0. はじめに
オンプレミス環境上のファイルサーバーを Azure へ移行することを検討する場合、オンプレミス環境と同等の構成でクラウド リフトするのか、もしくは、運用コストを下げるために マネージド サービス で要件 (Fit & Gap) を満たすことができるかなどを検討することになるかと思います。
今回、Azure 上にファイルサーバーを構築する要件がある際に、候補に挙がる Azure NetApp Files (PaaS)、Azure Files (PaaS)、WSFC ファイルサーバー (IaaS) に対して、機能/非機能観点から比較してみようと思います。
目次
0. はじめに
1. 各種サービス/製品 概要
2. Azure NetApp Files 活用ユースケース
3. Azure NetApp Files vs Azure Files vs WSFC ファイルサーバー比較
4. フィットしそうな要件
5. 最後に
1. 各種サービス/製品 概要
サービス/製品 | 概要 |
---|---|
Azure NetApp Files (SMB) | オンプレミス環境で実績のある NetApp 社のベアメタルストレージを採用したエンタープライズ ワークロードに最適、かつ、Azure ネイティブな高性能なストレージ サービスです。 オンライン状態でシームレスな容量拡張、縮小、パフォーマンスの増減が可能であり、スナップショットによる大容量のデータ バックアップ や 可用性ゾーン、リージョンを跨ぐレプリケーションによるデータ同期などの機能を、Azure ポータルから簡単に設定することができます。 |
Azure Files Premium (SMB) | Azure 環境で利用可能なフル マネージド ファイル共有サービスです。Premium ファイル共有は、Azure Standard ファイル共有よりも高いスループットを実現し、I/O 集中型のワークロードに適しています。 |
Azure IaaS (WSFC + File Server) |
Windows Server Failover Clustering (WSFC) 上で動作するクラスタ化された ファイル サーバーリソースです。 |
2. Azure NetApp Files 活用ユースケース
3. Azure NetApp Files vs Azure Files vs WSFC ファイルサーバー比較
4. フィットしそうな要件
サービス/製品 | フィットしそうな要件 |
---|---|
Azure NetApp Files (SMB) | ・高い性能要件が設定されている。 (Azure Files で性能問題が発生している。) ・ABE(Access-based Enumeration)機能が必須要件として設定されている。 ・運用/メンテナンスコストを下げるためにマネージドのサービスを利用したい。 ・リージョン間のDR構成が必須となっている。 ・高い可用性/信頼性 (RTO/RPO) 要件が設定されている。 ・中・大規模 |
Azure Files Premium (SMB) | ・運用/メンテナンスコストを下げるためにマネージドのサービスを利用したい。 ・ABE(Access-based Enumeration)機能は不要。 ・中・大規模 |
Azure IaaS (WSFC + File Server) |
・オンプレミス ファイルサーバーと同じ機能を利用したい。 ・運用/メンテナンスコストが上がってもコンピュートコストを下げたい。 ・小・中規模 |
5. 最後に
今回、Azure 上にファイルサーバーを構築する要件がある際に、候補に挙がる Azure NetApp Files (PaaS)、Azure Files (PaaS)、WSFC ファイルサーバー (IaaS) に対して、機能/非機能観点から比較を実施してみました。
なお、各種クラウドサービスは日々進化していくため、ファイルサーバーの移行を検討の際には、マイクロソフトが公開している最新の公開情報を確認ください。
※ 本ブログに記載した内容は個人の見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません。