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一人VR技術者認定試験Advent Calendar 2018

Day 6

【VR学まとめ】2.2 視覚

Last updated at Posted at 2018-12-19

はじめに

この記事は一人VR技術者認定試験 Advent Calendar 2018の6日目の記事です。

バーチャルリアリティ学の2章「ヒトと感覚」の内容をまとめていきます。
書籍の方も是非ご購入いただいた上でご利用ください。

2 ヒトと感覚

2.2 視覚

2.2.1 視覚の受容器と神経系

外界の光を知覚する流れ

  • 網膜(retina)
    • 視細胞(photoreceptor)
      • 錐体(すいたい)(cone) - 明所視
        • S錐体 波長特性のピークは400nmくらい(青)
        • M錐体 波長特性のピークは500nmくらい(緑)
        • L錐体 波長特性のピークは600nmくらい(赤)
      • 桿体(かんたい)(rod) - 暗所

視覚情報処理の流れ
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引用元: バーチャルリアリティ学

  • 網膜から外側膝状体、一次視野と処理が続く
  • 両眼の情報と、両視野の情報は、一次視野まで独立に処理される
  • 一時視野で初めて統合される
  • 一次視野から頭頂連合野
    • 背側路(はいそくろ)
    • 位置や運動の知覚
  • 一次視野から側頭連合野
    • 腹側路(ふくそくろ)
    • 形や色の知覚
  • 網膜から上丘(じょうきゅう)
    • 眼球運動の制御

2.2.2 視覚の基本特性

このサイトおすすめです
http://www.kecl.ntt.co.jp/IllusionForum/index.html

同化と対比

  • 網膜神経細胞から始める時空間処理に基づく視覚特性
    • 効率的に処理するため
  • 同化
    • 周囲の明るさと同じ方向に知覚が生じること
    • 色相や彩度でも生じる
  • 対比
    • 周囲の明るさとの差を強調するように逆の知覚が生じること
  • 模様が荒いと対比が、細かいと同化が起きやすい

6_18.png
引用元: http://www.noie.co/colorkoza/2250/

順応と残効

下に流れる滝を見続けると、
近くの基準点が静止から下方向に変化(順応)
隣の岩肌に眼を移すと止まっているはずなのに上がっているように見える(残効)

恒常性

  • 網膜上のサイズが異なっていても大きさに違いを感じない
  • 感覚器官(網膜など)に変化があっても知覚が変化しない(恒常性)
  • 頭部が運動して激しくぶれても世界は静止して知覚される(位置の恒常性)
  • 物体を斜めからみてもひしゃげて見えない(形の恒常性)

size_constancy1.jpg
引用元: http://www.kecl.ntt.co.jp/IllusionForum/v/sizeConstancy/ja/index.html

2.2.3 空間の知覚

網膜: 2次元
知覚: 3次元

様々な手がかりで奥行きを知覚しているということ

  • 眼球運動性
    • 調節
      • ピントを合わせる時の水晶体の厚みの変化
      • せいぜい1m程度まで
    • 輻輳
      • 対象を注視する時の両眼の内転・外転運動
      • 近くだったら眼が寄る
    • 輻輳調節矛盾
      • VRゴーグルだと調整は一定だが輻輳は変化する
      • 本来比例関係があるはずなので矛盾していて、疲労や酔いなどに繋がる
  • 両眼性
    • 両眼視差
      • 眼が2つあるから奥行きの違いで像にずれがあることから生じる知覚
      • 強力
    • 運動視差
      • 視点位置が変化した時の知覚
      • 両眼視差と同じ理由
  • 単眼性
    • 隠蔽
    • 遠近法
    • テクスチャ勾配
    • 速度勾配
    • キャストシャドー
    • 陰影
      • 物体の奥行き形状の知覚
      • UnityでいうReceiveShadow
      • 光源位置が決まらない場合、理論的には凸か凹が曖昧になる
        • 光源は上方にあると過程して曖昧性を解決している
    • キャストシャドー
      • 物体と背景の相対的奥行き
        • 影が遠いところに落ちているか、近くに落ちているか

2.2.4 自己運動の知覚

  • オプティカルフロー
    • 網膜に投影された運動
    • 対象の運動と自分自身の運動のどちらからも生じる
      • 区別する必要がある
  • 自己運動に起因すると解釈されるもの
    • 視野の広い範囲を占める整合的運動
    • 奥に提示された運動
  • 対象の運動として知覚されるもの
    • 小さい領域のばらばらな運動
    • 手前にある運動
  • ベクション
    • 視覚全体が動くと自分が動いているように知覚する現象
      • 電車の例など
  • 視覚誘導性身体動揺
    • オプティカルフローによる
    • 姿勢制御に視覚情報が利用されているため
      • 目を閉じて片足立ちが難しいなど
    • ベクションよりも早く生じる
    • いくつかの特性はベクションとことなる

2.2.5 高次視覚

  • 知覚
    • 初期・低次処理
    • 自動的・ボトムアップ処理依存的
  • 高次視覚
    • 知識と注意を要する
  • 顔倒立効果
    • 歪んでいる顔でも顔の上下を逆さまにすると歪みに気が付きにくい
      • 下の画像でいうと、左上の顔は歪んでいるが、ゆがんでいることに気が付きにくい

b88c8730626708de1393242d3ef66a8d-700x495.jpg
引用元: https://eye-media.jp/entertainment/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E9%8C%AF%E8%A6%96%E3%81%AE%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF/

まとめ

網膜の2次元情報を3次元情報として捉えるために、視覚に備わっている特性が分かりました。

一人VR技術者認定試験 Advent Calendar 2018の7日目は【VR学まとめ】2.3 聴覚です。

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