質問の上手さは、その人の仕事の成果にそのまま反映されます。
特にエンジニアは仕事上、自分だけでは問題が解決しないことが多いため、適切なタイミングで質問をすることが求められます。
その際、
質問のしかたと質問のタイミング
を習慣レベルで最適化することが、成長を続けること・周りからの評価を得ることにおいては必要です。
勇気を授けるエンジニア質問テンプレート集
パターン①
"""
現在〇〇をしようとすると、△△になるという問題で困っています(結論ファースト)
行った手順としては
(手順①)
(手順②)
です。
考えられる原因は
{原因の仮説①}
{原因の仮説②}
があると考えました。
{①に対する解決策①´}
{②に対する解決策②´}
を試しましたが、それぞれ
{①´を行った結果}
{②´を行った結果}
という結果になりました。
どこが原因と考えられるでしょうか。
"""
いかがでしょうか。
「こんなに長い質問をしたらうんざりされちゃうよ!」と思った方もいるかもしれません。
安心してください。問題が明らかな場合は
"現在〇〇をしようとすると、△△になるという問題で困っています"
"行った手順は~~です"
と言った時点で「あ、それは~~だからだね」という回答が返ってきます。
そこまで聴いて解決策が分からない場合は、質問される側も現状を把握する必要が出てきます。
そこで現状を正確に伝える必要があるのです。
パターン②
"""
現在やっている(考えている)ことは〇〇です。
私は~~に問題(課題)があると考えています。
なぜなら××だからです
そのため、この後△△をしようと思っています。
この方向性で進めていいかどうかFB頂きたいです。
"""
もう少しシンプルなパターンも挙げてみました。
ここでの重要な点として、
・今の課題(問い)
・答え(仮説と根拠)
・欲しい回答(反応)
が全て含まれていることです。
これらが含まれていることで、
・そもそも何が聴きたいのか
・そもそも認識している課題が間違っているのか
・課題は捉えられているが仮説と根拠に違和感があるのか
を判断することができます。
なぜ質問のしかたに気をつけなければいけない?
自分が損をする
思考力の無い人間になる
ビジネスは問題解決の繰り返しであることは皆さんも承知しているところだと思います。
自分で分からないことは聞いた方が良いとはいえ、自分なりに考えることさえしないと自らの思考力が育ちません。
自分なりの仮説を持ち、それを質問の回答で検証するような気持ちで質問をしましょう。
周りからの評価がどんどん低くなる
シンプルに上司からの評価が低くなります。
質問の仕方によっては、
「それって自分でちゃんと考えたの?」
「少し調べればそれくらい分かりそうだけどな」
と思われてしまいます。
相手が損をする
相手のリソースを奪う
質問を聴いてもらっている間、FBを貰っている間は相手の作業を止めています。
自分に時間を割いてもらっていることを念頭に置き、適切な内容・タイミングで質問をできるようにしましょう。
質問の設計方法
質問するタイミング
基本理念は「締切を決め、そのタイミングで当てる・質問する」です。
Googleの15分ルールはその具体的な方法として有名です。
これは「15分自分で考えてみて、進展がなかったら誰かに相談する」というものです。
前者ができないと他人の時間を無駄にする。
後者ができないと自分の時間を無駄にする。
というシンプルな考え方です。
この15分という数字は人によっては短いと感じると思いますので、30分・45分と試してみて自分に合うものを探しましょう。
ただ大切な考え方は、設定した締切までに徹底的に考えることです。
締切を伸ばして楽をするのでは意味がありません。
質問する時のコツ
簡潔に話す
陥りがちな罠として、「とりあえず今考えてることを話そう」とだけ決めて質問し始めることがあります。
時間を無駄にするよりはとりあえず質問する、という考え方は良いですがそのままだと「結局何が聞きたいのか」を相手に理解してもらうのに時間がかかってしまいます。
コツとしては、先ほども書いた
・今の課題(問い)
・答え(仮説)
・欲しい回答(反応)
を明確にし、最低限それだけ伝えるよう意識することです。
当事者意識を持つ
これは自分目線でも相手目線でも、心構えとして一番重要です。
「何が何でもこの課題を時間内に解決する」という意識は、相手に当てるまでのアウトプット量として表れるだけでなく、態度として相手に伝わります。
魚を与えてもらうのではなく、釣り方を教われ
これは有名な老子の言葉「魚を与えるのではなく釣り方を教えよ」を部下目線にしたものです。
つまりは、「答えを与えてもらうよりも、答えに辿り着くための方法を学べ」ということです。
これは質問する時に心がけることではありませんが、質問し終わった後に自分で考えることで圧倒的な成長につながるでしょう。
なぜ自分がその答えに辿り着かなったのか、何が足りなかったのかを考えることで、自分が成長のために必要なこと、目指すべき姿とのギャップが明確になります。
テキスト・メモを見せながら質問する
簡単かつ意外と有効な方法として使えるのがメモを見せながら質問することです。
一度質問したいこと・自分の考えたことの要点をテキストに起こすことで、
・相手につたえたいことを理解をしてもらいやすい
・質問するまでに準備をしてきたという意識が伝わる
・自分の思考の過程がテキストに残る
と良いことだらけです。
ぜひ実践してみてください。
こんな質問は嫌だ
大喜利ではありません。
上司の目線で見てみることで、質問される側の気持ちが分かります。
自分がこのような質問のしかたをしていないかをチェックしてみましょう。
エラーが出ました。見て頂きたいです。...(無言)
ただ「見て頂きたいです」だけでは上司はどこから見たらよいか分からず、どこに問題があるのかを探すところから始めなければなりません。
この場合は少なくとも
・自分が触った部分はどこなのか
・考えられる原因と試した内容
を示すことで、質問される側が最初に思い浮かぶ膨大な選択肢からある程度可能性を絞ることができます。
また、現代では検索やChatGPTに質問することでエラーに関しては調べやすい環境になっているので、原因は挙げやすいと思います。
〇〇さんに~しろと言われたのですが、どうすればいいでしょうか
ここまで読んで頂いた皆さんなら、この文章の中にたくさんのつっこみポイントがあることが分かると思います。
心の中でたくさんつっこんでみてください。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
これらの内容は、頭の中では分かっていても意外と実践できないものです。
まずは心構えとして意識づけし、自分の習慣にしていきましょう!
最後に今回のような仕事の進め方で参考になる書籍を紹介します。
・ロジカル・シンキング(照屋華子・岡田恵子著)
・入社1年目の教科書(岩瀬大輔著)
お読み頂きありがとうございました。
少しでも皆さんのお役に立てたら幸いです!
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