Note:
この記事は 2025年1月14日(太平洋標準時)に公開された Microsoft セキュリティ更新プログラムの概要をまとめたものです。
以下の製品群にフォーカスしたものとなっています。(主にデバイス管理者向け)
・各クライアントOS ( bitness は x64 対象 )
Windows 11 (24H2/23H2/22H2)
Windows 10 (22H2/1607LTSB)
・Microsoft Office (Microsoft 365 Apps for Enterprise)
・Microsoft Edge (Stable v131)
Microsoft がナレッジ内で言及している推奨手法(回避策)については"タメ語"で一部表現しておりますが、ご容赦ください。
Summary
・本年もどうぞよろしくお願いいたします。
・.NET Framework系更新あり
・Microsoft 365 Apps 半期チャネルがメジャー更新。(1月の恒例。)
・高スコア 3件、一般公開 3件、悪用実績 3件。
Windows Client 今月の献立
Version | Build | CU KB | NetFx KB | SSU KB | Other |
---|---|---|---|---|---|
24H2 | 26100.2894 | 5050009 | 5049622 | - | - |
23H2 | 22631.4751 | 5050021 | 5049624 | - | - |
22H2 (Win11) | 22621.4751 | 5050021 | 5049624 | - | (5012170) |
22H2 (Win10) | 19045.5371 | 5049981 | 5050188 | (5031539) ※1 | (5012170) |
1607 | 14393.7699 | 5049993 | 5049614 | 5050109 | (5012170) (4589210) ※2 |
※1 単体SSUにおける最新。各種前提を適用できていない場合は 2022年5月のSSU(KB5014032) を先に適用してね。
※2 Intel マイクロコード更新。
2025-01 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 24H2 用) (KB5049622)
2025-01 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 23H2 用) (KB5049624)
2025-01 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 22H2 用) (KB5049624)
2025-01 x64 (KB5050188) 向け Windows 10 Version 22H2 用 .NET Framework 3.5、4.8 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム
# 先月以前からの継続
2023-10x64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2 サービス スタック更新プログラム (KB5031539)
2025-01 Windows 10 Version 1607 (x64 版) 用 .NET Framework 4.8 の累積的な更新プログラム (KB5049614)
2025-01x64 ベース システム用 Windows 10 Version 1607 サービス スタック更新プログラム (KB5050109)
# LCU では最新の SSU の適用を強く推奨するという表現。
2022-12 x64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2 のセキュリティ更新プログラム (KB5012170)
Microsoft Edge-WebView2 Runtime バージョン 131 Update の x64 ベース エディション (ビルド 131.0.2903.146)
Windows Known issues (2025/1/15 6:30 JST)
バージョン共通
Issues | Status/WorkAround |
---|---|
OpenSSHサービスの起動ができず、SSH接続が行えない。 | PowerShellにて以下のフォルダーに SYSTEM および Administrators グループにフルコントロール、 Authenticated Users に読み取り専用アクセスを許可してね。 C:\ProgramData\ssh C:\ProgramData\ssh\logs |
特定のCitrixコンポーネントがインストールされているデバイスで25年1月のセキュリティ更新プログラムをインストールが完了しない可能性あり。 Citrix Session Recording Agent (SRA) バージョン 2411にて確認。 |
Citrix社のナレッジに回避策あり |
24H2
Issues | Status/WorkAround |
---|---|
ARMデバイスにて、Microsoftストアを介して"Roblox"(ゲーム)がダウンロード・実行できない問題あり | (回避策)Robloxの公式サイトからDL可能。 |
23H2/22H2(Win11)
情報なし
22H2/21H2(Win10)
情報なし
1607 (Win10 / Windows Server 2016)
情報なし
Vulnerability
以下の基準でピックアップしたものです。(脆弱性全ての一覧ではありません。)
・ゼロデイ(一般公開/悪用実績あり)
・CVSSスコアが高い (9.0以上)
・その他話題になっているもの
CVE# | タイトル | 深刻度 | 一般公開 | 悪用実績 | 悪用可能性指標 | CVSSスコア関連 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
CVE-2025-21298 | Windows OLE のリモートでコードが実行される脆弱性 | 緊急 | なし | なし | 悪用される可能性が高い | スコア : 9.8 攻撃経路:NW 条件複雑:低 必要特権 :なし ユーザー関与:なし スコープ:変更なし 機密性:高 完全性:高 可用性:高 |
CVSS高スコア。 攻撃者が特別に細工したメールをターゲットのユーザーに送信し、メールを開くまたはプレビューすることでリモートからコードを実行できる可能性あり。 |
CVE-2025-21307 | Windows Reliable Multicast Transport Driver (RMCAST) のリモートでコードが実行される脆弱性 | 緊急 | なし | なし | 悪用される可能性は低い | スコア : 9.8 攻撃経路:NW 条件複雑:低 必要特権 :なし ユーザー関与:なし スコープ:変更なし 機密性:高 完全性:高 可用性:高 |
CVSS高スコア。 Pragmatic General Multicast(PGM) ポートをリッスンするプログラムがインストールされている場合にのみ対象。 認証されていない攻撃者が、ユーザーの介入なしに、特別に細工されたパケットをサーバー上の Windows PGM オープンソケットに送信することでリモートでコードを実行できる可能性あり。 |
CVE-2025-21311 | Windows NTLM V1 Elevation of Privilege Vulnerability | 緊急 | なし | なし | 悪用される可能性は低い | スコア : 9.8 攻撃経路:NW 条件複雑:低 必要特権 :なし ユーザー関与:なし スコープ:変更なし 機密性:高 完全性:高 可用性:高 |
CVSS高スコア。NTLMv1が有効な環境のみ対象。インターネットから悪用可能。 |
CVE-2025-21333/CVE-2025-21334/CVE-2025-21335 | Windows Hyper-V NT Kernel Integration VSP Elevation of Privilege Vulnerability | 重要 | なし | あり | 悪用の事実を確認済み | スコア : 7.8 攻撃経路:LOCAL 条件複雑:低 必要特権 :低 ユーザー関与:なし スコープ:変更なし 機密性:高 完全性:高 可用性:高 |
今月のゼロデイ 攻撃者がヒープベースのバッファーオーバーフローをトリガーし、SYSTEM特権を獲得する可能性あり。 |
CVE-2025-21308 | Windows テーマのなりすましの脆弱性 | 重要 | あり | なし | 悪用される可能性は低い | スコア : 6.5 攻撃経路:NW 条件複雑:低 必要特権 :なし ユーザー関与:必要 スコープ:変更なし 機密性:高 完全性:なし 可用性:なし |
今月のゼロデイ 攻撃者がメールまたはインスタントメッセージにより、特別に細工したテーマファイルをエクスプローラーで操作させることにより、NTLM資格情報を含む認証要求を対象システムに送信してユーザーになりすます可能性あり。 |
CVE-2025-21275 | Windows アプリ パッケージ インストーラーの特権昇格の脆弱性 | 重要 | あり | なし | 悪用される可能性は低い | スコア : 7.8 攻撃経路:LOCAL 条件複雑:低 必要特権 :低 ユーザー関与:なし スコープ:変更なし 機密性:高 完全性:高 可用性:高 |
今月のゼロデイ 攻撃者がSYSTEM特権を獲得する可能性あり。(詳細情報なし) |
CVE-2025-21186 | Microsoft Access のリモート コードが実行される脆弱性 | 重要 | あり | なし | 悪用される可能性は低い | スコア : 7.8 攻撃経路:LOCAL 条件複雑:低 必要特権 :低 ユーザー関与:なし スコープ:変更なし 機密性:高 完全性:高 可用性:高 |
今月のゼロデイ AccessのUse-After-Freeエラーが原因となり、攻撃者が特別に細工したAccessファイルを開かせることで、任意のコードを実行できる可能性あり。更新プログラム適用により、以下の拡張子の添付ファイルへのアクセスを防止する。 accdb,accde,accdw,accdt,accda,accdr,accdu |
M365Apps 今月の献立
Channel | Build | Remarks |
---|---|---|
Current | Version 2412 (Build 18324.20190) | |
Monthly Enterprise | Version 2411 (Build 18227.20222) Version 2410 (Build 18129.20242) |
|
Semi-Annual Enterprise Preview | Version 2408 (Build 17928.20392) | |
Semi-Annual Enterprise | Version 2408 (Build 17928.20392) Version 2402 (Build 17328.20688) Version 2308 (Build 16731.21064) |
|
Perpetual Enterprise (Office 2019 Standard) | Version 1808 (Build 10416.20047) |
Office Known Issues (2025/1/15 6:30 JST)
Apps | Status | Issues | Remarks/WorkAround |
---|---|---|---|
Outlook | 調査中 | Windows Server 2016 または 2019 にて、Classic Outlook Version 2412 (Build 18324.20168)にアップデートするとアプリがクラッシュする可能性あり。イベントログとして1000または1001のイベントIDが記録される。 | 現在調査中。バージョン2411に戻してね。 |
Outlook | 調査中 | メール管理者は Outlook Classic に対して OnlineMeetingsByDefaultEnabled の設定値を適用させることができない | 現在調査中。 |
Outlook | 調査中 | 更新適用後に、Outlook、Word、その他のOfficeアプリケーションを起動すると、「コンピューターに msls70.dll がないため、プログラムを開始できません。この問題を解決するには、プログラムを再インストールしてみてください。」というようなエラーが表示される。 | Officeのバージョンとチャネルの不一致が原因と考えられており、該当する場合はOfficeの再インストールの実施が必要。関連フォーラム |
Outlook | 調査中 | 自分または共有カレンダーで会議を更新するときにエラーが発生する可能性あり。(「アイテムは別のユーザーによって、または別のウィンドウで変更されたため、保存できません」等) | サポートに問い合わせてね。 |
Outlook | 調査中 | Outlookにて予定表を追加した後、開くことができない。 2024/7/15~17の間にてWindows版Outlookのオンラインモードにて発生。(EX814289) |
7/17にサービス側を修正済みだが、事象が発生する場合は、予定表の一覧をキャプチャーやメモ等で保管しておき、ファイル名指定して実行にて"Outlook.exe /resetnavpane"を実行し、Outlookを起動後に再度カレンダーを追加してね。 |
Outlook | 調査中 | Outlookデスクトップアプリ(Ver2309以上)を起動した際、予期したプロフィール画像の代わりにサインインボタンが表示され、資格情報を入力して認証しようとしても、「この電子メールアドレスはすでに追加されています」というエラーダイアログが表示されてしまう | 調査中。 |
Outlook | 調査中 | タッチモードで各アプリ(ToDo)が機能しない。 | 回避策→マウス使ってね。 |
Outlook | 調査中 | クイック操作にて新規に"新しい電子メールの宛先"を作成する際、オートコンプリート機能を利用して連絡先を選択して完了すると、内容が保存できない。 | 回避策は、アドレス帳で連絡先を検索するボタンを利用するか、以下のレジストリを追加してね。 HKCU:\software\policies\Microsoft\office\16.0\outlook DoNotIncludeNickNameCacheInSearch (REG_DWORD) Value: 1 |
Outlook | 調査中 | 会議出席者が、代理人によって変更された添付ファイルを含む会議の更新またはその一部を取得できない可能性あり。 | 可能な限り添付ファイルを SharePoint か OneDrive に保存し、リンクを使用して共有することを推奨。 |
Outlook | 調査中 | オンラインモードでメールボックスにアクセスし、メッセージの転送や分類、フラグを設定しようとすると"操作に失敗しました"というエラーが表示される場合あり。 | 回避策 キャッシュモードで利用するか、Web版を利用してね。 |
Word | 調査中 | リスト内でEnterキーとBackSpaceキーが期待通りに機能せず、リストからカーソルが抜けられなくなる場合あり。 | |
PowerPoint | 調査中 | 32bitアプリでは秘密度ラベルの自動適用・推奨機能が利用できない。(US英語環境を除く) | 32bitアプリでは当機能がサポートできていないため |
PowerPoint | 修正済(中) | PowerPoint 2019(Version 1808,ビルド 10409.20028)において、ボリュームライセンスインストールにおいてはファイル破損やデータ損失の可能性があるため、一部機能の無効化を実施中。(オブジェクトの挿入→アイコンとして表示、形式を指定して貼り付けメニューからの図の貼り付け等) | ファイル破損の一部解決があり、ビルド10412.20006にて対応。以下2機能の無効化は継続中。 ・[形式を指定して貼り付け] ダイアログ ボックスから [図 (Windows メタファイル)] として貼り付け。 ・Shapes.PasteSpecial メソッドと View.PasteSpecialメソッド から ppPasteMetafilePicture として貼り付け。 |