はじめに
仕事でしばしば目にする言葉だったが、あまり理解していなかったため調べてみた。
概要
- 2点間を接続して通信を行うためのプロトコル。
- RFC1661で定義されている。
- OSI参照モデルの2層(データリンク層)に該当する。
構成
- 以下2つのプロトコルから構成されている。
- LCP (Link Control Protocol)
- 接続の確立や認証、切断などの通信制御を行う。認証手順にはPAPやCHAPが用いられる。
- NCP(Network Control Protocol)
- ネットワーク層の通信環境を整える役割を持つ。ネットワーク層のプロトコルが何かによって、NCPに該当するプロトコルは異なる(NCPというプロトコルがあるわけではない)。
- IPv4の場合:IPCP(Internet Protocol Control Protocol)
- IPv6の場合:IPV6CP(IPv6 Control Protocol)
- ネットワーク層の通信環境を整える役割を持つ。ネットワーク層のプロトコルが何かによって、NCPに該当するプロトコルは異なる(NCPというプロトコルがあるわけではない)。
- LCP (Link Control Protocol)
認証機能について
LCPプロトコルのオプション機能を用いて認証を行う。
認証で用いるプロトコルは以下2つ。
- PAP
パスワードを平文のまま回線上に流す。 - CHAP
パスワードを直接回線には流さず、チャレンジ(乱数)とレスポンス(乱数とパスワードから得たハッシュ値)をやり取りする。
PPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet)
PPPプロトコルをイーサネット(有線LAN規格)でも使用できるように拡張したもの。
IPoE(IP over Ethernet)
PPPoEよりも現在主流となっている方式。PPPoEがPPPをイーサネットに対応づける目的で作られた一方、IPoEはイーサネットでの使用を前提として作られた背景の違いがある。
PPPoEとの違いは以下
- 網終端装置経由で回線に接続しない
- PPPoEは網終端装置という装置経由で回線に接続しているため、ここがボトルネックになり通信に遅れがでる場合がある。
- IPoEでは通信容量の大きいゲートウェイルーター経由で回線に接続することができ、そのような遅延が起こらない。
⇒通信が比較的早く安定しやすい
- IPv6に対応する通信先にのみ接続可能
- IPoEはIPv6にしか対応していない。そのためIPv4で通信する場合はPPPoEを使うことになる。IPv6は普及しきっていないため、まだまだIPoEも浸透していない。
- 上記欠点を克服した「IPv4 over IPv6」という方式もある。PPPoEの技術をベースに網終端装置を迂回して回線に接続するというもの。また、IPv4をIPv6に変換するため、IPv4も使用可能。
画像は株式会社NTTPCコミュニケーションズのコラムから引用
参考にしたWebサイト
- https://milestone-of-se.nesuke.com/nw-basic/ppppppoe/ppp-summary/
- https://xtech.nikkei.com/it/article/COLUMN/20060424/236003/
- https://note.com/shinya_matsui/n/n2a45f98c75f2
- https://biz.biglobe.ne.jp/column/hikari_pppoe.html#:~:text=PPPoE(%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%BC)%E3%81%A8,%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%92%E8%A1%A8%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
- https://www.nttpc.co.jp/column/network/pppoe_ipoe.html