本記事はSeeed UserGroup Advent Calendar 2020の4日目の記事です.
FusionPCBとは,Seeed studio社が提供する基板製造サービスです.先月,自身で設計した部品実装基板を再発注したところ,前回(1年半前)とは少し状況が違うところがありましたので,そちらを中心に紹介します.
できたもの
2年ほど前から大学の先生と一緒に開発しているプログラマブルゲームパッド "GameControllerizer"のセカンドロットです(奥の赤がファーストロット).設計はKiCadでやりました.
明日から開催の Ogaki Mini Maker Faire でも展示しますので,ご来場の方はお立ち寄りいただければ幸いです.
変わっていたところ
わずかに回路を変更したとはいえ再製造なので,発注かけて待つだけです.ですが,FusionPCBのほうも,いろいろと状況が変わっていました(主に良いほうに).
①選択できる部品が凄く増えた(10k→150k)
FusionPCBに部品実装基板を発注する場合,基板発注ページにある定番部品リスト の中から部品を選べば,実装時によろしく調達してもらえます."自分で購入して送る"といったことは不要で,大変楽です.
前回発注したとき,リストには10,000種ほどの部品が掲載されていたのですが,いつの間にか150,000種まで増えていました. 私のような週末電子工作レベルならば,ほぼ間違いなく調達できるではと思います.
②発注後に確認できる製造進捗画面がいい感じになった
「基板製造のこの工程」というレベルまで表示してくれます.別に,わかったからといってどうにかなるものではありませんが,実装上がりを待つのがちょっと楽しくなりました.
③基板設計審査サービスがイケてる!
正直このために記事を書きました.10月末に基板発注したとき,費用項目の中に「基板設計審査サービス」なるものが増えていることに気づきました.ただ,「費用ゼロ円だし,形だけのサービスなんだろうな~」と思い,気にもしていませんでした.
が,発注の翌日,さっそくFusionPCBより「審査がおわったので,結果を確認してね」とメールが届きました.審査結果らしきExcelファイルを開くとこんな感じでした.
曰く 「部品のフットプリントがデータシートと合っていないので,基板パターンの修正よろしく」 との指摘です.ありがたい!! と思いました.
基板設計のお仕事を同僚や先輩とやっているような場合とは異なり,素人が個人でやっている場合,デザインへの不安が大きかったとしても誰かが確認してくれるわけではありません.そんな時,よく知る誰かが製造前に最低限チェックをしてくれるというのはめちゃめちゃ安心感があります.特に部品実装基板の場合額が大きくなるので,追加費用なしでこういったサービスがあるのは本当にありがたいと思いました(ゼロ円なのは一時的なものかもしれませんが).
※ところで,この指摘[1]は "Groveコネクタのフットプリント間違い" なんですが,フットプリントライブラリはFusionPCBから配布されているものを使ったんですよね...どうしたもんでしょう? Pull request送るとかしたらよいのでしょうかね?
その後
修正後のデザインを再Uploadしたあとは,何事もなかったように進みました.発注時の予想生産時間は26営業日となっていましたが,23日ほどで手元に届きました.
日付 | 状況 |
---|---|
2020/10/28 | 発注 |
2020/10/29 | 設計審査結果が届く.急ぎデザインを修正&再提出. |
2020/10/30 | 基板製造開始. |
2020/11/15 | 基板製造完了. |
2020/11/18 | 部品実装完了.「発送したよ」 とFusionPCBからメールが来る. |
2020/11/20 | 受け取り.受け取り時に通関費用(10000円強)が必要でした |
小型基板100枚のわりに大きな段ボールだな,と思ったら,基板1枚ずつプチプチで包んでくれていました.
まとめ
FusionPCBの基板設計審査サービスはイケてる!
おまけ
発注の数日後,「この(コロナで)難しい時期に発注してくれてありがとう!ささやかだけど New Year giftsを送るよ!」なんてメールがFusionPCBから届き,こんなものをいただきました.感謝.