ゲームクリエイターになって読んでいてよかった本
個人的な話になりますが、思い起こすと数々のゲーム開発の現場に参画し、いろいろな経験をさせていただきました。その中での多くの経験や出会いによってリリースしたゲームは、何者にも変えられない最高のものだと確信しています。
現在、ゲーム市場は開発費や開発期間を多く費やしても売れない時代になっています。この現状には、費用や時間だけでは解決できない、「新しいアイデアの創造」や「開発チームの技術・モチベーション向上」など多くの課題解決が必要以上に求められているからです。
多くの課題解決のために、現場で役立つゲームクリエイター必読のおすすめの本をまとめました。
対象者
- ゲームクリエイターになりたい人
- ゲームクリエイターで挫折しそうな人
- 新しいことやアイデアを形にしたい人
興味のある方は是非読んで頂きたいです。
本について
2019/09/01 現在までに読んで良かった本
新しいアイデアの創造に関する本
『アイデアのつくり方』
ジェームス W.ヤング (著), 竹内 均 (解説), 今井 茂雄 (翻訳)
60分で読めるけれど一生あなたを離さない本。《アイデアをどうやって手に入れるか》という質問への解答がここにある。
100ページくらいの薄い本です。読書の苦手な方でも手に取りやすいと思います。
(ゲームクリエイターは大量の文章を瞬時に理解する必要がある仕事なので、読書が苦手は致命的だと思いますが...)
アイデアづくりの思考法が、非常にシンプルに分かりやすく述べられています。「人はどのようにしてアイデアを手に入れることができるのか」という疑問に正面から答える内容のとても濃い本です。
「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ
玉樹 真一郎 (著)
元任天堂の企画開発者による
ビジネスに活かせる発想法を大公開!
人の心を動かし「ついやってしまう」仕組みと手法について体系的にまとめられた本です。
商品・サービス・アプリ・イベント等の企画・マーケティング・開発・プロデュース担当者必読の一冊です。
(本当に良い本なので、紹介するのを考えました...!! 現場で確実に使える発想がまとまっています。)
考具 ―考えるための道具、持っていますか?
加藤 昌治 (著)
考えるための道具、持ってますか?
丸腰で、仕事はできない。
あなたのアタマとカラダを『アイデア工場』に変えるとっておきのシンキング・ツール教えます!
- 考えるための道具**『考具』**
- カラーバス
- フォトリーディング
- アイデアスケッチ
- ポストイット
- マンダラート
- マインドマップ
- アイデアスケッチ
- ブレーンストーミング
- 5W1Hフォーマット
多くのノウハウやツールを使うことで、アイデアを考えることがものすごく楽になります。
(知っている人と知らない人では、目に見えてわかるほど仕事に大きく差があります...)
開発チームの技術やモチベーション向上に関する本
リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)
Dustin Boswell (著), Trevor Foucher (著), 須藤 功平 (解説), 角 征典 (翻訳)
美しいコードを見ると感動する。優れたコードは見た瞬間に何をしているかが伝わってくる。そういうコードは使うのが楽しいし、自分のコードもそうあるべきだと思わせてくれる。本書の目的は、君のコードを良くすることだ。
コードは理解しやすくなければならないです。この本は理解しやすいコーディングを様々な場面で紹介しています。
名前の付け方、コメントの書き方など表面上の改善について。コードを動かすための制御フロー、論理式、変数などループとロジックについて。
またコードを再構成するための方法。さらにテストの書き方などについて、楽しいイラストと共に説明しています。
ゲーム制作者になるための3Dグラフィックス技術
西川 善司 (著)
ゲーム制作者を目指す人は必携の3DCG基礎知識解説書!
2013年以降、現在に至るまでのゲームグラフィックス技術情報も網羅しています。
3Dグラフィックスを2次元アニメのように表示させるテクニックを、カプコンのストリートファイター5などの実例を見ながら理解できます。
ゲーム制作現場において必須となる3Dグラフィックスの基礎知識から、実際のゲームで実装されている様々な表現技術の概要までを、この1冊で広く学べます。
この本では実際のゲーム画面や開発画面・図版を多数掲載しており、開発初心者の人や学生でも分かりやすく解説しています。
勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」
梅原大吾 (著)
世界一のプロ・ゲーマーに学ぶ勝負哲学!
「たかがゲーム」という世間の冷たい視線に耐え、「どうすれば自分を向上させることができるのか」を常に考えている著者の強い意志が学べます。「楽な勝ち方ばかりしていてはやがて勝てなくなる」「変化なくして成長なし」「最もライバルが多いゲームをあえて選ぶ」など、著者がこれまで実践してきた、勝ち続けるための勝負哲学は、ゲームの世界のみならず、いまの社会を強く生き抜くための指針でもあります。
(凄まじい経験の上なので説得力が段違いにあります。挑戦することに迷わず突き進む力になります。)
熱狂する現場の作り方 サイバーコネクトツー流ゲームクリエイター超十則
松山 洋 (著)
業界内外から注目を集めるゲーム開発会社の妥協なき開発姿勢の源泉や「成功の方程式」とは何か?「熱狂する」現場と、「熱狂させる」ゲームの作り方がまとめられた本です。
エンターテインメントという薬 -光を失う少年にゲームクリエイターが届けたもの-
(「エンターテインメントは誰かのための生きる勇気になる。生きる力になる。」仕事への情熱を再度与えてくれた作品です!!)
熱狂する現場がコミックでも感じられます。
チェイサーゲーム (1) コミックス
チェイサーゲーム (2) コミックス
チェイサーゲーム (3) コミックス
チェイサーゲーム (4) コミックス
岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。
ほぼ日刊イトイ新聞 (著, 編集), 100%ORANGE (イラスト)
任天堂の元社長、
岩田聡さんのことばをまとめた本です。
ほぼ日刊イトイ新聞に掲載されたたくさんのインタビューや対談、そして任天堂公式ページに掲載された「社長が訊く」シリーズから重要なことばを抜粋し、再構成して1冊にまとめまられています。
岩田聡さんのクリエイティブに対する思いや経営理念、価値観、ポリシー、哲学などが凝縮されています。
(本当に良い本なので、紹介するのを考えました...!! しかし、既に有名になってしまったみたいです...!!)
前半3章が無料で公開されています。 (2019/10/25 現在)
https://www.1101.com/books/iwatasan/free/index.html
さいごに
ゲームクリエイターは「ゲームはこうでなくてはならない」という固定観念を変える職業だと思っています。
しかし、ゲーム業界も時代によっていろいろな制限が増え、制限があることが当たり前のことだと考えている状態が多いです。また、こうした状況で無意識のうちにできた制限も本当に多いです。
固定概念に囚われず、ゲームは自由度の高いメディアとして存在し続けてほしいと思います。
現在、自分の感覚や技術はもう時代についていけてないと感じています。そして今後は若いクリエイターが、若い感性や新しい技術でゲームを作ってくる時代へ移っていくと思います。もしかしたら、ゲームクリエイターという職業はなくなり、より幅広い活躍をすることになるかもしれません。
そのような状況でも、先人たちがすでに経験したことがまとめた本を読むことによって、同じ過ちを犯さなくて済んだり、より整理されたスマートな方法を採用することで、うまく対処することができるようになるのではないかと思います。
紹介した本を読んで、最高のゲームがリリースされれば嬉しいです。