2022/1/17-20に開催された、Zuzi SchovaのA-CSM研修を受講してきました。
研修内容のまとめを書きます。
研修の概要
今回の研修は4日間のオンライン形式で開催され、Zuziからの講義とグループ内でのディスカッションを中心に進めていました。
トレーナーはZuzana Šochová - consultancy, coaching, workshops (Zuzi)です。
RSGT2021のキーノートや、SCRUMMASTER THE BOOK 優れたスクラムマスターになるための極意――メタスキル、学習、心理、リーダーシップなどの書籍で親しまれている方が多いと思います。
他に参加されている方も、いろいろなバックグラウンドの方がいました。
事業会社でScrum@Scaleを実践されている方、アジャイルコーチとして活躍されている方、大企業の中でScrumに取り組まれている方、LeSS・Nexusなどのフレームワークを取り入れている方など、話を聞いているだけでも刺激を受けつづけでした。
受講のモチベーション
2020年ごろから、これまで学んできたことや今後どの方向に進んでいくべきか迷うことが多くなりました。
CSMを取得して数年経ちましたが、身近に同じような視点で相談できる仲間も少ないため、この方向のままで良いのか、コーチングなどのキーワードは聞こえてくるもののどう学んでどう活かしていくと良いのか、攻めあぐねていた時期です。
そんな中、森さんのA-CSM研修の概要とふりかえりを読み、学んできたことの整理や新しい知識の吸収、今後何をどう学ぼうかの方向づけの機会を作るため受講しようと考えました。
学んだことと感想
方法論は万能じゃない
前提として、好奇心などのメタスキルを大事にしよう!という回答が印象に残っています。
例えば5 Whysなどのツールを使って議論を進めるときは、相手との関係が大事になってきます。
分析的になりすぎると相手を萎縮させてしまい、そもそもの目的を達成できない場合も出てきます。
たとえば好奇心を忘れずに質問するなど、自分と相手、問題との関係を考えた上で目的を達成していくようなアプローチを取ろうと紹介されていました。
また、方法論やフレームワークに固執するのではなく、相手の様子に応じてツールを使い分けるなどのアドバイスを受けました。
事前学習は重要
事前学習として、スクラムガイドやScrum@ScaleやLeSSなどの資料を読んでくるよう指示がありました。
自分の経験や知識の浅い分野で、研修以外にも使う機会があるだろうと一通り読んでまとめる程度の学習まで進めておいたので、研修中のグループワークで議論についていくことができました。
Scrum@ScaleやLeSSの導入事例はRSGTなどで多くのセッションがありますから、改めて見直してみます。
本のまとめだけではなかった
受講前はSCRUMMASTER THE BOOKをまとめた内容になるかな?と予想していましたが、それだけでは終わらない内容でした。
テキストにはSCRUMMASTER THE BOOKで触れられていたものがピックアップされていましたが、コーチングでの問いかけ方など、より詳しく説明した内容がありました。
また、テキストの説明のなかでZuziの過去の経験を元にした話も多く、本の内容をより深く理解できました。
参加者から学べることも多かった
Scrum@Scaleなどのスケーリングフレームワークや、コーチングなど理解の浅い分野について、他の参加者から学べることが多かったです。
特にコーチングのワークでは、ORSCの応用プログラムを受講されている方とご一緒できました。
話し方や質問の投げかけ方など、胸を借りるつもりでトレーニングできたので今後活かしやすくなったと感じています。
グループ外のメンバーと接点を持ちづらかった
積極的に交流の機会を仕掛けて行けば良かったなあと考えています。
グループ内では活発に議論できましたが、それ以外の参加者とはあまり接点を持てませんでした。
研修後の今からどう進めて良いかあまりアイデアがないので、カンファレンスなどで見かけたとき積極的に声かけしていこうかなあ、とか考えています。
研修内容
箇条書きレベルでまとめておきます。
Day 1 - メタスキルとコンピタンス
- 6つのメタスキル
- Zuziの経験から得られたもの
- "Agile Leader"として自分のチームをどう育てるか
- チーム自身に育ってもらう
- チームとステークホルダーの関係性を育てる
-
Design Team Alliance — Agile Moose
- チームの合意を揃える
- 全員で「これはできる」と言うものに絞り込む
- チームの強みを可視化する
- 個人の強みを組み合わせて穴を無くす
Day 2 - ファシリテーション
- スクラムマスターはソフトスキルが重要
- 技術的な課題でも、チームが解決できるなら任せる
- 議論が上手くいかない = 相手が受け入れる準備はできてるの?
- アプローチを考えるべき
- チームで一緒の方向に向けるなら、Team Spiritができてる状態だよね
- 場作りの大事さ
- ファシリテーションは状況を受け入れることも大事だし、やることも大事
- 遊び心を忘れないように!
- 準備は大事だけど、事前に計画したことや目的が変わっても受け入れること大事
- スクラムマスターが、あえてファシリテートしない場合もある
- ファシリテータの特性
- 中立を保つ
- 場を明るくする
- 全員の発言を促す
- ファシリテータ・参加者の役割分け
- Liberating Structures - Introductionなど参考にできる
- 方法論やフレームワークは大事だけど、一つに固執する必要はない
- 相手の状況を見て、ツールを使い分けるなど柔軟に立ち向かおう
Day 3 - スケーリングと組織変革
- グループでScaling Frameworkの比較
- 組織を変えることは大変
- 忍耐力も大事
- ツールを使うことより、マインドに対して検査と適応の観点を持つ
- 組織自体が、準備できてないことを受け止める
- 組織変革におけるティーチング
- 同意・賛同を得ることが大事
- 相手の言葉でしゃべろう
- オーディエンスの関心を引く形が大事
- 同意・賛同を得ることが大事
- 組織の各レベルで、それぞれのチームが実験を繰り返していく
- 積み重ねてスケールしていき、組織全体を変革していこう
- HRや財務でもAgileを適用するレベル
- まとめ中にどういうことか掘り下げて聞きたくなった
- HRや財務でもAgileを適用するレベル
- 積み重ねてスケールしていき、組織全体を変革していこう
Day 4 - コーチングとリーダーシップ
- コーチング
- リーダーシップ
- サーバントリーダーは成長を助ける人
- 「周りの人をリーダーにできるよう、どんな手助けができますか?」
- 米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方に触れていた
- サーバントリーダーは成長を助ける人