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TISDay 11

会議/ミーティングについて本気出して考えて見た結果

はじめに

「会議だけで一日終わっちゃったよ・・・」と言うワードを聞く頻度が増えました。
前々から、会議なんとかしたいなぁと思いつつも、どうやればいいのかな?ってのをいまいち理解できていなかった&良い機会なので、ちょっと力入れて調べ/考えてみました。

結論

まず結論を述べておきます。たった2点です。

1.「適切な振り返り」を行うこと
適切な振り返りとは、「基準を明確にし、測定し、データに基づいた振り返りを行うこと」。
そして、この「適切な振り返り」は、会議だけに留まらせず、基本的な仕事のスタンスにさせていくこと。

2.日頃からチーム力を上げておくこと
人間心理として、会議に対する心理的負荷は大きい。心理的負荷を下げ、効果的な会議を行うには、日頃からチーム力を上げておくことが効果的である。

チーム力を上げるには、「心理的安全性(チームのメンバー一人ひとりがそのチームに対して、気兼ねなく発言できる、本来の自分を安心してさらけ出せる、と感じられるような場の状態や雰囲気)」を高めることが効果的であり、具体的な方策は以下3点。

  • 自分たちがこれまで経験したことのない「不確実なこと」や「人々が頼り合って行うこと」が山ほどあるということを明確にし、職場の全員の考えや声が必要であるという前提を形作る
  • 部下から「ミスをしました」という言葉を素直に聞ける雰囲気を作る
  • チームのメンバーにたくさん質問する

以降は調べた結果です。個人的に目から鱗な情報もあったので、読んでいただきたいです。

調査内容

課題認識

まずは課題認識をしましょう。
京都大学経営管理大学院会議スコアリング/革新プログラム 産学連携へのご協力のお願い」に以下のように記載されています。

日本企業のホワイト・カラー(営業、マーケティング、設計、研究開発、間接業務など)の生産性の低さが問題になっています。
会議は、通常、全活動の中で30~50%を占めており、しかもその30~50%が無駄であるとの研究結果が出ています。その改善は、大きな生産性向上に直結します(例えば、会議の無駄を20%削減するだけで、6~10%以上の売上増、利益増、コスト減、製品開発力強化、ブランド向上、人材育成などが期待できます)

この記事でも、これを「課題」として、以降の調査を行いました。

アプローチ別の調査結果

以下3つのアプローチを試しました1。全体の結論は全て述べていますので、いずれも補足する内容です。
なお、いずれも抜粋しているので、詳細を確認したい方はソース元をご確認ください。一番下にまとめてます。

  1. 経営学的アプローチ2
  2. 心理学用語からのアプローチ
  3. Google社によるアプローチ

1.経営学からのアプローチ

以下は、引き続き前述の「京都大学経営管理大学院会議スコアリング/革新プログラム 産学連携へのご協力のお願い」から抜粋した内容を中心に記載します。

研究も課題認識は上述の通りで、目的は以下に設定されています。

本研究は、トランザクション・コスト・エコノミクスを応用し会議を定量的に分析することにより、そのデータを様々な視点(他社スコアや平均との比較も含む)で解析し、改善手段を提示することを目的とします。

会議を定量的に分析することを「会議スコアリング」と、この研究では述べており、具体的には以下を測定することであると定義されています。
image.png

会議スコアリングの具体例

もう少し調べてみると、一例に当たるものが「日本企業の会議の問題点:世界との比較」で紹介されていました。
image.png

さらに、有償サービスとして「会議革新プログラム」というものもあるようです。
正式にこの著者からレクチャーを受けたコンサル集団らしいです。
※問い合わせすれば、簡易スコアリングシートがいただけるようなので、興味ある方は問い合わせてみて下さい。

個人的結論

非常にざっくりした結論ですが、「適切な振り返り」を行うことが大事だと個人的には感じました。
「適切な振り返り」とは、基準を明確にし、測定し、データに基づいた振り返りを行うことだと考えます。

「適切な振り返り」が行えていれば、必然的に「会議スコアリング」にはたどり着くでしょうし、それ以外の業務にも正しく効果が波及されていくだろうと推測できます。

この結論の最後は、「京都大学経営管理大学院会議スコアリング/革新プログラム 産学連携へのご協力のお願い」からの引用で閉めます。

■会議におけるコミュニケーション方法は、業務のやり方全体を代表しています。その改善は、業務全体への強い波及効果をもたらします。


2.心理学用語からのアプローチ

人ってのは不思議なもんで、理想が定義されていても、それに向かって真っ直ぐ進めなかったり、逆のことをしたりします。そういう不思議な人間性とも言える部分を解明するのが、「心理学」だと個人的には思っています。3
上述の部分では理想的な会議とは何かが定義できたので、あとはそこに参加する人間へのアプローチをするために、心理学用語4からアプローチをしていきます。5

会議に関連する心理学用語/実験

一般的個人の心理要素

  • ヒューリスティック6:必ず正しい答えを導けるわけではないが、ある程度のレベルで正解に近い解を得ることができる方法。以下3つの要素が代表的。
要素 説明
係留と調整(anchoring and adjustment) 最初に与えられた情報を基準として、それに調整を加えることで判断し、最初の情報に現れた特定の特徴を極端に重視しやすい
代表性ヒューリスティック(representative heuristic) 特定のカテゴリーに典型的と思われる事項の確率を過大に評価しやすい
利用可能性ヒューリスティック(availability heuristic) 想起しやすい事柄や事項を優先して評価しやすい

一般集団の心理要素

  • 参加者が多様な考え方を持っている場合に発生しうる現象/仮説(山口先生ご自身の研究結果?)
要素 説明
平均よりやや優位 個人判断の平均よりも優位な判断に近づくことが多い
最優秀以下 その集団の最高な個人よりも集団決定が優位なものになることはほとんどない
最低以上 その集団の最低な個人よりも集団決定が劣位なものになることはほとんどない
  • 参加者同士が似通った考え方を持っている場合に発生しうる現象/仮説
現象/仮説 説明
集団極性化(あるいは極化)現象(group polarization) 会議の結論が、元々の個々人の意見よりも、極端なものになってしまう
集団浅慮/グループシンク(groupthink) 極端なリスクテイキング7/非倫理的な決定8/ステレオタイプ的思考9
  • その他会議に関連する現象/仮説
現象/仮説 説明
同調圧力(Peer pressure) 少数意見を有する者に対して暗黙のうちに多数意見に合わせることを強制すること。
多元的無知(pluralistic ignorance) 同調行動と類似している。同調圧力と異なる点は、多数意見に合わせるのではなく、あえて他者の考え方に異論を述べないことを選択するという点である。
沈黙の螺旋(Spiral of Silence) 同調を求める社会的圧力によって少数派が沈黙を余儀なくされていく現象(多元的無知が多く発生すると、この状態になりやすい)
隠されたプロフィール(hidden profile) 話し合って情報を交換しても、最初に与えられた情報に基づいた選択をする者が多いという現象(係留と調整のヒューリスティックが影響していると言われる)
プロセス・ロス 集団の生産性を阻害する心理的要素(対義語はプロセス・ゲイン)

個人的結論

個人的な結論としては、「チーム力を日頃からあげておくこと」が重要である、と考えます。

多数のマイナス要素を取り上げてしまいましたが、「会議の社会心理学(4)-話し合いは創造的アイディアを生み出すか-」でも触れられている通り、「近年のノーベル賞の多くが、複数の研究者からなるグループに贈られていることを考えれば、1人で考えるよりも2人以上で話し合い協働した方が、独創的で質の高いアイディアを生み出す可能性が高まると期待することは、必ずしも間違ってはいないといえるだろう。」と思います。

そのためには、上述したような心理学的現象を意識した上で、そうならない状況を作り上げる必要があります。
全ての心理学現象を抑えるのはかなり骨が折れるため、ひとまずは「プロセス・ロス」を低減させ、「プロセス・ゲイン」を促進するために「チーム力を日頃から上げておくこと」から始めるのが望ましいと考えます。

本セクションは、「同記事」からの引用で閉めます。

集団の創造性を引き出そうとするならば、プロセス・ロスの影響を超えるために、コミュニケーションに必要なエネルギーを小さくして「あうんの呼吸」を実現するメンバー間の親密さを高める工夫や、各自が明確な役割と責任を持って話し合いに臨み社会的手抜きの罠に落ちない工夫が必要となることを理解して、話し合いの手順を考えることが重要になると考えておく方が良い。


3.Google社によるアプローチ

ご存知の方もいるかもしれませんが、Google社にて「プロジェクト・アリストテレス」と題して、「チームの生産性を高める秘訣を探ろう」という試みが行われました。
その結果、高い生産性を持つチームは、以下の5つの特性が示されました。

特性 内容
信頼性 チームメンバーは、基準をクリアする品質の仕事を、決められた時間内に終わらせることができる。
構造と透明性 チームメンバーは、明確な役割、計画、目標を持っている。
意味 チームメンバーは、仕事に個人的な意義を感じている。
影響 チームメンバーは、自分たちの仕事には大きな意味があり、社会全体の利益にプラスの影響を与えると信じている。
心理的安全性 チームのメンバー一人ひとりがそのチームに対して、気兼ねなく発言できる、本来の自分を安心してさらけ出せる、と感じられるような場の状態や雰囲気

特に最後の「心理的安全性」が特別に影響が高かったと述べられています。
詳しい内容が気になる方は、最後に参考ページをまとめているので、そちらからご確認ください。

心理的安全性の高め方

端的に3点です。これは心理的安全性の権威「エドモンドソン教授」の講義で述べられたものと同じです。

  • 自分たちがこれまで経験したことのない「不確実なこと」や「人々が頼り合って行うこと」が山ほどあるということを明確にし、職場の全員の考えや声が必要であるという前提を形作る
  • 部下から「ミスをしました」という言葉を素直に聞ける雰囲気を作る
  • チームのメンバーにたくさん質問する

個人的結論

改めて提示するほどでもないですが、「心理的安全性を高めること」が重要です。

現場で使える実践ガイドが、研究結果の 「原文」 もしくは 「日本語訳(拙訳)」 にあります。活用してみたい方はぜひ読んでみてください。

このセクションは「エドモンドソン教授の発言」から引用して閉めます。

現実の職場は複雑で相互依存的なものであり、簡単に状況を改善できるものではありませんが、人々が一丸となって挑戦しがいのある仕事にうちこむことで、学びがあり、やりがいのある仕事場を作れるようになる


最後に

やばい!風呂敷を広げすぎた!まとめきれる気がしないぞ!と、何度思ったことか・・・
「個人的な結論」で述べている部分が、やや強引なのは、「風呂敷がたためきれてない」綻びです。(雑記事ですみません。。。

とは言え、大きく間違った内容では無いとは思っているので、もしよければ参考にしてみてください。

本記事を参考にして頂くというよりは、参照/引用元を改めて見ていただき、その上でご自身の会議力向上/チーム力向上に役立てていただければと思います。

ひとまず自分は、上司にこの手前味噌な記事を読んでもらうところから始めようかな、と思います。

以上です。


参考/引用

本記事はネット上のレビュー等から分かる部分だけ触れて記載しています。
参考/引用した記事は以下です。

「京都大学経営管理大学院会議スコアリング/革新プログラム」関連の記事

心理学観点の記事

プロジェクト・アリストテレス関連の記事
日本語記事

原文系

「re:Work」・・・Google社が実施したプロジェクトの調査分析結果や人事に関する企業事例記事をまとめた情報サイト

心理的安全性に関する記事
心理的安全性の定義に関するもの

心理的安全性の向上について



  1. ぶっちゃけ、これら3つのアプローチを選択したのはたまたまです。「会議 改善」でググって出てきたものをどんどん掘って行ったら、こうなっただけですが、それなりに綺麗にはまとまったと思っています。 

  2. 適切な表現をするなら「京都大学経営管理大学院の研究からの抜粋」です。(京都大学経営管理大学院会議スコアリング/革新プログラムより) 

  3. 正しい定義ではなく、個人的な見解です。大学の時、心理学を専攻していました。(成績はさっぱりでしたが、すごく面白い学問ですし、心理学を専攻してよかったと今でも思っています。) 

  4. いずれも「オージス研究所で公開されている山口裕幸先生の記事」を元に心理学用語をピックアップしております。まとめる都合で私の解釈が少なからず入っている&触れていない部分もあるので、詳しいことが知りたい方は、ぜひ本文をご覧になってください。1記事1記事が濃いので、すげぇ頭使うけど、面白いです。 

  5. 心理学的アプローチであれば、科学的手法を用いるべきです。今回は、「心理学用語を用いて、個人的な仮説を立てる」までしか行わないので、「心理学用語からのアプローチ」と表現しています。(心理学は科学的だけど、この記事は科学的ではないアピール) 

  6. 厳密な定義は記載の通りですが、個人的には『論理的とは言い切れない、「勘」という表現に近しい、一般的な思考における特徴/傾向』ぐらいに理解しています。 

  7. 自分たちの集団の正当性に関して過度の楽観主義に陥り、不敗の幻想や過度の楽観論が支配的となって、極端なリスクテイキング(挑戦的決定)が行われる 

  8. 自分たち固有の道徳・価値観を無批判に受け入れ、決定がもたらす倫理的結果を考慮しない 

  9. 敵のリーダーを悪人・不誠実・弱虫などネガティブにステレオタイプ化して、外集団に対する安易な蔑視・軽視を行い、スローガン的な単純(ステレオタイプ的)思考に陥る