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OutSystems Agent Workbenchを触ってみた

Last updated at Posted at 2025-12-07

はじめに

今年の10月にポルトガルで開催された、OutSystemsのカンファレンスにて、OutSystems Developer Cloud(ODC)向けの新機能、「OutSystems Agent Workbench」以下(Agent Workbench)が発表されました。
Agent Workbenchは、従来の生成AIから一歩踏み込んで、一部の作業を人間の代わりに実行してくれるAI、エージェントAI(Agentic AI)を、OutSystemsの中で使うための一連の機能です。

実はこの機能、発表初日からいきなり開発者向けに無料公開されていて、個人用環境の中で自由に試すことができます。
というわけで、さっそく一通り触ってみた結果をご紹介したいと思います。

必要なもの

  • OutSystems Developer Cloud Personal Edition
    開発者向けに公開されている、いわゆる無料お試し版です。
    以下のURLから無料で作成ができます。
    お試し版と言いつつ、実装面はほぼ全ての機能が無制限に使える太っ腹仕様です。
    https://www.outsystems.com/personaledition/

Agent Workbenchの使い方

新しいアプリを作成するメニューに、そのものズバリ"Agentic App"という選択肢があるので、これを選択します。

スクリーンショット 2025-12-06 200213.png

使用するAIは、お試し用に用意されたもの2種類から選べます。
(もちろん、自分で用意したモデルを利用することもできます。)

スクリーンショット 2025-12-06 200306.png

ポチポチと操作を進めていくと、基本的なエージェントアプリが自動で生成されます。
image.png

エージェントAIの呼び出し

先ほど作ったエージェントAIはサービスアクションとして公開され、入出力パラメータの型も、テキストに限らず自由に決めることができるので、他のアプリからは普通のアクションと同じように呼び出すことができます。

スクリーンショット 2025-12-07 181600.png

アプリでエージェントAIを使用する

実際に、作成したアプリからエージェントAIを呼び出して、処理をさせてみました。
今回はシンプルに、「レシートや領収書の画像を送ると、購入内容を判別して、経費として認められるか判断する」というアプリを作ってみました。

システムプロンプトはこんな感じのものを用意しました。

# 役割
あなたはわが社の経理担当者です。
ユーザー(社員)から送信されるレシートの画像を確認し、経費として認められる内容であるか審査し、以下の3つに判別してください。
1: Pending(判断不可) = グレーゾーン、あるいは物品の内容判別できず、人間のスタッフによる判定が必要。
2: Validated(許可) = 経費として認められる。
3: Rejected(不許可) = 経費として認められない。レシートが判読できない場合もこの判定。

# 手順
- 受け取った画像のレシートに記載された内容から、大まかに何を購入したか判別してください。
    - 食料品の購入、飲食代は経費として認めません。
    - それ以外の物品の購入は経費として認めます。
    - 判断できない場合は、グレーゾーンと判定します。
- 最後に、わかる範囲で購入品の内容、判定結果と、判定結果の理由(コメント)を記載して、出力してください。

手元にあったレシート(&全く関係ない画像)をいくつか読み込ませてみた結果がこちらです
image.png

レシートの内容を読み取れなかったり、無関係な画像もなぜか文房具のレシートとして認識されていたりと、画像認識は散々な結果ですが、認識した内容を判定して、結果をデータベースに記録するところはうまくいっているようです。

※無料版で利用できるモデルはトークン数が少なく、画像をかなり縮小しないとプロンプトに入れられなかったので、画像認識の精度はどうしても低くなってしまいました。

ユーザーに品目や金額、購入目的などを入力させるようにして、AIに渡す情報を補強してあげるとよかったかもしれません。

おわりに

付け焼き刃ながら、一通りAgentWorkbenchの機能を試してみました。
今までのOutSystemsにない機能で、UIもかなり新しいデザインになっていて、最初はとっつきにくい部分もありましたが、入力パラメータ、出力パラメータの設定の自由度や、プロンプトの作成部分のコードなど、既存のOutSystemsの実装に違和感なく繋げられるように作られている印象を受けました。

今回は使いませんでしたが、AIに自身の判断で他アプリの処理(アクション)を呼ばせる、といった機能もあるようなので、次回はもっと複雑な動作をさせるエージェントAIアプリを作成してみたいと思います。

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