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A-CSM研修の概要とふりかえり

A-CSM研修

A-CSM(Advanced-Certified Scrum Master)は、Scrum Alliance®による認定資格です。CSM(Certified Scrum Master)の上位資格という位置づけであり、研修は2020/11/30~2020/12/04の5日間で、オンラインで開催されました。日本では初開催、のはずです。

コースの概要については Odd-eのサイト をご覧ください。
講師はAndreas Schliep(Andy)です。

この記事では、A-CSM研修の内容や得られたものについてふりかえりをしていきます。
研修の中身をすべてカバーするような記事ではありませんが、興味を持っていただける人が増えれば幸いです。

背景

この記事を書くにあたって、私の背景を明らかにしておきます。
アジャイル開発に携わったのは2017年からであり、CSMを受講したのは2018年でした。
2017年から複数の現場でスクラムマスター、プロダクトオーナー、アジャイルコーチ、ファシリテーターとして活動し、組織へのアジャイル開発の導入や、ふりかえりをベースとした組織改革などを主に3年間行ってきました。

得られたもの

  • スクラムに関連する周辺知識へのアクセス方法
    • リスニング(聴く)スキルの体系と実践
      • パワフルクエスチョン
    • コーチングスキルの体系と実践
    • ファシリテーティブスキルの体系と実践
    • トレーニングスキルの体系と実践
  • 認定スクラムマスター(CSM)から一段階上の視座・視点への飛躍
    • チームへアプローチするスクラムマスターから、組織へアプローチするスクラムマスターへ
    • チームへの介入方法
  • 効果的なチーム(Effective Teams)とは何か、という考え方と、効果的なチームへ導くための方法
    • 効果的な立ち上げ(Liftoff)の方法
    • チームのサイズと効率
  • 組織の変革に関する考え方と方法
    • 自己管理型チーム
    • タックマンモデルと介入方法
    • アジャイルに関連するメトリクスの検討方法と計測方法
    • 責任のプロセス(Responsibility Process)
    • 問題への対応方法
      • クネビンフレームワーク
  • プロダクトオーナーへの支援
    • プロダクトビジョン・プロダクトゴールの設定方法
      • Value Proposition Canvas
      • エレベーターピッチ
    • プロダクトバックログの作成方法
      • User Storyの作成と分割方法
      • User Story Mapの作成
      • MVPの作成
  • スクラムガイド(2020年版)への理解の深化
    • プロダクトゴールとは何か
  • 他のスクラムマスターとの交流
    • 様々な現場の様相を知る/問題を知る
    • スクラムイベントのより良い実施方法を検討する

参加型・意思決定のための13つのファシリテーティブリスニングスキル についても、この研修で得た内容の1つです。

参加者属性

現状やっている仕事の属性としては、以下のとおり。

  • アジャイルコーチ:数名
  • スクラムマスター:大半
  • プロダクトオーナー:私一人

スクラムマスターを実践して1~3年くらいの方が多いのかなといった印象を受けました。

研修の対象者

スクラムマスターを始めてCSMを取った人が、1年後に受けに来ると有益な情報がたくさん得られそうです。
1つのチームに属しているスクラムマスターを続けていると、なかなか組織へのアプローチ方法が分からなかったり、周辺知識へどのようにアクセスすればいいのかが分からない、という人も多いと思います。
そんな人たちがA-CSM研修を受けると、自分でどのように学習していけばいいのかが分かると思います。

なお、アジャイル関連書籍を読んだり、関連スキルを自発的に身につけようと普段から活動している人にとっては、知っている情報が大半を占めるかもしれません。ただ、それでも参加者同士の交流には大きな価値があります。

研修の概要

オンラインで、Zoom + Miroで行われました。Andyによる講義と、グループに分かれてのワークショップを交互に繰り返す形式です。

事前課題

アジャイル・スクラムに関する知識・考え方を問われる課題が事前に渡されます。
参加者ごとに、課題の答えをMiroへと書いていく形式です。
普段言語化できていなかった部分を言語化するきっかけになるため、課題を解くのも楽しかったですし、他の人の回答を見るのもとても参考になりました。

Day 1

4~5人のグループ×4に分かれて、チームビルディングから始めます。
今回の研修の場合は、グループは研修中ずっと変わらず、グループ内でのコミュニケーションが主でした。
グループ内でスクラムマスターを決めて、1日の終わりには互いにフィードバックする時間が与えられます。

Day1では、「効果的なチームとは何か」「Liftoff」「スクラムガイドの変更点」などについて学びました。

Day 2

グループごとに、各人のスクラムチームの状況や構成などについて話し合いました。
また、「リスニング(聴く)スキル」や「コーチングスキル」「ファシリテーターのテクニック」などを学び、スキルごとに実践する場が与えられました。
Dojo(道場)として「失敗してもよい場」が作られ、存分に実験できたのが印象的です。私も普段では出来ないような極端な行動を取ってみたり、とたくさん実験できました。

Day 3

「チームへどのように介入していくのか」「トレーニングを構成する方法」などについて学びました。
3日目はQ&Aの時間を長く取って、参加者の疑問に解消していく形を取っていました。

Day 4

4日目からは組織やプロダクトオーナーへのアプローチへとフォーカスしていきます。
「自己管理型チームとはなにか」「組織への介入方法」「成功を計測するメトリクス」といった組織に関する情報や、
「プロダクトビジョン・プロダクトゴール」「User Story Map」といったプロダクトオーナーへの支援に関する情報を学び、実践しました。

Day 5

組織に対するアプローチを重点的に学びました。
「責任のプロセス」「問題への対処」などについて学んだあと、研修のふりかえりを行いました。

研修の外でも研修は続く

Slackで研修で学んだ内容の関連情報を互いに共有し合ったり、夜は研修のふりかえりを実施したりしていました。
どちらも参加者が自発的に行っている内容であり、後者は主に私が毎日企画して、21時頃から24時頃まで研修の内容について話し合ったり、コーチングをしたり、など様々な内容で盛り上がりました。

研修の感想

スキルを体系的に学ぶ、という面ではとてもいい研修だと感じます。他の人にアジャイルやスクラムに関する説明をするときに、理論や背景の裏付けを持って説明できるようになりますし、今まで見ていなかった方向に気付かされる面もあるかもしれません。

ただ、自分で調べて学んでいる人からすると、新しい情報を得たいと思って研修に参加しても、有益な情報は得られないかもしれません。そういう人は、参加者同士のインタラクションを重視して、学びを深める姿勢へとシフトチェンジするととても有意義な研修になります。

惜しかった点としては、オンラインかつ翻訳有りの関係上、どうしても参加者同士のインタラクションの時間が短めになったり、参加者が望んだコンテンツを話し合う、ということが少な目だったこと。ただ、この部分は、今回1回目の研修だったこともありますので、2回目以降で徐々に改善されていくと思われます。

おわりに

CSMを取ってそれなりに長いな、という人は、学び直しと知識の再構築のために、A-CSM研修を受けてみるのもいいかと思います。
また、別会社ですが、アギレルゴコンサルティングからも ZuziのA-CSM研修 が2月に開催されます。こちらに参加した人とも、是非情報交換したいなと考えています。
その内容を記事にするかもしれませんので、そちらも楽しみにお待ちください。

CAL1(Certified Agile Leadership1)も組織へのアプローチに悩んでいる方であればお勧めです。研修の幅も広がってきていますので、今後も色々な研修がオンラインで受けられるようになるのが楽しみですね。

補足

ここでは、Twitterなどで要望のあった内容について、もう少しだけ詳しく説明していきます。

User Story と User Story Map

User_Stories_Uebersicht.png
出典:https://www.dasscrumteam.com/de/user-stories

User Storyの作り方を上記の図を使って学びました。
User Storyの中に機能・非機能面を盛り込んだうえで作ったり、Definition of Doneとどういう関係性を持ちながらプロダクトを育てていくのか、が図の左側に記載されています。
また、User Storyの分割方法については図の下部分より。よくバーティカルスライスで分割する、といった話はありますが、この図では5つの 分割方法が定義されています。

  1. 接続詞
  2. 受入テスト
  3. 形式
  4. アクション
  5. 流れ

接続詞は、User Storyの記載の中で、接続詞(そして、さらになど)で別々のStoryに分割します。
受入テストは、User Storyの受入テストや受入条件によって別々のStoryに分割します。
形式は、オブジェクトの種類によって別々のStoryに分割します。たとえば、ホワイトボードツールで扱えるオブジェクトを三角・丸・六角形、というように少しずつ増やす、といった分割の方法。
アクションは、機能が持つアクションによって別々のStoryに分割します。例えば、新規・移動・削除など。
流れは、機能の一連の流れの中で、一部の流れを切り出して分割します。なお、バーティカルスライスは維持したうえで、注力する部分を変えるというやり方のようです。

MVPの作成方法については、ワークを行って理解を深めました。

  • ①朝起きてから家を出るまでの流れをUser Story Mapにしてみよう。やることをすべて洗い出してみよう
  • ②寝坊してしまった!20分で家を出ないといけない。そうなったときに、必要なUser Storyは何だろう?
  • ③さらに寝坊してしまった!5分しかない。そうなったときに、必要なUser Storyは何だろう?

③は本当に最低限動作させるために必要なものであり、骨格となるもの(Walking-Skeleton
②がMVP。

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