界を突いた良い問いだった。

Opus 4.7 以降は n=3 で測定

uhyo 氏の追加発言として:

Opus 4.7 以降は n=3 でやってるとのこと

つまり同じスペックを 3 回走らせて平均しているということ。これが何を意味するか:

  • LLM の出力は毎回完全に同じにはならない(温度・サンプリングの揺らぎ)
  • 1 回測定だと「たまたま上手くいった」「たまたま外した」が混入する
  • n=3 で平均することで ばらつき耐性のあるスコアを出している

これはベンチマーク設計者として極めて誠実な対応。多くの「触ってみた」系記事は n=1 でスコアを出してしまうので、個体差や運の要素が拭えない。n=3 にするだけで:

n=1 ベンチ n=3 ベンチ
1 発勝負、運要素大 平均で運要素を緩和
「たまたま」を排除できない 安定した実力値を測れる
比較の信頼性低 比較の信頼性高
計算コスト低 計算コスト 3 倍

Opus 4.7 以降に絞った理由は推測:

  • 過去モデル(4.6 以前)は既にスコア確定済み・再測定の意味が薄い
  • 新しいモデルほど比較対象として重要なので、丁寧に測る価値がある
  • API コストが上がるので過去全モデルを n=3 にできない、現実的な妥協線

n 数を増やす判断は ベンチマーク運営者の良心そのもの。ユーザーの persona-snapshot にある「全ケースの網羅性をどう担保した?」「MECE を担保しコード分岐ツリーからの演繹を求める」姿勢で読むと、ばらつきを定量化する努力を評価できる設計。

ベンチで Opus 4.8 が強い、でもバグる ― 実用上のジレンマ

ユーザー所感(原文):

この話を聞くと Opus 4.8 でやった方がいいよね、とは思うのだ。ただバグるのがねー

これは派生記事(Opus 4.8 バグ調査)(Opus 4.8 tool call malformed バグ)と uhyo ベンチの結果を接続した最も実務的な観察。整理すると:

観点 Opus 4.7 Opus 4.8 max
React 力(uhyo ベンチ) 一定水準 より高い(Fable 5 high にも勝つ)
tool call 安定性 安定(malformed 出ない) malformed バグあり(派生記事(Opus 4.8 バグ調査)参照)
長文 × 大量ツールコール 耐える 5〜10 ターンで崩れる
実運用での使用可否 本番で使える リスク覚悟が必要

「ベンチで強い → でも実運用ではバグで使えない」という、最高性能と実用性が一致しないジレンマ。これは AI モデル選定の永遠の課題でもある:

  • タスクの質(コード品質)で選ぶなら Opus 4.8 max
  • タスクの完遂率(止まらず走り切る)で選ぶなら Opus 4.7

uhyo 氏のベンチが教えてくれるのは「ベスト品質を出せるモデル」だが、それがいつでも使えるかは別問題。ベンチマークスコアと実運用適性は別の評価軸として並べる必要がある。

筆者のように長文を編集し続ける運用(=本記事の執筆環境)では 4.7 を選ぶしかない。一方、React コードを 1 ファイル書ききるだけの小スコープなら 4.8 で勝ちに行ける用途で使い分けるのが正解。

ユーザーの persona-snapshot にある「動かなくなったことに気付けない自動化を最も危険とみなす」「サイレント停止禁止」というレジリエンス観点で見ると、ベンチ最高 ≠ 最善の選択ということが見えてくる。「強いけど止まる」より「程々で完走する」を選ぶ判断は、業務運用としては正しい。

これは記事全体の縦糸の一つ「実装力 ≠ 定着設計力 ≠ 完走力」というテーマの、ベンチマーク × 実運用視点での結晶。「速い・強い・賢い」だけでは AI を選べない時代になっている。

世代差の偏り ― 4.7→4.8 は大、4.8→Fable5 は小

ユーザー観察(原文):

Opus 4.7 と Opus 4.8 の差が大きかった。Opus 4.8 より Fable 5 との差があまり取れなかったらしい。どこかの別サイトなりのベンチのスコア差とは違うのね

これは uhyo ベンチのもう一つの重要な発見。世代を一直線に追うと、進歩の大きさが偏っていることが見えてくる。

世代間 uhyo ベンチでの差
Opus 4.6 → 4.7 (連載で報告された大幅向上)
Opus 4.7 → 4.8 大きい(意外なほど)
Opus 4.8 → Fable 5 小さい(あまり差が取れず)

Fable 5 < Opus 4.8 max」の意外な逆転も含めて、新世代でも React 領域では伸びが鈍化している可能性が読み取れる。

他サイトの汎用ベンチとの乖離

ユーザーの指摘で最も鋭いのは:

どこかの別サイトなりのベンチのスコア差とは違うのね

これは ドメイン特化ベンチ(uhyo の React)と汎用ベンチ(MMLU / HumanEval / 各社の総合ベンチ等)で結果がズレるという現象。汎用ベンチでは Fable 5 が大幅に勝つ報告が多いのに対し、React 特化では差が小さい。

なぜズレるか:

観点 汎用ベンチ ドメイン特化ベンチ
測る対象 推論力・知識量・一般タスク 特定領域のベスプラ・API 知識
新世代の伸びどころ 推論ステップ・長文脈・マルチモーダル 特定 API の最新化・ドメイン慣習
学習データの寄与 全体的な量・多様性 その領域のコード量と新鮮度
評価軸の固定性 標準化されている 評価者のドメイン専門性に依存

つまり Fable 5 が「総合力で勝つ」のは事実でも、React に閉じて測ると伸びが現れないことがある。理由としては:

  • React の学習データ量が既にサチっている(=さらに足してもスコアが伸びにくい)
  • React のベスプラは比較的安定しているドメイン(=モデルが新しくなっても採点がぐっと上がりにくい)
  • 新世代の伸びどころが React 領域に効きにくい(=推論や長文脈で稼いでも React コード採点には反映されない)

この発見の意味するところ

実務上のインパクト:

  • モデル選定で公式ベンチや汎用記事を鵜呑みにできない
  • 自分のドメインに近いベンチを探すべき
  • 無ければ自分で作る選択肢もある(まさに uhyo 氏がやっていること)

これは「AI 時代の評価力」というテーマの究極系。ベンチマークを設計できる人だけが、本当に AI を選べるという構造になりつつある。「○○モデルが SOTA を更新!」というニュースが意味を持つのは、自分の現場と評価軸が一致しているときだけ。

ユーザーの persona-snapshot にある「根拠の出所・網羅性を問う」「全ケースの網羅性をどう担保した?」という姿勢は、まさに 「そのベンチは自分の用途を測っているか?」 を疑う知性そのもの。「他サイトのスコア差とは違う」という観察は、ベンチマーク自体を相対化する視点を持っている証拠。

これは記事全体の縦糸として通底している「評価する力 = 軸を選ぶ力」のもう一つの結晶と言える。

棒グラフが「観測可能性」を担保している

ユーザー観察(原文):

棒グラフでスコアを見れてるというのは良いポイントだなと思った。観測不能になったらベンチの仕組み自体を考え直したり評価指標を考え直す必要があったり。思うに、評価をしているモデル自体も考える必要があるか?

棒グラフ可視化は観測可能性(observability)そのもの。スコアが棒の長さで見えているうちは異常に気付ける。観測不能になる代表的シナリオ:

観測不能のサイン 必要な再設計
すべてのモデルが満点付近に張り付く 評価指標を更新(難度を上げる / 新しい軸を追加)
グラフが棒の差を出せない ベンチ仕様の選び直し(同質スペックばかりになっている)
評価モデルがバイアスを持ち始める 評価モデル自体の更新・複数化

特に最後の 「評価をしているモデル自体も考える必要があるか?」 は鋭い問い。LLM 出力を LLM が採点する 「LLM-as-judge」 パターンでは、評価モデルが古いと:

  • 新 API を「知らない」と減点する(知識遅れ)
  • 評価モデル自身の癖がスコアに混ざる(バイアス)
  • 「自分の出力に甘い」自己評価バイアス(GPT-4.1 の連載報告と整合)

対策は 評価モデル自体の更新 + 複数モデルでクロスチェック + 機械的指標(lint / 型エラー / a11y チェッカー)との併用。「観測可能性」を担保するインフラとしての評価設計、という視点が浮かび上がる。

ベンチ運用のトークン負荷

ユーザー観察(原文):

ベンチ自体を動かす時にトークン負荷がすさまじいと。そりゃそうか

n=3 × 13 スペック × 複数モデル × 6 カテゴリ採点を回す = 概算で 1 回のベンチ運用に数十万トークン以上は固い。これは継続運用の重い制約。

コスト要因 内訳
生成側 13 スペック × n=3 × モデル数 = 数十回のフル生成
採点側 LLM-as-judge で各成果物を 6 カテゴリ評価
モデル世代分 Opus 4.6/4.7/4.8/Fable 5/GPT 系… 全部測ると掛け算

つまり「新モデルが出るたびにベンチ → 記事化」のサイクルは、金銭コストを払って維持されているインフラ。誰でも気軽にやれる運用ではないし、これを続けられること自体が連載の参入障壁になっている。「ドメイン特化ベンチを自分で持つ」競争優位は、この継続コストの壁で守られている。

AI 時代の記事は「書く側も元ネタも金がかかっている」

ユーザー観察(原文):

考え方を変えると、他の人が使った AI トークンで記事が出てるわけだから記事を書くのもだし、記事の元ネタを作るのもお金=トークンがかかってるんだよね。人間が書いたら無料、とは言わんけど AI 記事はもっと切実かもしれん

読者が見ているのは記事 1 本だが、その背後には:

段階 コスト
元ネタ生成(ベンチ実行・実験) 数十万〜数百万トークン
記事執筆(AI 並走) 数万〜数十万トークン
検証(再現・ファクトチェック) 追加で数万トークン
公開後の更新(新世代対応) 継続的に積み上がる

人間が書く記事も時給コストはあるが、AI 記事はトークン消費という形で見える化されている。これが意味するのは:

  • **「読まれない記事 = コストの垂れ流し」**という構造が強い(ROI が計算できてしまう)
  • 公開後に放置すると陳腐化が早い(モデル更新で結論が変わるので、更新を続けないと無価値になる)
  • 質の悪い量産は経済的に成立しない(本当に量産しているのは別の経済モデルを持つ人)

逆に言うと、AI 記事は 「無料」ではないと読者にも届けるべきかもしれない。読者が要約 AI で読み流す前提で書かれた記事 ↔ 書く側もトークンで書いている、という経済の双方向化が起きている。

これは前述の asap 章「AI 乱造は必ずしも悪じゃない」議論への対の視点。乱造が成立するには経済的に裏が必要で、トークン課金時代には質と継続でしか勝てないという現実が立ち上がる。

claude -p 課金と「使うほど技術が伸びる、でも金がかかる」ジレンマ

ユーザー観察(原文):

claude -p の課金の話。私も気になる。AI の使用を絞ると技術進歩が遅れるなぁ、と感じるが、AI サービス事業者側も慈善ビジネスじゃないからなぁ

claude -p は Claude Code を ヘッドレス・ワンショット実行 するモード(対話を経ずプロンプト 1 回で完了)。CI / バッチ / スクリプトから叩く用途で使うが、従量課金(API キーベース) になり Max プランの定額枠の外に出るため、料金の透明性が議論になる。

ジレンマの構造:

立場 主張
個人開発者 使うほど学習・改善が回るので絞りたくない
事業者(Anthropic) 推論コストは実コストで重い、定額枠を広げ続けるのは持続不能
中間 Max プランで腰を据える / 重い処理だけ -p で精算、の使い分け

AI の使用を絞ると技術進歩が遅れる」という観察は、個人の学習曲線と AI コストが直接相関するという新しい現実を捉えている。コードを書く時間より、AI と対話する時間こそがスキル習得の中心になりつつあるため、課金設計が学習速度を直撃する。

逆側を見ると、Anthropic も慈善でない以上 「持続可能な価格を払って使う」が正解にならざるを得ない。本記事冒頭(mizchi 章)で触れた Hermes Agent の「ローカル LLM への退避」も、この経済問題への一つの応答策だった。

結論として、AI 時代のエンジニアは 「技術習得への投資 = AI 課金」を経費として組み込む前提で動く必要がある。これは前述の「書く側もトークンを払っている」議論と同根。スキルを伸ばすこと自体に直接コストが付く時代になった、という静かな転換が起きている。

連載で見えてきたモデル進化の傾向(検索結果より)

過去の連載で報告されている主な発見:

  • Opus 4.7 → 4.6 比: セマンティック HTML / ARIA 理解の大幅向上、useSyncExternalStore / useActionState 等の最新 React API を文脈に応じて自発的に使うようになった、TypeScript 表現力の改善
  • GPT-5.4 vs Claude Sonnet: React 習熟度では同等レベル
  • GPT-4.1: パフォーマンス問題と自己評価バイアス(自分のコードを過大評価する傾向)が明確
  • Claude Fable 5 vs Opus 4.8: 全体ではわずかな改善、仕様によっては顕著に改善 / 別仕様では明確にリグレッションあり

「新しい = 良い」とは限らない、仕様ごとに勝ち負けが出る という生々しい結果。これは前述の 派生記事「Opus 4.8 で動かない」問題とも整合する。

「需要ある」の正体

シリーズが 8 本続いているということは、読者からのフィードバックが続いている証拠。一発の記事と違い、ベンチマークの精度・評価軸の妥当性も連載の中で磨かれていく。書く側にとっても:

  • モデル更新ごとに 書く動機が自動的に発生する(=ネタ切れしない)
  • 同じインフラ(評価コード・採点基準)を使い回せる(=記事生産コストが下がる)
  • 過去記事が 継続して読まれる(モデル比較需要は常にある)

これは個別記事より遥かに 持続可能な発信モデル で、AI 時代のテックブロガーが参考にすべき構造。ユーザーの persona-snapshot にある「横展開・汎化志向」「case-specific パッチを嫌い共通ライブラリ化を選ぶ」姿勢で読むと、まさにそういう発信設計の見本。

私の生の所感

React 習熟度を測るベンチマークとな?

あー、なるほど! 新しいモデルが出るたびにベンチマークをやらせて記事化か。需要あるな

ベンチ採点基準

  • React のべスプラ
  • 新しい API
  • アクセシビリティ・セマンティック観点

採点について、

  • 13 のテストケース・スペック
  • 各スペックに 6 つのカテゴリ
  • カテゴリの点数に傾斜をかけて 100 点満点。傾斜の掛け方はスペックごとに変えてる。棒グラフが分かりやすい

Fable 5 high より Opus 4.8 max の方がスコア良いのか。意外

ultra code のベンチが見えないのが気になる。そもそも私が ultra code が何なのかよく分かってないんだよね

Opus 4.7 以降は n=3 でやってるとのこと

この話を聞くと Opus 4.8 でやった方がいいよね、とは思うのだ。ただバグるのがねー

Oput 4.7 と Opus 4.8 の差が大きかった。Opus 4.8 より Fable 5 との差があまり取れなかったらしい。どこかの別サイトなりのベンチのスコア差とは違うのね

棒グラフでスコアを見れてるというのは良いポイントだなと思った。観測不能になったらベンチの仕組み自体を考え直したり評価指標を考え直す必要があったり。思うに、評価をしているモデル自体も考える必要があるか?

ベンチ自体を動かす時にトークン負荷がすさまじいと。そりゃそうか

考え方を変えると、他の人が使った AI トークンで記事が出てるわけだから記事を書くのもだし、記事の元ネタを作るのもお金=トークンがかかってるんだよね。人間が書いたら無料、とは言わんけど AI 記事はもっと切実かもしれん

claude -p の課金の話。私も気になる。AI の使用を絞ると技術進歩が遅れるなぁ、と感じるが、AI サービス事業者側も慈善ビジネスじゃないからなぁ


MSハッカソン受賞者枠 (14:50-15:25)

(タイトル未公開: 特別枠)

拾った要点

  • セッションテーマ: 「AI が答える現場確認」から「AI が進める現場確認」へ
  • 業界文脈: 建設現場(鉄筋・コンクリ施工)
  • **「コンクリで鉄筋を固めた後は『鉄筋入ってたっけ?』の事後確認ができない」**事後検証不能問題
  • 現場でプロンプトエンジニアリングは無理(受動型 AI のオフィス前提が崩れる、という現場感覚の指摘)
  • 「ワークフロー化しました」 (登壇者の実装報告。AI に手順を作らせず、人が設計した手順を進行させるアプローチ)
  • PDCA サイクルを回せる AI エージェントが要件(登壇者)。 ただし人間流 PDCA をそのまま適用するのは危険(ユーザー留保)

AI が理解した所感

「答える」から「進める」への質的転換

タイトルが秀逸。動詞 1 つで AI の役割が変わっている:

答える AI(受動型) 進める AI(能動型)
質問されたら答える 確認手順を主導する
チャットボット的 エージェント的
人が指示しないと動かない AI が次にやることを提案・実行

つまり受動的な Q&A から、現場プロセスを能動的に駆動するエージェントへの進化を提案している。Claude Code が「対話的に呼ばれるアシスタント」から「自律的にタスクを完了するエージェント」に進化したのと同じ構造の、建設現場版の話。

鉄筋とコンクリ — 事後確認不能の恐ろしさ

「進める AI 現場確認」が必要な根拠として、事後検証不能性が提示された:

  • コンクリ打設前: 鉄筋の本数・配置・かぶり厚は目視可
  • コンクリ打設後: 物理的に見えなくなる(=破壊検査・X 線等の高コストでしか確認できない)
  • 数十年後の劣化・地震時に「そもそも入ってたのか」を問えない
  • 手抜き・施工不良があった場合、証拠が永久に埋没する

「答える AI」だと、聞かれて初めて答える = 聞き漏らした項目は永久に欠落する。「進める AI」なら、確認すべき項目を AI が主導でチェックリスト化して進める = 漏れない。社会インフラの安全に直結する用途では、人間が思いついたぶんしか質問しないQ&A モデルでは構造的に穴が残る。

「現場でプロンプトエンジニアリングは無理」 ← 受動型 AI の致命傷

プロンプトエンジニアリングは「ユーザーが何を聞くべきかを事前に知っていて、言語化でき、試行錯誤できる環境」が前提。建設現場は ヘルメット・手袋・騒音・砂埃・高所狭所 で、プロンプト練る余裕がゼロ。現場の人がプロンプトを書けないから、AI が次のアクションを進める側である必要がある。

ハルシネーションリスク(ユーザー所感)とワークフロー化(登壇者の解)

ユーザーは「ハルシネーションで AI が『鉄筋確認 OK、次行きましょう』と言ったらそのまま埋まる」と懸念(※登壇者発言ではなく聴講者所感)。

登壇者の解は 「ワークフロー化しました」 ― AI が次のステップを判断する代わりに、事前定義されたワークフローを AI が機械的に進行する。AI は「忘れさせない・抜けさせない・記録させる」役割に絞り、手順そのものは人間が設計する。これは Claude Code 文脈での「自由に動く Agent」ではなく「ハードコードされた Workflow」(メタ記事(並走の体験記)参照)。

ぶっつけデモの胆力 vs 安全策

ライブデモは失敗リスクあるが「本当に動く」の説得力が違う。「進める AI」のように動かないと意味がないものは、ぶっつけのほうが腹落ちする。伝えたいメッセージで選ぶ話。

PDCA を回せる AI、ただし AI 流で

登壇者「PDCA 回せるエージェント重要」、ユーザー「人間流 PDCA そのままだと危険」。

段階 注意
Plan 学習データの偏り
Do 並列で大量に走らせると事故が広がる
Check 自己評価バイアス(別 AI / 機械的検証 / 人間で測る)
Action どの層を更新するか明示(ワークフロー / プロンプト / モデル / ルール)

「PDCA を回す枠組みは人間が設計する」非対称を前提にしないと暴走する。MS 枠の「ワークフロー化必須」と地続き。

私の生の所感

AI が答える現場確認から、AI が進める現場確認へ。

コンクリで鉄筋固めた後に「鉄筋入ってたっけ?」の確認ができない。言われてみればそうか。そして想像すると怖すぎる

現場でプロンプトエンジニアリングは無理だよね ← たしかに

ハルシネーションリスクがあるよね… AI を過信するのはこわくないか? (※私の所感。登壇者からは出なかった)

ワークフロー化は必須 (※登壇者の「ワークフロー化しました」報告への賛同)

デモをぶっつけ本番でやる胆力すごいな。私なら事前に動画にしてうまく行くケースだけかき集めた方が心臓にも精神的にも優しい

AI エージェントの要件として PDCA サイクル回せるのは大事だよね ← 確かに。ただ人間と同じ感覚で PDCA 回そうとしても実はよくない可能性があるから PDCA のやり方は考える必要があると思う


title: '[DRAFT] MS 枠 2 件目の発表(追記)'
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MS 枠 2 件目の発表(追記)

MS ハッカソン受賞者枠は 発表が 2 件あった(後から判明)。1 件目は前述の建設現場「進める AI 現場確認」、2 件目はこちら:

拾った要点(2件目)

  • 「技術に責任を持つ」 という発信(AI 時代の技術者倫理として)
  • 使用モデルとして GLC-MAE V9 への言及
  • Gaussian Stitching への言及(3D 再構成・点群合成系の文脈と推測)
  • 異常値分析の話題(生成 AI というより機械学習分野寄り)
  • 動画視聴の方がライブ聴講より落ち着いて見れる反面、動画だけだと補足説明が必要(動画教材の学習負荷の指摘)
  • 「実プロダクトでハッカソンやりました」と聞こえた、つまりハッカソン作 → 実プロダクト化の文脈と推測

AI が理解した所感(2件目)

技術に責任を持つ」が AI 時代の核として刺さる。AI に任せた結果の責任を、「AI が言いました」で逃げず、技術選定・運用・モニタリング・障害対応まで end-to-end で引き受ける宣言。1 件目の「ワークフロー化必須」と地続きで、人間が設計責任を保持し続けるスタンスの 2 件目版。

技術要素として GLC-MAE V9 / Gaussian Stitching / 異常値分析 は機械学習寄りの語彙が並ぶ。3D Gaussian Splatting 系の点群統合 + 異常値検出 + MAE 系の自己教師あり学習、を組み合わせた実プロダクトと推測されるが、本記事執筆時点では一次情報が確認できず詳細は登壇者本人の発信を参照のこと。

聴衆視点の正直な感想として 「ちんぷんかんぷんだった」 が出るドメインだった。技術的高度さ(受賞作)とドメイン外聴衆への伝達は別問題、というよしこ章「伝わる発信」へのブリッジにもなる論点。

私の生の所感(2件目)

AI 時代に「技術に責任を持つ」はささるね

まだ発表らしい発表じゃなくて自己紹介、事業紹介の話

GLC-MAE V9 というモデルを使ってるようだ

ここで Gaussian Stitching が出てくるのか。Gaussian 系は過去に触ったことあるな

異常値の分析の話をしている。生成 AI というより機械学習分野かな?ちょっと懐かしさを感じている

動画視聴の方が落ち着いて見れるから案外、話している内容を頑張って聞き取る負荷が高いのかもしれんな。人間にとっても

ちなみに、動画デモは何やってるか私には分かってない

動画を見ているが補足説明が必要。動画教材で学習する方が学習負荷が高い可能性あるなーと思った。

大変申し訳ないのだが、私には彼らの発表を聞いても何の話なのかちんぷんかんぷんだったのだ。分かる人に分かるのかな?と思ったが受賞している話なので技術的には高度なのだろう

実プロダクトでハッカソンやりました、みたいに聞こえてる。ハッカソンをやって実プロダクトしたのかな?聞き洩らしてるかも



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oikon 氏セッション (15:45-16:15)

「最新の Claude Code をキャッチアップする方法」

拾った要点

  • Shipaton の話題が出てきた(後述、面白そうとのこと)
  • 記事を書く初心: 「誰か一人でも役に立つ人がいればいい」 というマインドセットの話
  • Q. なぜエンジニアは Claude Code を使うのか? → A. カスタマイズしやすいから
  • ただし Claude Code のアップデートは早い(=カスタマイズの上書き・追従コストが課題)
  • 情報源は GitHub の更新 / 公式ドキュメント / 個人の X・ブログ等の発信 / 実証テスト の 4 系統
  • 公式情報には Anthropic 公式 Blog / Anthropic 公式 X アカウント も含まれる(公式サイトだけ見ていると漏れる)
  • 取得した記事は DB 化して再検索可能に(断片的キャッシュでなく一元化)
  • 究極形: この記事自体を AI に食わせて環境整備させる(=記事 = AI 実行可能なセットアップマニュアル)
  • デモ: サッカーボールの流体軌道シミュレーション(Fable 5 製)
  • 本質: キャッチアップ(=その瞬間追いつく)は簡単、難しいのは継続的なアップデート維持
  • 視覚化の話: ワークフロー図 / Changelog をカンバン化して情報整理
  • Claude 公式資料を参照する専用エージェントの提案(=ドキュメント参照特化サブエージェント)
  • 公式参照は 新規作成時だけでなくメンテナンス時にも最新化 する振る舞いを組み込む(予防保守)

AI が理解した所感

oikon 氏セッションは「最新の Claude Code をキャッチアップする方法」というタイトルだが、ユーザーが見抜いた通り**核心は「継続アップデート」**にある。

Claude Code を使う理由 = カスタマイズしやすさ

CLAUDE.md / skills / hooks / サブエージェント / settings.json / MCP の各レイヤでカスタマイズ可能。GUI 中心の競合(Cursor 等)が「IDE 操作の中で AI を呼ぶ」のに対し、Claude Code は「ファイル + CLI で AI 環境ごと定義する」設計で、版管理可能・複製可能・hook で縛れる性質がエンジニアにとって決定的に効く。

アップデートが早い問題

カスタマイズしやすさの裏返しで、新機能・仕様変更が頻繁。自作スキル・hook が本体仕様変更で動かなくなることが起きる。ベストプラクティスが数週間で陳腐化する。派生記事(Opus 4.8 バグ調査)で書いた Opus 4.8 malformed バグも同じ構造(=「最新を追えば動かない、旧版で安定させる」)。

情報源の 4 系統と Anthropic 公式の漏れ穴

情報源 性質 鮮度
GitHub の更新 一次ソース(PR / Issue / release) 即時
公式ドキュメント(docs.anthropic.com) 整理された一次情報 やや遅れ
個人の X・ブログ 体験談・Tips・速報
実証テスト 自分で叩いて確かめる 即時

公式情報は docs だけでなく Anthropic Blog / Anthropic 公式 X / Claude 公式 X / GitHub まで含めて MECE に取りに行く べき。派生記事(Opus 4.8 バグ調査)もこの方法論をなぞった。

視覚化テクニック

  • ワークフロー図: フローで「今どこで詰まっているか」を一目で把握
  • Changelog カンバン化: 「未確認 / 検証中 / 反映済 / スキップ判定」で運用視点で並べ替え
  • テキスト追跡から脱却し状態を持つボードで管理 → 認知負荷を下げる

ユーザーの persona に「経営では見える化より AI の読める化が重要」とあるが、oikon 氏の提案は人間自身が見るための見える化。人間用 = カンバン視覚化、AI 用 = 構造化テキスト、と用途で分けるのが正解。

Claude 公式資料を参照する専用エージェント

シチュエーション 価値
スキル / hook の新規作成 ◎ 仕様変更が直接効く
既存スキルの改修 ○ 該当機能の仕様変更だけ確認
日常のコード執筆 △ 過剰
CLAUDE.md / settings.json 編集 ○ 設定キー名の確認に効く

実装案: WebFetch / WebSearch 使えるサブエージェントに「公式参照」システムプロンプトを与える、または MCP で公式ドキュメントを RAG 化する。メインを軽くするためにドキュメント参照を分離する設計思想。

「作る時」だけでなく「メンテ時」も最新化

「動いている = 最新」ではない。新規作成 → 動作 → サイレント陳腐化を防ぐには:

  • スキル/hook ファイルに**「最終公式確認日」をメタデータとして残す**
  • 一定期間経過したら AI が自発的に「再確認しますか?」と提案
  • 公式 Changelog を定期走査し、関連 API 変更を通知

「動かなくなったら直す」受け身でなく「動いているうちに更新する」予防保守へのシフト。

Effort 5 段階の比較 と ベンチ化可能性

oikon 氏が同じ題材(サッカーボール流体軌道)を Effort 5 段階(low / medium / high / max / ultra-code)で出力比較。同じプロンプト × Effort だけ変えるで結果が大きく変わる。「low で試して粗い → max で本気出す」が現実的。ただしultra code は malformed バグ誘発因子(派生記事 Opus 4.8 バグ調査)。

流体軌道のベンチ化はユーザー留保通り困難(評価軸曖昧 / LLM-as-judge が物理を採点できない / 結果のブレ要因切り分け困難)。uhyo 氏ベンチが成立する (1) 安定 (2) 採点軸確立 (3) LLM-as-judge の 3 条件のうち (2) が特に難しい。ベンチ化に向く領域とそうでない領域を見抜く眼もまた評価力の一部。

本セッションの真の核心 = 「継続アップデート」

観点 キャッチアップ 継続的アップデート
難易度 比較的簡単(数時間) 困難(時間・認知資源の継続投入)
必要なもの 一時的集中 仕組み・習慣・通知システム
失敗パターン 「一通り見たのに使ってない」 半年後に自分のスキル・hook が陳腐化

カスタマイズ × 速い更新のジレンマを継続アップデート基盤で解く」こと。persona「時間的自由・FIRE」「仕組みによる再現性 > 個人の記憶」と完全一致 — 意志でやろうとすると忙しくなったら止まるので、自動化・仕組み化が必須。

「この記事自体が AI 実行可能なセットアップマニュアル」になる

「この記事を AI に食わせて環境整備して、って言えば結構いいものになるんじゃない?」は記事メタの強烈な気付き。本記事は人間が読むためのレポートでありながら、AI が実行するためのセットアップマニュアルでもある:

  • 従来: 記事を読んで人間がセットアップ
  • これから: 記事を AI に渡して AI がセットアップ

「いい記事」の定義が 「人間に読みやすい」から「AI に食わせやすい」 へシフトしている。asap 章の「読者は AI に要約させて読む」議論の延長で、書き手 → AI → 読者環境 の完成形がここにある。

私の生の所感

Shipaton の話。面白そう

記事を書く初心。誰か一人でも役に立つ人がいればいいな。は私もそう思ってた頃があったな。マインドセットというか、なんだっけ専門用語。大事だね

Q. なぜエンジニアは Claude Code を使うのか? A. カスタマイズしやすいから。しかし Claude Code のアップデートは早い

Claude Code の情報源の話。GitHub の更新と公式ドキュメント。個人の X やブログなど発信と実証テスト

スライドなのかな、ワークフロー図とか Changelog をカンバン化?というのか。視覚化するのいいね

Claude の公式資料を参照するエージェントか。あった方が良いんだろうか?

スキルを作るとかそういうシチュエーションがあれば最新情報をとってからやった方が良いよね、とは思う

それでいうと、作る時に見に行く仕組みもあってほしいが、メンテナンスする時も最新化するためのふるまいとかはあった方が良いね

Anthropic blog とか X アカウントも公式情報扱い。公式サイトは見てるけどここは漏れてそうだな

記事自体とかも WebFetch なりで取ってきたものは DB 化する。断片的に作ってた気がする

この記事自体を AI に食わせて環境整備して、って言えば結構いいものになるんじゃない?

サッカーボールの流体軌道?のデモ。fable5 製。

5 つあったけど effort の比較か。差がすごい

流体軌道の話がベンチになるとは思わんけど、React ベンチの話があったから気にしておく

Claude Code のキャッチアップをするのは簡単で、これを継続的にアップデートし続けるという観点がいるよね



title: '[DRAFT] よしこ 氏セッション (16:15-16:45)'
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よしこ 氏セッション (16:15-16:45)

「伝わる発信のつくりかた」

拾った要点

  • よしこ氏が作っている CLI ツール difit への言及(自作プロダクトの紹介)
  • 記事を書く時に考える 2 つの要素(よしこ氏 Zenn アカウントの実例参照):
    • コアメッセージ = 見た人に持ち帰ってほしいもの。1 つだけ
    • ターゲット = 見た人自体(誰に届けるか)
  • 実例: 事業がステルス(社外非公開)だったために採用が課題になったケース
  • アウトライン実例: ネタ → 構成 → リアーキテクチャ → 進め方 → 全体像、構造的・体系的な流れを意識する
  • 「構成」の 3 パターン: 説明 / 課題解決 / 実践共有、それぞれパターンが違う
  • 特に 説明型・課題解決型は「前提」が大事
  • 推敲プロセス: **リハーサル(同僚に試聴・フィードバックを受ける)**を組み込んでいる
  • スライド設計の留意点: リアル会場登壇では「通常のスライドの作り方」をしてはいけない
  • メタな気付き: 「言われて気付く」なら聞く価値はある(=知ってるけどできてない、を可視化する効用)
  • 推敲フェーズ: AI 文体を消す(=traps.md, stop-slop 等のサンプル集を活用して機械的に置換)
  • 発表時のコード表示の鉄則: 3〜4 行まで、かつ解説必須
  • 道具: SlidesCodeHighlighter(コードをスライド向けにシンタックスハイライト)
  • 公開前レビュー: PC とスマホで e2e スクショを撮ってレビュー(=端末ごとの見え方を実測確認)
  • 推奨記事: 個人的 AI Writing のやりかた(よしこ氏 Zenn、AI 執筆プロセスの体系化)

AI が理解した所感

よしこ氏セッションは「伝わる発信のつくりかた」がタイトルだが、内容は執筆 → 推敲 → 公開 → 登壇 全工程の方法論。「絞り」(コアメッセージ 1 つ、ターゲット 1 人、構成 1 パターン) という三重構造が一貫して流れる。

difit ― 自作 OSS を冒頭に置く意図

difit(よしこ氏作、元 ReviewIt)はローカル git diff を GitHub スタイルでブラウザ表示する CLI(npx difit で即起動)。「Copy Prompt」ボタン等でAI エージェント時代のコードレビューフローを直接前提にしている設計。

冒頭で自作 OSS を置く意図 = 「発信」は記事だけでなく コードを公開することも含まれる。OSS の README・命名・リネーム判断も「伝わる発信」の一部。

コアメッセージ × ターゲット = 2 要素フレーム

要素 内容
コアメッセージ 見た人に持ち帰ってほしいもの。1 つだけ
ターゲット 見た人自体(N=1 の具体的な誰か)

「コアメッセージは 1 つだけ」が肝。詰め込み衝動の逆をやる。**「読者の認知の中に残る量は有限」**という前提(asap 章「AI 乱造」、oikon 章「継続アップデート」と地続き)。

「ターゲット = 見た人自体」は mizchi 章「お前は納得してるのか?」と地続き — 「誰の何を変えたいか」が定まっていないと書く意味がない

oikon 章の「この記事自体を AI に食わせて環境整備させる」議論を踏まえると、コアメッセージ = AI に要約させたとき残るべき部分、ターゲット = AI が個別最適化する対象、と読み直せる。

ステルス事業 = 採用課題

「事業がステルス → 採用ターゲットに届かない」という実例。発信なし(ステルス)は「どんな会社か」が外から見えない → 採用候補に届かない。発信あり(技術記事・OSS・登壇)は「こういうエンジニアが居る会社」が伝わる → 同種の人が応募する。

「伝わる発信は組織戦略の一部」という重い示唆。記事 1 本が「自分の知見共有」だけでなく「会社のターゲット採用への貢献」まで広がる。

アウトライン設計 5 段階

ネタ → 構成 → リアーキテクチャ → 進め方 → 全体像

肝は 「構成」と「リアーキテクチャ」を分けていること:

  • 構成 = 最初の素直な並び(時系列・思考順)
  • リアーキテクチャ = それを読み手の理解順に組み替える作業

つまり「書きたい順 ≠ 伝わる順」を前提に、書き始める前に組み替えを必ず入れる。「書く前に全体像を確定」する点が、エンジニアリングのスペック先行・実装後追いと同じ思想。

本記事はこのフローを逆流して使っている: ネタ(=ユーザーの所感)が先に流入してから AI が構成 → リアーキテクチャ → 進め方 → 全体像を後追いで整える。ライブ媒体ならではの制約で、クロージング全体所感で全体像をようやく確定する

「構成」の 3 パターン

パターン 何を書くか 前提の重要性
説明型 技術・概念の解説 ◎(読者の前提知識を揃えないと滑る)
課題解決型 問題と解法 ◎(問題が共有されないと解法の価値が伝わらない)
実践共有型 やってみた・実体験 △(前提より「体験の生々しさ」優先)

1 記事 = 1 パターンに絞る。これは「コアメッセージは 1 つだけ」と地続き。「絞り」の三重構造(メッセージ × ターゲット × 構成パターン)が「伝わる発信」の物理。

本記事(本編・メタ記事・派生記事)の 3 分割は、よしこ氏の分類で 本編 = 実践共有型 / メタ記事 = 説明型 / 派生記事 = 課題解決型 と綺麗に対応する。1 記事に混ぜずに分けたのは本能的に正解だった。

リハーサル と AI 代替

よしこ氏の推敲プロセスにはリハーサル(同僚試聴)が組み込まれている。「ないなら作る」が AI 時代の標準解 — mizchi 章「スキルを選ぶスキル」、からあげ章「スキルを作るスキル」と同じ思想。

AI リハーサル代替の利点: 即時 / プロンプト切替で多視点 / 回数無限 / 「迷惑かな」の心理障壁なし。

発表練習のジレンマ ― 「やる気を出す」でなく「やらなくても済む仕組み」

「発表練習はしておこうね!」と「リハするモチベが湧かない」のギャップを埋めるのが AI 時代のエンジニアの設計責任。意志依存の運用を仕組み依存に置き換える(persona「忙しくなったら止まる仕組みは作らないでくれ」と同型)。

ボタン 1 つでリハ評価が走る仕組みなら、モチベが湧かなくても実行できる。「やる気を出す」でなく「やらなくても済む仕組みを作る」が正解。

リアル会場登壇のスライド設計

観点 通常スライド リアル会場登壇用
文字量 多くてもよい 少なく
1 枚あたりの情報 1 トピック詳述可 1 つのメッセージに絞る
配色 自由 コントラスト強く
補足 スライドに書く 登壇者の口頭で補う

「通常のスライドの作り方」をしてしまうと「スライド読めば分かる」状態になり、登壇者が居る意味が薄れる媒体に合わせて伝え方を変えることの真髄。

「知ってる ≠ できている」の気付き再起動

登壇価値は新規性だけでなく 「気付きの再起動」 にもある。mizchi 章「AI は納得して進めているが、お前は納得してるのか?」、oikon 章「継続アップデート」と同じ構造。

聞けば価値ないと思いがち」という反応は、新規性主義の限界を突いている。本記事も知っている人は知っている内容だが、改めて言語化されることで実行に落ちる人がいれば価値成立。

AI 文体を消す ― stop-slop / traps.md

stop-slop スキル(英語版、GitHub 9.8k★)が AI らしい言い回しを検出 / 置換するチェックリストを提供。日本語版辞書を作る価値あり。本記事にもどうしても AI 文体が混ざるので、クロージング前に機械チェックを入れる価値あり。

発表時のコード表示 = 3〜4 行 + 解説必須 + SlidesCodeHighlighter

「3〜4 行」はスライドというメディアの物理制約から逆算した数字。SlidesCodeHighlighter(OSS)はコードをスライドにきれいに貼り付けるための Web ツール。コピペ時に色情報が保持される。

公開前 e2e スクショレビュー(PC + スマホ)

「書いて満足」でなく「実際の閲覧端末で見た時の体験」をレビューする手法。Playwright で PC / スマホ双方の解像度で記事 URL を撮影する実装が現実的。

persona「実証至上主義」「実機で叩いた結果のみ事実」と完全一致。本記事のクロージング前にも、本編・メタ記事・派生記事の3本を PC + スマホで実機確認する工程を入れるべき。

「AI Writing のすすめ」 = よしこ氏の Zenn 記事

「AI Writing のすすめ」は 個人的 AI Writing のやりかた(よしこ氏 Zenn)を指す。過去記事を AI に渡して自分の文体特性を抽出させ、AI に書かせる際の自分らしさを維持するプロセスの体系化。

本記事(リアルタイム並走参戦記)もこの方法論の実装例になっている — persona-snapshot を渡して文体・判断軸を AI に注入、その人ぽさを残す並走、最終的に AI 文体チェック。

私の生の所感

difit 作ってます、とのことだが何それ?気になる

記事を書く時に考える事。氏の Zenn アカウント参照

  • コアメッセージ
    • 見た人に持ち帰ってほしいもの。1 つだけ
  • ターゲット
    • 見た人自体

事業がステルス=内緒だったので、採用が課題になったケースの例。これも記事があるようだ

アウトラインの実例。ネタを考え、構成を考え、リアーキテクチャ、進め方、全体像と構造的・体系的な流れを意識する事が大事と

特に構成について、説明・課題解決・実践共有の 3 つ。構成ごとにパターンが違うよと。説明にしても課題解決にしても前提大事

リハーサルしてるよ(同僚)

フィードバックしてくれる同僚がいないなら作るかー

発表練習はしておこうね! 分かりみ。しかしリハするモチベが湧かないなぁ

スライドを使ったリアル会場登壇の心得。通常のスライドの作り方をしてはいけない。言われてみれば確かに。分かってたはずなんだけど出来てない事が多いという気付き。聞けば価値ないと思いがちだけど、言われて気付くなら聞く価値はあるんじゃないか?

AI 文体を消す。traps.md とか stop-slap など AI 文体のサンプル集があるので日本語に翻訳して使んでみよう

AI 文体を消すのはスキル化すべきだな

発表の時のコードは 3-4 行まで、かつ解説必須

SlidesCodeHighighter。github

記事を書いた後は PC とスマホで e2e スクショ撮ってレビューする

AI Writing のすすめ。どこかのリンクか?


お土産LT大会 (16:45-17:10)

Support スポンサーによる連続短時間プレゼン + Zenn 公式クロージング

拾った要点

LT #1: LangGraph

  • LangGraph(状態を持つマルチエージェント / ワークフロー構築フレームワーク)がテーマ
  • 主要概念: node / edge / state(ユーザー個人的には苦手領域)
  • スライドで mermaid 記法 を使用(=テキストで図を書く)
  • デモ題材: 料理バトル AI エージェント(複数エージェント協調 + 評価)
  • 告知: ncdc-dev.connpass でオフラインイベント開催予定

LT #2: AI ネイティブな開発のサプライチェーンリスク対策

  • AI 時代の攻防比シフト: 防御側に対し攻撃側が AI で量・質・コスト・スピードのすべてを得た
  • リスクポイントを ローカル / ビルド / ランタイム の 3 環境で切り分け
  • 締めのメッセージ: 「依存関係のリスクチェックの仕組みは作っとこうね!」
  • 文脈: AI-DLC(AI 駆動開発ライフサイクル、AWS 提唱)+ 登壇者は AWS TAM(テクニカルアカウントマネージャ)

LT #3: 動かせない予定だけを管理する個人秘書を作った話

  • 通常の予定管理アプリと逆発想で「動かせない予定だけ」に絞り込んだ個人秘書 AI
  • 構成スタック: Gateway + 2 エージェント + MCP + Vault + Claude Managed Agent
  • LT 締め: 「Zenn で発信してるから見てね」

LT #4: AI に作業委譲できる開発環境の作り方

  • **「委譲」**という攻めたタイトル(=AI を「同僚」に格上げ、責任移管を含意)
  • 駅すぱぁと API + 駅すぱぁと MCP で AI から自然言語で外部 API を呼ぶ事例
  • 「人間も AI も読めるようにする」 = md ファイル化
  • GitHub も MCP 使おうね!」(ChatGPT の Connector ≒ MCP)
  • 評価版アクセスキー提供あり

LT #5: 知の資産化が牽引する事業成長フライホイール

  • 登壇: 株式会社 ヘッドウォータースZenn Publication記事数 No.1 を達成
  • 魔法の言葉: 「検証がそのまま知の資産になる」
  • 「執筆のライフサイクル化と自律性とスピード」 = Headwaters プロセス
  • 知の循環モデル: アウトプット → 案件引き合い → コンペ → 案件実施 → アウトプット… のループ
  • 締め: Publication フォロー + connpass オンラインイベント告知

クロージング(Zenn 公式メッセージ)

  • LT ではなく zennfes Spring 2026 全体の締めとして Zenn 運営から
  • Bot / AI 発信を強く制限して 「人の記事だから読む・読まれる」を死守する方針

AI が理解した所感

LT 大会は 6 本構成(本来 LT 5 本 + Zenn 公式クロージング)で、テーマが綺麗に分かれていた。整理すると、本イベント全体の縦糸が LT 大会で圧縮されて再演されている構造が見える。

5 本の LT に通底する 2 つのテーマ

テーマ 該当 LT 何を提案しているか
AI に何をどこまで任せるか / 境界設計 LT #1 (LangGraph) / LT #2 (サプライチェーン) / LT #3 (個人秘書) / LT #4 (作業委譲) AI が外部世界に手を伸ばす経路に検査ポイントを置く
発信と組織戦略 / 知の資産化 LT #5 (フライホイール) 検証ログがそのまま記事として資産化、ループで回す

LT #1〜#4 は設計の話、LT #5 は運用の話。短時間枠 5 連発で「AI を含む開発・運用・発信」の総括をやり切った構成。

MCP の急速な標準化

LT #2 / #3 / #4 にまたがって MCP (Model Context Protocol) が頻出した。「AI が外部 API を叩く経路」の標準として急速に普及しており、駅すぱぁと(B2B API)・GitHub・Vault といった既存サービスを MCP サーバー化することで AI が困らずに使える。AI に作業委譲する=「AI が動ける足場」を整備することと同義、という設計思想が共有されている。

ユーザーが「マルチプラットフォーム運用しんどい」と本音を漏らした通り、MCP 化の理想と運用負荷の壁は実在する。ここを解消するマルチプラットフォーム MCP 起動キットのようなものが出れば、個人開発者の MCP 採用が一気に進む見込み。

Headwaters の「検証がそのまま知の資産」

LT #5 は本 LT 大会の白眉。Zenn 投稿数 No.1 という長期で取れる指標を実際に達成しており、フライホイール(概念)→ 知の循環モデル(構造)→ 検証がそのまま知の資産(実装) という戦略 3 階層を 1 つの LT で示し切った。

これは本記事(リアルタイム並走参戦記)が目指している構造そのものでもある:

共通点 Headwaters 本記事フォーマット
検証 ≡ 執筆 検証ログがそのまま記事 聴講メモがそのまま記事
ライフサイクル化 標準ワークフロー スキル realtime-event-report
自律性 各エンジニアが書ける ユーザーが投げる、AI が構造化
スピード 記憶が新鮮なうちに書く イベント当日中に公開可能

「個人 / リアルタイム / AI 並走」にスケールダウンしたのが本記事の存在意義そのもの、と読み直せる。

クロージングの「Bot / AI 発信を強く制限」 ― 本記事への重い指摘

zennfes 全体のクロージングで Zenn 運営から提示された 「Bot / AI 発信を強く制限して人の記事として読まれる構造を守る」 方針は、本記事(=AI と並走して書いた)にとって重い指摘でもある。

本記事は (1) AI 利用を明示開示し、(2) 3 層構造で AI 所感と生の所感を分けて見せ、(3) AI 文体を消す試みも記録している、という点でギリギリ許容される側に立つが、「AI 生成テキスト主体」と判定される境界にいる自覚は持っておくべき。LT #5(発信を増やす)と クロージング(AI 発信を制限する)の方向の異なる 2 メッセージを正面から受け止めるのが、本記事クロージングの責任。

私の生の所感

LT #1: LangGraph

LangGraph の話。個人的に苦手

なおスライドに mermaid 使ってた

node, edge, state。説明はあるけどなんのこっちゃら…

料理バトル AI エージェントの構成例。探せば見つかるかな?

ncdc-dev.connpass でオフラインイベントやりますと

LT #2: AI ネイティブな開発のサプライチェーンリスク対策

サプライチェーンリスク攻撃の話の前に AI 開発の話。便利になったけど攻撃も爆発的に増えたし質も上がったよね

ローカル・ビルド・ランタイム環境ごとにリスクポイント

依存関係のリスクチェックの仕組みは作っとこうね!

  • AI-DLC
  • TAM・技術アカウントリーダー

LT #3: 動かせない予定だけを管理する個人秘書を作った話

(以下は登壇者発言のメモ、ユーザー個人の所感は次節)

動かせない予定だけを管理する個人秘書を作った話。気になるタイトル

動かせない予定だけ管理したい。予定は勝手に埋まるし大事な予定がわからんくなるし、試したい技術?はこれから

Gateway + 2 エージェント + MCP + Vault。Claude Managed Agent が便利らしい

Zenn で発信してるから見てねと

(ここから下はユーザー個人の所感)

技術要件が深いのか私が知らんだけなのか、追いつくのが精いっぱい。図を見て理解するのも大変

LT #4: AI に作業委譲できる開発環境の作り方

AI に作業委譲できる開発環境の作り方というタイトル。なんというか攻めたタイトル感あるなぁ

駅すぱぁと(API)は色々なところで見るけど使ったことないな。有料だっけ?

駅すぱぁと MCP の話

(登壇者発言)

人間も AI も読めるようにする。md ファイル化

(ユーザー個人の所感)

私が思うに、md ファイルを作りまくってくるからレビューする負荷が上がりまくった結果、最近人間が md を読めないということでレビュー負荷を下げる運用を考えている

(登壇者発言)

GitHub も MCP 使おうね!

(ユーザー個人の所感)

だよね。GitHub は MCP 使ってるなーっていうよりコマンド使ったりしてたかもしれん。ChatGPT だとコネクトって言ってるけど多分これが MCP なんだな

私の運用基盤も MCP 化した方がいいんだろうな、と思いつつ、マルチプラットフォーム運用しんどいし

評価版アクセスキーもらえるなら使ってみようか

LT #5: 知の資産化が牽引する事業成長フライホイール

知の資産化が牽引する事業成長フライホイールというタイトル

よく聞くけどフライホイールという言葉をしらない

Zenn 記事数 No1 を目指す、という目標。実際にできたのすごいな!

魔法の言葉: 検証がそのまま知の資産になる
執筆のライフサイクル化と自律性とスピード。Headwaters のプロセス

技術発信が生み出す「知の循環モデル」
アウトプット・案件引き合い・コンペ・案件実施・アウトプット…のループ

Publication フォローしてください

(ユーザー個人の所感)

Publication とは?

connpass でオンラインイベントやります
AI 活用業務改革

クロージング(Zenn 公式メッセージ)

これは Zenn かな? AI 活用について苦言から

Zenn だな。Bot や AI 発信を強く制限して人の記事だから読む・読まれるという事を大事にしたいと


全体所感

zennfes Spring 2026 を AI と並走しながらリアルタイム執筆する という実験をやり切った結果、登壇内容そのものよりも並走の体験から見えた縦糸が3本あった。

縦糸 1: AI に何を任せ、人間が何を保つか

全セッションがこの問いの異なる側面を扱っていた。

この問いへの答え
mizchi スキル過多問題は AI に任せず人間がメタスキルで縛る
asap 破綻はパイプラインから推測する。修正粒度は人間が決める
からあげ 生活に溶け込む AI の3要素(愛着・育成・UX)はどれも人間設計が必要
uhyo AI の React 力を人間が設計したベンチで測る
MS 枠 進める AI のハルシネーション対策 = ワークフローを人間が事前定義
oikon 継続アップデートを人間の意志でなく仕組みで担保
よしこ コアメッセージとターゲットは人間が決め、AI が補強
LT 大会 MCP / Vault / Gateway で AI が触れる範囲を人間が境界設計

「AI が止まらないなら人間が止まる責任を一方的に負う」 という非対称性が、全章を通底する不安と希望の根。AI の能力が上がるほど、人間側の判断責任が薄まるのではなく濃くなるという反転構造が、本イベント全体の結論。

縦糸 2: 評価する力 ≒ ベンチマークを設計できる力

uhyo 氏の React Profession Bench がこの縦糸の決定打。AI のモデル選定は「最新を選ぶ」では済まず、自分の用途に合うベンチを設計できる人だけが本当に AI を選べる時代になった。

  • LT #2 のサプライチェーンチェック / LT #5 のフライホイール指標も、評価軸の自作という同じ思想
  • 公式のマーケ文句や汎用ベンチでは見えない逆転(Fable 5 < Opus 4.8 max)が、ドメイン特化ベンチで露見する
  • 派生記事(Opus 4.8 バグ調査)の Opus 4.8 malformed 実証ログもこの方法論の小さな実装例

書く力」より「評価する力」が中心になっていく、というのは asap / mizchi 章で繰り返し触れた論点。AI 時代のエンジニアは、手を動かす量より評価軸を持っているかで差がつく。

縦糸 3: 知の資産化 = 検証 ≡ 執筆 ≡ マーケ ≡ 採用

LT #5 (Headwaters) が言語化した 「検証がそのまま知の資産になる」 が、本記事の存在意義そのもの。

  • 通常: 検証→ナレッジDB→消失
  • Headwaters プロセス: 検証ログがそのまま Zenn 記事 = 公開 = 採用 = 案件呼び込み
  • 本記事: イベント聴講 = ノート = AI 並走で構造化 = 公開記事 = 個人版フライホイール

1 回の作業で複数の価値を回収する」発想が、AI 時代の発信戦略の根本。これは個人の md 化(LT #4)→ 組織の知の資産化(LT #5) → 事業のフライホイール、と段階的にスケールする。

ただし zennfes クロージングで Zenn 運営が 「Bot / AI 発信を強く制限する」 と明言した通り、AI 量産と人の信頼の両立は容易ではない。本記事は AI 利用を明示し、3 層構造で AI 所感と生の所感を分けて見せ、AI 文体を消す試みも記録するという形で境界線上に立っている。

本記事フォーマットの意味

本記事(リアルタイム並走参戦記)は、Headwaters プロセスを 個人 × リアルタイム × AI 並走 にスケールダウンした実装。

共通点 Headwaters 本記事フォーマット
検証 ≡ 執筆 検証ログがそのまま記事 聴講メモがそのまま記事
ライフサイクル化 標準ワークフロー スキル realtime-event-report
自律性 各エンジニアが書ける ユーザーが投げる、AI が構造化
スピード 記憶が新鮮なうちに書く イベント当日中に公開

ただし「リアルタイム並走」の限界も同時に露呈した(メタ記事(並走の体験記)参照):

  • Claude Code はターン制対話で割り込みに弱い
  • 長文編集 × 大量ツールコールで Opus 4.8 が破綻(派生記事 Opus 4.8 バグ調査)
  • 章チャンク化を導入した別セッションの意図を AI が見失う事故
  • 「AI が学習している風」の錯覚(=コンテキスト内パターン認識を別セッションに引き継げない)

これらは全部 メタ記事(並走の体験記)に記録してある。本記事を読んで「並走実況をやってみたい」と思った人は、先にメタ記事(並走の体験記)を読んでから始めることを強く推奨する。

「言われて気付く」価値

よしこ氏セッションのメタ気付き 「知ってる ≠ できている」 が本記事全体にも当てはまる。

  • 縦糸 3 本のどれも、技術的に新規な発見ではない
  • だが「並走で書きながら気付く」体験には、改めて言語化される効用がある
  • 本記事に書いたことの多くは、知っている人は知っている内容

それでも書いた価値があるとすれば、読んだ誰かが「あ、できてなかった」と気付き直すことだろう。その意味で本記事は、よしこ章の「気付きの再起動」装置として機能できればよい。

お礼

zennfes Spring 2026 の登壇者、運営、Zenn の方々、そして並走に付き合ってくれた Claude Code に感謝。


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参考リンク

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