はじめに
本記事に登場する Obsidian は万能なテキストエディターです。
カスタマイズして凝りたい人から、最小限の機能でミニマムに使いたい人など幅広い人にハマるエディタだと思っています。
私の使用歴としては2021から2023くらいまで使っていましたが、一度離れていました。
AI エージェントによる業務/開発効率化ブームに火がつく半年くらい前から、
ふとしたきっかけで再度 Obsidian にカムバックしました。
本記事では Obsidian と AI コーディングエージェントを使い、
私なりに楽しみながらタスク効率化に取り組んだ事例についてご紹介いたします。
背景・課題
- タスク管理に外部ツール(GitHub や JIRA)を使っていたが、チームのプロセス変更に伴い、必要性が薄れた
- しかし、いくつかのチームをマネジメントする中でタスク管理は必須(覚えてられない)
- タスクの記録や優先度決め、締切設定など
- 元々あったツールへの不満
- Webアプリケーションはサクッとタスク追加ができない
- Wifi繋がってないと使えないし、ページ表示にもちょっと時間かかる
- タスク管理ツール、作業場所(エディタ)、相談相手(生成AIチャット)を行き来するのが疲れる
- タスク着手時にさくっとAIに投げて壁打ちや下書きなどやらせたい
- タスクにかかった時間などの業務効率の分析もやりたい
- Webアプリケーションはサクッとタスク追加ができない
- タスク開始時の腰の重さ
- 「さあ、やるぞ」とタスクの詳細を開いた瞬間の「白紙」の状態が辛い
- コンテキストスイッチが大きいときはそこそこ辛い
- AIにサクッと協力してもらってタスクを開始したい
振り切った解決策
「全部 Obsidian の中でやる」ことを目指してみました。
タスク管理も、実作業も、AIとの壁打ちや試行的な作業も、業務効率の分析も、
全部ローカルのテキストファイルとCLIで完結させることで「最高の没入環境」ができるのではと考えました。
組み合わせたツールたち
Obsidian
全ての母艦。
双方向リンクでタスク間の関連を可視化できたり、プラグインで無限に拡張可能なツールです。
Markdown ファイルとして保存されるため、AIツールとの相性が良いです。
Visual Studio Codeと比較すると Markdown で記述して、そのままスタイルに適用される点が個人的には良き。
Kanban Plugin(Obsidian プラグイン)
名前通りカンバンでタスク管理できます。これも 実態は Markdown なので、AIフレンドリー。
データ構造の例:
## BACKLOG
- [ ] モバイルアプリの回帰テスト自動化検討
#qa @{2025-12-25}
- [ ] 新機能のユーザビリティテスト設計
#ux
## TODO
- [ ] チーム目標設定MTGの準備
#manager
- [ ] API自動テストのカバレッジ改善
#qa
タスクは - [ ] で表現され、タグ(#qa、#managerなど)と締切(@{YYYY-MM-DD})を含められます。
この構造により、AIが簡単にタスク情報を解析・集計できます。
Terminal Plugin(Obsidian プラグイン)
コックピット的な役割。
エディターと同じウィンドウ内にターミナルが欲しいと思って探したらみつけたプラグイン。
Kiro CLI
AWS製のローカルファイルを読み書きができ、CLIで操作可能なAIエージェントツールです。
詳細は 公式サイト を参照。
MCP(Model Context Protocol)サーバーで開発に関する情報がある社内WikiやGitHubに接続できるようにセットアップしているので、社内の技術情報を参照しながらタスクを進められます。
自作ツール群(trackerと名付けた)
タスク管理と業務分析を自動化するシェルスクリプト群。
Kiro に仕様駆動で作ってもらったやつ。Kanban Pluginの機能を補強するために作ったもの。
実現した要求:
- カードごとの作業時間の自動計測(DOING列にある時間)
- 計測した時間の集計
- タグごとの集計
- 締切が近いタスクの列挙
構成:
-
auto-tracker.sh: バックグラウンドでタスクにかかった時間を自動計測 -
dashboard.sh: 日次HTMLレポート生成(Mac OSカレンダーと連動し特定時間に自動起動) -
task-analyzer.sh: タスク統計分析 -
tag-time-analyzer.sh: タグごとの時間配分分析 -
daily-report.sh/weekly-report.sh: 日次・週次レポート生成
自動化の仕組み:
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auto-tracker.shがバックグラウンドプロセスとして常駐し、DOINGセクションのタスクを監視 - Mac OSカレンダーの予定と連動し、指定時刻に
dashboard.shが自動実行され、HTMLレポート生成 - 生成されたHTMLレポートには、締切間近のタスク、タグ別時間配分、完了率などが可視化される
使い心地
次に、実際の使い方と心地よいポイントをご紹介します。
Phase 1:迷わず放り込む
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使い方:
- タスクが発生したらとにかく Kanban にカードを追加
- Obisidian は常時起動しているのでウィンドウを切り替えるだけです
- タグ(QA, UX, マネジメント等)と締切を設定するだけ
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心地よさポイント:
- 整理は後でいい。とにかく「忘れても大丈夫」な状態を瞬時に作りる
Phase 2:AIと壁打ちして「0→1」を突破、その先も並走する
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使い方:
- Kanbanから「詳細ノート」を作成
カンバンの一枚のタスクとリンクしたノートを作ります - ノートにとりとめもない「考え」や「タスクの概要」「TODO」などを書き殴ります
- Terminalを開き、Kiroに依頼します
- Kanbanから「詳細ノート」を作成
-
心地よさポイント:
- AIがドラフトを書いてくれたり、投げた内容を整理してくれるので、自分はその後の「修正」から始められる。
- エディタから出ずに相談できるので、思考が途切れない
使用例:カードとリンクしたノートを作成 → 目的を雑に書く → AIにTODO作成を指示

使用例:記事構成案も作ってみてもらう
あえて同じウィンドウ内に Kanban も表示していますが、別タブにして見えなくしたり閉じてもOK

Phase 3:自動で業務状況を可視化
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使い方:
- Kiro CLIで作った自作ツール(スクリプト)が裏で動く
- デイリーHTMLレポート
- 「今日締め切りのタスク」や「締め切り間近のタスク」を可視化
- 前日の働き(タグごとの時間配分など)がグラフ化される
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心地よさポイント:
- 自分でExcelを叩いたり振り返りの時間を設けなくても、「システムが勝手に自分を客観視させてくれる」 安心感
- 今日やるべきタスクも自動列挙
Extra Phase : 分析ツールの改善も同時並行で実施
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やること:
- Phase3のツールでイマイチな部分だったり、追加したい機能が思い浮かんだら Kiro といっしょに機能を追加
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心地よさポイント:
- 軽い開発ができるのでリフレッシュになる
- 外部ツールだと不足している機能がある場合に待つしかないけど、自分で改善できる
まとめ
Obsidian × Kiro CLI × 自作ツールの組み合わせで、
タスク管理から分析まで完全にローカル完結する環境を構築しました。
この方法が向いている人
- エディタから離れたくない人
- タスク管理ツールの起動待ちにストレスを感じる人
- AIと対話しながら思考を整理したい人
- 自分の業務データを自分で分析・改善したい人
- ツールを自分好みにカスタマイズしたい人
トレードオフ
メリット:
- オフラインでも動作
- 起動が爆速(ローカルファイル)
- 無限にカスタマイズ可能
- データは完全に自分の手元
デメリット:
- チーム共有には向かない
- 私はチームのタスクはスプレッドシートで管理しています
- 自分でメンテナンスが必要
導入後の変化
- タスク追加、締切タスクの確認:体感的に5倍くらい早くなった。見に行くストレスが激減した
- AIへの相談:ツールの切り替え不要で思考が途切れない
今後やりたいこと
AIエージェント設定の活用
Kiro では(他の類似ツールと同様に)役割とプロンプトを事前に与えられる agent を作成することが可能です。
それらをセットアップして以下のような作業を任せたいと考えています。
- タスクの優先度を自動判断するエージェント
- タスクの内容から必要な情報を自動収集するエージェント
- 過去のタスクパターンから最適な時間配分を提案するエージェント
また、MCP機能をさらに活用すれば、これらのエージェントや自作ツールと連携させ、さらに高度な自動化が実現できそうです。
参考リンク
最後まで読んでいただきありがとうございました。

