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Account Engagementのごみ箱のプロスペクト同期

Last updated at Posted at 2024-07-16

はじめに

Account Engagementのプロスペクトはデフォルトで10,000件までという上限があり、超過した状態ではメールを送信することができず、追加料金が必要となる。都合により、上限を変えられないが、10,000件以上のプロスペクトを対象にメールを送付する必要があり、プロスペクトの同期仕様、ごみ箱のプロスペクトの挙動について調査した際の備忘を記録する。2024年7月時点の仕様に基づく内容になります。

Sales Cloudとの同期

プロスペクトはSales Cloudのリードまたは取引先責任者とデータを同期することができる。プロスペクトを作成し、Sales Cloud側に同期するレコードがない場合、デフォルトではリードが作成される。
リードでなく、取引先責任者を直接、作成したい場合は、リバース同期という設定で変更できる。リバース同期は自分で設定することができず、サポートに依頼して設定してもらう。

同期の仕様については、以下のサイトが非常に参考になった。
【完全版】Account Engagement(旧 Pardot) とSalesforceのデータ連携仕様の徹底解説

リバース同期した際の取引先責任者の取引先

リバース同期により作成した取引先責任者には、紐づく取引先が存在しない状態になる。取引先がなくても、取引先責任者は作成できるが、手動で編集した際に、取引先が存在しないというエラーになり、保存できない。フローなどで設定するのがいいだろう。

リードを作成し、フローで取引先責任者を作成してもいい

プロスペクトと取引先責任者と同期したいので、リバース同期する以前は、リード作成を契機とするレコードトリガーフローでリードを削除して、取引先責任者を作成していた。しかし、このやり方は、プロスペクトとリードが同期状態になっているため、リードを削除した時点で、プロスペクトも削除されてしまっていた。その後、取引先責任者を作成した時点で、再度、新規で取引先責任者に同期するプロスペクトが作成されていたため、一見、やりたいことが実現できたように見えていたが、ごみ箱に最初に作成したプロスペクトが入っているので、よくないやり方である。リード作成時にフローで対応するのであれば、Apexトリガーでリードを取引開始にして、取引先責任者にするのがよい。

カスタムオブジェクトの同期

Sales CloudのカスタムオブジェクトもAccount Engagementにデフォルト4コまで同期することができる。プロスペクトに紐づく情報として、ダイナミックリストの条件として参照することができる。Engagement Stuidoではプロスペクトに紐づく情報として参照できない。

プロスペクトのごみ箱の仕様

プロスペクトを削除するとデータは完全削除されず、一旦、ごみ箱に移動する。ごみ箱の仕様について、以下を確認した。

  • 完全削除は明示的に行う必要があり、自動で削除されることはない
  • ごみ箱に入っているプロスペクトに対してメール配信を行うことはできない
  • ごみ箱に格納できるプロスペクト数に上限値はない
  • ごみ箱に格納したプロスペクト数は契約上のプロスペクトの上限数に計上されない

プロスペクトがごみ箱にあるの状態でのメール、フォームアクションの挙動

プロスペクトがごみ箱に入っている場合に、メール、フォームによるアクションを実行し、同期対象の取引先責任者に情報が反映されるかを検証した。

プロスペクトがごみ箱、取引先責任者が存在(更新により、コネクタ条件不一致のまま)

プロスペクト(ごみ箱) 取引先責任者
メール開封 更新しない 更新
メールURLクリック 更新しない 更新
フォーム入力 ごみ箱から一時的に復元し、更新後、ごみ箱にもどる 更新
フォーム完了アクション ごみ箱から一時的に復元し、更新後、ごみ箱にもどる 更新

プロスペクトがごみ箱、取引先責任者が存在(更新により、コネクタ条件が一致に変更)

プロスペクト(ごみ箱) 取引先責任者
メール開封 更新しない 更新
メールURLクリック 更新しない 更新
フォーム入力 ごみ箱から復元し、更新 更新
フォーム完了アクション ごみ箱から復元し、更新 更新

プロスペクトのコネクタ条件変更時のプロスペクト同期

プロスペクトのコネクタ条件をデフォルト(条件なし)に変更した場合、同期はトリガーされないので、注意。

プロスペクト 取引先責任者 コネクタ条件 コネクタ条件変更後のプロスペクト
存在しない 存在 不一致 -> 一致に更新 新規作成される
存在しない 存在 不一致 -> デフォルト(条件なし)に更新 更新しない
ごみ箱に存在 存在 不一致 -> 一致に更新 ごみ箱から復元
ごみ箱に存在 存在 不一致 -> デフォルト(条件なし)に更新 更新しない

まとめ

メールにプロスペクトの項目を更新するフォームURLを掲載しておき、プロスペクトに対して、メールを送信する。メール送信後、コネクタ条件を変更し、メール送信したプロスペクトがごみ箱に入っても、メールをみて、フォームを入力してもらうと、ごみ箱のプロスペクトに対して、項目の更新が行われ、取引先責任者にも反映される。プロスペクトがごみ箱に行ってしまうので、Account Engagement上でのリアルタイムな集計はできないが、取引先責任者に対して、項目を更新することは可能である。

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