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AIに「なんか違う」を伝えるための適切な修正指示の作り方

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はじめに

AIに何か文章とかデザインとかを作ってもらったとき、「なんか違うな」と思うことがあります。

でも、その「違う」を具体的に言葉にできず、「なんか違うから再生成して」とか適当な指示を出してしまい、また似たような結果が返ってくる。プロンプトをちゃんと考えるのがめんどくさいときにありがちなループです。

そして、この問題の原因の多くは、「フィードバックの伝え方」にあります。

このような無意味なループを防ぐために、フワッとした違和感をAIに伝えるために私がよく使う方法を紹介します。

「なんか違う」をAIは理解してくれない

AIは人間のように空気を読んだり、表情から真意を汲み取ったりすることができません。

与えられたテキストの情報だけを頼りに次の出力を作ります。「なんか違う」という言葉だけでは、AIはどこをどう直せばいいのか判断する材料を持てず、結局似たような案を再提示するか、まったく的外れな方向に修正してしまいます。

また、評価基準が明確でないと、主観的な評価に偏ったり、焦点がぼやけたり、一貫性がなかったりして、実用性の低いフィードバックしか得られません。

これはAIに何かを評価してもらう場面だけでなく、AIの出力に対して自分がダメ出しをする場面でも同じことが言えます。

曖昧さを分解する

「なんか違う」と感じるとき、その内側には複数の原因が混ざっていることがほとんどです。代表的なパターンを整理すると、次のように分解できます。

  1. 方向性がずれている(テーマや目的そのものが違う)
  2. 粒度や量がずれている(詳しすぎる、あるいは浅すぎる)
  3. トーンや形式がずれている(文体、構成、見た目の問題)

この3つのうち、自分がどれに引っかかっているのかを最初に自問するだけで、次に書く指示はかなり具体的になります。

「森を見る」から「木を見る」へ

いきなり細かい修正点を探そうとすると挫折しやすいので、まずは全体像から入ります。

一般論として、まず「森を見る」視点で全体的なフィードバックを求め、そのあとに「木を見る」視点で詳細な部分へ踏み込むと、バランスの取れた改善点を得やすいとされています。

これはAIに自分の文章を直してもらう場面だけでなく、自分がAIの出力に違和感を持ったときにも応用できます。

1. 森を見る

まずは大枠だけを言葉にします。

  • 「方向性は合っているが、トーンが硬すぎる」
  • 「内容は正しいが、対象読者にとって難しすぎる」
  • 「構成自体を作り直したい」
    この時点では細部にこだわらず、ざっくりでかまいません。

2. 木を見る

方向性が定まったら、具体的な箇所を指定します。ここで重要なのは、抽象的な感想ではなく、位置と理由をセットで伝えることです。

具体的な改善提案としては、該当箇所を引用しながら指摘する、優先度の高い問題を絞って指摘する、といった伝え方が有効です。

これをそのままAIへの指示に応用すると、次のような形になります。

2段落目の「〜」という表現が、初心者には専門的すぎます。
中学生でも理解できる言葉に置き換えてください。

「なんか違う」を言語化するための質問リスト

とはいえ、いきなり具体的に言語化するのは慣れていないと難しいものです。そこで、違和感を覚えたときに自分に問いかけると整理しやすい質問をまとめました。

  • 誰向けか 想定読者やターゲットに対して合っているか
  • 目的は何か 最終的にどう使う成果物なのか
  • どこが引っかかるか 全体か、特定の段落か、単語レベルか
  • 理想の状態はどんなものか もし手本があれば言語化してみる
  • やってほしくないことは何か 禁止事項も伝える価値がある

実際、AIに何かを依頼する際に陥りがちな失敗として、曖昧な指示、評価基準の欠如、フィードバックの深さの未指定、具体的な形式の未提示が挙げられています。この4つのチェックポイントは、そのまま「なんか違う」を分解するテンプレートとしても使えます。

実践 : テンプレート化してみる

毎回ゼロから考えるのは大変なので、汎用的に使えるテンプレートを用意しておくと便利です。

【違和感の種類】方向性 / 粒度 / トーン・形式(当てはまるものを選択)
【該当箇所】〇〇段落の〇〇という表現
【理想の状態】〇〇のような雰囲気にしたい
【やってほしくないこと】〇〇のような表現は避けてほしい

このテンプレートに沿って埋めていくだけで、「なんか違う」が具体的な修正依頼に変わります。

慣れてくると頭の中でこの整理がスムーズにできるようになり、AIとのやり取りの回数自体が減っていきます。

制約とアンカリングで曖昧さを防ぐ

フィードバックだけでなく、そもそも最初の指示の段階で曖昧さを減らしておくことも有効です。

曖昧さを防ぐには意図の明確化、制約の設定、検証という3つの要素が必要だとされ、モデルが尊重すべきデータやドキュメント、ルールをあらかじめ参照させることで、一般的な内容に流れるのを防ぎ、具体性を強制できます。

具体的には、次のような一文を最初の指示に添えておくと、後から「なんか違う」となる確率がぐっと下がります。

不明な前提がある場合は、先に確認事項として箇条書きで挙げてください。

こうしておけば、AIが勝手な解釈で突っ走ることを防げますし、そもそも認識のズレに早い段階で気づけます。

修正を繰り返しすぎない

もう一つ注意したいのは、修正のやり取りを延々と繰り返さないことです。

AI自身に改善点を考えさせるセルフフィードバックの手法は完成度を高めるのに有効とされていますが、改善のループは2回程度にとどめるのがよく、3回以上繰り返すと改善幅が飽和して効果が薄くなりやすいです。

ロールプロンプティングだけに頼らない

以前は「あなたはプロの〇〇です」という役割設定さえ入れれば出力が良くなるという考え方が広まっていましたが、最近の研究ではこの手法単体では精度向上にあまり寄与しないことが分かってきています。

実際、役割を与えたプロンプトと与えなかったプロンプトを比較した研究では、回答精度に統計的に意味のある差が見られなかったと報告されています。ただし文章のトーンや文体を調整したい場合には、今でも役割設定は有効な手段とされています。

つまり、成果物に対する違和感の原因がトーンのズレなのであれば役割設定を見直す価値はありますが、内容そのもののズレを役割設定だけで解決しようとするのは効果が薄いということです。

まとめ

今回紹介したポイントを振り返ります。

  • 曖昧なフィードバックは曖昧な修正しか生まない
  • 違和感は「方向性」「粒度」「トーン・形式」のどれかに分解できる
  • まず全体像、そのあとに具体的な箇所という順番で伝えると精度が上がる
  • 該当箇所と理想の状態をセットで伝えるのが基本
  • 最初の指示の段階で前提確認を仕込んでおくと、ズレそのものを予防できる
  • 修正ループは2回程度を目安にする
  • ロールプロンプティングは万能ではない

次にAIの出力を見て「なんか違う」と感じたときは、ぜひこの記事のテンプレートを思い出してみてください。
今までよりずっと早く、思い通りの出力にたどり着けるはずです。

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