はじめに
「GPUなんて持ってないし、AI開発は自分には遠い話……」
そう思っていたけど、VSCodeでGoogle Colabが使えるようになって状況が変わった。
- Google Colab → リソースが空いていれば無料でGPUが使える環境
- Claude Code → 自然言語でコードを書いてくれるAI
- VSCode → この2つを一つの画面で繋ぐ場所
この3つが揃うと、「AIと一緒にAIを開発する」 という不思議な体験ができる。
構成を理解する
まず全体像を頭に入れておこう。
あなた(VSCode上でClaude Codeに指示)
↓ 自然言語で指示
Claude Code(コードを書く)
↓ 書いたコードを
Google Colab Kernel(GPUで実行)
↓ 結果が
VSCode の出力パネルに表示
ポイントは 「Claude Codeはコードを書く係」「ColabのGPUはコードを実行する係」 という役割分担。Claude自身がGPUを使うわけではないが、GPU環境でコードを書いてもらえるのがミソ。
セットアップ
1. VSCode に Jupyter 拡張を入れる
VSCode の拡張機能から 「Jupyter」(Microsoft製)をインストール。
2. Google Colab を GPU ランタイムに切り替える
Colabを開いて:
ランタイム → ランタイムのタイプを変更 → T4 GPU
無料枠ではT4 GPUが使える(リソースが空いていれば)。混雑時はGPUが割り当てられずCPUになることもある。安定して使いたい場合はPro/Pro+への移行を検討しよう(Pro+ならA100も選択可)。
3. VSCode から Colab に接続する
接続には主に2つの方法がある:
方法A:Google公式のColab拡張機能を使う(推奨)
VSCodeの拡張機能マーケットプレイスで「Google Colab」を検索してインストール。Googleアカウントで認証すれば、ブラウザ不要でColabランタイムに繋がる。
方法B:Jupyter拡張 + リモートサーバー接続
Colabのノートブックから接続URLを取得し、VSCodeの「Jupyter: Connect to a Remote Jupyter Server」から接続する。
無料版ColabをVSCode経由で使う場合、ブラウザ版よりセッション切れが早く感じられることがある。長い学習ジョブは途中保存の仕組みを必ず入れておこう(後述)。
まず体験する:CPU vs GPU 速度比較
何はともあれ、GPUのパワーを実感するところから始めよう。
Claude Codeに「CPU vs GPU の速度比較デモを作って」と頼むと、こんなコードが出てくる:
import torch
import time
# GPU使えるか確認
print(f'GPU available: {torch.cuda.is_available()}')
if torch.cuda.is_available():
print(f'GPU: {torch.cuda.get_device_name(0)}')
SIZE = 5000
# CPU で計算
a_cpu = torch.randn(SIZE, SIZE)
b_cpu = torch.randn(SIZE, SIZE)
start = time.time()
c_cpu = torch.matmul(a_cpu, b_cpu)
cpu_time = time.time() - start
print(f'CPU: {cpu_time:.3f}秒')
# GPU で計算
a_gpu = a_cpu.cuda()
b_gpu = b_cpu.cuda()
# ウォームアップ
torch.matmul(a_gpu, b_gpu)
torch.cuda.synchronize()
start = time.time()
c_gpu = torch.matmul(a_gpu, b_gpu)
torch.cuda.synchronize()
gpu_time = time.time() - start
print(f'GPU: {gpu_time:.3f}秒')
print(f'速度差: {cpu_time / gpu_time:.1f}倍 高速')
実行すると 10〜50倍の差 が出る。この体験をしてから、「なるほど、GPUが必要な理由はこれか」と腑に落ちた。
Claude Code との実際の開発フロー
GPU環境が整ったら、Claude Codeとの開発がこんな感じになる。
パターン①:機械学習モデルを一から作る
あなた: 「MNISTの手書き数字分類モデルをPyTorchで作って。
3層のCNNで、精度95%以上を目標に」
Claude: (モデル定義・学習ループ・評価コードを一気に生成)
あなた: Colabで実行 → 結果確認
あなた: 「過学習が起きてるっぽい。Dropoutを追加して」
Claude: (該当箇所を修正)
調査・設計・コーディングをClaudeが担い、自分は「実行して確認する人」になれる。
パターン②:エラーをそのまま貼り付ける
あなた: 「このエラーが出た:
CUDA out of memory. Tried to allocate 2.34 GiB
(GPU 0; 14.76 GiB total capacity...)」
Claude: 「バッチサイズを大きくしすぎています。
32→8に下げてみてください。
また gradient_checkpointing を有効にすると
メモリ使用量を大幅に削減できます」
GPUのメモリ管理まわりのエラーはパターンが多く、Claude Codeが的確に対処してくれる。
パターン③:コード以外の作業も頼む
あなた: 「この学習結果を見て、モデルの改善点を3つ挙げて」
あなた: 「実験結果をまとめたREADMEを書いて」
あなた: 「次に試すべきハイパーパラメータの組み合わせを提案して」
Colabで実行結果が出たら、その解釈・次の一手をClaudeと相談できる。
さらなる可能性:自作モデルをMCPで繋ぐ
ここからが本当に面白いところ。
Colabで学習したモデルを、MCP(Model Context Protocol)経由でClaude Codeのツールとして追加できる。
学習済みモデル(Colab)
↓ APIとして公開(FastAPI等)
MCPサーバーとして登録
↓
Claude Codeから自然言語で呼び出せる
例えば画像分類モデルを作ったなら:
あなた: 「この画像ファイルを分類して」
Claude: (MCPでモデルAPIを呼び出し)
「この画像は〇〇クラスで、信頼度は94.2%です」
特定ドメインの知識を学んだモデルを、Claude Codeのツールとして繋げることで、汎用AIが専門家AIに変わる。
Colabの制限と注意点
便利なColabだが、いくつか注意点がある。
| 制限 | 詳細 | 対策 |
|---|---|---|
| 接続時間 | 無料は約2〜3時間でリセット | 学習途中でモデルを保存する癖をつける |
| GPU割り当て | 混雑時はCPUになることも | Pro/Pro+への移行を検討 |
| ストレージ | ランタイムリセットでデータ消える | Google Driveにマウントして保存 |
# Google Drive マウントは最初にやっておく
from google.colab import drive
drive.mount('/content/drive')
# モデルの保存先をDriveに
torch.save(model.state_dict(), '/content/drive/MyDrive/model.pth')
まとめ
Claude Code × Google Colab の組み合わせで実現できること:
- GPUを(枠があれば)無料で使える → 高額な環境投資なしにAI開発を始められる
- Claudeがコードを書く → 実装の詳細より、何を作るかに集中できる
- MCPで繋げれば拡張は無限 → 自作モデルをClaudeのツールにできる
最初の一歩のハードルは、思ったより低い。まずはCPU vs GPUの速度比較から試してみてほしい。
元記事:Claude Code × Google Colabで始めるAI開発——GPUをタダで使いながらAIと二人三脚(Zenn)
作者のその他の実験 → https://niikun.net