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WiFi・GPS機能付き3Gモジュールを作る(後編)

Last updated at Posted at 2018-05-16

おさらい

男はRaspberry Pi以外で手軽にで3G通信をしたかった。しかし、当時(2016年くらい)そこには大きな壁があった。諦めてRaspberry Piに手を出そうと思ったさなか、Adafruitとの出会いが全てを突き動かす。。。
Adafruitの3G通信モジュールを改修し、技適対応済みの日本仕様モジュールを比較的安価に自分で作ってみたという話の後編です。前編はこちらです。

回路図に立ち向かう

筆者の知識レベル

電子工作の知識は全てインターネットとYouTuberから得たインターネット電子工作マンです。それでも割りと何とかなったので、これを読んでい頂いているディスプレイの向こうの読者の方もきっと理解できるはずです。

OSHに感謝する

Adafruitに感謝しながら以下のリポジトリをクローンしましょう。ちなみにfritzing用のライブラリも公開しているようです(fritzing形式のFONAの回路図はありません)。

取り敢えず回路図をみる

Eagleをインストールしていない場合、まずインストールしましょう。思った以上に複雑でないことが分かると思います。それぞれの機能毎に回路図を分けて記述してあるので読みやすいですね。配線図は一見複雑なように見えますが、回路図の内容を実際の基盤に落とし込んだだけです。恐るるに足りません。

回路図

配線図

いらない回路を削る

前編で触れましたが、3G通信以外の機能が不要であれば以下の回路は不要なので、今回は削除します。

  • 電話機能用のスピーカー
  • イヤホンジャック
  • バッテリーは電池駆動を想定したのでリチウム電池用の充放電管理回路

また、FONA自体はArduinoでの利用を想定しているため、SIM5320からの3.3V信号をレベルシフター(回路図の「LEVEL SHIFTING」の箇所の三角形の部品)で5V信号に変換しています。しかし、私はESP8266での利用を想定しており、3.3V信号がそのまま利用できるのでレベルシフターも不要です。よって、回路図の以下のものは不要になります。

  • 3.5MM HEADPHONE/MIC
  • LEVEL SHIFTING
  • LIPO CHARGER
  • AUDIO FILTERING

それらを削除した後の回路図、配線図は以下のようになります。グッとシンプルかつ簡単になりましたね。何だか本当に作れそうな気がしてきました。(見えやすいように配線図のGNDベタパターンは非表示にしています)ちなみに、私はアンテナのコネクタを小さくしたかったので、3G通信アンテナ用のコネクタをSMAからUFLに変更しましたがこれはどっちでもいいです(変換コネクタもあるので)。

image3.png

image2.png

発注する

基盤の設計が完了したら、後は発注するだけです。発注先は最近勢いのある(と個人的に思っている)Seeedさんです。Fusion PCBというサービスは、基盤の製造だけでなく部品の実装までお手頃な価格でおこなってくれます。
**今回の基盤は表面実装1台、基盤のみ5枚で1万2千円ほどでした。**FONAより3千円程高くなっていますが、単品の発注でここまでの低価格に抑えられたのはSeeedさんのおかげです。ありがとうございます!!(数を多く注文すればもっと安くなります)

発注までの細かい流れは以下の記事が大変参考になりました。また、Seeedさんのtwitterアカウントは日本語対応OKで気さくに質問に答えてもらえます。

実物をワクワクしながら待つ

どうもSIM5320Jの入手性が良くなかったらしく、納品まで1ヶ月ほどかかりました(通常はもっと早いです)。実物を手にしたときは中々に感動しました。謎の配線が飛び出していますが、設計ミスでレギュレーターの配線がおかしくなっていた箇所を無理やり修理した痕跡です。

使ってみる

Adafruitから提供されているライブラリは、どうもSIM5320の新しいファームウェアに対応していないようで、そのままでは使用できませんでした。SIM5320のATコマンドに関するドキュメントとにらめっこしながら修正しました。何処かの誰かが必要としたときのために一応GitHubに公開しています。ちなみにAdafruitのHPにライブラリは現在大きい改修を実施していると記載されていますが、9ヶ月程放置されています。。。

完成した姿がこちらになります

実際に動かせる状態になったモジュールがこちらになります。。。
こんな見てくれですが、しっかりSORACOM SIMを認識して、SORACOM Beamを利用してTLS1.2でAWS IoTにMQTTで色々Publishすることができました。めでたしめでたし。。。?

はい、本当に申し訳ありません。動作確認までしたところで満足してしまいました。これらのモジュールを一つの基盤にまとめて初めて完成と豪語できると思いますが、現状まだそこまで至っていません。(絶賛作業中です)といっても、やっぱりESP32に載せ替えたいなーと浮気心を抑えきれず、色々再設計中です。

結局何が言いたかったのか

タイトル通り「WiFi・GPS機能付き3Gモジュール」を作れたので特に何も言うことはないのですが、このコラムを通して皆さんにOSHさえあれば、自分好みにモジュールを改修して自分にとってのベストプロダクトを作成することは、思った以上に簡単だと感じてもらえれば幸いです。

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