はじめに
前回に引き続き、今回はユーザー視点でサービスを利用してもらうための分析手法を説明します。
現在、インターネットの海の中で様々なサービスが乱立しているとおもいますが、
私達が日常的に利用しているサービスの中で、無意識的に画面操作を行っているように思いがちかもしれませんが、
必ずと言っていいほど見ている画面やクリックしたボタンなどの操作はなにかしたの理由があって行っている場合が多いです。
そういったユーザー側の心理を元にインターネットサービスは日々改善されていってるのですが、今回はユーザーシナリオと呼ばれるフレームワークを元に解決していきます。
ユーザーシナリオ
前回、ロジック・ツリーの説明で用いたショッピングサイトを例とします。
購入までの手順
ショッピングサイトで商品を購入するとき、以下のような手順で購入することが想像できます。
- ショッピングサイトに訪れる
- 商品を探す
- 商品を吟味する
- 商品を購入する
購入までのユーザー心理
次にこのような手順を踏む際のユーザー心理を考えてみましょう。
今回は、ノートパソコンを購入したいユーザーを例とします。
- パソコンがほしい。Google検索で「ノートパソコン 買う」で検索してみよう。ショッピングサイトがでてきた。見てみよう。
- ノートパソコンは「軽くて」「バッテリーが長持ち」するものがほしいな。予算は「15万円以内」がいいな。
- 3台検索結果にヒットした。どれが一番いいのか比べてみよう。
- このMacのパソコンにしよう。購入画面は...
このようにユーザーの心理が働くのではないでしょうか。
サイトとユーザー心理の紐付け
ショッピングサイトの手順とユーザー心理の番号を見比べてみてください。
ユーザー心理に対して、ショピングサイトの各番号の画面はなんとなく一致しているように見えはしないでしょうか。
これは、ユーザーが求める価値や欲求に対して、ショッピングサイトがその心理に適合させるような設計になっているからです。
実は、これらを図や表に落とし込んだものがユーザーシナリオとなります。
ユーザーシナリオの作成
上記で記載したユーザー心理を、それを分析した際に見えてくる価値や欲求、また、実際のユーザー操作となる各画面の遷移を紐付けます。
これらを行うことで、ユーザーに対して説得力のあるサービスを作っていく足がかりとなるのではないでしょうか。
ちなみに、上記の図に書かれている「要件」とは、エンジニアが一般的に開発する上で行う要件定義に繋がってくる材料となってきます。
次に見えてくるもの
上記で添付したユーザーシナリオの画像の下部のほうにキャリアやユーザーイベントといった項目があるとおもいます。
上記でユーザー心理がなんとなく分かったと思いますが、実はユーザー心理は1種類しかないわけではなく実際には多くの要因によって複数存在する場合が多いです。
その要因といったものが、
例えば、キャリアです。普段パソコンとスマートフォンの両方を持っている場合、利用しているサービスや時間帯、用途などが異なっているかとおもいます。それがユーザー心理にも影響してきます。
パソコンの場合は、会社や家でしか使わないので、昼休みや夕食後などに利用することが多く、スマートフォンは通勤通学中などの隙間時間に利用することが多いのでこれらが心理に違いを生み出す可能性があります。
また、性別や年齢、国籍や地域などによっても異なる場合も起因するがあります。
以上のことから、次に考えるべきことはサービスを利用してもらいたいユーザー
いわゆる「ターゲット」を設定することを始めるのがよいでしょう。
さいごに
次回は、少し趣向を変えて各種ツールを触ってみて、
KPIを設定するための現状のサービスを分析したり、どういった指標をKPIに設定すればロジック・ツリーとして成り立つのかを紹介できればと思います。