2026年7月21日、Googleは Gemini 3.6 Flash を発表しました。
名前は小さな更新に見えますが、ポイントは明確です。
3.5 Flashより、コーディングやエージェント処理を効率よく進めやすくなり、出力単価も下がりました。
この記事では、3.5 Flashとの違いと、移行前に確認したい点をやさしく整理します。
内容は2026年7月22日時点の公式情報に基づきます。
結論
- Gemini 3.6 Flashは GA(一般提供) 済み。モデルIDは
gemini-3.6-flash - コーディング、エージェント処理、図表や文書の読み取りが強化された
- Standard有料枠の出力単価は、3.5 Flashより約16.7%安い
- 移行するときは、モデルIDだけでなくAPIパラメータや会話履歴も確認する
- Agent Platformでは、現時点で
globalのみ・チューニング非対応
3.6 Flashは何が良くなった?
Gemini 3.6 Flashは、Gemini 3.5 Flashをベースにしたマルチモーダルモデルです。
テキストだけでなく、画像、動画、音声、PDFも入力できます。
主な改善点は次の3つです。
- コーディング: 不要な修正やデバッグのやり直しを減らす
- エージェント処理: 少ない手順やツール呼び出しで処理を進める
- マルチモーダル: 図表、画面設計、Webレイアウトなどの理解を改善する
また、「調査だけしてほしい」という依頼で、勝手にファイルを変更しにくくなる改善も入っています。
3.5 Flashとの違い
| 項目 | Gemini 3.6 Flash | Gemini 3.5 Flash |
|---|---|---|
| モデルID | gemini-3.6-flash |
gemini-3.5-flash |
| 提供段階 | GA(2026-07-21) | GA(2026-05-19) |
| 主な用途 | コーディング、エージェント、マルチモーダル処理 | エージェント、コーディング |
| 入力 / 最大出力 | 1,048,576 / 65,536トークン | 1,048,576 / 65,536トークン |
| Standard有料枠(入力 / 出力、100万トークン) | $1.50 / $7.50 | $1.50 / $9.00 |
| Agent Platformのロケーション | global |
global、us、euなど |
| Agent Platformのチューニング | 非対応 | 対応 |
価格はGemini Developer APIのStandard有料枠です。出力単価にはthinking tokensも含まれます。Batch、Flex、Priorityは別価格です。
Googleの発表では、3.6 Flashは3.5 Flashより出力トークンも17%少なかったとされています。単価とトークン数の両方が下がれば、エージェント処理全体のコストを抑えられる可能性があります。ただし、17%は特定の評価結果であり、すべての処理に当てはまるわけではありません。
まず試す
Googleは、最新モデルを使うAPIとして Interactions API を推奨しています。
## Pythonから試す
以下は、Gemini 3.6 Flashに質問を送る最小サンプルです。
### 1. ターミナルで準備する
pip install -U "google-genai>=2.0.0"
export GEMINI_API_KEY="YOUR_API_KEY"
APIキーはソースコードへ直接書かず、環境変数などで管理してください。
### 2. Pythonで質問する
from google import genai
client = genai.Client()
response = client.interactions.create(
model="gemini-3.6-flash",
input="Pythonでゼロ除算を防ぐ方法を、3つ教えてください。",
)
print(response.output_text)
実行すると、Gemini 3.6 Flashが生成した回答が表示されます。
移行前に確認する4点
-
生成パラメータ
temperature、top_p、top_kは削除します。Agent Platformでは、frequency_penaltyとpresence_penaltyのカスタム値もエラーになります。 -
thinkingの設定
thinking_budgetではなく、thinking_levelを使います。3.6 Flashのデフォルトはmediumです。 -
会話履歴
最後をrole: "model"にして書き出しを固定するprefillは使えません。出力形式はsystem instructionやStructured Outputsで指定します。 -
Function Calling
candidate_countは使えません。ツールを使う場合は、Function Callと応答のID、名前、件数が合っているか確認します。
同時発表されたモデル
- Gemini 3.5 Flash-Lite: 大量の文書処理やサブエージェント向け。速さとコストを重視する場合の候補
- Gemini 3.5 Flash Cyber: 脆弱性の発見や修正に特化。CodeMenderを通じた限定パイロットとして提供予定
マスターエージェントには3.6 Flash、大量・高スループットの処理には3.5 Flash-Lite、という使い分けが分かりやすそうです。
まとめ
Gemini 3.6 Flashは、3.5 Flashより少ない手順やトークンで、コーディングやエージェント処理を進めやすくしたモデルです。
移行候補として有力ですが、APIパラメータ、会話履歴、Agent Platformのロケーションは先に確認しましょう。ベンチマークだけで判断せず、自分のデータでも3.5 Flashと比較するのがおすすめです。

