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もうコード補完じゃ物足りない? AWS最新AI IDE「Kiro」が開発体験を一新するかも

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AWS、AI IDE「Kiro」を公開

スクリーンショット 2025-07-18 165728.png

2025年7月、AWSは新しいAI統合開発環境「Kiro(キロ)」を発表しました。
従来の「AIコード補完ツール」とは異なり、Kiroは開発の最初から最後まで、AIと共同で進めるエージェント指向開発環境(Agentic IDE)です。

これまでのAIツールは、プロンプトを入力するとコード片を返してくれるものでしたが、Kiroは「仕様策定・設計・実装・品質管理」まで一貫して支援するとのこと。
AWSはこれを、ソフトウェア開発の新しいスタイルと位置付けています。

Kiroの中核「仕様駆動開発」

スクリーンショット 2025-07-18 165845.png

Kiroが提唱するのは、「仕様駆動開発(Spec-driven Development)」です。
これは、曖昧なアイデアや要望を、具体的で構造的な「仕様」に落とし込むことで、開発の精度と効率を高める手法です。

たとえば、「レビュー機能を追加したい」と入力すると、Kiroは次のようなステップで要件を整理します。

  • レビューの表示
  • レビューの作成
  • レビューのフィルタリング
  • レビューの評価

さらに、それぞれのユースケースに対してEARS形式の受け入れ基準も自動で生成されます。
これにより、実装時の曖昧さや認識違いを防ぎ、開発の後工程までスムーズに進めることができるようになります。

定型業務を自動化する「フック」機能

Kiroには、開発プロセスで発生する定型業務やチェック作業を自動化する「フック」機能も備わっています。

例えば、次のような操作が自動で実行されます。

  • Reactコンポーネントを保存すると、自動でテストファイルを更新
  • API仕様を変更すると、READMEを自動修正

この仕組みにより、「うっかり更新漏れ」といった細かいトラブルを防ぎ、品質とスピードを両立できます。

開発フローの具体的な流れ

Kiroを使った開発は、以下のように進みます。

  1. プロンプトを入力し、要件を伝える
    → Kiroがユーザーストーリーと受け入れ基準を生成。

  2. 仕様をもとに設計ドキュメントを自動生成
    → TypeScriptのインターフェースやDBスキーマ、APIエンドポイントなどを出力。

  3. タスクとサブタスクを順序立てて提示
    → テストやレスポンシブ対応、アクセシビリティチェックまで含む完全なガイドを提供。

  4. 進捗は、実行状況をインジケーターで分かりやすく管理。差分と実行履歴で監査可能

これにより、仕様と実装のズレを防ぎ、開発全体を一貫して管理できます。

「Steeringルール」でAIの行動方針を制御

Kiroではチームやプロジェクトごとの開発方針も反映でき、「Steeringルール」と呼ばれる設定ファイルを使えば、次のようなルールをAIに教え込めます。

  • 命名規則
  • ディレクトリ構成
  • 使用するライブラリの選定

これによって、チーム全体での開発スタイルを統一しやすくなり、協調開発の質がググっと高まります。

後から修正する手間も圧倒的に減るため、チーム全体の時間を節約することにもつながりますね!

便利な外部連携機能も搭載

Kiroには、外部ツールとの連携や文脈共有も可能です。
「Model Context Protocol(MCP)」を使えば、ファイルやURL、ドキュメントを渡しながら、AIとチャット形式で開発相談ができます。

また、エディタは「Code OSS」ベースなので、VS Codeの設定やOpen VSXのプラグインもそのまま利用可能。
今使っている開発環境からの移行もスムーズなのはありがたい。

現在は無料プレビュー期間中

2025年7月18日現在、Kiroは以下の環境で利用できます。

  • 対応OS:Mac / Windows / Linux
  • 対応言語:TypeScript / JavaScript / Python / Go / PHP
  • ログイン方法:Google / GitHub / AWS IAMなど
  • 料金:無料プレビュー期間中

公式サイト(https://kiro.dev/)から、チュートリアルや実際の操作をすぐに体験できます。

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