Note:
この記事は 2025年11月11日(太平洋標準時)に公開された Microsoft セキュリティ更新プログラムの概要をまとめたものです。
以下の製品群にフォーカスしたものとなっています。(主にデバイス管理者向け)
・各クライアントOS ( bitness は x64 対象 )
Windows 11 (25H2/24H2/23H2)
Windows 10 (1607LTSB)
・Microsoft Office (Microsoft 365 Apps for Enterprise)
・Microsoft Edge (Stable v142)
Microsoft がナレッジ内で言及している推奨手法(回避策)については"タメ語"で一部表現しておりますが、ご容赦ください。
Summary
・脆弱性修正としては 高スコア 1件、悪用実績あり 1件。
・.NET Framework 系 更新 なし。
・Windows11 23H2 は Home / Pro が サポート終了。
Windows Client 今月の献立
| Version | Build | CU KB | NetFx KB | SSU KB | Other |
|---|---|---|---|---|---|
| 25H2 | 26200.7171 | 5068861 | (5066128) | - | - |
| 24H2 | 26100.7171 | 5068861 | (5066131) | - | - |
| 23H2 | 22631.6199 | 5068865 | (5066133) | - | - |
| 1607 | 14393.8594 | 5068864 | (5066136) | (5066584) | (5012170) (4589210) ※2 |
※1 単体SSUにおける最新。各種前提を適用できていない場合は 2022年5月のSSU(KB5014032) を先に適用してね。
※2 Intel マイクロコード更新。
# 先月以前からの継続
2025-10 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 25H2 用) (KB5066128)
# 先月以前からの継続
2025-10 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 24H2 用) (KB5066131)
# 先月以前からの継続
2025-10 .NET Framework 3.5 および 4.8.1 の累積的な更新プログラム (x64 向け Windows 11, version 23H2 用) (KB5066133)
# 先月以前からの継続
2025-10 Windows 10 Version 1607 (x64 版) 用 .NET Framework 4.8 の累積的な更新プログラム (KB5066136)
2025-10x64 ベース システム用 Windows 10 Version 1607 サービス スタック更新プログラム (KB5066584)
# LCU では最新の SSU の適用を強く推奨するという表現。
Microsoft Edge-WebView2 Runtime バージョン 142 Update の x64 ベース エディション (ビルド 142.0.3595.76)
Windows Known issues (2025/11/11 6:00 JST)
バージョン共通
| Issues | Status/WorkAround |
|---|---|
| スマートカード認証やその他の証明書操作が意図的に失敗する可能性あり | セキュリティ修正によるもの。以下のレジストリを設定して回避しながら、KeyStorageAPIを使用してキーストレージ取得を実行するようにアプリを更新してね HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Cryptography\Calais 値:DisableCapiOverrideForRSA(REG_DOWRD) データ:0 |
25H2/24H2
| Issues | Status/WorkAround |
|---|---|
| タスクマネージャーを閉じてもプロセスが完全終了せず、バックグラウンドで実行され続け、パフォーマンス低下につながる可能性あり | プロセスタブからタスクマネージャープロセス(taskmgr.exe)を選択し、タスクの終了を実行してね(taskkillコマンド実行でも可。) |
| 一部のBlu-ray/DVDおよびデジタルTVアプリで保護されたコンテンツが正常に再生できない可能性あり HDCP対応による拡張ビデオレンダラー、またはDRM(デジタル著作権管理)を音声に使用しているアプリでは予期せぬ中断・エラー・停止などが表示される場合がある。 |
9C以降で修正済。 |
| WinREでUSBマウスとキーボードが動作しない | 10Cリリースにて修正済。 |
| 10Bなど9/29以降にリリースされた更新を適用した場合、IISWebサイトの読み込みに失敗する可能性あり | 10Cリリースにて解決済。 |
Vulnerability
以下の基準でピックアップしたものです。(脆弱性全ての一覧ではありません。)
・ゼロデイ(一般公開/悪用実績あり)
・CVSSスコアが高い (9.0以上)
・その他話題になっているもの
| CVE# | タイトル | 深刻度 | 一般公開 | 悪用実績 | 悪用可能性指標 | CVSSスコア関連 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| CVE-2025-60724 | GDI+ のリモート コードが実行される脆弱性 | 緊急 | なし | なし | 悪用される可能性は低い |
スコア : 9.8 攻撃経路:NW 条件複雑:低 必要特権 :なし ユーザー関与:なし スコープ:変更なし 機密性:高 完全性:高 可用性:高 |
CVSS高スコア。攻撃者は特別に細工されたメタファイルを含む文書ファイルをWebサービスにアップロードし、それを開くようユーザーを誘導することによって、ヒープベースのバッファオーバーフローを引き起こし、任意のコードを実行できる可能性あり。 |
| CVE-2025-62215 | Windows カーネルの特権の昇格の脆弱性 | 重要 | なし | あり | 悪用の事実を確認済み | スコア : 7.0 攻撃経路:LOCAL 条件複雑:高 必要特権 :低 ユーザー関与:なし スコープ:変更なし 機密性:高 完全性:高 可用性:高 |
今月のゼロデイ。Windowsカーネルにて、不適切な同期処理を伴う共有リソースを使用した同時実行によって、攻撃者側が競合状態に勝つと、SYSTEM特権を獲得する可能性あり。 |
M365Apps 今月の献立
| Channel | Build | Remarks |
|---|---|---|
| Current | Version 2510 (Build 19328.20190) | |
| Monthly Enterprise | Version 2509 (Build 19231.20246) Version 2508 (Build 19127.20358) Version 2507 (Build 19029.20294) |
|
| Semi-Annual Enterprise | Version 2502 (Build 18526.20660) Version 2408 (Build 17928.20730) |
|
| Perpetual Enterprise (Office 2019 Standard) | Version 1808 (Build 10417.20068) |
Office Known Issues (2025/11/12 8:30 JST)
| Apps | Status | Issues | Remarks/WorkAround |
|---|---|---|---|
| 共通 | 調査中 | Officeのテキスト翻訳機能を使用した場合に、結果は見つかりませんでした。というエラーメッセージが出る可能性あり。 | 調査中。 |
| Outlook | 調査中 | 最新チャネル 2510 (Build 19328.20158)更新後にClassicOutlookでメールまたはWord文書を開くとエントリーポイントが見つからないエラーが発生する可能性あり。 | 調査中。 回避策としては、2509以前のバージョンへ戻して更新を無効にしてね。 |
| Outlook | 非推奨・製品変更 | グループポリシーエディターで"メッセージを送信するとき"ポリシーを構成すると、すべての設定値が既定値で設定され、結果としてOutlookオプションダイアログ側で無効状態となってしまう。修正版の管理用テンプレートをリリース予定(2026/1までに現行ポリシーを削除) | |
| Outlook | 調査中 | 共有メールボックスのサービス支援検索にて検索結果が返されない、アプリがぐラッシュする、検索結果から返信すると送信トレイに残る等複数の問題あり | 現在調査中。 |
| Outlook | 修正済 | クラシックOutlook起動時、"Microsoft Outlook"を起動できません。Outlookウィンドウを開くことができません。フォルダーのセットを開くことができません。Microsoft Exchange へのログオンの試みは失敗しました"とエラーメッセージが表示される。 | サービス側で修正済。 これまでの回避策としては、OWAまたは新しいOutlookを利用してね |
| Outlook | 調査中 | クラシックOutlook起動時、別テナントから送信されたOMEv2暗号化メールを開けない。開こうとすると"Infomation Rights Management用にコンピューターを構成しています..."とメッセージが表示される。 | 調査中。回避策としては条件付きアクセスの要件から外部ユーザーを除外するか、テナント間アクセスを有効にして他テナントからのMFA要求を信頼設定してね |
| Outlook | 調査中 | メール管理者は Outlook Classic に対して OnlineMeetingsByDefaultEnabled の設定値を適用させることができない | 現在調査中。 |
| Outlook | 調査中 | 自分または共有カレンダーで会議を更新するときにエラーが発生する可能性あり。(「アイテムは別のユーザーによって、または別のウィンドウで変更されたため、保存できません」等) | サポートに問い合わせてね。 |
| Outlook | 回避策提示済 | Outlookデスクトップアプリ(Ver2309以上)を起動した際、予期したプロフィール画像の代わりにサインインボタンが表示され、資格情報を入力して認証しようとしても、「この電子メールアドレスはすでに追加されています」というエラーダイアログが表示されてしまう | 現時点正式リリースの見通し無し。回避策はハイブリッド先進認証にすること。 |
| Outlook | 調査中 | タッチモードで各アプリ(ToDo)が機能しない。 | 回避策→マウス使ってね。 |
| Outlook | 調査中 | 会議出席者が、代理人によって変更された添付ファイルを含む会議の更新またはその一部を取得できない可能性あり。 | 可能な限り添付ファイルを SharePoint か OneDrive に保存し、リンクを使用して共有することを推奨。 |
| Outlook | 調査中 | Outlook(Classic)における共有メールボックスに対するサーバー支援による検索機能にて、不具合あり。 ・現在のフォルダーで検索した際、カテゴリーでソートしても結果が返されない。 ・検索するとOutlook自体がクラッシュする |
調査中。回避策としては、レジストリ値を入れることでサーバー支援機能を無効化できる。 HKEY_CURRENT_USER\software\policies\Microsoft\office\16.0\outlook\search |
| DWORD: DisableServerAssistedSearch 値:1 |
|||
| Word | 調査中 | 共同編集されたWord文書にて表の書式が破損する。 | すでに対応を行っており、ほとんどのケースについて修正している想定だが、問題が引き続き発生する場合にはフォローアップサポートを実施する。 |
| PowerPoint | 調査中 | 32bitアプリでは秘密度ラベルの自動適用・推奨機能が利用できない。(US英語環境を除く) | 32bitアプリでは当機能がサポートできていないため |
| PowerPoint | 修正済(中) | PowerPoint 2019(Version 1808,ビルド 10409.20028)において、ボリュームライセンスインストールにおいてはファイル破損やデータ損失の可能性があるため、一部機能の無効化を実施中。(オブジェクトの挿入→アイコンとして表示、形式を指定して貼り付けメニューからの図の貼り付け等) | ファイル破損の一部解決があり、ビルド10412.20006にて対応。以下2機能の無効化は継続中。 ・[形式を指定して貼り付け] ダイアログ ボックスから [図 (Windows メタファイル)] として貼り付け。 ・Shapes.PasteSpecial メソッドと View.PasteSpecialメソッド から ppPasteMetafilePicture として貼り付け。 |