「AI時代、信頼は後付けできない。アーキテクチャに組み込む」
Oracle AI World 2026にて発表
2026年10月に開催されたDB Product Spotlightにて、Oracle Database Technologies担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのJuan Loaizaが「Oracle Deep Trust AI Architecture」を発表しました。
AIによるアプリケーション開発の課題として、次のようなものがあります。
- ハルシネーションを起こす
- セキュリティ欠陥を含むアプリを構築する
- 本来見せてはいけないデータにアクセスする
優れたモデルやガードレールだけでは不十分で、信頼をアプリに後付けするのではなく、セキュリティをアーキテクチャ自身に組み込むという考え方です。Deep Trust AI Architectureでは、ソフトウェア・プラットフォーム、データ、データアクセス、アプリケーション開発という4つのレイヤーに対して、AIがバイパスできない場所にセキュリティ・プライバシー・ビジネスルールを組み込みます。
アプリケーションでセキュリティをかけていた場合、エージェントがデータにアクセスするとどうなるか? エージェントはアプリケーションを通さずに直接データへアクセスしてしまいます。アーキテクチャに組み込むことで、既存アプリも新規アプリも、アプリの実装によらず同じように保護されます。
その中で、アプリケーション開発のレイヤーではAPEXlangによる解決策が提示されました。
本記事では、APEXとは何か、APEXlangとは何か、なぜ使うのかを紹介します。
実際に作ってみたい人には、弊社社員の記事を参考にしてください。
【Oracle】APEXlang × Claude CodeのOracle APEXアプリAI駆動開発
セキュリティはコードで書かず、APEXlangで守る
Oracle APEXの概要
まずOracle APEXとは何か。
これは、Oracle AI Databaseに含まれる無償のローコード開発プラットフォームです。ブラウザ上のApplication Builderで画面・レポート・フォームを開発できます。APEXのアプリケーションはOracle AI Databaseの上で動くため、データとの親和性が高く、DBのセキュリティ要素をそのまま引き継げます。
APEXの2026年10月時点の最新版は26.2(10月6日GA)で、SQLcl・ORDS・VS CodeのSQL Developer拡張と連携できます。
APEXlangの概要
APEXlangは、2026年5月にリリースされたAPEX 26.1で導入されたアプリケーション定義言語(Open Application Definition Language)です。ポイントはアプリケーションの開発言語ではなく、アプリケーション定義言語ということです。アプリケーション開発者は主にAIでアプリケーションの定義(APEXlang)を作成します。AIエージェントはこの言語を読み書きでき、VS CodeやSQLcl、AIエージェントのどのワークフローからでも、同じガバナンスされたアプリケーション定義として活用できます。APEXlangで書かれたアプリケーション定義をもとにAPEXの画面が生成されます。もちろんAPEXlangのアプリケーション定義はAIで自然言語から生成できます。
なぜ使うのか
主な理由は3つあります。
(1) セキュリティの集約
AIが書くのは簡潔な宣言だけで、守るべきロジックは実証済みのAPEXエンジンとデータ層に集まります。そのため、AI生成アプリも信頼できます。
(2) ガバナンス
アプリがテキストになることで、diff、コードレビュー、CI/CD、監査といった標準的な開発プロセスが低コードでも使えます。
(3) AI時代の開発速度
自然言語の要件をAPEXlangに翻訳させ、エンジンが実装するため、開発者は表現と検証に集中できます。従来の簡単な開発はそのまま残り、AIワークフローが加わる形です。
まとめ
AIがアプリケーションを作る時代、問われるのはAIの能力ではなく、信頼をどう担保するかという設計です。セキュリティをコードで書かず、アーキテクチャに組み込む――その考え方をアプリケーション開発レイヤーで具体化したのがAPEXlangです。まずは弊社記事の手順で、その開発体験を試してみてください。
