3
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

リバースプロキシサーバーがいるときのSpring BootのリダイレクトURL作成

Last updated at Posted at 2022-12-16

概要

Spring Bootで動いているアプリケーションサーバー(以下APサーバー)が、Webページをリダイレクトするとき、リクエスト時のURLを元にリダイレクト先のURLを構築する。クライアントとAPサーバーの間にリバースプロキシサーバーがいる場合、APサーバーはリバースプロキシの作成したURLしか参照できないため、クライアントが必要とするリダイレクトURLを作成できない。この問題を解決するには、リバースプロキシがAPサーバーにリクエストを転送する際に、HTTPヘッダー「Forwarded」「X-Forwarded-」を付加し、クライアントからのリクエストURLで使われたスキーム(http or https)、ドメイン名、ポート番号などをAPサーバーに伝える。

課題

説明にあたり、まず、Spring Bootのリダイレクト処理について説明する。

Spring Bootのリダイレクト処理

Spring BootのリダイレクトURL作成のプロセスは以下である。

  1. Spring Boot内でリダイレクト処理があり、このときリダイレクト先として「/login」のようなルートからのパスが指定されたとする。
  2. すると、Spring BootはリクエストURLを参照し、ルートより前の部分、以下の例なら、「 http://example.com 」を補完する形でリダイレクトURLを作成する。
  3. 作成したリダイレクトURL「 http://example.com/login 」をクライアントに返却する。
    image.png

リバースプロキシサーバーがいる場合

リバースプロキシサーバーは、通信の軽量化のため、以下のように、(リバースプロキシ ⇔ APサーバー)間の通信をSSLなしのHTTP通信で行っている。
image.png
ここでリダイレクト処理をしてみる。
image.png
Spring BootはリダイレクトURLの作成に当たり、直接参照できるURL、つまりリバースプロキシが作成したリクエストURLを参照する。リバースプロキシはHTTP通信でAPサーバーにアクセスするため、Spring BootはリダイレクトURLのスキームにSSLなしのHTTPプロトコルを指定する。すると、リダイレクト時に以下が起きる。
image.png
リダイレクトURLにはHTTPプロトコルを指定しているので、意図しないSSLなしのHTTP通信がインターネット上で発生してしまう。

原因

この問題の原因は、APサーバーがリダイレクトURLを作成する際に、(クライアント ⇔ リバースプロキシ)間で使われたURLを参照できないことにある。
image.png

解決策

この問題を解決するには、リバースプロキシがAPサーバーにリクエストを転送する際に、HTTPヘッダー「Forwarded」「X-Forwarded-〇〇」を付与し、APサーバーに(クライアント⇒リバースプロキシ)時のURL情報を伝える。
image.png

実装

リバースプロキシサーバーの設定

NGINXでのHTTPヘッダー付加の設定については省略する。

APサーバー「Spring Boot」の設定

以下のBeanを定義する。この設定により、Spring BootがリダイレクトURL作成時にリバースプロキシが送ってきたHTTPヘッダー「Forwarded」「X-Forwarded-〇〇」を参照するようになる。

@Bean
public ForwardedHeaderFilter forwardedHeaderFilter() {
  return new ForwardedHeaderFilter();
}

なぜSpring BootはデフォルトでHTTPヘッダーを参照してくれないのか?

これは、HTTPヘッダーの偽装が容易で、セキュリティホールになり得るからである。そのため、Spring Bootでは、明示的に「Forwarded」「X-Forwarded-〇〇」の読み取りを指定する必要がある。

参考

リファレンス

技術記事

3
1
2

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
3
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?